【独占】ランゲラックが考える世界トップ3の現役GKは？ CL予想＆4強クラブ守護神の“凄さ”も語る

ボルシア・ドルトムントやシュトゥットガルトでプレーし、2018年から名古屋グランパスで活躍するオーストラリア代表GKミッチェル・ランゲラック。『Goal』は、チャンピオンズリーグ（CL）など世界最高峰の舞台を経験し、現在は日本サッカー界でインパクトを残すランゲラックに、Jリーグの印象やGKの世界基準のプレーについて聞いた。

独占インタビュー後編は、ドルトムント時代に経験したCLについて。準決勝を前に、CL4強クラブの守護神や自身が考える現役TOP3のGKを聞いた。

インタビュー＝斎藤孝一

【前編はこちら！日本を称賛するランゲラック、外国人GK活躍のJリーグを語る。日本人GKが欧州ビッグクラブで活躍するには…】

■CL4強クラブ守護神は「ワクワクする」

――CLも佳境に入ってきましたが、中継はご覧になっていますか？

もちろん見ていますよ。でも日本ではキックオフが深夜なので、ハイライトが多いですね。

――CLに初めて出場した時の感想は？

CLは特別な大会です。子どもの頃からあそこでプレーしたいという気持ちをずっと持っていました。クラブのデビュー戦、代表のデビュー戦も思い出深いですが、CLは格別です。ピッチに入ってアンセムを聞いて本当にワクワクしました。スタジアムがすごく良い雰囲気で楽しくプレーすることができて、これまでのハードワークが報われたような感じがしました。

最初は、アウェーのナポリ戦で素晴らしいプレーができました。その2週間後にはホームのドルトムントに戻って大観衆の前で勝利できました。私のサッカー人生の中でも忘れがたい経験です。

――ベスト４も出揃いました。各チームのGKの特長を教えてください。

ワクワクするような4人のGKですよね。マルク＝アンドレ・テア・シュテーゲン（バルセロナ）は本当にうまいGKです。特に足元の技術が非常に高くて、セービングも素晴らしいです。ウーゴ・ロリス（トッテナム）はずっと見ていたいGKです。準々決勝ではPKも止めましたよね。アメージングなセーブでファンを沸かせてくれます。アリソン（リヴァプール）もセーブがとてもうまい選手です。リーグ戦で何度もクリーンシートをしているし、今シーズンはとても失点数が少なく安定しています。アンドレ・オナナ（アヤックス）も若いですが、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます。

――4人に共通している素晴らしい部分はありますか？

みんなしっかりとした技術を持っていると思います。変に前に飛び出してセーブをするようなGKではないということですね。存在感も抜群で、あの4人がゴールマウスの前に立っていることで『これは難しくなるぞ』と相手のアタッカー陣は思うことでしょう。その点が素晴らしいと思いますね。

――例えばバルセロナなどは非常に強力なアタッカーが存在しています。GKとしたらDF陣とどのように連携を取って失点を抑えたいですか？

難しいですね。その状況によって守り方も変わりますから。でも素晴らしい攻撃陣がいるチームと対戦するときは、より守備陣を信頼して、チームとしてしっかりと『失点をしないぞ』という意識を持ちます。でもやはり難しいですよね、良い攻撃陣のいるチームは。

■自身が考える「三大GK」は？

――対戦カードはトッテナム対アヤックス、バルセロナ対リヴァプールです。どんな試合を予想しますか？

予想というより期待ですが、バルセロナ対リヴァプールは、リヴァプールを一人のファンとして応援しています。コーチもドルトムントで一緒だったクロップ監督ですから。もちろんバルセロナも素晴らしいチームなので、勝ち負けの予想は難しいですが、でももし彼ら（バルセロナ）の運が少し悪ければ、リヴァプールが勝てる可能性は十分にあります。

それからトッテナム対アヤックス。アヤックスは若いチームだけど得点力のある選手が揃っています。でもトッテナムもクオリティの高い選手が多いので、どうでしょうかね。トッテナムとリヴァプールが決勝に勝ち上がれば面白いかな。

――ズバリ、優勝予想は？

バルセロナ対リヴァプールの勝者。どちらか上がってきたチームが優勝すると思います。だから準決勝から注目して観ていくと、よりCLを楽しめると思いますよ。

――ランゲラック選手が考える世界三大GKを教えてください。

三人ですか。難しいな。テア・シュテーゲン、アリソン、ダビド・デ・ヘア（マンチェスター・ユナイテッド）ですかね。テア・シュテーゲンはバルセロナでここ2,3年安定したプレーを見せています。アリソンは信じられないようなゴールキックを蹴りますし、デ・ヘアは、いまマンチェスター・ユナイテッドではチーム状況が良くないかもしれないですが、すごくしっかりとした安定感のあるプレーをしていますし、驚くべきセービングも繰り返しています。その3人ですかね、今見るべきGKだと思います。

――やはり選考基準は「チームを助けること」「失点をしないこと」のようですね？

セーブはもちろんですけどGKには安定感と冷静さが必要だと思います。この3人は揃ってそうした要素を兼ね備えています。必要のないプレーや、変なセーブがなく、ブレがありません。チームにしっかりとした安定感を与えて勝利に導く。それがGKにとって一番大事なことだと思いますね。

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