Man Utd lack of goals GFXGetty

マンチェスター・Uが得点力不足に陥っている6つの理由…ラッシュフォードの中央起用、新戦力の負傷

かつてアレックス・ファーガソンがいたときのマンチェスター・ユナイテッドは、結果的に期待外れに終わったシーズンであっても、勢いよくスタートし、ゴールを量産していた、

2021-22シーズンはリーズを5-1で撃破して開幕。その前のシーズンでは、開幕戦でクリスタル・パレスに敗れたものの、最初のアウェーゲームでブライトンを3-2で下した。2019-20シーズンは開幕節でチェルシーを4-0で撃破。ジョゼ・モウリーニョの最初のシーズンは最初の2試合で5ゴール、2年目は8ゴールだった。

しかし、エリック・テン・ハーグが指揮を執った2シーズンは、いずれも最初の2試合でわずか1ゴール。今季はウルブスに1-0で勝利した後、トッテナムに0-2と敗れている。昨季に関しては、3戦目でリヴァプールを破り、悪いスタートを取り戻した。しかし、3位に終わったとはいえ、ゴール数は58にとどまった。これはトップ6に入ったどのチームよりも少なくとも10ゴール少なく、9位のブレントフォードと同数だった。

得点力不足は、オランダ人指揮官がこの夏に解決しようとした課題だったが、新加入選手に1億6500万ポンド以上を費やしたにもかかわらず、ユナイテッドはいまだに攻撃陣が驚くほど“軽く”見える。

  • Rasmus Hojlund Manchester UnitedGetty

    負傷で出遅れたホイルンド

    ユナイテッドがこの夏一番のターゲットとしたのはストライカーで、ハリー・ケインにこれ以上の出費をするよりも、アタランタから20歳のラスムス・ホイルンドを7200万ポンドで獲得することを選んだ。

    しかし、ユナイテッドが期待するストライカーは背中を痛め、デビューを待たされている。ホイルンドは191センチと長身でありながら、爆発的なペースとパワーに恵まれている。回復すれば、9月3日のアーセナル戦に間に合う可能性もある。

    昨シーズンのユナイテッドは、アンソニー・マルシャルのフィットネス上の問題、クリスティアーノ・ロナウドの問題と最終的な退団、そしてヴァウト・ヴェグホストの能力不足のために、適切なストライカーなしでほとんどの時間を過ごした。だから、ホイルンドが待望のデビューを果たすまで、ユナイテッドが昨シーズンと同じような前線の問題に悩まされることになっても、まったく不思議ではないというわけだ。

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  • Micky van de Ven Marcus Rashford Tottenham Man Utd 2023-24Getty Images

    中央でのラッシュフォードは威力低下

    ホイルンドの負傷により、マーカス・ラッシュフォードがセンターフォワードの代役を務めることになった。昨シーズンはラッシュフォードのキャリアで最も多くのゴールを決めたシーズンだったが、カンプ・ノウでバルセロナを恐怖のどん底に陥れたり、バーンリー戦でハーフウェイラインを越えたところからセンセーショナルなドリブルでゴールを決めたりしたように、彼の最高の瞬間はどちらかのウイングから入ったときだった。

    ラッシュフォードはこの夏、『The Overlap』に出演したガリー・ネヴィルに、好きなポジションは左ウイングであると認めている。

    「左の方が試合に絡みやすい。だからセンターフォワードでプレーするのは、忍耐が必要で苦労することもあるんだ。20分間ボールに触れなくても、最初のタッチが得点のチャンスになるかもしれない。精神的にスイッチを入れなければならない。左のほうが自然だし、普通に感じるよ」

    ラッシュフォードの最初の2試合は本来のパフォーマンスではなかった。ウルブス戦では4本のシュートを放ったが、うち3本はブロックされた。スパーズ戦では3本のシュートを放ったが、1本はブロックされ、1本はグリエルモ・ヴィカリオにセーブされた。

    交代を命じられたとき、彼はベンチで不機嫌そうにしていた。昨シーズンは30ゴールを挙げたストライカーも、今季の枠内シュートは2本のみとなっている。

  • Antony Manchester United Wolves 2023-24Getty

    不振のウイング

    ユナイテッドは常にエキサイティングなサイドアタックで有名だが、ワイドプレーヤーはなかなか調子が上がらず、ラッシュフォードが中央でプレーするのは問題の一部に過ぎない。アントニーはプレミアリーグでのデビューシーズン、4ゴール2アシストにとどまった。8,500万ポンドの値札は、彼にさらなるプレッシャーを与え、ユナイテッドが支払った移籍金に見合うだけの活躍も見せていない。

    昨シーズンは輝きを放ったアレハンドロ・ガルナチョも期待外れで、先発メンバーとしてよりも交代要員としてプレーする方がはるかに効果的だという意見に重みが増している。最初の2試合はベンチだったジェイドン・サンチョは、フォレスト戦ではガルナチョの代わりに先発するに値する。

  • Bruno Fernandes Manchester United 2022-23Getty

    ビッグチャンスを逃す

    ユナイテッドは開幕2試合でほとんど良いプレーをしていないが、少なくともチャンスは作っている。これほどゴールが少ないのは、フィニッシュを決められないことに原因がある。トッテナム戦では前半に14本のシュートを放ち、2008年以来どのアウェーゲームよりも多いスタッツとなっている。

    ラッシュフォードとアントニーが好機を逃したが、ルーク・ショーのクロスをフェルナンデスが頭で合わせたシュートはバーの上だった。トッテナム戦の後、テン・ハーグはプレミアリーグでの先制点がいかに重要かを強調した。

    有望なスタートを切りながらチャンスをものにできず、敗退するのは昨シーズンおなじみの光景だった。特にウェストハム戦とブライトン戦での失策が大きな代償となった。フォレスト戦でもチャンスを作るだろうが、それを確実に活かさなければならない。

  • Mason Mount Man Utd 2023-24Getty

    攻撃的なポジションに置かれるマウント

    この移籍は少なからぬサポーターや観衆を困惑させたが、オランダ人指揮官はユナイテッドをはるかにダイナミックにすると主張した。だが、マウントはユナイテッドに馴染むのに苦労しており、ハムストリングを痛めているため、少なくとも9月のインターナショナル・ブレークが終わるまでは出場できないだろう。

    プレシーズンからマウントの印象は良くなかった。彼はチェルシーでエンソ・フェルナンデスと並んでいたときよりも攻撃的な位置でプレーしている。このポジションは、カゼミーロが孤立しているように見えるため、ユナイテッドが守備面でより脆弱になり、攻撃面ではより脅威を減らすという二重のマイナスをもたらしている。

    イングランド代表MFのスパーズ戦でのタッチ数は26と、先発した11人のユナイテッド選手の中で10番目の数字。また、相手エリア内で一度もタッチすることができなかった。

  • Manchester United Borussia Dortmund USAGetty

    エネルギーを消耗したプレシーズン

    ユナイテッドの開幕2試合で懸念されるもう一つの点は、何人かの選手がいかに疲れているかということだ。昨シーズンは62試合を戦い、6月頃には何人かの選手が疲労困憊していた。今季でいえば、特にカゼミーロは、たった2試合戦っただけで同じように疲弊しているように見える。

    ユナイテッドは過酷なプレシーズンスケジュールを組み、25日間・5カ国で8つの親善試合を戦った。準備の大半はアメリカで行われ、4つの州を横断して合計5700マイル以上を飛行した。ニュージャージーからサンディエゴ、ヒューストン、そしてラスベガスで終了した。

    このようなツアーはユナイテッドにとって大きな商業的価値があるが、プレシーズンの第一の目的は、選手たちを試合に向けて準備させることである。このツアーは逆の効果をもたらしたようだ。

    ラスベガスでドルトムントに敗れた後、クリスティアン・エリクセンは「タフなプレシーズンになることは予想していたが、おそらく移動が多すぎたのだろう。いろいろな場所でプレーすることは必要だけど、みんな家に帰れることを喜んでいるよ」と認めている。