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日本代表がワールドカップで警戒すべき選手たち:スペインの天才からドイツの絶対的守護神も

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    スペイン:MFセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)

    2000年代後半にジョゼップ・グアルディオラ監督の下で隆盛を極めた時代からバルセロナを支える長身のアンカーで、現在もルイス・エンリケ監督率いるスペイン代表でキャプテンを担うブスケツ。冷静沈着なゲームメイクとパスさばきで、ラ・ロハの心臓と言える存在となっている。プレースタイルから33歳となった現在も目に見えた衰えは感じさせず、133キャップを誇るベテランはチームの精神的な支柱でもある。コケ、ロドリなど優れたプレーメーカーもいるスペインだが、チームにとって唯一無二の存在だけに、日本としてはチームのリズムを構築するブスケツを気持ちよくプレーさせることを許してはならない。

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    スペイン:MFペドリ(バルセロナ)

    アンドレス・イニエスタの後継者とも称される19歳のペドリは、バルセロナのみならずスペインにとっても“至宝”と言える選手だ。2020年夏のバルセロナ入りから、瞬く間にトップチームの主力に成長。卓越したテクニックと、小柄ながらもボールを奪われない天性のキープ力、パスセンスはまさにイニエスタを彷彿とさせる。昨夏のEUROでスペインのベスト4入りに貢献した後、東京五輪でも日本の前に立ちはだかった。今季はハムストリングの負傷で長期離脱していたが、今年1月に復帰してからはすぐさまレギュラーを奪い返すなど、チャビ監督の下でバルセロナの顔として躍動。カタールW杯では10代ながらも大会の主役候補の一人になるはずだ。

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    スペイン:DFアイメリク・ラポルト(マンチェスター・シティ)

    アンダー年代ではフランス代表としてプレーしていたが、A代表に縁がなかったことから最終的にスペイン代表入りしたセンターバックのラポルト。昨夏にA代表デビューすると、そこからレギュラーポジションを確保し、EURO2020とW杯欧州予選で最終ラインの中心となってきた。対人プレーと空中戦に抜群の強さを誇り、ビルドアップ時に左足から繰り出される長短のパスで効果的に攻撃の起点もつくりだすことが可能。今季リーグ戦で3ゴールを挙げているようにセットプレー時も脅威に。日本としては相手のCKやFK時にも警戒が必要になる選手だ。

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    ドイツ:GKマヌエル・ノイアー(バイエルン・ミュンヘン)

    シャルケ時代に内田篤人氏とチームメイトであり、2011年の東日本大震災時には同氏のシャツに書かれたメッセージを披露することにも一役買うなど、日本人にもおなじみのノイアー。負傷続きで正守護神の座も危ぶまれた時期もあったものの、100キャップ以上を誇る36歳主将は本大会でもゴールマウスを守ることが濃厚だ。抜群のセービング技術やハイボール対応のみならず、優勝した2014年大会でも話題となったようにボックスの外へ果敢に飛び出して積極的にボールに絡む姿は、現代GKの礎となったことは間違いない。幾度となく大舞台を経験し、プレッシャーをいとも簡単に跳ね返す強烈なメンタリティも持ち合わせている。最終予選で決定力不足にも泣かされた日本代表だが、本大会では世界最高峰の壁を超えなければならない。

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    ドイツ:トーマス・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン)

    ノイアーとともに、2014年大会を制したメンバーの1人。的確なポジショニングと正確な技術、一瞬のスキも見逃さない目でゴールを量産してきた32歳だが、近年は周りを活かす技術がさらに向上。昨季はブンデスリーガで21アシスト、今季にいたっては26試合で19アシストと、驚異的なペースで味方の得点をお膳立てし続けている。ハンジ・フリック監督の下で若返りを遂げつつあるドイツ代表だが、攻撃面ではまだまだ中心的な人物であり、本大会でも日本代表の脅威となりそうだ。なお、会見やSNSでのコメントが度々話題になるため、ピッチ外の動きにも注目だ。

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    ドイツ:ジャマル・ムシアラ(バイエルン・ミュンヘン)

    アンダーカテゴリーではイングランドでプレーしたが、A代表ではドイツを選択した天才MF。足元の技術とビジョンは現ドイツ代表でもトップクラスであり、線は細いがスピードも兼ね備え、そのプレー1つひとつから賢さがうかがえる。19歳ながらチームでの存在感を増しており、バイエルン時代の恩師フリックが指揮を執ってからはより出場機会を増やしてきた。攻撃的なポジションはすべてこなせる他、今季はボランチでのプレーにも挑戦中。カタールの地で、次世代の新たなスターとしての地位を確立してもおかしくはない才能だ。

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    コスタリカ:ケイロル・ナバス(パリ・サンジェルマン)

    コスタリカが守備的な戦いで度々サプライズを巻き起こしているのは、絶対的な守護神にして精神的支柱が最後方に控えているからだ。かつてレアル・マドリーでチャンピオンズリーグ(CL)3連覇も成し遂げたケイロル・ナバスは、類まれなセービング能力を備えており、ゴールマウスに立つ姿はまさに壁。35歳になってもその能力は衰え知らず。数々の名ストライカーに涙をのませてきた。シンプルなシュートであれば確実にキャッチしてカウンターに繋げてしまうナバスだが、日本代表がこの男に膝をつかせるためには、やはりセットプレーやチャンスクリエイトの回数が重要となる。一方で、一度乗らせてしまえば強豪国であってもゴールを割ることは至難の業となるため、早いタイミングで勝負をかけるなど力の入れどころも考えなければならない。

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    ニュージーランド:クリス・ウッド(ニューカッスル・ユナイテッド)

    その肉体からも分かる通り、パワーあふれるプレーが魅力のストライカー、クリス・ウッドだが、積んでいるエンジンも平凡ではない。相手の寄せをものともせず、むしろ引きずりながらゴールに向けて突き進んでいく姿はブルドーザーのようだ。その光景はプレミアリーグにおいてもよく見られるもので、パワーとスピードを兼ね備えたディフェンダー陣でも容易には止められず。特に2017-18シーズンから昨季までは4年連続で二桁得点も達成した。また、昨年夏には東京五輪にOAとして参加。チームを史上初めてベスト8まで導き、準々決勝では日本とPK戦までを戦う激闘を演じた。A代表でも2009年に17歳でデビューを果たして衝撃を与え、現在までの通算32得点は同国史上最多記録。ニュージーランドにとって象徴的な存在であり、日本が封殺するためには冨安健洋や吉田麻也を軸とした組織での対応が求められる。