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ザッケローニ氏が語る日本|サッカー、文化、国民性、選手など|これまでに語った内容は?

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    元日本代表指揮官であるザッケローニ氏

    2010年から14年までサッカー日本代表を指揮し、“ザック”の愛称で親しまれたアルベルト・ザッケローニ氏。

    彼は日本代表指揮官を退任後も、日本について多くのことを語ってきた。それはサッカーのみならず、日本の文化や国民性についてまで…。

    今回は、これまでザック氏が語ってきた日本に関するコメントを一挙紹介する。

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    “日本代表は私の人生において最高の経験”

    「日本代表監督は私の人生において最高の経験だった。決してお金のために行ったのではない」(2017年6月/ガゼッタ・デロ・スポルト)
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    “まるで漫画の世界のようだ”

    「外部の者からしたら想像もできないことだ。我々イタリア人は何でも物を床に投げつけてしまうが、日本人はすべてにおいて物事のとらえ方が違う。例えば大工は30分前に仕事場に到着し、現場監督の下で行う準備体操に備える。向こうでの暮らしは、まるで漫画の世界のようだ」(2018年8月/ガゼッタ・デロ・スポルト)
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    “日本人のDNAにマリーシアは存在しない”

    「今回のW杯で日本が敗れてしまったのは残念だった。ある意味、敗退には相応しくなかった。ベルギーは低調で、スター選手は皆、期待されたプレーをできていなかった。残念ながら日本は終盤、馬鹿正直にやり過ぎた。彼らの文化、DNAには、マリーシアは存在しないからだろう。1回、戦術的ファウルをすれば十分だったはずだが、そういったことは考えないのだろう」

    「ベルギー戦では、まるでまだ自分がベンチにいるかのように応援し、勝利を願っていた。ほぼ全員、私の知っている選手だったからね。まだシステムも同じだったし、マリシアが足りないのも変わっていなかった。ブラジルでもそれが不利になった」

    「それでも自国民の前では、それが問題になることはない。代表へ対する情熱やリスペクトは今でも高いし、ベスト8まであと一歩だったことは、日本国民にとって誇れることだ。日本人は、敗北を世界最悪の出来事としてとらえることもなく、経験値としてさらなるレベルアップのチャンスだと考えるだろう」(2018年8月/ガゼッタ・デロ・スポルト)

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    “日本は唯一無二”

    「今年のW杯に出場した日本を見て、まず思い浮かんだ一言は、“誇り”だ」

    「なぜ“誇り”に思うかと言うと、彼らは唯一無二だからだ。ベルギーに敗れた後、ロッカールームの写真がネット上で出回ったが、あれを見れば私の言う“誇り”の意味が分かるだろう。サッカーの話だけではないのだ」

    「驚いたというコメントをかなり目にしたが、日本人の国民性を理解している者なら、当然、驚くことはないだろう。事実、私も驚かなかった。むしろ、そうしていなかった方(整理整頓しない方)が、私にとって驚きだ」

    「試合終了後の日本のロッカールームで何が起きていたのか。まず1人の選手が脱いだ衣類をたたみ、床に置く。すると他の選手たちも同じように並べていく。最終的に汚れた衣類の山が4つ出来上がる」

    「シャツ、パンツ、靴下、タンクトップという風にね。これも用具係の人に対し、最大のリスペクトや思いやりがあるからだろう」(2018年8月/ガゼッタ・デロ・スポルト)

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    冨安健洋について

    「トミヤスには重要な特徴がある。それは彼の体格と言える。日本人サイドバックには、ナガトモのほか、サカイ(酒井宏樹、酒井高徳)、それにウチダ(内田篤人)がいた。彼らはヨーロッパにおいて、素晴らしいキャリアを築いてきたが、冨安ほどのフィジカルを持っていなかった」(2019年9月/コリエレ・ディ・ボローニャ)

    「機転が利く青年であり、興味深い。それにユーティリティ性があり、今はCBでもプレーできる。シニシャは彼を中央で起用する前に1年間、SBでプレーさせたが、賢い判断だった。日本人選手は非常に技術力があるが、マリシアにおいてはマエストロと言えないからね。私自身の体験だが、コーナーキックの際に水分補給でストップしてしまい、試合に負けたことがあったよ」(2020年12月/ジャンルカ・ディ・マルツィオ氏の公式サイトより)

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    “仕事に対する素晴らしい文化がある”

    「(日本人は)まず仕事に対する素晴らしい文化があると言える。技術的なクオリティでは、スピードや運動量に優れている。ただ日本人選手は、個人主義というものを知らない。チームで協力してプレーし、勝利することを好み、すぐにでもロッカールームの支柱になろうとするんだ」

    「正直言って、日本代表の指揮を執ったときほど楽しめたことはこれまでない。私のキャリアにおいて最高の経験だった」(2019年9月/コリエレ・ディ・ボローニャ)

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    東京五輪延期について

    「安倍首相が五輪の開催に『ノー』と言ってくれて良かった。妥当な判断だと考える。世界的な祭典であるべきであり、すべての国が参加しなくてはならない。東京五輪はきっとスポーツ復興の大会になるだろう」(2020年3月/ガゼッタ・デロ・スポルト)
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    “東京五輪が忘れられないショーになることは間違いない”

    「日本は完璧なマシーンだから、実施できるように全力を尽くすだろう。すべてが計画されていて、不意の出来事への対応の幅があまりないと言える。しかし、緊急事態が終了する時期は国によって違うわけであり、完璧ではない状態でオリンピックを開催することはできないはずなので、外部から見れば、開催は不可能に見える」

    「日本の人たちは、すでに準備ができていると思う。しかし、彼らは他の参加者全員の準備が整う時期を待ったとしても、同じように準備を整えて迎えることができる人たちだ。東京五輪が忘れられないショーになることは間違いないので、私も観戦に行けることを願っている」(2020年3月/コリエレ・ディ・ボローニャ)

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    新型コロナウイルスについて

    「コロナウイルスを巡る現状は、2011年に起きた日本の震災と原子力発電所の事故を思い起こさせる。ある意味、あのときの状況をもう一度体験しているような気分だ。あのときは2分間がものすごく長く感じたよ。私は向こうで自宅に籠っていたが、窓の外を見ると街は無人。地下鉄の中に長時間、取り残された人もいた。恐ろしい時間、恐ろしい日々だった」(2020年3月/ガゼッタ・デロ・スポルト)
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    “自己犠牲を払い、他人を思いやって行動できる人たちがいる”

    「親愛なる日本の皆さんへ

    今、世界中が大きな不安に包まれています。新型コロナウイルスの蔓延を防ぐために、日本の皆さんも多くの努力と犠牲の上に責任のある行動が求められていると思います。

    日常生活で習慣にしていることを我慢したり、自由な行動が制限されたりすることもしばらくの間求められますが、それは再び素晴らしい世界を取り戻すために必要なことだと思います。

    私の第二の故郷である日本には、困難に打ち勝つために自己犠牲を払い、他人を思いやって行動できる多くの人たちがいることを知っています。

    皆さんもご存じのとおり、イタリアでもこの新しいウイルスとの戦いが続いています。自分自身、愛する家族や友人、多くの人々の健康を守るためにできることは、私たちが家に留まることです。

    まだまだ厳しい状況ですが、イタリアでも1か月以上にわたって人々が家に留まる努力を続けた結果、少しずつ光が見えてきているように感じています。

    再び素晴らしい世界を取り戻すという同じ目標に向かって、一致団結して共に頑張っていきましょう」(2020年4月/JFA)

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    上皇陛下との出会いを回顧

    「陛下から手を差し出そうとして下さったのだが、日本では一般的に、天皇陛下に握手を求めることはしない。だから私は一瞬、どうすればよいか分からず、固まってしまった。私が陛下と握手をすると、周りにいたみんなはわっと泣き出していた。あの面会の中でこの場面だけは異例だったと思う」(2020年5月/TuttoUdinese)
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    日本に足りないもの

    「日本人選手は強いが体格とマリシアの2点が足りない。日本人はずるいことをしないのではなく、そんなことは考えようともしないんだ」

    「イタリアはコンフェデレーションズ・カップにおいて、コーナーキックの際に選手が水分補給に行ってしまったために失点したことがある。日本では待ってくれるだろうが、他の場所では隙をつかれるのが当たり前だ」(2020年5月/TuttoUdinese)

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    “日本を離れるのがつらくて3日間泣いた”

    「日本では最高の4年間を過ごすことができた。向こうには、世界中どこを探してもあり得ないような“リスペクト”があるんだ。天皇陛下(現在の上皇陛下)と面会したとき、私は(招待客)2500人のうちの1人だった」

    「しかし、陛下は私に手を差し出してくださった。かつて経験したこともないような出来事だったよ。それを見て泣き出す者もいたんだ」

    「生まれたばかりの赤ちゃんに『“ザック”と名付けた』と話す女性もいたほどだ。あの国(日本)を離れるのはつらかった。私は3日間にわたって泣いていたよ」(2020年7月/チェゼーナ・トゥデイ)

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    吉田麻也について

    「マヤ(吉田麻也)はプロフェッショナルであり、非常に賢い青年だ。ロッカールーム内を1つにまとめて団結できるように率先して努力できる。それから、ピッチにおいては正しいポジションを保つことが上手く、いつ動くべきか、タイミングをつかむことにも長けている」

    「空中戦も非常に強いが、サンプドリアではまだ彼の攻撃力が生かせていない。私が代表を指揮していた頃は前線に上がれば脅威となっていた。優勝した2011年アジアカップでも、決定的なゴールを決めて重要な役割を担った。日本人選手らしく組織力で勝利することを好み、個人主義ではない」

    「彼は当時、非常に若かった。私はオランダまでプレーを見に行ったが、すぐに代表に呼ぶことを決めた。その代表のロッカールームにおいては、経験豊かでパーソナリティが強い選手が何人もいたが、すぐにチームメートから認められてリーダー的存在になった」(2020年9月/Sampdorianews net)

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    “日本が恋しい”

    「まるで夢を見ていたかのように感じる。本当に夢のようだった。監督を辞めてからも少なくとも1年に1回は訪問していた。日本の方々とは頻繁に連絡を取り合っていて、非常に絆を感じている」

    「しかしそれが日本の文化だったんだ。今は新型コロナウイルスの影響により行くことができないし、恋しく思っている」(2020年11月/Radiosei)

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    日本の文化について

    「日本人は礼儀正しく、他者への配慮がある。生まれたばかりの赤ちゃんの頃から、他人に迷惑をかけてはならないことを学ぶんだ」(2020年11月/Radiosei)
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    ヨーロッパでプレーする日本人選手について

    「ヨーロッパにやって来た日本人選手もクオリティが高い。私の指揮下の日本代表が2011年アジアカップを制したこともその理由の1つかもしれない」

    「カガワ(香川真司)はドルトムントでプレーし、ホンダ(本田圭佑)やナガトモ(長友佑都)はイタリアでプレーした。今はサンプドリアのヨシダ(吉田麻也)がいる。それからオカザキはレスターでリーグ優勝を果たしたね」(2020年11月/Radiosei)

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    アジアでの戦いについて

    日本代表就任について…。「私の人生、そして私の指導者としてのキャリアにおいて、最も素晴らしく、最も勉強になった経験の1つだと思っている。金銭的なものよりも、文化的な面を考慮してイタリア国外での経験に挑戦してみたいと思っていた。礼儀正しく教養のある国に出会い、受け入れてもらえた。穏やかに仕事に取り組むことができたよ」

    2011年のアジアカップ優勝は…「選手たちが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、私は優勝することができた。日本には、個の力よりもはるかに重要なチームプレーがあるからだよ」(2021年1月/イル・ジョルナーレ)