フランスで起こる騒動に、パリ・サンジェルマンFWキリアン・エンバペが立ち上がった。
6月27日、フランスのパリ郊外ナンテールで17歳の少年が交通検問中の警察官に銃で撃たれ死亡する事件があり、現地では現在に渡り抗議活動が行われている。
当局によると、少年が停車命令に従わなかったとして発砲したとのこと。少年は北アフリカにルーツを持ち、発砲した警官は意図的な殺人の容疑で取り調べを受けているという。マクロン大統領も「正当性がなく容認できない」とこの件について批判していた。
各地で警察の過度な暴力や人種差別に対する抗議行動が続く中、フランス代表の顔でもあるエンバペが自身のSNSで声明を発表。以下のように怒りをあらわにし、抗議した。
「すべてのフランス人と同様、私たちも若きナヘルの残忍な死に心を痛め、衝撃を受けている。まず第一に、彼と彼の家族に哀悼の意を。お悔やみ申し上げます」
「もちろん、この受け入れがたい死が起こった状況に対して鈍感であり続けることはできない」
「この悲劇的な出来事以来、民衆の怒りの表明を目の当たりにしてきた。私たちの多くは労働者階級の出身であり、こうした痛みや悲しみの感情を共有している」
「しかし、この苦しみに加え、まさに自滅の過程を目の当たりにする無力感もある。暴力は何の解決にもならないが、それが必然的に、執拗に、それを表現する人々、その家族、愛する人、隣人に対して向けられるのであれば、なおさらである」
「あなたが破壊しているのは、あなたの財産であり、隣人であり、町であり、充実と近接の場所なのだ。この極度の緊張を背景に、私たちは黙っているわけにはいかない。私たちの市民としての良心は、宥和、自覚、責任感を求めるよう促している」
「それは、私たちの街に平和を取り戻すために働かなければならない、近所の社会的プレーヤー、両親、兄や姉のことである。私たちが愛着を抱いている "vivre-ensemble"(共に生きるの意)は危機に瀕しており、それを守ることは私たち全員の責任なのだ」
「自分自身を表現する平和的で建設的な方法は他にもある。そこに私たちのエネルギーと思考を集中させる必要がある。暴力の時間は終わり、喪に服し、対話し、再建する時間に取って代わらなければならない」


