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Manuel Baum Augsburg

前アウクスブルク監督が語る受難の2019シーズン。マヌエル・バウムの今後は?/インタビューvol.1

マヌエル・バウムがアウクスブルクにやってきたのは2014-15シーズンのことだ。ジュニア・パフォーマンスセンターのヘッドコーチに就任したのだ。2年後にはトップチームの監督に就任。そして今年の4月、15位と低迷していた責任を取らされる形で解任された。

今回の『Goal』と『SPOX』の共同インタビューでバウムが語ったのは、アウクスブルクからの解任について、対立していたマルティン・ヒンターエッガーやジェフリー・ハウウェレーウからの批判について、イェンス・レーマンコーチの獲得について、そして午前3時に電車に乗り、監督養成講座を受けた話についてだ。

マヌエル・バウムとのインタビューは第2弾に続く。第2弾では、メディアが監督の仕事の複雑さを理解していないことについて、育成のカテゴリーでドイツが他国に追いつくためにすべきことなどを語っている。

(vol.2は こちら から)

■解任後の生活は…

MANUEL BAUM AUGSBURGGetty Images

――バウムさん、4月上旬にアウクスブルク監督を解任されて以来、どのようにお過ごしでしょうか。

計5年間も、四六時中アウクスブルクのために尽くしてきた。だから今の状況には全く慣れないけれど、少々休憩を取れるのはいい気分だね。もちろん、解任された直後は良い状態ではなかった。ただ、今は家族と過ごす時間をたくさん取れている。私には小さい子供が2人いるから、子供との時間が気分転換にもなっているよ。今ミュンヘンに家を建てているところで、この計画があることで本業のことを考えすぎないようにできているんだ。これまで会えなかった知り合いに会えているし、これまで敵同士だった関係の人にも会えている。

――あなたの日常全てだったアウクスブルクを解任されてしまいましたが、その後どのように気持ちを立て直しましたか?

考えるのをやめて他のことを楽しめるようになったのは2、3週間経ってからだった。休暇を使って気分を切り替えるのにはいつも数日もあればよかったのだけれどね。仕事に従事している間は、この仕事を離れても他にポジティブなことがあるかもしれないなんて考えもしないものなんだ。それが今は時間ができて、これまでと違った形で家族と接することができる楽しみがある。次の練習や試合の準備をしなきゃいけないぞ、と考える必要が今はないからこそだね。

――解任直後のフランクフルト戦で、チームは3-1と勝利を収めましたが、90分通してご覧になりましたか? それとも、見ませんでしたか?

見ていなかった。家族と旅行していたからね。けれど携帯でライブ情報の更新を見ていたし、勝ったことについては嬉しかった。特に経営の観点から言えば、アウクスブルクが1部に残ることは何よりも大切なことだ。マルコ・リヒターがホームで2ゴールを挙げて、その次の試合でも2ゴールしたね。これは誇らしくさえ思うよ。

――解任される直前には3連敗を喫していました。マルティン・シュミットが新監督となってからは、計9-1というスコアで2連勝を挙げました。これについてはどうお考えですか?

シュミットが言っていたことだけれど、チームを無傷で引き継いだんだよ。あの状況で必要だったのは、少しの運だけだった。監督が変わってすぐにうまく事が運ぶこともあるけれど、そうならないこともある。結論を語るのは非常に難しいことだね。

――解任の予兆は何かあったのでしょうか?

全くなかったね。呼び出しを受けてとても驚いた。我々全員がはっきり分かっていたけれども、低迷の原因は一つではなかったからね。結局のところ、これもビジネスのうちということだ。

――シュテファン・ロイター(アウクスブルクGM)による声明では、今シーズンのパフォーマンスが安定しないことが挙げられていました。

最後の試合ではホッフェンハイム相手に0-4で負けてしまった。内容もよくなかった。アウトサイドからやろうとしたことが全くうまくいかなかった試合だった。だが我々はドルトムントを倒したし、ライプツィヒとも引き分けたし、順位を争ったハノーファーにも勝利した。調子の波があることはアウクスブルクにとってよくあることじゃなかっただろうか。

――選手の信頼を失ったのではとの推測もあります。実際どうだったのでしょうか?

それは違うよ。確かにパフォーマンスは不安定だったが、監督陣とチームの間の信頼関係は決して失われていなかった。状況から解決策を学び取れる良い協力関係ができていたよ。この知見の積み重ねを来シーズンに活かしたいと思っていたんだ。

――過去2年間指揮を取り、アウクスブルクを12位、そして13位に導いたあなたは、夏にはこれまでで最高のスタートを切っていました。クラブの忍耐力が昨年までとは変わってしまい、そのせいであなたが犠牲になってしまった。そういう気持ちはありますか?

クラウス・ホフマン会長がいつも強く言っていたことだけれど、アウクスブルクでは限られた経済力のせいでパフォーマンスが上下するし、毎年1部リーグに残留できることだけでも大成功なんだ。だが、私が解任されたときには、自動降格の順位まであと4点ポイントに迫っていた。今シーズンはもう少し全体を総括してみないといけないね。

――どのように、でしょうか?

2シーズン前には、キャプテンだったパウル・フェルハーフも含めて大きな移籍があった。アウクスブルクはうまく行っていたからね。それでも正当に評価されていない選手に目をつけて、ラニ・ケディラやミヒャエル・グレゴリッチュを連れてくることができた。彼らが能力を最大限出すことができただけではなく、12位で終わることができたんだ。そうしたら次のシーズンは目標を上方修正する。選手への期待値が高くなるからね。例えば、もしシーズンで13ゴールを決めたら、次のシーズンの目標は5ゴールで、とはならないだろう。

■アウクスブルクにとって受難の2019年に

Augsburg FrankfurtGetty Images

――それでは、もっと現実的な目標にするべきだったのでしょうか?

覚えておいてほしいのは、ケディラにしろグレゴリッチュにしろ、フィリップ・マックスでさえも、ブンデスリーガ1部でシーズン通して定位置を確保できたのは当時が初めてだということだ。私が感じているのは、失敗した選手の背負う重荷はどんどん大きくなっていくということ。それに大きなケガをした選手の問題もあった。W杯から戻ってきたアルフレッズ・フィンボガソンは、今も膝蓋腱の問題を抱えたままだし、カイウビーの離脱期間は長引いてしまい、今も戻ってきていない。抱えていた問題が多すぎたし、アウクスブルクにとって普通でないシーズンだった。それでもクラブはなんとかリーガに残留できたし、私としても、いろいろな経験を未来に残すことができたのではないかと思っているよ。

――カイウビーの不適切な行為、マルティン・ヒンターエッガーやジェフリー・ハウウェレーウによる監督批判、イェンス・レーマン(元アシスタントコーチ)の移籍、そして監督の解任……これだけのことが起こったことはアウクスブルク史上なかったのではないでしょうか。これについてお聞かせください。

何も起こらない平穏なシーズンはこれまでになかったけれど、昨シーズンは普通ではなかったと思う。これらの出来事をなんとか内々で処理しながらやっていけたことはよかったことだ。しかし、選手たちが繰り返し私生活をおおっぴらにされるようなことがあれば、それは公の問題ということになる。ロッカールームでの話題が外に漏れたことや、たくさんの憶測がまことしやかに飛び交っていたことが昨シーズンは問題になっていた。これもアウクスブルクにとっては前代未聞だ。けれど、この状況も克服できて、教訓を得ることもできた。

Martin Hinteregger Eintracht Frankfurt 2019Getty Images

――カイウビーの件はドイツではあまり注目されていませんでした。ヒンターエッガーのことばかりが注目されていましたね。

ヒンターエッガーは実にいい選手だ。だが、今となってはうちの選手ではない。そもそもの問題として、例えば外の人間からロッカールームの揉め事の話を持ち出されたとしたら、組織としてどう対応すればよいだろう? 我々の答えは、この件の対応を公表しないことだった。私が解任されてから、ほとんどの選手は私と連絡を取ろうとしてくれた。この出来事は予測できなかったが、監督がいなくなってハッピーだと思っていたらこんなことは起こらなかったんじゃないかな。

――ヒンターエッガーによる批判はどのような形で耳に入ったのでしょうか

スポークスマンが早い段階で話してくれた。ヒンターエッガーはメンヒェングラートバッハ戦の後で、自らの処遇を自分で決断した。私にとってはその件はそれで終わりだったね。

――ヒンターエッガーとは対照的に、ハウウェレーウが批判を始めたのはホッフェンハイム戦に敗れた後でした。

そのとおり。彼の試合内容に対する批判は真っ当だった。彼は試合内容だけを批判していて、コーチングスタッフは批判の対象になっていなかった。私たちは試合の後、直接意見を交わしたんだ。事実、発言力のある成熟した選手も必要だ。監督の采配やチーム状況が悪いときにはっきりと意見を言えるからね。だが、その意見を無視してはいけない。監督も間違いを冒すのだから。

■レジェンドGKレーマンのコーチ就任

Jens Lehmann FC AugsburgGetty Images

――驚くべきなのは、レーマン氏がアシスタントコーチとして就任し、国内の注目を集めたことです。彼をどうやって呼び寄せたのですか?

元選手としての経験を生かしてコーチングチームの視野を広げてくれる人材を探していたんだ。彼の義理の息子とウンターハヒング(ミュンヘンの南に位置する地区)で練習したことがあって、それ以来ずっとイェンスとは知り合いなんだ。何度か会談をしてから、シュテファン・ロイターと私の間で、イェンスならチームとクラブに溶け込めると確信したんだ。

――レーマンの現役時代のエピソードをいくつか思い返してみると、彼はチームのならず者への理解が深いのではないかと思いますが?

いやいや(笑)。イェンスのプロ精神は素晴らしいものだよ。例えるならラニ・ケディラのようだ。サッカーのクラブチームは様々な個性を持った集団社会の縮図だ。コーチングチームにもいろいろなキャラクターがいる。例えば、アシスタントコーチのヨナス・ショイアーマンはとても外交的な男で、選手によっては彼と特にたくさん話し込んだりもしているよ。いろいろな会話を投げかけられるタイプの人はヘッドコーチにはとても重要だね。

――レーマンは元選手としての経験をチームに持ち込みましたが、コーチとしての経験はほとんどありません。仕事の内容としては、主に守備面での貢献とのことです。正確にはどのような仕事を任されていたのでしょうか?

私はコーチに仕事を任せるのが好きでね。そうすることでディスカッションした練習内容をさらに発展させることができるし、理想的にはコーチ自身が決断をすることもできるようになる。4バックのプレーについては確かにイェンスの仕事の一つだった。イェンスはすぐにグループに馴染んでいたし、よく意見も出して課題を皆で解決できるように動いていたよ。選手としての彼にはそういう印象を持っていないかもしれないが、コーチとしての仕事ぶりは現役の時とは100%違っているよ。

――よく噂されていた話ですが、レーマンはあなたの解任後、監督に昇進するのではないかとの噂がありました。これについてはどう考えていましたか?

逆に、彼が私の跡継ぎではないと皆が分かり切っていただろう。元選手で、特に今回のように素晴らしい経験のある人を跡継ぎとして連れてくる案はずっと前からあった。けれど、それはタイミングの問題だ。そういう人はすぐに動かすことができるからね。今回の件では、すべての条件が確かに合っていたし、元選手はコーチングチームでうまくやっているよ。そういう人をこれからも探し続けていくことになるだろうね。

■バウムの「新しい物語」とは?

Manuel Baum Augsburg

――アウクスブルクはなんとか残留を決め、ハノーファー、ニュルンベルク、シュトゥットガルトは降格していきました。あなたが指揮を取っていても降格を回避することができたと思いますか?

もちろん、続けていたらそれ以前と変わらない指導をするつもりだった。フランクフルトに勝てたかどうか明言するのは難しいけれど、確実に残留することはできていたはずだよ。ひとつはっきり言えることがある。ブンデスリーガでは、小さいクラブは敵を適切なタイミングで捕える必要がある。たとえばアイントラハト戦は彼らがヨーロッパリーグ(EL)2試合に挟まれた試合だったので、アウクスブルクがモノにした。ドルトムントに勝った時は、マルコ・ロイスが数週間の離脱を強いられたケガから戻ってきたばかりで、100%の状態ではなかった。こういうその時々の機運がよく試合の結果を左右するんだ。

――解任の2週間後、あなたはシュテファン・ロイターとミヒャエル・シュトレールという二人のクラブ幹部と再会しました。この会合は誰の発案ですか?

私が解任の通知を受けてから、電話で話していたんだ。心が穏やかになったら直接会っていろいろ決めよう、とね。この仕事では、個人の感情を差し置いて仕事をすることが大事だと思っている。そうすることで誰も傷つかずにいられるし、事実に基づいた判断ができるようになるんだ。誰も怒ったりはしないんだ。選手からもそのようなやり方を期待されていると思っている。つまり、決断が下されればそれを受け入れ、恥をさらすような真似はしない、という仕事への向き合い方になる。このやり方で私たちは5年以上も一緒にやり遂げてきた。自分たちに課した目標をいつも達成してきた。だから、その考え方がチーム内で一致しなくなって、互いのことを思いやれなくなるようなことがあれば私は残念だね。今でも私はクラブのことを気にかけている。そして私の新しい物語も始まろうとしているんだ。

――「新しい物語」に向けて準備していることはありますか?

ただ立ち止まっているのは好きじゃないんだ。勉強し続けることが私にとってとても大切なことだ。そうでなければ、次の仕事でも全く同じことをやることになるし、一ミリも成長できないからね。けれど監督業をやっていない間はうまく成長できていないね。面白いアプローチをしかけてくるチームや監督と競い合うことができないからね。

――今シーズン、DFB主催のエリート監督養成講座を受講したというのは本当ですか?

本当だ。2年間で10回の授業があった。フランクフルトで月曜日と火曜日、朝9時からやっていたよ。そこに参加したブンデスリーガの監督のなかには、バイエルン・ミュンヘンのニコ・コバチもいた。けれどとても疲れる講義だった。土曜日は試合、日曜の朝はリカバリートレーニング、午後は家族との時間……それで月曜日は朝3時から電車に乗っていたんだよ。

――講座の内容はどのようなものでしたか?

戦術的な話ではなく、異文化融合の話だった。結局、チームとは様々な文化的背景を持つ選手からなるもので、皆全く異なる価値観を持っているし、同じ思考回路を持つ人は誰もいない。監督としては、自分の社会人経験をそのまま踏襲して接するわけにはいかない。表情、ジェスチャー、ボディランゲージ、もっと違うタイプの会話の方法もある。そういうことが面白いと感じたね。

――あなたの「新しい物語」について改めてお聞かせください。いつ「物語」に戻っていきたいとお考えですか?

焦ってはいないよ。ドアが一つ閉まれば、他のドアがどこかで開くと思っているからね。フットボールビジネスを楽しんでいる。ほとんど全ての領域の仕事を経験したし、ブンデスリーガは楽しかった。監督業はシンプルに言えば、私の人生。だから長くに渡ってこの仕事をやっているだろう。想像することは容易いよ。

――記者会見で解任が発表された時、ロイターがあなたについてこう言っていました。「時が経てば彼も想像できるようになる。私たちはまた話をするようになり、将来また一緒に仕事をする可能性もある」。あなたもこう思いますか?

これまで話したように、ロイターと仲違いしたわけじゃない。いつかアウクスブルクで監督の席が空いたら、そう思うかもしれないね。

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

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