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リヴァプールファンの“鼓舞”を無視してはいけない:「退屈」なスロットに忍び寄る魔の手

17日、リヴァプールは本拠地アンフィールドでバーンリーと1-1のドローに終わった。昨季王者が昇格組3チームとのホームゲームで初の出来事である。するとスタンドからは、ブーイングが鳴り響いた。もはやサポーターは黙って応援することを拒んでいる。彼らは眠りから目覚めさせようとチームを奮起させたかったのだ。あのブーイングは、ある意味での“鼓舞”でもあった。

しかし、アルネ・スロットにはそれは聞こえなかったようだ。試合後、「私の頭の中ではブーイングではなかったよ」と答えていた……。

  • Liverpool v Burnley - Premier LeagueGetty Images Sport

    間違い

    スロットに公平を期すなら、少なくともバーンリー戦ドローにホームサポーターが苛立っていることは認めていた。そしてその感情は自分だけでなく、全選手が共有していると強調した。試合後の会見ではこう語っている。

    「相手の守備には称賛すべき点があった。ゴールライン上でボールをクリアし、バーンリーの監督なら望むであろうあらゆることを実行している。選手たちは我々の得点を阻止すべくあらゆる手を尽くした。だがリヴァプールとして、ホームでバーンリーと引き分けたことに失望しなくなったなら、それは何かが根本的に間違っている」

    とはいえ、その事実はすでにしばらく前から明らかだった。

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    「退屈」

    リヴァプールはプレミアリーグ過去17試合でわずか5勝しか挙げていない。これを考慮すると、まだ4位につけているのは幸運だ。この悲惨な結果の連続は、ロイ・ホジソン体制を思い起こさせる(獲得可能な51ポイントの内21ポイントにとどまった)。また結果ができなく、重苦しいプレースタイルにも紛れもない類似点がある。サポーターの忍耐力を厳しく試している状況だ。OBヤン・メルビーは先日、自身のコラムでこう綴っていた。

    「私は毎週、同じ問題を自問自答し続けている。次のステップは何なのか?ここで構築されているものは何なのか?、と。その一因は、間違いなく(ユルゲン)クロップ時代の余波にあるだろう。10年近くの間、激しさと混沌が我々のアイデンティティだった。たとえ悪い日でも、我々はエキサイティングだったんだ」

    「しかし、今や退屈が忍び込んできた。リヴァプール観戦についてこんなことを言う日が来るとは思わなかったよ。試合中に意識が飛んでしまう自分に気づく。それ自体が物語っている」

  • Liverpool v Burnley - Premier LeagueGetty Images Sport

    ヴィルツの輝き

    バーンリー戦でまったく見どころがなかったわけではない。例えば、フロリアン・ヴィルツは再び輝きを放ち、序盤の苦戦を嘲笑った人間を見返すようなパフォーマンスを見せている。試合の均衡を破った彼のシュートは、高まりつつある自信を雄弁に物語っていた。苦しんだ時期はシュートを打つことさえ躊躇しているように見えたが、直近6試合で4ゴールを記録。また、バーンリー戦は最終ラインへのパス数(60本)が全選手中最多だった。絶妙なチャンスメイクから追加点のビッグチャンスも生み出している。これをコーディ・ガクポが決められなかったのは痛恨だが……。

    試合後、ヴィルツは「チームメイトとの連携は今、本当に良好だ。ピッチ上で互いをより深く理解している。それが自信につながり、プレーがより楽しくなる。ピッチ上で良い感覚を掴めている」と語っている。

    その変化はパフォーマンスだけでなく、彼の全体的な態度にも表れている。超高額な移籍金という重圧がようやく消えたように見える。

  • Arsenal v Liverpool - Premier LeagueGetty Images Sport

    SBの輝き

    また、ヴィルツと同じく夏に加入したミロシュ・ケルケズとジェレミー・フリンポンも、今季初めてと言えるほど、サイドバック起用で真の脅威となっていた。

    攻撃的志向の強い両サイドバックは、合わせて10回のチャンスを創出。特に批判の的となっていたケルケズが、リヴァプールが獲得に動いた理由である躍動感をようやく見せ始めたのは心強い限りだ。先週のアーセナル戦(0-0)でブカヨ・サカを封じたことが士気に大きな影響を与えたのは当然と言える。

    こうしてみれば、個々の選手は確実に成長している。しかしその一方で、チーム全体を見ると決して明るい気分にはなれない状況だ。

  • Fulham v Liverpool - Premier LeagueGetty Images Sport

    悪循環

    プレミアリーグ4試合連続ドローに終わった後、スロットは最近の結果は「チームの発展」を反映していないと主張した。しかし、目の肥えたファンを欺くことはできない。

    9月27日~11月26日までの全大会12試合で9敗を喫した後、スロットが守備陣(特にアウェーでの)強化を急ぐ必要があることは誰の目にも明らかだった。しかしリヴァプールは過去6週間で、本拠地アンフィールドで昇格組全チーム相手に勝ち点を落とし、さらに最下位に沈むウォルヴァーハンプトン相手にも辛勝に終わっている。

    そういう意味では、土曜日にアンフィールドでバーンリーに引き分けを許したことは、まったく驚くべきことではなかった。それはリヴァプールのプレーパターンと同じくらい予測可能だった――あるいは、ガクポが右足でシュートを打つために内側に切り込むのと同じくらいだった。

    バーンリーの同点弾にも必然性が漂っていた。リヴァプールの試合が長引けば長引くほど、選手は緊張し、結果的にサポーターも不安になる。こうして不安の悪循環が生まれるのだ。最終的に試合は楽しむものではなく耐えるものとなる。だが、それが許容される期間には限界がある。

  • Liverpool v Burnley - Premier LeagueGetty Images Sport

    危機的状況

    SNSという常に毒に満ちた世界の外では、スロットの解任を本気で望むリヴァプールファンは存在しないだろう。彼らは今も指揮官の成功を願っている。昨シーズンの優勝だけでなく、クラブにとって真にトラウマ的な夏を彼が品位をもって乗り切ったことにも起因する、オランダ人監督への純粋な愛情がそこにあるからだ。

    また、彼が不利な状況に置かれていることも認められている。スロットは「ヘッドコーチ」であり「マネージャー」ではないと、非常に意図的に呼ばれていることを思い出してほしい。つまり、驚くほどセンターバックが足りないという事実は彼に責任があることではないのだ。

    とはいえ、今のチームは昨季のチームを大きく下回っている。個々の選手のポテンシャルの総和にまったく届かないチームになっている。この責任は、間違いなくスロットにある。

    今シーズン、彼がチームのバランスを適切に取れているように見える瞬間は一度もない。 シーズン序盤は混沌とした試合があまりにも多かったが、今やサポーターは毎週のように退屈なドローゲームを見せられている。さらに懸念すべきは、スロットが勝利の方程式を取り戻す兆しすら見せていないことだ。現段階では、水曜日のマルセイユ戦(チャンピオンズリーグ)でモハメド・サラーを即座に先発復帰させる以外に選択肢はない。

    エースとの関係は依然としてぎくしゃくしているが、現時点ではサラーの必要性のほうが大きく上回っている。リヴァプールには得点源が不足しており、またファイナルサードで強烈な存在感を発揮する選手もいない。最も影響力のある選手をベンチに置く余裕などないのだ。確かにプレス面では問題を生む可能性はあるが、リヴァプールのシーズンと自身の危機を救うためには、スロットが決断する責任を負わなければならない。

    もちろん、スロットが完全に信用を失ったわけではない。だが、それは急速に失われつつある。サポーターは単に苛立っているだけでなく、信頼を失いつつあるのだ。彼らには、何かすがるものが必要だ――来季は確実にタイトルに挑戦できるという、確かな証拠がなければファンは離れていってしまうだろう。

    そうした状況下で、アンフィールドでの課題はもはや結果だけではない。プレーの質も向上しなければ、ブーイングはさらに激しくなっていくだろう。それはスロットにも“無視できない”ボリュームまで膨れ上がるはずだ。そうなると、クラブも考えを変えるかもしれない。今はそれほど騒がれていないかもしれないが、スロットの危機的状況は確実に増大しているのだ。

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