14日のラ・リーガ第4節、バルセロナはホームでのバレンシア戦で6-0の大勝を収めた。
全面改修の工事を行なっているカンプ・ノウの使用について、バルセロナ市役所から許可は下りず……。バルセロナはBチームのスタジアム、ヨハン・クライフで今季初のホーム戦に臨むことになった。ちなみに、今も工事中のカンプ・ノウで使用できるはずの席数は2万7000だったが(完成すれば10万5000人)、ヨハン・クライフの収容人数は6000人とさらに少ない。
異例の環境下で行われるこの一戦、フリック監督はヤマル、フレンキー・デ・ヨングを負傷で欠き、また今朝の練習で遅刻したハフィーニャを罰則によってベンチスタートに。GKジョアン・ガルシア、DFクンデ、エリック・ガルシア、クバルシ、ジェラード・マルティン、MF後列ぺドリ、カサド、前列ルーニー・バルドグジ、フェルミン、ラッシュフォード、FWフェランを先発させている。
前半、バルセロナは両足でロングボールも蹴れる全能感あふれるぺドリがゲームをつくり、前線ではフェルミン、フェランが躍動。フェランがわずかに枠の上に外れるループシュートを放つなど、バレンシアの5バックの壁を勢いよく叩き続けると、29分に先制に成功した。
クバルシが前線中央のフェラン目掛けて縦パスを出すと、フェランが右足で触れたボールが左前方に転がり、フェルミンが走り込む。ペナルティーエリア内左に侵入したフェルミンは、ストライカー顔負けの絶妙な右足インサイドのシュートで、GKアギレサバラを破った。クバルシが2タッチ(トラップとパス)、フェランが1タッチ、フェルミンが2タッチ(ドリブルとシュート)と、わずか5タッチで決めた流麗なゴール……なおチェルシー移籍が噂されたフェルミンは両手で地面を指差し、「俺はここにいる!」とアピールしていた。
1点リードで試合を折り返したバルセロナ。フリック監督はハーフタイムにルーニーとの交代でハフィーニャを投入する。すると54分、ハフィーニャがゴールでもって遅刻の罰に返答した。左サイドのラッシュフォードが右足でクロスを送ると、ブラジル代表FWはファーに一人飛び込み、体を投げ出しながら右足でボールを押し込んでいる。
バルセロナの勢いはその後も収まらず、56分にはフェルミンがこの試合2点目を記録。ペナルティーエリア前、ゴールまでまだ遠い位置でボールを持ったフェルミンは、ドリブルから左足を強振。叩かれたボールは強烈なスピードで、地面から少しずつ高度を上げてゴールに迫り、横っ飛びしたアギレサバラの右手を弾いて枠内に収まっている。
バルセロナはさらに66分、フェルミンの浮き球からペナルティーエリア内に入り込んだハフィーニャも、ハーフボレーでネットを揺らしてこの試合2点目を記録。スコアを4-0とした。フリック監督はその直後にラッシュフォード、フェランを下げてオルモ、レヴァンドフスキをピッチに立たせる。
そして終盤には、今季ここまでベンチ要員となっている37歳レヴァンドフスキが、立て続けに得点。ポーランド代表FWはまず76分、オルモのパスに見事なトラップを見せて今季初得点を記録し、86分にはDFラインをギリギリで抜け出してシュートを沈めている(一度オフサイドで取り消されたが、ガジャが残っていたため最終的に認められた)。
バルセロナは結局、大量6得点でバレンシアを下し、今季ラ・リーガ成績を3勝1分けとした。首位レアル・マドリーを勝ち点2差で追っている。なおこの試合の81分には、ぺドリとの交代で1年前に前十字靭帯断裂の重傷を負ったベルナルが出場。将来を嘱望される18歳MFは、暖かな喝采を浴びながらヨハン・クライフのピッチに立ち、スルーパスからレヴァンドフスキの2点目をお膳立てしている。




