ヴィニシウスとデ・ブライネが主役に！CL準決勝の勝者と敗者

ヴィニシウスは、そんなに遠くからシュートを打つことは滅多にない。ブラジル代表のゴールは通常、数人の無力なディフェンダーをかわし、ボックスの内側から決められる。しかし、このゴールは、20ヤードの距離からゴール上隅に突き刺さった。このシュートはエデルソンの意表をついたことは確かだが、彼の活躍は予想できたことだった。

ヴィニシウスは火曜日の夜最高のパフォーマンスを見せた。序盤にベンゼマのお膳立てをする寸前まで行き、ペースの速いカイル・ウォーカーを脅かし、守備の仕事もいとわなかった。

彼は今、チャンピオンズリーグの直近7試合で10ゴールに関与しており、真のワールドクラスであることを証明し続けている。

この試合は、ハーランドがシティで過ごした素晴らしいシーズンの中で最大の試練であったが、今回ばかりは結果を残すことはできなかった。

アントニオ・リュディガーとダヴィド・アラバは、明らかにハーランドを研究しており、ほとんどスペースが与えられなかった。ハーランドはフィジカルな戦いを強いられ、それでも懸命にボールを保持していたが、得意のゴールを決めることはできなかった。2本のシュートでティボー・クルトワをほとんど苦しめず、ひとつはアラバの見事なタックルに阻まれた。

記録的な大活躍をした今シーズン、ハーランドが時々休みを取るのは許されることだろう。しかし、昨年レアル・マドリーへの移籍を真剣に考え、白い巨人を心から尊敬していることを考えると、これ以上の活躍ができなかったことを残念に思うだろう。

14回の優勝を誇る欧州王者のホームで先制されたとき、ベストプレーヤーが立ち上がる必要がある。デ・ブライネは、世界最高のGKの一人であるクルトワにチャンスを与えず、ダイレクトでボールを突き刺し、見事な一撃でその呼びかけに応えた。

アーセナル戦に続き、この2週間で2度目の長距離弾を放ったベルギー人は、今シーズン、ハーランドの影に隠れてしまったものの、自ら得点の責任を負うことを決して恐れていないことを示したのであった。

得点するまでのデ・ブライネは、いつものように魔法をかける余裕もなく、パスミスも多く、それほど良いプレーをしていたわけではない。しかし、シティがヒーローを必要とするとき、彼は喜んで救助に現れた。

ベンゼマは、彼自身の非常に高い基準の犠牲者であることは認める。しかし、昨年のバロンドールを受賞したシーズンの指標に照らし合わせると、彼は今、調子を崩しているように見える。

このフランス人ストライカーは、深い位置まで下がっての連携プレーや、相手ボックス内でのスペースの確保など、いつものようにいい場面もあった。しかし、肝心な場面での彼のクオリティは、単純に欠けていた。

チャンピオンズリーグで200分間無得点というだけで、危機的状況とは言いがたい。ベンゼマは普段から得点に結びつかなかったとしても、少なくとも動きや連係プレーで何かを起こしてくれる。しかし、火曜日、ベンゼマの姿はどこにもなかった。

彼は自分が左サイドバックではないと主張し続けるが、カマヴィンガはこのポジションで上達する一方である。トリッキーなベルナルド・シウバの相手と、カイル・ウォーカーのオーバーラップを処理するというタスクを任された彼は、重要な役割を果たすことになった。

タックルに優れ、ポゼッションでは抜け目なく、マドリーの先制点につながる猛烈な前進を見せた。また、1、2本の斜めのパスが、シティの息詰まるようなプレスを打ち破った。

しかし、残念なことに、シティの唯一の得点につながるミスを犯してしまった。フランス代表は自陣のボックスの外でボールを手放し、5本のパスを経てシティがゴールを決めた。それでも、この試合での素晴らしいプレーを損なうことはほとんどなかった。

サンティアゴ・ベルナベウの芝生に立つことを望んでいたビジターベンチの全員に思いを馳せてほしい。グアルディオラは一度も交代を行わず、ピッチにいる選手全員を信頼し、傍らにいる選手は誰一人として出場させなかった。

ベンチが弱かったわけでもない。リヤド・マフレズは土曜日のリーズ戦でイルカイ・ギュンドアンの2ゴールをお膳立てし、フィル・フォーデンとフリアン・アルバレスは最近、インパクトのある代役として非常に役立っている。マドリーが後半を支配し始めたとき、彼らは出場するチャンスを狙っていただろうが、欧州サッカーの貴族を相手に活躍するチャンスは来週まで待たねばならない。

しかし、エティハド・スタジアムでのセカンドレグで1-1が理想的な土台となることを考えれば、グアルディオラの決断に異論を挟む者はいない。