チャンピオンズリーグ(CL)は、決勝ラウンド16が開催されている。『Goal』では熱戦が繰り広げられているCLにおいて、実際に『DAZN(ダゾーン)』でラウンド16を担当する実況者、下田恒幸氏へのインタビューを実施した。
インターネットでのスポーツ中継が大きな広がりを見せ、スマートフォンでも手軽に海外サッカーが視聴できる時代。そんな中でも、中継に彩りを加え、そして欠かすことができないのが実況者の存在だ。『Goal』では、CLのみならず明治安田生命Jリーグやブンデスリーガ、セリエAなど様々なコンペティションを担当する下田氏に話を聞いた。
実況者として圧倒的な知識量を誇ることで評判の下田氏。現在は年間、150試合前後のサッカー実況を担当している。明瞭な声でその場にいるような臨場感を視聴者に届ける“カリスマ実況者”が語るCLとは――。前編に続き、後編では下田氏が実況を担当する試合、19日(日本時間20日5時/DAZN)のリヴァプールvsバイエルン・ミュンヘンについて語った模様をお届けする。※インタビューは2月7日に実施
■前編はコチラ
カリスマ実況者・下田恒幸氏にとってのCLとは…自身の実況スタイルは「ダビド・シルバ」その理由は
■試合の見どころは?
(C)Goal――CLラウンド16で担当するのはバイエルンvsリヴァプールですね。見どころを教えてください。
「両チームともに誰が出るかによって特徴が変わってきますよね。バイエルンは、4-3-3から4-2-3-1にフォーメーションを変えたことで状況を好転させた。今は4-2-3-1を常用しています。彼らの戦い方はウイングの崩しがキモなので、監督のニコ・コバチがウイングに誰を起用するのかに注目です。トーマス・ミュラーは出場停止ですがキングスレー・コマンとセルジュ・ニャブリ、ケガをしていましたがアリエン・ロッベン、フランク・リベリとウイングの人材は揃っていますからね」
「一方のリヴァプールは今シーズン、サディオ・マネ、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノを3トップとする4-3-3だけではなくて、ジェルダン・シャキリを2列目に入れる4-2-2-2のようなシステムも使っています。サラーが最前線に入る形です。特に見てほしいのはフィルミーノですね。派手さはないしスター性が高い選手でもないですが、相当うまい。フィルミーノを見ているだけでも、かなり面白いですよ」
――リヴァプールのユルゲン・クロップ監督にとってはボルシア・ドルトムント時代にしのぎを削った相手との対戦ですね。
「クロップ監督にとってバイエルンは相性の悪い相手ではないと思います。クロップ監督の場合、ドイツ人だから、バイエルンに対する“打倒”みたいな意識は常にあると思いますね。本人はそういう話はしないですし、実際のところはあまり関係ないかもしれません。でも、そのような意識を持っている可能性はありますよね。バイエルンはよく知っている相手ですし、そんなに選手も変わっていない。その彼が先ほど話したフォーメーションを含め、どのような戦いを仕掛けるのかは楽しみですよ」
――先ほど話に出たフィルミーノもそうですが、選手をフォーカスして見るのにも打ってつけの試合になりますね。
「マネだったら単純にスピードが凄いし、フィルミーノだったらボールの貰うポジションやそこからのテクニック、サラーだったらゴールを奪いにいくときの動き方、そのあたりを見てほしいですね。守備陣でもアンドリュー・ロバートソンのオーバーラップのタイミング、ファン・ダイクなんか、ヘディングの跳ね返しを見ただけで、“なんだコイツ”っていうレベルです。バイエルンにも、ダビド・アラバの攻撃への絡み方だったり、ロベルト・レヴァンドフスキのゴール前での動き方の上手さだったり、ポイント絞って見るだけでも面白いはずです」
――今季の欧州リーグを実況してきて、“決勝でこの対戦を”というカードはありますか?
「それはあまり考えてないですね。決勝で当たったら面白くなりそう、というのは毎シーズンあるんでしょうが、今回なんか特に、どのチームが上がってきても面白いカードになるはずですよ。ただ今シーズンに懸けている、という点で決勝進出の可能性を感じるのはユヴェントスかな」
――ユヴェントスを推す主な理由はどのようなところでしょうか?
「まず、クリスティアーノ・ロナウドを獲った中、チームに歪みを出すことなくマネジメントしてきたマッシミリアーノ・アッレグリ監督が素晴らしいと思います。もともとのソリッドさを含め、相手に応じて対応できる柔軟性、という点で今シーズンのユヴェントスは個人的に非常に良いと思っています」
「あと、ユヴェントスは1995-96シーズンにアヤックスにPK戦で勝利して以降、CL決勝で5連敗しています。そこを含めて、クラブとして懸けるところが出ると思います。決勝進出する可能性が高いチームの1つだと思います」
――そのほかに気になるチームはありますか?
「プレミアリーグでも優勝争いをしているリヴァプールのクオリティは高いですよね。ロナウド、パウロ・ディバラ、ドグラス・コスタ、マリオ・マンジュキッチを擁するユヴェントスと同じように、リヴァプールも攻撃陣が揃っています」
■注目の若手3選手

――注目の若手選手はいますか?
「まずはアヤックスのオランダ代表、マタイス・デ・リフトですね。19歳ですがフィジカルが強くて、高さもある。ボールを前線に運ぶこともできます。童顔ですけど、結構イカついプレーをします。アヤックスには来季からバルサに移籍するフレンキー・デ・ヨングもいますし、チームとしてもこの2選手を中心に面白い存在だと思います」
「それと、21歳のラッシュフォードですね。速い、うまい、冷静。後方から来るボールのトラップだったり、最後のフィニッシュまでの一連の動きが実に巧み。狭い局面でも自分の技術をしっかりと出すことができますし」
「あとはバルサのアルトゥール(※19日現在、負傷離脱中)。結局、サッカーって相手に捕まらなければいいんです。相手に捕まらなければボールを奪われない。その捕まらないうまさが、かなり高いレベルで見られるのがアルトゥール。今季にグレミオから加入した時、シャビが引き合いに出されていましたよね。でも、僕の中でシャビって本当に凄いと思っている存在で、“それは言い過ぎだろ”と正直、思っていました。でも、シーズン進んでいって、確かにそう言いたくなる気持ちはわかるなって感じているところです」
――最後に、DAZNで下田さんが実況するリヴァプールvsバイエルンを含め、CLを楽しむサッカーファンの方にメッセージをお願いします。
「チャンピオンズリーグの決勝ラウンドからは、一つ試合を見ると他の試合も見たくなります。それほど魅力的で、“サッカーって面白いな”という場面がたくさんあります。一緒に、それを楽しみたいですね」
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