ラミン・ヤマル、ウスマン・デンベレ…GOALが選ぶ2024-25シーズン欧州リーグのトップ50選手ランキング

ダビド・デ・ヘアは、過去2年間で非常にユニークな経験を積んできた。2022-23シーズン終了後、マンチェスター・ユナイテッドが新契約のオファーを撤回したため、レッドデビルズから放出されたデ・ヘアは、30代半ばで引退を余儀なくされる可能性が高まる中、1年間プレーから離れていた。

しかし、昨年夏にフィオレンティーナがデ・ヘアにキャリア再開の機会を提示したことで状況は一変。デ・ヘアはチャンスを両手で掴み取り、34歳ながらセリエAで11回のクリーンシートを記録し、35試合で38失点に抑える活躍を見せ、ラファエレ・パッラディーノ監督率いるチームで数々の見事なセーブを披露した。ユナイテッドは彼を手放したことを後悔しているかもしれない。

パウ・クバルシは1月まで19歳にならないにもかかわらず、すでにバルセロナのトップチームで80試合に出場するベテラン選手となっている。これは、前シーズンの途中からラ・マシアを卒業し、バルセロナの守備の要として定着したシーズンを経ての快進撃だ。

ヨーロッパ有数のボールコントロールに長けたセンターバックであるクバルシは、カタルーニャでハンジ・フリックのハイライン戦術に適応する必要があったが、経験の浅さをほとんど感じさせないプレーを続けてきた。バルセロナとスペイン代表の今後10年間を支える柱となることは間違いなく、ラ・リーガとコパ・デル・レイで獲得した優勝メダルは、彼のキャリアの最初の栄冠に過ぎない。

モイセス・カイセドはチェルシーでの最初のシーズンで、1億1500万ポンドの移籍金に見合う活躍をすることができなかったが、エクアドル代表の選手はウェスト・ロンドンでの2シーズン目で、ブルーズがブライトンにそのような高額な移籍金を支払った理由を明確に示した。

プレミアリーグシーズンを通じて、カイセドよりも多くのボールを奪回した選手はいない。また、エンツォ・マレスカ監督率いるチームが2シーズンぶりにチャンピオンズリーグ復帰を果たす中で、重要なゴールとアシストも記録した。カイセドがチェルシーのシーズン最優秀選手に選出されたことは、2024-25シーズンの彼の影響力を完璧に示した。

過去2シーズンで最も過小評価されている移籍の一つであるヤン・ゾマーは、インテルでの2シーズン目を通じて、再び世界最高のゴールキーパーの一人であることを証明した。元スイス代表のゴールキーパーは、全大会通算48試合で21回のクリーンシートを記録し、平均して1試合あたり1点未満の失点に抑えた。

ゾマーは、インテルのチャンピオンズリーグ準決勝第2戦バルセロナ戦において、シーズン最高のパフォーマンスを披露した。3失点を喫したものの、サン・シーロで数多くの好セーブを連発し、特に延長戦でラミン・ヤマルのほぼ確実な得点を阻止する驚異的なセーブを含む活躍で、両チームの差を埋める存在となっていた。

パリ・サンジェルマンの無敵のチームの中で最も過小評価されている選手の一人であるウィリアン・パチョは、パルク・デ・プランスでの最初のシーズンで、クラブ史上最大の掘り出し物となる選手に成長するすべての資質を備えていることを証明した。昨年夏、アイントラハト・フランクフルトから3,350万ポンドで移籍したパチョは、ルイス・エンリケのラインナップにすぐに定着し、その地位が揺らぐことはない。

23歳という若さにもかかわらず、エクアドル代表のこの選手は、チャンピオンズリーグ決勝進出の過程で、ヨーロッパ屈指の強豪ストライカーたちを完封し、マルキーニョスの後継者として、PSGの長期的なディフェンスのリーダーとなることをすでに証明している。

マルセイユは 2024年夏に、マンチェスター・ユナイテッドからメイソン・グリーンウッドを2,650万ポンドで獲得。このイングランド代表選手は、ロベルト・デ・ゼルビ監督率いるチームで、リーグ ・アンでの素晴らしい初年度を過ごした。グリーンウッドは21ゴールを決め、チームを2位に導き、チャンピオンズリーグ出場権を獲得し、得点王に輝いた。

23歳のグリーンウッドは、シーズンを通してデ・ゼルビ監督と意見が一致しない場面もあったが、マルセイユのデビュー戦最多得点記録をディディエ・ドログバの記録を更新したことから、他のヨーロッパのビッグクラブも彼への関心を示している。

レアル・マドリーにとって今シーズンは決して輝かしいものではなかったが、スペインとヨーロッパの王者から陥落したチームは、周囲の有名選手たちが常に最高のパフォーマンスを発揮できなかった中でも、フェデ・バルベルデが常に高いレベルのプレーを提供できる頼もしい存在だった。

中央や右バックのポジションを問わず、バルベルデの尽きることのないエネルギーは、攻撃と守備の両面でピッチを駆け回り、チームを支えることができた。そのため、彼が現在背中の怪我を負ったことは、おそらく驚くべきことではない。彼はロス・ブランコス（レアル・マドリーの愛称）のために負わなければならなかった責任の大きさが、その怪我の原因の一つであることは明白だ。

ノッティンガム・フォレストはプレミアリーグの終盤の失速によりチャンピオンズリーグ出場権を逃したが、降格を免れた直後からヨーロッパの舞台への出場権を獲得するまでの道のりは、今シーズンの注目すべき物語の一つだった。クリス・ウッドはシーズン中にリーグ戦で20得点をマークし、フォレストの急上昇の象徴となった。

33歳という比較的遅咲きの選手ながら、巧みな動きとフィジカルの強さでイングランドのディフェンダーを翻弄したウッドは、過去10か月間の活躍を評価され、2025-26シーズンには欧州のトップクラブと対戦する機会を得るに値する選手だ。

デンゼル・ダンフリースは数年間、ヨーロッパで最も活躍するウイングバックの一人として知られてきたが、このオランダ人は2024-25シーズンに自身のプレーを新たな次元へと引き上げた。インテルのスター選手として、全大会通算11得点は個人ベスト記録であり、右サイドで6アシストも記録している。

当然ながら、ダンフリースのシーズンのハイライトはチャンピオンズリーグ準決勝で、バルセロナとの2試合でインテルの7得点中5得点に直接関与（2得点、3アシスト）。もし土曜日の決勝でこのレベルのパフォーマンスを再現できれば、欧州カップはミラノへ渡る可能性が高いだろう。

ニコラ・バレッラの主要な統計データは目立つものではない（全大会通算3得点、8アシスト）。しかし、彼は依然として最も洗練されたミッドフィールダーの一人であり、3シーズンで2度目のチャンピオンズリーグ決勝進出は、イタリア国外での評価が低いインテルのスター選手として、まさに相応の報酬と言える。

28歳の全盛期にあるバレッラは、パスをほとんどミスせず、シモーネ・インザーギのチームの心臓部として休むことなく働き続ける。もしシーズンをトロフィーなしで終えることになれば、少し不公平に感じられるだろう。

インテルがロメル・ルカクの代役としてマルクス・テュラムを起用した決断には疑問の声が上がっていた。ベルギー代表のルカクが2023年にサン・シーロに戻らないことが明らかになったためだ。しかし、伝説の選手リリアン・テュラムの息子であるマルクスは、加入後すぐにチームにフィットし、フランス代表でもレギュラーの座を確立した。

今シーズン、テュラムはインテルがセリエAのタイトルを1ポイント差で逃したものの、チャンピオンズリーグでは数段上の成績を残し、パリ・サンジェルマンとの決勝進出を果たした。バルセロナ戦での30秒でのゴールは、同大会の準決勝史上最速の得点となり、欧州サッカー史に残る名勝負の幕開けとなった。

2024-25シーズンの大半において、ヨズア・キミッヒはバイエルン・ミュンヘンとの契約最終年を過ごし、フリー移籍でチームを去るものと見られていた。しかし、赤いユニフォームを着てこれまでで最も素晴らしいシーズンの一つを過ごした彼は、アーセナルなどからのオファーを断り、アリアンツ・アレーナで新契約を結ぶことを決断した。

キミッヒは依然としてバイエルンにとって不可欠な存在だ。ヴァンサン・コンパニという比較的若い監督が就任し、自身のスタイルを確立しようとしている中でも、ベテランのミッドフィールダーはこれまでと変わらぬ重要性を維持している。その証拠に、今シーズンクラブレベルで4,377分間プレーした。

ドリブル好きのウイングは、そのほとんどがPSGに集まっている。その中の一人、ブラッドリー・バルコラは、魔法のような足を持つ数少ないワイドプレーヤーの一人だ。さらに印象的なのは、今シーズン、21 ゴール、18 アシストという成績を残していること。今日の過酷で容赦のないサッカーカレンダーにおいて、57試合に出場することは決して簡単なことではない。

ルイス・エンリケは PSG を世界でも最も注目すべきチームのひとつに変貌させた。バルコラのような選手たちが、ファンを席から立ち上がらせ、試合を観戦したくなるような魅力を持っている。

ブカヨ・サカがハムストリングの怪我で約4か月間シーズンを欠場していなければ、このランキングで30位前後上位にいただろう。彼はアーセナルがピッチ内外で示すすべての中核であり、魂そのものである。

出場時間が限られていたにもかかわらず、サカは2024-25シーズンに象徴的な瞬間を残した。チャンピオンズリーグ準決勝でレアル・マドリーに対し、アーセナルが合計スコア3-0でリードしていた際、彼は背後へ鋭い突破を仕掛け、点差を広げるゴールを決め、怒り狂うサンティアゴ・ベルナベウの観客を無視するように肩をすくめて笑った。不調の年にしては悪くないパフォーマンスだった。

アーセナルのピッチの反対側では、ウィリアム・サリバがこれまでと変わらぬ信頼性を発揮している。24歳になったばかりとは思えないほど、ヨーロッパ有数の守備陣を冷静沈着に指揮しているのは驚異的だ。

サリバの功績であり、アーセナルの懸念材料となっているのは、彼がレアル・マドリーへの移籍が噂されている点だ。その移籍は即座に実現する可能性もあれば、2027年に契約が切れる時期に近いタイミングになる可能性もある。一つ確かなことは、このフランス人選手が今後10年ほどサッカーを続ける場所がどこであれ、彼はスポーツ界でトップクラスのディフェンダーの一人であり続けるだろう。

マンチェスター・ユナイテッドが今シーズン、ブルーノ・フェルナンデスがいなければ、残留争いを繰り広げていたかもしれないと述べるのは大袈裟ではない。ポルトガル人ミッドフィールダーの才能は長年過小評価されてきた上、オールド・トラッフォードで自身の基準にふさわしいサポートを得たことがなかった。

フェルナンデスは常にフィットしており、試合に常に絡んでいる。良い時も悪い時もである。今シーズンの大半を少し低い位置でプレーしたにもかかわらず、レッドデビルズで57試合で19得点20アシストを記録。彼のチームがプレミアリーグで15位でシーズンを終えたことは、驚くべき失敗だ。

インテルの3バックシステムは現在、欧州の伝説となっている。その要は左利きのセンターバック、アレッサンドロ・バストーニだ。彼ほどボールを奪い返し、ピッチを駆け上がる能力に長けたディフェンダーは、そう簡単には見つからない。

26歳となったバストーニは、クラブと代表でタイトル獲得の経験が豊富でありながら、まだ若く、最も速く強い攻撃陣についていける絶妙な年齢にある。もしインテルが彼を失えば、チームは完全に崩壊する可能性さえあるだろう。

アーセナルのファンは、ガブリエウ・マガリャンイスを数多くの理由から愛している。その理由には、クラブへの情熱やライバルのトッテナムへの憎悪が含まれる。しかし最も重要なのは、彼が現代のディフェンダーとして最高の選手であり、あらゆる要素を兼ね備えている点だ。

アーセナルに加入した当時のガブリエウは、プレーの幅が限られていたが、現在はボール扱いが格段に上達し、世界有数のセットプレーの脅威となっている。セットプレー専門コーチのニコラス・ホベルのベストプレーは、ブラジル人ディフェンダーが中心となったものばかりだ。そのため、シーズンを終えて5得点をマークし、多くの得点機会も作り出した。

1月にチームを移籍しながらも、シーズン前半の好調を維持する選手は多くない。しかし、オマル・マーモウシュはその稀有な例だ。彼はブンデスリーガで最も刺激的な攻撃手の1人としてアイントラハト・フランクフルトを去り、マンチェスター・シティの攻撃陣に必要とされていた個性をもたらした。

マーモウシュのショータイムスタイルの醍醐味は、クリスタル・パレスとのFAカップ決勝敗北からボーンマスとの勝利までの4日間で最もよく表れた。エジプト代表FWは、ウェンブリーでのイーグルス戦ではPKで同点弾のチャンスを逃しましたが、ホームでのチェリーズ戦では約35ヤードからのシュートで試合を打開し、2つのクラブで合計28得点17アシストを記録してシーズンを締めくくった。

2024-25シーズン、試合中にモハメド・サラーを沈黙させることは、どの選手にとっても偉業だった。同じ選手が1週間の間に2度もそれを達成することは、ほぼ不可能だと考えられていた。しかし、PSG がチャンピオンズリーグの16強でリヴァプールを破った試合で、ヌーノ・メンデスがまさにそれを成し遂げた。この試合では、ポルトガル人選手は、素晴らしい攻撃力に加え、守備面でも成長を見せたパフォーマンスを披露した。

メンデスは、その間のアストン・ヴィラとの2試合でも得点を挙げ、アーセナル戦ではブカヨ・サカを比較的静かに抑えた。すべてのエリートクラブが新しい左サイドバックを探しているような世界において、フランス王者は、最高の選手の一人がいることを喜んでいるだろう。

アレクシス・マクアリスターはリヴァプールにとってまさに最高の補強だった。2024-25シーズン、彼はプレミアリーグ優勝において重要な役割を果たし、世界有数のセンターミッドフィールダーとしての地位を確固たるものにした。このアルゼンチン出身の選手はほぼ全試合に出場し、トッテナム戦での見事なゴールで優勝を決定づける活躍を見せた。

マクアリスターの成績（7得点、6アシスト）は目立つ数字ではないが、彼のプレーを見れば、彼がリヴァプールのシステムにとっていかに重要かが明白だ。常に攻撃を前進させ、卓越したビジョンを示し、ドミニク・ソボスライとライアン・フラーフェンベルフとの完璧なコンビネーションを築いている。

ジャマル・ムシアラは、同世代の選手たちと比べても不思議と過小評価されている。おそらくその控えめな性格が影響しているのだろう。しかし、今シーズンもバイエルン・ミュンヘンのミッドフィールドの創造的要員として、上昇傾向を維持した。ケガのためシーズン終盤の重要な試合を欠場したものの（チャンピオンズリーグ準決勝のインテル戦を含む）、18得点と8アシストを記録した。

ボールコントロールの達人である22歳のムシアラは、2025年に欧州のトップ5リーグで最も成功したドリブル数でトップ10にランクイン（残りの選手はすべてウイング）。現在、最も優れた攻撃的ミッドフィールダーの一人だ。

フリアン・アルバレスは、マンチェスター・シティから夏に8150万ポンドの大型移籍でアトレティコ・マドリーに移籍したものの、リーグ戦でクリスマスまでにわずか5得点と、移籍当初は精彩を欠いたスタートを切った。しかし、彼は最終的に大きな活躍でその価値を証明することになった。

アルゼンチン代表のアルバレスは特にチャンピオンズリーグで輝き、10試合で7得点をマーク。シーズン後半の活躍で、全大会通算29得点を記録した。この圧倒的なパフォーマンスは、マドリーでの1シーズン目で再び高額移籍の噂を呼んでいる。

アーリング・ハーランドにとって、今季は「悪い」シーズンだったと広く見なされていた。これは、24歳というまだ比較的若いキャリアの段階で、信じられないほど高い基準が課せられているマンチェスター・シティの得点マシンとしての彼の立場を反映している。

確かに、これはハーランドがボルシア・ドルトムントでケガに悩まされた2021-22シーズン以来、最も得点の少ないシーズンだった。しかし、今シーズンは全大会で31得点をマークし、そのうちチャンピオンズリーグでは10試合で8得点を挙げた上、2か月間戦線を離脱したにもかかわらず、これは世界中のほぼすべてのストライカーにとって夢のような成績だ。

アクラフ・ハキミは長年、サッカー界で最も優れた攻撃的なサイドバックの一人として知られてきたが、2024-25シーズンにはパリ・サンジェルマン（PSG）が前例のない3冠と初のチャンピオンズリーグ優勝を目指す中、ルイス・エンリケの新体制で中心的な役割を果たし、さらに一段階上のレベルに到達している。

モロッコ代表のハキミは、今シーズン右サイドバックとして驚異的な22得点関与を記録し、そのうち8得点はチャンピオンズリーグの16試合で決勝進出に貢献した。この攻撃的な活躍は、守備面の改善ともバランスが取れており、ハキミは以前よりミスが減っている。

一般には知られていないかもしれないが、マテオ・レテギは2024-25シーズンのセリエAで圧倒的な活躍を見せ、アタランタの3位フィニッシュに貢献。25得点をマークし、数多くの名ストライカーを大きく引き離して得点王を受賞した。

このストライカーは、正確無比なフィニッシュ能力を誇り、6フィート1インチの堂々とした体格をシーズン通じて効果的に活用。ヴェローナ戦で4得点を奪うなど、元所属クラブのジェノア戦ではハットトリックを記録した。チャンピオンズリーグでの復帰は控えめ（3得点）だったたが、彼自身は気にしないだろう。

デジレ・ドゥエのPSGでのキャリアは、昨年夏にレンヌからパリに移籍した当初はゆっくりと始まった。しかし、この若きウイングはルイス・エンリケのスターティングイレブンに食い込むことで、誰もが注目する存在へと急浮上した。

フヴィチャ・クヴァラツヘリアとウスマン・デンベレと共に激しい前線トリオを形成したドゥエは、ドリブルの技巧で観客を魅了し、元PSGのスター選手ネイマールのプレースタイルと比較されるほど。国内リーグとチャンピオンズリーグで13得点15アシストという驚異的な成績を残した。

2024-25シーズンは、レアル・マドリーにとって全体的に非常に厳しいシーズンであり、ジュード・ベリンガムにとっても決して最高のシーズンではなかった。しかし、イングランド代表のミッドフィールダーであるベリンガムは、決して努力を欠いたわけではなかった。

ベリンガムはマドリーでのデビューシーズンに見せたような輝きを再現することはできなかったが、中盤の要としてチームで最も効果的で安定したパフォーマンスを発揮し続け、周囲が混乱する中での28得点関与は決して軽視できるものではない。

今シーズン、その活躍が注目されなかったもう一人のストライカー、遅咲きのセルー・ギラシは、ボルシア・ドルトムントでハリー・ケインとのブンデスリーガ得点王争いを激しく競い、特にシーズン終盤の5試合で6得点をマークし、チームの上位4位フィニッシュに貢献した。

29歳のギラシはそこで目標を達成できなかったものの、チャンピオンズリーグでは状況が異なった。ギニア出身の大型ストライカーはバルセロナのハフィーニャと共に最優秀得点王に輝き、ドルトムントが準々決勝進出を果たす中で、14試合で驚異の13得点をマークした。

デクラン・ライスのプレーは2024-25シーズンに新たな次元へと進化した。彼は、誰もが守備的な6番として認識していた選手から、攻撃的な8番としてボックス間を駆け巡り、得点を量産する選手へと変貌を遂げたのだ。アーセナルはこの変化から莫大な恩恵を受けた。

イングランド代表のライスは今シーズン、全大会通算でキャリアハイの19得点とアシストを記録し、特にセットプレーからの新境地を開拓。特に記憶に残るチャンピオンズリーグ準決勝のレアル・マドリー戦での2本の正確無比なフリーキックが、その新境地を象徴するプレーとなった。

レヴァークーゼンはシャビ・アロンソ監督最後のシーズンにおいて、2023-24シーズンを再現できなかった。しかし、フロリアン・ヴィルツの努力が足りなかったわけではない。このプレーメーカーは、すべての大会で31得点を生み出し、最終投票の29.1%という圧倒的な支持率を獲得し、ドイツプロサッカー選手協会から年間最優秀選手に選出された。

ヴィルツは一瞬で守備陣を崩す創造的な天才で、22歳ながら世代最高の攻撃的ミッドフィールダーになる可能性は否定できない。そのため、リヴァプールは今夏プレミアリーグに彼を獲得するため、1億ポンドを超える移籍金を支払う準備を進めていると報じられている。

「必要なら10倍頑張る。彼らはまだ準備ができていない」と、ヴィニシウスは2024年バロンドール受賞を逃した後にインスタグラムに投稿し、2023-24シーズンにレアル・マドリーの2冠を牽引した後に、さらに成長することを誓った。しかし残念ながら、彼のパフォーマンスレベルはその後大幅に低下し、キリアン・エンバペがマドリーの新たな主軸となった。

復讐のツアーはまだ始まっていないが、これは主にレアル・マドリーのチームとしての苦戦が原因だ。ヴィニシウスは依然として息をのむような瞬間を数多く生み出し、昨季の37得点貢献に並ぶ成績を残した。これは、シャビ・アロンソの下で新たなシステムに順応し、再び軌道に乗る可能性を示している。

ジャンルイジ・ドンナルンマは長年、世界最高のゴールキーパーの一人として評価されてきたが、PSGで国内リーグと欧州の舞台でほぼ完璧なシーズンを過ごしたことで、現在では間違いなく頂点に立っていると言える。イタリア人ゴールキーパーがレフ・ヤシン以来初めてバロンドールを受賞する可能性も囁かれており、これはチャンピオンズリーグでのパフォーマンスで見ても正当化されるだろう。

アーセナルやアストン・ヴィラは、ドンナルンマの超人的なシュートストップがなければ、PSGの決勝進出を阻止していた。26歳のドンナルンマはルイス・エンリケの下でプレーを一段と向上させ、プレッシャー下でも冷静さを保ちながら、前線の守備陣に激しい力を伝える真のリーダーとして成長した。

マンチェスター・ユナイテッドのファンは、昨年スコット・マクトミネイがチームを去ったことに特に悲しむ者は少なかった。なぜなら、彼はこれまでほとんど「働き馬」以上の存在を示さなかったからだ。しかし、ナポリの監督アントニオ・コンテは、オールド・トラッフォードのコーチ陣が気づかなかった彼の可能性を見出した。

コンテはマクトミネイをディフェンスの前で守るために獲得したわけではない。彼は4-3-3システムでより攻撃的な役割を任され、ボックス内に突撃する自由を与えられ、その役割で輝いた。マクトミネイは今シーズンのセリエAで最高のミッドフィールダーであり、新イタリア王者ナポリで18得点に関与し、インテル、トリノ、モンツァ、カリアリ戦での決定的なゴールで、ナポリのファンから新たなアイコンとして称賛されている。

マンチェスター・ユナイテッドは2024年にベンフィカからジョアン・ネヴィスの獲得でパリ・サンジェルマン（PSG）に先を越され、若手の成長を羨望の眼差しで注視しているに違いない。ネヴィスはリーグ・アンの巨人PSGにとって変革をもたらす移籍となった。小さな魔術師は、最大の試合で中盤を支配してきた。

ネヴィスは狭いスペースでボールを受け取り、ラインを突破する技術に長け、カウンタープレスでも圧倒的な強さを発揮する選手だ。マンチェスター・シティはチャンピオンズリーグの対戦でその恐ろしさを痛感した。20歳のネヴィスは決定的なゴールや致命的なパスを繰り出す能力も持ち、彼の魅惑的なプレーにより、PSGは欧州制覇に最も近い位置にいる。

フヴィチャ・クヴァラツヘリアは、シーズン前半のナポリの復活に重要な役割を果たしたが、1月にPSGに移籍して以来、全く新しい次元へと進化を遂げている。ルイス・エンリケ監督率いるチームはスター選手揃いだったが、ジョージア出身のウイングは攻撃に新たな次元を加えている。

複数のディフェンダーをかわすドリブル、遠目から止められないシュートをゴール隅に突き刺す、チームメイトに完璧なパスを供給してフィニッシュをアシストするなど、クヴァラツヘリアはPSGにとって決定的な影響を何度も与えている。24歳の彼はより多くの得点を挙げるべきだが、彼のプレー全体への影響力は過小評価できない。チャンピオンズリーグ決勝で再びPSGに優位をもたらす可能性は十分にある。

ラウタロ・マルティネスは今シーズン、セリエAで12得点しか挙げられず、2018-19シーズン以来の最低得点数となった。これがナポリがインテルを破ってタイトルを獲得した要因の一つだ。しかし、アルゼンチン代表のストライカーはチャンピオンズリーグで13試合で9得点をマークし、うち4得点はノックアウトステージで決めるなど、その不足を十分に補っている。

PSGは決勝戦でラウタロを厳重にマークする必要がある。彼はゴール前でいかに決定力があるかを示しているからだ。27歳のこのストライカーは、常に評価されるべき選手だが、インテルの15年ぶりの欧州制覇を成し遂げれば、その評価は一変するだろう。

サッカーの世界は本当に変化が激しいもので、ヴィティニャの台頭はその証左だ。わずか4年前、ポルトガル出身の彼はウォルバーハンプトンでのレンタル移籍で出場機会を掴むのに苦闘していたが、今ではパリ・サンジェルマンの不可欠な司令塔として、ボールを失わず、エネルギーが尽きることのないミッドフィルダーのメトロノームとなっている。

今シーズンのチャンピオンズリーグで最も多くのパスを成功させた選手はヴィティーニャである。彼はルイス・エンリケ監督率いるチームのテンポを刻み、ボールを持っていない時の執拗な働きでプレッシャーを軽減している。PSGが3冠を獲得しても、ヴィティーニャは見出しを飾らないかもしれない。しかし、彼の輝きこそがチーム全体が輝くことを可能にしている。

ハリー・ケインは2024-25シーズンのバイエルン・ミュンヘンで最も称賛を浴びており、26得点を挙げたブンデスリーガ優勝の立役者として当然の評価を受けている。しかし、イングランド代表キャプテンのケインは、クリスタル・パレスから加入したミカエル・オリーズの貢献なしには成し遂げられなかった。

オリーズはバイエルンの得点ランキングで2位タイを記録し、驚異の18アシストをマーク。これにより23歳の若さでブンデスリーガのルーキー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞したほか、チャンピオンズリーグでも7得点を記録した。次なるステップは真に特別なものとなるかもしれない。現在、オリーズのようなプレーを見せるウイングは世界でも数少ない存在であり、彼の左足はサッカーの神に祝福されたものだ。

「彼は現在、プレミアリーグ最高のストライカーだ。他の選手とは比べ物にならない」と、リヴァプールのレジェンド、ジェイミー・キャラガー氏は、アレクサンダー・イサクがマンチェスター・ユナイテッド戦で2-0の勝利を収め、6試合連続得点を達成したのを見て、そう語った。12 月のこの評価に異議を唱えることは不可能であり、イサクが23得点でシーズンを終えたことを考えると、この評価は今日でも正確である。

スウェーデン人選手は、ニューカッスルをチャンピオンズリーグに戻し、70年ぶりのタイトル獲得に貢献。これにより、今夏にヨーロッパのビッグクラブに移籍したとしても、彼の伝説的な地位は揺るぎないものとなるだろう。イサクは、狭いスペースでのスピードとコントロールで、ティエリ・アンリとの比較も当然だ。23 歳の彼は、まだまだその潜在能力を発揮しきっていないだろう。

チャンピオンシップからチャンピオンズリーグへ。ヴィクトル・ギェケレシュは過去2年間で驚くべき道のりを歩んできた。実際、スウェーデンのストライカーは、スポルティングCPでの素晴らしいシーズンを経て、現在世界サッカーで最も注目される選手の一人となっている。

ギェケレシュは合計53得点をマークし、そのうち6つのハットトリックを記録。その一つはマンチェスター・シティを4-1で破る驚異的な試合でのものだった。そのため、ルイ・ボルジェス監督は、スポルティングのプリメイラ・リーガ優勝時に33試合で39得点を挙げた選手を保持するのは容易ではないと認めている。

「彼と共に過ごす時間を最大限に活用しなければならない。彼は本当に例外的な選手だからだ」と監督は語った。

リヴァプールは常にフィルジル・ファン・ダイクに新契約を提示するつもりだった。33歳という年齢にもかかわらず、彼は世界最高のディフェンダーであり、圧倒的な存在感と強靭な身体を誇り、突破不能な壁のような選手だ。空中戦でも相手を圧倒する能力は群を抜いている。

ファン・ダイクは今シーズン、プレミアリーグの最終節前まですべての試合で全出場を果たし、その頃にはリヴァプールがタイトルを確定させていた。さらに、アルネ・スロット監督を驚かせた驚異的なパスレンジも披露した。チャンピオンシップ制覇を導いたインスパイアリングなキャプテンとして、ファン・ダイクはアンフィールド・ロード近くにある家の壁に描かれた彼の栄誉を称える壁画に、完全に値する存在だ。

キリアン・エンバペはレアル・マドリーにフリー移籍で加入したものの、フランス人選手はクラブが彼を故郷のPSGから引き抜くために用意した巨額の移籍金に見合う価値を証明するため、最初から大きなプレッシャーにさらされていた。サンティアゴ・ベルナベウでの最初の数か月間、彼は精神的にも肉体的にも苦戦しているように見えた。

しかし、調子は一時的だが、クラスは永久不変だ。周囲の選手がトロフィーを獲得できなかったシーズンを過ごしたにもかかわらず、エンバペはクリスティアーノ・ロナウドよりもマドリーでのデビューシーズンでより多くの得点を挙げ、フランス代表のフォワードは55試合で41得点をマークし、ヨーロッパ・ゴールデンシューを獲得した。

ハンジ・フリックは、ロベルト・レヴァンドフスキのセンセーショナルなシーズンスタートに関する騒ぎをあまり気にしていなかった。元バイエルン・ミュンヘンの監督が知っていたレヴァンドフスキは、得点を量産するレヴァンドフスキだけだった。しかし、2023-24シーズンには、ついに年齢が彼に追いつきつつあるという心配な兆候が見られたため、このポーランド人選手の復活は注目に値した。

しかし、36歳のレヴァンドフスキは、46試合の出場で40ゴールという驚異的な成績を残し、その懸念を一掃した。バルセロナが2冠を達成した後で唯一残念だったことは、チャンピオンズリーグの準決勝でインテルに敗れた試合で、レヴァンドフスキが30分しか出場できなかったことだ。

ついに成し遂げた。ハリー・ケインがようやく主要なタイトルを手にした。バイエルン・ミュンヘンがレヴァークーゼンからブンデスリーガのタイトルを奪還したのだ。ケインは予想通り、チームの成功に不可欠な存在だった。センターフォワードのケインは31試合で26得点をマークし、チャンピオンズリーグではキャリアハイの11得点を記録。そのうち3得点はレヴァークーゼンとの16強戦での大勝で決めた。

31歳でついにトロフィーの呪いを破ったケインは、バイエルンでさらに多くのタイトルを獲得する可能性を秘めている。ヴァンサン・コンパニ監督は「選手として彼と対戦したことがあるが、年齢を重ねるごとにさらに成長している」と語った。

ハンジ・フリックがバルセロナの監督に就任して以来、最も恩恵を受けた選手はペドリだ。ドイツ人監督のフィジカルトレーニングチームは、過酷なプレシーズンプログラムを通じてチームを最高の状態に仕上げた。ペドリはこれまでで最もフィットな状態（今シーズンはキャリアハイの58試合に出場）であり、その結果、これまでで最も良いプレーを披露している。

スペイン代表のペドリは、14得点に直接関与し、そのうち6得点を自ら記録。また、ヨーロッパの5大リーグで最も多くのボールを奪取（385回）した選手でもある。世界中でこれほど完成されたミッドフィールダーは存在しない——そして驚くべきことは、ペドリはまだ22歳であり、今後10年間も試合を支配し続ける可能性があるということだ。

長年にわたる不振が続いたウスマン・デンベレは、才能を無駄にした選手、バルセロナ史上最悪の移籍として記憶に残る運命にあるように見えた。しかし、パリ・サンジェルマンでの2シーズン目で、その評価は180度転換した。

このウイングは、突然、ゴールと安定感をプレーに加え、PSG が（予想通り）リーグ・アンで優勝、そして（予想外にも）チャンピオンズリーグの決勝に進出する中で、全大会で44ゴールを記録。その結果、デンベレは 2025年のバロンドールを受賞する絶好の立場にある。これは、1 年前には考えられなかったことだ。

リヴァプールが昨年のプレミアリーグで優勝を逃したことは、モハメド・サラーに大きな打撃を与えた。彼は今シーズン、その雪辱を晴らすために全力を尽くすことを誓ったようだ。そして、その誓いは確かに果たされた。

サラーは、プレミアリーグ史上最高の個人成績を残し、リヴァプールはタイトルを獲得。エジプトの王は、28ゴール・18アシストという記録を打ち立てた。結局、悪名高い倹約家であるフェンウェイ・スポーツ・グループ（FSG）は、32 歳の永遠の若き選手に新たな契約を結ぶしか選択肢がなかったようだ。

バルセロナは昨年夏、ハフィーニャを放出寸前まで追い込んだ。しかし、2024-25シーズンで驚異的な活躍を見せ、ロッカールームで最も尊敬される人物の一人として確立し、ピッチ上でもバルセロナのベストプレーヤーの一人として認められたハフィーニャに、クラブは高額な新契約を提示した。

バルセロナのリーグ優勝に重要な役割を果たし、得点とアシストの両方で二桁を記録した。しかし、多才なウイングはチャンピオンズリーグで真価を発揮し、クリスティアーノ・ロナウドの記録（21）に並ぶゴール関与数をマーク。これにより、今年のバロンドール受賞候補に名乗りを上げた。

バルセロナのウイング、ラミン・ヤマルが17歳で成し遂げていることは、まさに信じがたいほど驚くべきことで、事実上前例がない。ヨーロッパの5大リーグで、これほど若い選手が1シーズンで18得点・21アシストという驚異的な成績を残した例は、これまで一度もない。

したがって、「世界最高の選手」というタイトルについては意見が分かれるかもしれないが、一つだけ全員が一致していることがある。現在、彼ほど恐れられるフォワードは存在しない。インテルのシモーネ・インザーギ監督は、チャンピオンズリーグ準決勝で 「50年に1人の現象」と呼ばれるヤマルの脅威を無効化するために、2人のマークマンでは足りず、3人のマークマンを配置せざるを得なかった。