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J2の荒野を突き進む柏で唯一無二な存在。クリスティアーノという“レイソルのキング”

■連勝街道を突き進む柏をけん引

 明治安田生命J2リーグは7月31日に第25節、8月4日に第26節が行われ、柏レイソルはファジアーノ岡山に4-0、FC琉球には5-1と大勝。これで第19節の千葉ダービーに2-0で勝利してから8連勝となり、首位を堅守している。そんな絶好調の柏において大車輪の働きでチームを導いているのがクリスティアーノだ。

 4連勝中の岡山との一戦は、開始早々にクリスティアーノの右からのロングスローがファーサイドの瀬川祐輔に流れ、先制点が生まれた。その5分後にはCKからクリスティアーノがアウトスイングでゴール前に上げ、江坂任の追加点をアシストした。後半の立ち上がりには右サイドの鋭いドリブルからのクロスでオウンゴールを誘い、決定的な3点目をもたらした。

 琉球戦はミスから先制点を許す嫌な展開だったが、クリスティアーノが岡山戦に続くロングスローでオルンガと相手ディフェンスの競合いを誘い、こぼれ球を瀬川が押し込んで同点に。さらにFKからクリスティアーノが三原雅俊とのワンツーを選択して縦パスを入れ、鎌田次郎の落としから古賀太陽が逆転ゴールを決めた。

 左サイドハーフにポジションを変更した後半は、江坂の追加点で3-1とした後にクリスティアーノのハイライトとも言えるゴールがもたらされた。

 GK中村航輔からのゴールキックの目測を相手が誤ると、相手陣内の中央から江坂がディフェンスラインの背後に浮き球のパスを送る。そこに抜け出したクリスティアーノが胸トラップで持ち出し、最後は右足で浮かせる鮮やかなフィニッシュでボールをゴールネットに吸い込ませたのだ。“太陽王”の異名を持つレイソルのキングに相応しい活躍で躍進をけん引している。

■柏が記録した全得点の半数に関与

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 クリスティアーノはここまで26試合に出場し、8得点9アシスト、さらにオウンゴールを誘ったプレーを合わせると18得点に直接的に関わっていることになる。これは柏のチーム得点36の半数だ。しかも、岡山戦のロングスローやFKなど、起点となっているシーンを加えれば大半のゴールはクリスティアーノが絡むことで生まれているのだ。

 前線でもプレーできるクリスティアーノだが、ネルシーニョ監督は4-4-2や4-2-3-1の右サイドハーフやトップ下で起用することが多い。また、ときには左サイドに回ってチャンスを作り、その流れでゴール前のフィニッシュに絡んでいく。いずれにしてもクリスティアーノにとって与えられたポジションは根城であり、周囲との連動の中で幅広く顔を出してチャンスを生み出していくのだ。

 もともと1試合の走行距離が12キロを超えるなど、運動量の豊富な選手だ。32歳になった現在も体力的な衰えは感じられないが、それ以上に優れた観察眼と状況判断に裏打ちされたポジショニングが、そうした多くの局面に絡める状況につながっているようだ。

 また攻撃においてチームに大きな影響力をもたらすことで、ボールがクリスティアーノのところに集まって来るというのもあるだろう。実際にクリスティアーノがボールを触れば、そこからシュート、ラストパス、起点のパスで多くのゴールが生まれている。

■在籍4季目の“キング”がチームを再びJ1へ

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 そのクリスティアーノには、昨年暮れに柏がJ2に降格してからオファーが殺到したという。しかし、それらをすべて断ってチームを1年でJ1に復帰させることを目標に若い選手たちを心身で引っ張っている。母国のジュベントゥージで名をあげ、2012年にオーストリアの名門ザルツブルクに移籍を果たし、欧州で順調なキャリアを歩むはずだった。

 いきなりリーグ戦とカップ戦の二冠をもたらしたが、翌シーズンに新監督の構想から外れ、事実上のセカンドクラブであるリーフェリングに移籍すると、選手登録の期間が過ぎていることを理由に長期の出場停止処分が下された。そんな不本意な状況で来日することとなったクリスティアーノだが、腐ることなくJ2の栃木SCでいきなり存在感を示すと、2014年には当時J1に所属していたヴァンフォーレ甲府に移籍を果たした。

 そして2015年に期限付きで柏レイソルに移籍すると、リーグ14得点をあげてエースの地位を確立し、天皇杯の準々決勝ではベガルタ仙台を相手に直接FKでハットトリックを達成し、その活躍ぶりは国際的にも衝撃を与えた。2016年に甲府へ復帰し、そこでもゴールを量産したが、夏に強い要望を受けて柏に完全移籍した。

 この夏でまるまる4シーズンの在籍となったクリスティアーノ。外国籍選手ながら大谷秀明、桐畑和繁、中村航輔、鎌田次郎といった選手に次ぐ古参となったが、柏の攻撃の中心として、また精神的な支柱として存在感はさらに増している。再びJ1の舞台で輝くために、レイソルのキングは終盤戦も止まることなくJ2の荒野を突き進んで行く。

文=河治良幸

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