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「ユヴェントスは退屈で、アイデンティティも蒸発した」苦戦する名門を伊紙が分析

チアゴ・モッタ監督率いるユヴェントスについて、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が特集を組んで厳しい批評を行った。

昨季ボローニャを躍進に導いたモッタ監督を招聘し、新たなプロジェクトの下で再出発したユヴェントス。しかしセリエAでは5位、チャンピオンズリーグではリーグフェーズ20位と期待されたような結果を残せていない状況が続いている。

そして『ガゼッタ・デロ・スポルト』は、「老貴婦人(ユーヴェの愛称)はどこへ行った? 結果が指揮官に責任を突き付けているが、幹部らも混乱し、選手たちの多くもユーヴェらしくない」などと苦言を呈した。前任のマッシミリアーノ・アッレグリ監督と比較し、「現在の状況は似ている。主犯はチアゴ・モッタだ」と指摘している。

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今季ユヴェントスはセリエAで1敗のみだが、13引き分け(8勝)とリードを守りきれずに勝ちきれない試合が増えており、同メディアは「ユヴェントスの典型的なアイデンティティが蒸発してしまったことに気付く」と主張。「チームはスコアを守れず、これが大きな限界となっている」との見解を示した。

また「シュート数が極めて少なく、全体的に退屈で、技術や戦術面のミスで失望させる」とし、「ユーヴェはプレーしているが、競おうとしていない」とも指摘。「あの歴史とDNAを持つクラブにとってさらにひどいのは、ユーヴェが事実上、存在していないことだ」と批判した。「引き分けで無敗記録は伸びたが、論理なく、ついたり消えたりするチームの欠点を浮き彫りにした」と続けている。

さらにユヴェントスの責任の所在について論じ、「機能するチームの土台には強いクラブが存在するものだが、そのように感じない。2年前の激震の影響がまだ明らかだ」と主張。アンドレア・アニェッリ元会長の体制下のスキャンダルが尾を引いているとの見方を示した。

■リーダー不在のユーヴェ

続けて、強化担当のクリスティアーノ・ジュントリ氏について「平凡なチームとかなり限られた予算で奇跡を起こすための準備はなく、評価を待つべきだ」とした一方で、現在のチームについて「状況を理解し、若手選手たちに何が必要かを伝えることのできるリーダーやカリスマ性のある選手がいない」と問題視した。

ジュントリ氏は着任以降、指揮官の要望を満たすためにもレオナルド・ボヌッチやヴォイチェフ・シュチェスニーら高額な年俸の選手を放出しているが、「ディレクターがチームに重みのある選手を置く必要性の注意喚起を行わなかったことは不思議だ」と分析。「ユーヴェは現在、セリエAで最も若いチームの1つだが、今までになかったことだ」と指摘している。「将来の成功の基礎となるのかもしれないが、若いチームでは、優勝できないだけでなく、最低限の目標の到達も難しくなる」と述べ、チャンピオンズリーグ出場権の確保に警鐘を鳴らした。

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