Next 100m players GFX 16:9Getty/GOAL

次に1億ユーロ超えの選手となるのは誰?イサク、ロドリゴ…2025年に巨額の移籍金が要求されるであろう9人のスター選手ランキング

今月初め、フロリアン・ヴィルツがレヴァークーゼンからリヴァプールへ、イギリス史上最高額となる1億3,600万ユーロ(約232億円)で移籍し、史上17人目の1億ユーロ(約170億円)超えで移籍した選手となった。しかし、この夏、この特別すぎる集まりに、少なくとももうひとりは新たなメンバーが加わる可能性が高い。

2017年、ネイマールがバルセロナからパリ・サンジェルマンへ2億2,200万ユーロ(約380億円)で移籍して以来、ヨーロッパのトップチーム同士の移籍金は、これまで想像もできなかったレベルまで急騰しており、このバブルがすぐに崩壊するような兆しはまったく見られない。実際、移籍金の高騰は、サウジ・プロリーグの台頭や、ペップ・グアルディオラ監督による厳格な戦術システムで試合の流れを変えられる才能のある選手たちが過剰に存在していることも一因となって、もはや当たり前となっている。

真に世界トップクラスの選手、特にピッチの最前線で機能する選手たちは、主要タイトル獲得のためにわずかな差を争うトップクラブから、かつてないほど高く評価されている。それでは、次に1億ユーロ(約170億円)超えのスーパースターとなるのは誰だろうか。

以下に、そのトップ10候補をランキング形式で紹介しよう。最初の選手は、すでにプレミアリーグでの浮き沈みを経験したイングランドの10代の選手である。

  • Tyler Dibling Southampton 2024-25Getty Images

    9タイラー・ディブリング(サウサンプトン)

    冬の移籍市場で、トッテナムがサウサンプトンに対しタイラー・ディブリングの移籍交渉を打診したとの報道があり、サウサンプトン側はこのMFを1億ポンド(約198億円)未満では売却しないと伝えたと言われた。その主張がどれほど真実だったかは両クラブのみが知るが、ディブリングがあの若さで9桁の移籍金に値するとの考えは、正直言って馬鹿げている。

    19歳のディブリングが素晴らしく将来有望であることを否定するつもりはない。降格に終わった悲惨な2024-25シーズンを過ごしたサウサンプトンの中で、おそらく唯一の明るい存在であった。ブライトンと引き分けた試合や、ホームでもアウェイでも敗れたマンチェスター・ユナイテッドとの試合で、彼の存在は際立っていた。U-21イングランド代表入りも有望視されている。

    「マンチェスター・ユナイテッドがタイラー・ディブリングに2,100万ポンド(約42億円)のオファーを出す準備をしているという噂を聞いた」と、サウサンプトンの元監督ラッセル・マーティンは12月に述べている。「その金額で彼の左足を手に入れられるとは思えない」と、マーティンは真顔で言ったが、その後のサウサンプトンは、そんな交渉ができるような力を失ってしまった。夏の移籍市場が再開すれば、ディブリングへのオファーが殺到するだろう。降格したチャンピオンシップで必要な資金を是が非でも調達したいなら、サウサンプトンは彼の評価額を大幅に引き下げるのが賢明だろう。

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  • Benfica's Greek forward #14 Vangelis Pavlidis celebrates Getty Images

    8ヴァンゲリス・パヴリディス(ベンフィカ)

    チェルシーとニューカッスルが、ベンフィカのFWヴァンゲリス・パヴリディス獲得に興味を示していると報じられている。パヴリディスは、エスタディオ・ダ・ルスでのデビューシーズンで夢のような活躍を見せた。AZアルクマールから1,800万ユーロ(約30億円)で加入したこのギリシャ代表選手は、2024-25シーズンに全公式戦通算53試合で29得点を記録し、そのうちの7得点をチャンピオンズリーグで決め、ベンフィカをベスト16進出に導いた。

    パヴリディスはクラブワールドカップでも活躍しており、この26歳の価値は、決勝トーナメント初戦のチェルシーとの試合でベンフィカを勝利に導いていれば急上昇したことだろう。パヴリディス獲得をもくろむクラブにとって問題なのは、値引き交渉を拒否するのは明らかなベンフィカから彼を獲得するのに、1億ユーロ(約170億円)のリリース条項の発動が避けられないことである。

    パヴリディスが生まれながらのストライカーであり、つなぎのプレーにも優れていることは疑いようがないが、ヨーロッパの主要リーグでプレーした経験がなく、エリートクラブがギリシャ代表のエースをめぐって大きな賭けに出るかどうかは依然として不透明だ。

  • Rodrigo Mora Palmeiras PortoGetty Images

    7ロドリゴ・モラ(ポルト)

    昨シーズンはポルトのロドリゴ・モラにとって飛躍のシーズンだった。この18歳の攻撃的MFは、パリ・サンジェルマン、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルの移籍候補として名前が挙がっている。モラは5月にエスタディオ・ド・ドラゴンでの新契約を締結し、その契約には1億ユーロ(約170億円)のリリース条項が含まれていると報じられているが、パヴリディスとは異なり、この条項のせいで彼に興味を示すクラブが躊躇することはないと見られている。

    モラは司令塔としてすでにポルトの先発メンバーの座を確立している上に、まだまだ多くの可能性を秘めている。「私が指導した選手の中で、彼ほど試合を読む能力に長けた選手はいない」と、『ガーディアン』紙のインタビューでモラの急速な成長について問われた、ポルトのU15の元監督ヌノ・ピメンテルは述べている。「彼は常に一歩先を行っているし、その能力のすべてを非常に高い技術力で融合させている」。

    その才能は、昨シーズンのポルトのリーグ戦最後の9試合で明確に示された。FCファマリカン戦での2得点を含む、7得点を挙げたのである。この10代の選手は、試合を決定付ける能力と試合を支配する能力を兼ね備えており、今こそ、ヨーロッパのビッグクラブが獲得に動くのに最適なタイミングかもしれない。彼が現在のまま成長を続ければ、その価値はますます上昇するしかないのだから。

  • Bradley Barcola PSG 2025Getty Images

    6ブラッドリー・バルコラ(パリ・サンジェルマン)

    ファブリツィオ・ロマーノ氏によると、PSGのウイング、ブラッドリー・バルコラにはアーセナルも興味を示しているものの、チェルシーとバイエルン・ミュンヘンとの激しい競争に直面しているようだ。PSGはバルコラとの契約延長を熱望しているが、デジレ・ドゥエや1月に加入したフヴィチャ・クヴァラツヘリアとの激しいポジション争いで、バルコラの気持ちは移籍に向かっているかもしれない。

    バルコラは昨シーズンのPSGの三冠達成に重要な役割を果たし、全公式戦で40得点に関与したが、シーズン終盤にはルイス・エンリケ監督の先発メンバーから外れるようになっていった。そのため、1億ユーロ(約170億円)程度のオファーがあれば、PSGは22歳のバルコラの移籍を容認する可能性があるとの見方もある。

    そのようなオファーが提示されても驚くべきことではない。バルコラは、その多才さ故に、クラブにとって非常にユニークな財産となっている。このフランス代表選手は前線のどこでもプレーでき、パフォーマンスの低下なく結果を残せる。来シーズン、パルク・デ・プランスで控え選手に甘んじることになれば、彼の能力の大きな無駄遣いとなるだろう。

  • Newcastle United FC v Ipswich Town FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    5アレクサンデル・イサク(ニューカッスル)

    『アスレティック』のデイビット・オーンスタイン氏によると、今夏、アレクサンデル・イサクの移籍についてニューカッスルと「交渉を始めるだけでも」1億5,000万ポンド(約295億円)のオファーが必要になるという。このスウェーデン代表FWは契約期間がまだ3年残っており、サウジアラビアの支援を受ける同クラブの野心的なプロジェクトの中心選手であるため、クラブに彼を放出するつもりはまったくないのだ。

    しかし、リヴァプールはニューカッスルの決意を試す準備ができていると言われており、このとてつもない取引を実現できる数少ないクラブのひとつである。レヴァークーゼンからヴィルツとジェレミー・フリンポンの2人を獲得し、ボーンマスからミロシュ・ケルケズも加入したばかりのリヴァプールはFFPの制限内にあり、ダルウィン・ヌニェスがナポリへ移籍する見込みであるため、新しいストライカーの獲得が次の優先事項となっている。

    ミケル・アルテタ監督が適切な背番号9を探しているアーセナルもイサク獲得に動く可能性があり、プレミアリーグのトップを争う2クラブが入札戦争にはまる可能性もある。関連する金額は莫大なものになるだろうが、イサクは是が非でも獲得したい選手なのだ。25歳のイサクの得点力に間違いはなく、素早い足さばきと賢い動きで、リヴァプールであれアーセナルであり、攻撃陣に新たな次元をもたらす能力を有している。

    この争いを制したチームが来シーズンのプレミアリーグ優勝を手にする。それだけのことだ。

  • rodrygo-1200Getty Images

    4ロドリゴ(レアル・マドリー)

    ロドリゴは、レアル・マドリー史上、最も過小評価されている選手のひとりかもしれない。このブラジル代表FWは、2019年にサンパウロからサンティアゴ・ベルナベウに移籍して以来、合計109得点を記録し、その間、3度のラ・リーガ優勝と2度のチャンピオンズリーグ制覇を果たしている。

    ところが彼は、同郷のヴィニシウス・ジュニオールや、後から加入したジュード・ベリンガムやキリアン・エンバペと同じような称賛を受けていない。ロドリゴは、意識的にせよ無意識にせよ、その状況を受け入れるのに苦労していると報じられており、最近の数カ月ではチームへの影響力が低下している。

    カルロ・アンチェロッティは在任期間の後半にはロドリゴを先発起用しなくなり、シャビ・アロンソ監督のもとでのクラブワールドカップでも状況は改善されていない。今やアルダ・ギュレルとブラヒム・ディアスのほうが優先的に右ウイングで起用されているのだ。スペインの報道によると、レアル・マドリーは今夏、ロドリゴの移籍を容認する可能性があり、アーセナル、マンチェスター・シティ、バイエルン・ミュンヘンからの関心を受けて、この24歳の選手に1億ユーロ(約170億円)の移籍金を設定しているという。

    ファブリツィオ・ロマーノは、ロドリゴをアーセナルにとって「夢のターゲット」だと主張し、ガブリエウ・マルティネッリに代わって得意の左ウイングのポジションで起用される可能性があると指摘している。大舞台での経験で言えば、ロドリゴはブラジル代表の同僚より上であることは間違いなく、アーセナルはライバルに先んじて契約を成立させるため、迅速に動かなければならないだろう。

  • Viktor GyokeresGetty Images

    3ヴィクトル・ギェケレシュ(スポルティングCP)

    ヴィクトル・ギェケレシュが今夏スポルティングCPを退団するだろうことは、ほぼ確実だ。スウェーデン代表のギェケレシュは、ポルトガルの王者スポルティングCPが今夏7,000万ユーロ(約119億円)で移籍させるという「約束」を破ったと主張し、ストライキに突入した。クラブは現在、彼のリリース条項である1億ユーロ(約170億円)に近い移籍金を要求している。

    最終的に、ギェケレシュ獲得にはその条項が発動される必要が生じる可能性もあり、彼の代理人に対する「脅迫」疑惑も浮上している。コヴェントリー、スウォンジー、ブライトンと、イングランドのサッカーで活躍した27歳の選手の獲得に、最も積極的に動いているのはアーセナルとマンチェスター・ユナイテッドであると言われており、このチームのどちらかが決断を下して取引を成立させるのは間違いないと思われる。

    ギェケレシュは昨シーズン、スポルティングCPで54得点をあげ、チャンピオンズリーグでは8試合で6得点を記録。ビッグクラブへの移籍を視野に入れている。最新の報道によると、スポルティングの元監督ルベン・アモリムとオールド・トラッフォードで再会することに傾いているとされ、もし彼がスポルティングCPでの輝かしいパフォーマンスをプレミアリーグで再現できれば、上位復帰を目指すマンチェスター・Uにとって、1億ユーロ(約170億円)など小さな代償にすぎない。

  • Leipzig's Slovenian forward #30 Benjamin Sesko celebrates scoring Getty Images

    2ベンヤミン・シェシュコ(RBライプツィヒ)

    『デイリー・テレグラフ』紙によると、RBライプツィヒのベンヤミン・シェシュコがアーセナルの攻撃陣強化の「最優先候補」となっている。22歳のシェシュコは、ギェケレシュやオシムヘンよりも若く、味方のターゲットとして空中戦に優れた選手であり、セットプレーに注力するアルテタ監督のアーセナルにとって理想的な選手である。

    さらに、『シュポルト・ビルト』によると、個人的な条件に関してシェシュコとは同意済みだと報じられている。ライプツィヒで2年間活躍したシェシュコは、次のステップを目指していると言うのである。このスロベニア代表選手はドイツのクラブで39得点を記録したが、昨シーズンはブンデスリーガで7位に沈み、チャンピオンズリーグの出場権を失ったことで、クラブは困難な状況に立たされている。

    シェシュコを売却すれば財政的なプレッシャーを軽減できるため、BILDは、ライプツィヒがチームの宝であるシェシュコを1億ユーロ(約170億円)ほどで手放すつもりだと報じており、アーセナルが、要求額に応じる用意があると示唆している。シェシュコの経験不足を考慮すれば、この取引にはリスクがあるが、シェシュコはリヴァプールとの差を埋める鍵となりうる選手であり、アーセナルにとっては計算済みのリスクと言えるだろう。

  • Hugo Ekitike Frankfurt 2025(C)Getty Images

    1ウーゴ・エキティケ(アイントラハト・フランクフルト)

    引っ張りだこのウーゴ・エキティケが1億ユーロ(約170億円)の選手の集まりにおける次なるメンバーでないとなれは、驚きでしかない。ここ数カ月、フランクフルトのFWエキティケには、バルセロナ、レアル・マドリー、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、ニューカッスル、アストン・ヴィラとの噂が取りざたされてきた。この23歳の選手には、今や、パリ・サンジェルマンが昨夏に彼を売却した際の移籍金1,700万ユーロ(約29億円)の6倍以上の価値があると見られているのだ。

    『アスレティック』の報道によると、フランクフルトは、2024-25シーズンの全公式戦で34得点に貢献したエキティケの移籍金を下げることはないと言う。エキティケは、1月にオマル・マーモウシュがマンチェスター・シティに移籍した後に本格的に才能を発揮し始め、ヨーロッパの5大リーグで、相手ボックス内でのタッチ数(200)と相手ボックス内への持ち込み数(50以上)で最多を記録してシーズンを終えた。

    エキティケはティエリ・アンリに例えられることがあるが、当然ながらそれはまだ早計である。ただし、ボール扱いの優雅さと、内側に切り込めば誰にも止められないところはアンリに似ている。23歳の彼は単なるストライカーを超えた存在であり、多彩な方法で相手を翻弄する能力を持ち、そのために多くのクラブから注目されている。

    PSGはエキティケの真のポテンシャルを引き出せなかったが、ドイツで大きく成長した。彼はラ・リーガやプレミアリーグで輝くためのすべての要素を持ち合わせている。