「Jリーグジャッジ リプレイ」の第24回が27日、DAZNで先行配信された。今回もJリーグ原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんにJFA審判委員会レイモンド・オリバー副委員長を迎えてSNSでつぶやきが多かったシーンを解説した。
『Goal』では24日にパロマ瑞穂スタジアムで行われた明治安田生命J1リーグ第24節・名古屋グランパスと横浜F・マリノスの一戦から57分、宮原和也が仲川輝人を倒して退場にになったシーンを取り上げる。
■倒したことではなく、引っ張ったこと
9位の名古屋が3連敗で5位の横浜FMをホームに迎えた一戦。57分、2点を先行する横浜FMのロングカウンターのチャンス。遠藤渓太のバスに仲川輝人が抜け出すと、追いかけた宮原和也が仲川を倒す。飯田淳平主審はPKのジャッジを下し、宮原は一発レッドで退場となった。
実は、キックオフ直後にも仲川は吉田豊に倒されPK獲得し、マルコス・ジュニオールが先制点を決めている(このシーンもジャッジリプレイの1本目で触れられているので気になる方はご視聴を)。「それだけ仲川選手が速いということですね。飯田主審はPKスポットを真上から指差しましたから」と平畠さん。その判断に迷いがないことが見て取れるシーンだった。
ツイッターでは「個人的には正しいジャッジだと思いますが、ネット上では混乱が生じているようなので、教材として取り上げていただければ」という意見が届いたという。
このシーンの焦点は「ドグソ(DOGSO:Denial of an Obvious Goal-Scoring Opportunity)=決定的な得点の機会の阻止」にあたるかどうかにある。平畠さんは「引っ張っているし、PKだと思う」との意見。原副理事長は「PKだと思う。でも、最後の仲川の倒れ方が大げさじゃないか(笑)。自分が主審だったら出さない。そういう(倒れない)ストライカーであってほしいんです。確かに宮原は仲川に前に入られているし、引っ張ってしまっている。だけど最後の倒れ方はダイブに近い感じ。イエローカードでいいんじゃないかな」とした。
これに対するレイモンド・オリバー副委員長の見解はこうだ。
「私の判定ではレッドでDOGSOです。主審は最初の引っ張っている行為について判定しています。仲川選手が走っているのですが、後ろからシャツを引っ張っられたことで速度が落ちています。2つめのコンタクト(仲川が倒れたシーン)はなんでもないと思います」。つまり、この判定の決め手は「倒れたこと」ではなく「シャツを引っ張ったこと」だとした。
「(宮原は)ペナルティーエリアの前から引っ張って、PAの中に入っても引っ張っています。この引っ張り続けた状況を見て主審は判定を下しました。ここでPKという判定を下せば自動的にレッドになります。主審の素晴らしいポジショニングと判定だったと思います」
さらにここにはもう一つポイントがある。
「お気づきじゃないかもしれませんが、主審はすぐに笛を吹いていません。なぜなら仲川選手がここで得点した場合、レッドカードを出す必要がないんです。ゴールが決まったあとにイエローを出すことはできます。様子を見続け仲川選手が倒れたので、そこで笛を吹きました。最初にシャツを引っ張っていた時点で『これはPKになるな』と認識し、その後の様子を見て、スコアにならなかったらレッドだ、という判定を下しました」

■「三重罰」適用の理由
今回の宮原には厳しい「三重罰」が適用された。「三重罰(トリプルパニッシュメント)」とは、「PK/DOGSOによる退場/次節出場停止」の3つの罰則とのこと。2016年、退場ではなく警告に軽減する「二重罰」への変更がなされたが、今回の宮原の場合は「三重罰」に当たるとオリバー副委員長は解説する。
「ディフェンスがボールにプレーしていません。PAの中でボールにチャレンジせず、それがファウルになった場合は今でも三重罰が与えられます。今回はシャツを引っ張っていたので、PKになりました。宮原選手は1試合出場停止になります」
平畠さんが「引っ張らず、なんとかボールに行こうとスライディングすればイエローだったんですか?」と疑問を持ったように、ボールにプレーしていれば「二重罰」で済んだとのこと。原副委員長は「(ルール改定で)プレーヤーはGKもDFも最後までボールにプレーするようになった。でも、引っ張ったりすると退場になってしまう。それは損なので最後までしっかりやることが大切。宮原はひっぱらないでなんとか足をのばしてボールに行くべきだった」と総括。司会の桑原学さんは「ある意味ボールに行ったように見せるのもテクニックということですね。このシーンに関してはPKというジャッジも、三重罰が与えられる点についても正しいジャッジだった」と締めた。
今週のジャッジリプレイでは、このシーンのほかに、仲川が1点目のPKを獲得したシーン、北海道コンサドーレ札幌対FC東京の85分、森重真人が鈴木武蔵へタックルして警告を受けたシーンがDOGSOに当たるかどうかも紹介している。
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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です

