ニュース ライブスコア
ラ リーガ

「衝撃的だった」「勇敢」ビジャレアルの伝説、カソルラが久保建英を激賞。レアル・マドリーの思惑と魔術師が見る光明

11:48 JST 2020/08/14
kubo
その去就が注目され続けてきた久保建英の新天地がビジャレアルに決定。スペイン紙『マルカ』レアル・マドリー番記者ミゲル・アンヘル・ララは、久保の力が遺憾なく発揮できる場所として相応しいクラブだと強調。ビジャレアルのレジェンドであるサンティ・カソルラの言葉を交え、この移籍が生み出し得る未来への可能性を綴る

久保建英はさらなる飛躍を期することになる。それも、凄まじい飛躍を。マジョルカで最後には成し遂げられなかった降格を回避するための争いに身を置いた彼は、2020-21シーズンにビジャレアルのユニフォームを着てプレーすることになる。

黄色いユニフォームに袖を通すというのは、久保にとってはあらゆる意味でドラスティックな変化を意味している。彼が新たに所属するクラブは、ラ・リーガで上位に食い込むことを当たり前としており、その目標はマジョルカがこれまで掲げてきたものとはまったく異なる。ビジャレアルが見据えるのはチャンピオンズリーグ出場権の4位以内であり、ヨーロッパリーグ出場権すら獲得できなければ、彼らにとっては失敗のシーズンと形容できる。

また欧州カップ戦出場以外に、いや、気持ち的にはそれ以上に達成を願っているかもしれない目標が、タイトルの獲得だ。彼らは2006年にチャンピオンズの準決勝に到達するなど、小さな町クラブながら大きな存在感を残し続けているが、クラブハウスにメジャーなトロフィーを飾った経験がない。来季であればコパ・デル・レイからヨーロッパリーグ優勝が、その悲願を叶える対象となるだろう。

クラブの抱える野心が違えば、当然ながら久保の周りを取り巻く選手たちだって違う。日本人MFはマジョルカでは時間こそかかったものの、最後には俗に言う「違いを生み出せる選手」として攻撃の責任を背負った。ただチームメートたちとの感覚のすれ違いは顕著で、その卓越した攻撃能力のすべてを淀みなく発揮できていたわけではない。

しかしビジャレアルの本拠地ラ・セラミカのピッチ上には、彼と感覚を共有できるであろう選手たちが多く存在する。ジェラール・モレノ、イボラ、マヌ・トリゲロス、パコ・アルカセル、カルロス・バッカ、サムエル・チュクウェゼ……。さらにバレンシアからダニ・パレホとフランシス・コクランも加わり、その陣容はかつてないほどに漲っている。そして、これら極上の質のピースをはめ込んでいく監督は、欧州フットボールの最前線で経験を重ね続けるウナイ・エメリである。攻守のバランスを求めるがあまり、攻撃的フットボールに振り切れないことで批判も受けきた監督ではあるが、これだけ豊富なタレントがひしめくビジャレアルでは、魅力的なフットボールで結果を手にする野心をたぎらせている。

■マドリーも満足の移籍

片や、久保の所属元であるレアル・マドリーに目を向けてみれば、彼らは一時代を築けるかもしれない若者を理想的なクラブに貸し出すことができたと、したり顔だ。久保がマジョルカで積んだ経験、示した実力に満足感を得るマドリーの幹部たちは、ビジャレアルこそが次のステップを踏むクラブにふさわしいと考えている。

ジネディーヌ・ジダンもその才能に惚れ込む久保について、マドリーは欧州でも上から数えられるクラブで修行を積ませることを望んでいた。彼に対するオファーは募集しなくても勝手に届き、チャンピオンズ出場レベルのクラブ(セビージャ、アヤックス、さらにはバイエルン・ミュンヘン)すら問い合わせてきたほどだった。しかながらマドリーは、久保より優先的に起用される選手たちがいるクラブへの貸し出しを望みはしなかった。……そうして決まった移籍先がビジャレアルというのも、またすごい話ではあるが。

マドリーという一筋縄ではいかない性質のクラブであるからして、あくまで現時点での話にはなるが、久保には将来的な居場所が用意されている。現実問題として、日本人である彼は永遠にEU圏外の一枠を占め続けることになるが、マドリーはエデル・ミリトン、ヴィニシウス ・ジュニオール、ロドリゴのブラジル人3選手のいずれかがスペイン国籍を取得できるように働きかけており、余った枠を久保のために使う予定だ。そして、これが現場ではなく、クラブ首脳陣のプランであることも強調しておこう。トップチームの長たるジダンはたとえブラジル人3選手のいずれかを手放すことになっても久保を戦力に加えることを望んでいるが、クラブ側のプランは異なっているということだ。

 

■レジェンドも激賞

かくして久保は、おそらくこれが最後になるであろう、マドリーを離れてマドリーへと戻る挑戦をスタートさせる。私たちはこの挑戦がどんなものになるかを予言する上で、これ以上ない人物に意見を求めた。右足切断の危機を乗り越え、ビジャレアルで再び極上の煌めきを見せた両利きの魔法使い、サンティ・カソルラだ。2019-20シーズン限りで黄色いユニフォームを脱ぎ、チャビ・エルナンデスが監督を務めるアル・サッドへと移籍したカソルラは、ビジャレアルで自身の空けた穴を埋めるべく加入した若き俊英について問われると、まるで問わず語りであるかのように言葉をまくし立てていった。フットボールを心底愛する彼にとって、日本人MFはやはり刮目すべき選手であるようだ。

「僕たちが話題にしているタケ・クボって選手は途方もない未来をつくり出せる存在だ。マジョルカでは困難もあっただろうが、それでも僕たちは彼の創造するフットボールに釘付けになってしまった。ビジャレアル移籍はクボにとって大切なステップアップになる。もちろん彼がまだ若く、成長途中の選手であることを忘れてはいけない。改善されるべき部分はいくつもあるだろう。それが誰にでも当てはまる人生の掟というやつだ。だけどビジャレアルだったら、クボが内に秘めている力を存分に引き出せる土壌がある」

「これからクボは、マジョルカとはまた違ったものを求められることになる。ビジャレアルは上位に位置するために戦っていく義務があり、最高とされるチームたちに迫らなくてはいけない。ただ、そのピッチ上での振る舞いやメディアでの話し方を見ている限りは、とても落ち着いている。19歳という年齢に似合わないくらいに。彼が怖気づくなんてことはなさそうだ。やっぱり今季のビジャレアルへのレンタル移籍は、理想的なものだったんじゃないかな」

カソルラが初めて久保のプレーを目にしたときには、一つの言葉が頭に浮かんだという。それは至極単純なスペイン語の形容詞ながら、若くして道を切り拓いていく彼を象徴する。

「バリエンテ(勇敢な、勇気のある、強い、たくましい)、だね。クボはラ・リーガ1部という舞台でも気後れすることがなく、常にボールを求めていた。そしてそれを持ったときにはためらわず前へと進んでいく。勝負を仕掛けられる、仕掛けられる力があるというのは大切なことで、そこからゴールに近づく選択肢が生まれるんだ。本当、僕好みの選手だよ」

「昨季のクボはまさに衝撃的だった。(相手DFとMFの)ライン間での動きはファンタスティックで、シュートもある。ビジャレアルみたいに伝統的にボールを持ったプレーを大切にするチームだったら、より素晴らしい彼が見られるはず。試合をこなす毎に、躍動の意味に深みをもたらすクボの姿を、ね」

スペイン代表として欧州王者に2度輝いたカソルラにとっても、久保のビジャレアル到着は祝辞を述べなければならない出来事だった。あとはもう、久保次第だ。ビジャレアル入団会見で、将来的なレアル・マドリー復帰の可能性について問われて「今はビジャレアルのことしか考えていない」と語った彼は、黄色いユニフォームでのプレーだけに全神経を集中するのだろう。そして、その姿勢は「ためらわず前へと進んでいく。勝負を仕掛けられる」という偉大なる先達の言葉に、新たな方向性を与える。それはもちろん、未来に向けて、である。

文=ミゲル・アンヘル・ララ(Miguel Angel Lara)/スペイン『マルカ』レアル・マドリー&スペイン代表番記者、江間慎一郎
翻訳=江間慎一郎(Shinichiro Ema)

ラ・リーガ|最新ニュース、順位表、試合日程

▶ラ・リーガ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【関連記事】
DAZNを使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)をテレビで見る方法7つを厳選!超簡単な視聴方法を紹介
DAZNの2020年用・最新取扱説明書→こちらへ  ┃ 料金体系→こちらへ  ※
【簡単!】DAZNの解約・退会・再加入(一時停止)の方法を解説  ※
DAZN番組表|直近のJリーグ放送・配信予定  ☆
DAZN番組表|直近の海外サッカー放送・配信予定  ☆
Jリーグの無料視聴方法|知っておくと得する4つのこと
「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
「☆」は提携サイト『 DAZN News 』の提供記事です