(C)Getty Imagesイタリア代表は不出場も…カタールW杯で注目のセリエAプレーヤー7選
(C)Getty Imagesデンゼル・ドゥンフリース(オランダ代表/インテル)
スピードに乗ったスプリントで右サイドを一気に駆け上がり、そこからクロスを折り返すだけでなく、ゴールに向かって斜めに仕掛けて敵の守備網をパニックに陥れる突進型のウイングバック。EURO2020で2得点1アシストの大活躍を見せて大きな注目を集め、PSVからインテルへの移籍を勝ち取ったのは記憶に新しい。
そのインテルでは、20-21シーズンのスクデット獲得に大きな貢献を果たしたハキミ(モロッコ/現PSG)の後釜という難しい立場だったが、セリエAの環境に慣れるにつれて持ち前の縦の推進力を発揮、2年目の今シーズンは完全にレギュラー定着を果たして、右サイドからの縦の突破で違いを作り出している。
188cmの長身と長いストライドを活かしたロングスプリント、大柄な体格に似合わぬ器用な足技による1対1突破が最大の武器。自陣からオープンスペースにボールを持ち出し加速したら追いつくのは容易ではなく、敵ペナルティエリアまで60-70mを独走することも珍しくない。そこからのシュートは精度を欠くものの、ゴールに向かっての1対1から縦に相手をかわして最終ラインとGKのあいだに送り込むクロスは、しばしばゴールに直結する。
EURO2020の後、F.デ・ブールからその座を引き継ぎ通算3度目の代表監督となった名伯楽ファン・ハールは、当初の4-3-3から3バックにシステムを変更してW杯への準備を進めてきた。守備の負担が相対的に大きく攻撃参加の機会も限られる4バックの右SBに比べて、3バックシステムの右WBは、攻撃力を売り物にする一方で守備にはやや難があるドゥンフリースにとっては、より持ち味が活かしやすいベストポジション。EURO2020で見せた破壊的な突破による活躍をカタールの地でも見せられるか。
(C)Getty Imagesラウタロ・マルティネス(アルゼンチン代表/インテル)
リオネル・メッシにとって5回目にして最後のW杯となるカタールで、そのパートナーとして2トップを組む重責を担うのがラウタロ・マルティネス。
4年前のロシア大会は、母国のラシンで大ブレイクしたにもかかわらずイグアイン、アグエロというベテランの壁に阻まれて招集外に終わったが、スカローニ監督体制になった2018年秋からは、一気に不動のエースストライカーに昇格。2019年と21年のコパ・アメリカ、そして今回のW杯予選でほぼ全試合に出場し、現在まで40試合21得点とすでにアグエロやテベスを上回るゴールを記録している。身長174cmとFWとしては小柄だが、前線を広く動き回って組み立てや仕掛けにも絡む運動量と献身性、そしてペナルティエリア内で見せる優れた得点感覚と高い決定力で、南米屈指のゴールハンターに成長した。
2018年夏に移籍し5シーズン目を迎えたインテルでも、ルカクやジェコと2トップを組んでコンスタントに2桁ゴールを重ね、今シーズンも14試合7得点と好調だ。本番に望む体制は万全と言っていいだろう。
現在のアルゼンチン代表は、あらゆる意味でメッシを中心に回っているチーム。ラウタロはそのパートナーとして、メッシの動きを見ながら前線にスペースを作ったり、裏への飛び出しでスルーパスを引き出したりするのはもちろん、守備の局面でもプレスに奔走してメッシから負担を取り除くなど、献身的なサポートに徹している。もちろん、メッシのアシストからゴールを決めるのも重要な仕事。チームが攻守両局面で円滑に機能かどうか、その鍵を握る存在であり、主役の1人となることは間違いないだろう。
(C)Getty Imagesオリヴィエ・ジルー(フランス代表/ミラン)
フランス代表歴12年で出場は100試合を優に超え、ワールドカップもこれがブラジル、ロシアに続いて3度目という36歳の大ベテラン。前回のロシア大会では出場7試合で1ゴールも挙げなかったものの、前線の基準点として縦パスを収め、敵DFとの駆け引きでスペースを作る「潰れ役」として重要な役割を果たし、優勝の影の立役者となった。
ベンゼマが代表に復帰し、エンバペが脇役から主役へと成長して彼ら2人が攻撃の二枚看板となったEURO2020以降は、代表での出場機会が減っているが、その一方でクラブでのパフォーマンスはむしろ上向き。
昨シーズンにチェルシーから移籍したミランでは、当初イブラヒモヴィッチのリザーブという位置づけだったものの、そのイブラヒモヴィッチの長期離脱もありCFのレギュラーとして11得点4アシストを記録し11年ぶりの優勝に大きく貢献。今シーズンも開幕から12試合に出場して5得点2アシストと絶好調だ。
ジルーの良さは、直接フィニッシュに絡んでのゴールやアシストだけでなく、ポストプレーで縦パスを収めてチームの押し上げを助け、裏のスペースをアタックして敵最終ラインを押し下げ2ライン間を拡げるなど、フィニッシュだけでなくその1つ前の局面でも攻撃に貢献できる機能性にある。それはミランだけでなくフランス代表でも同じこと。36歳という年齢にもかかわらず、デシャン監督が信頼を与え続けている理由もそこにある。
今大会は、現役のバロンドールでありエンバペと並ぶWエースとして臨むべきベンゼマが故障で出遅れるという状況にあり、おそらくグループステージではスタメンとしてピッチに立つことになるはず。プレースタイル的にはベンゼマよりもむしろ彼の方がエンバペのパートナーとして向いているだけに、思わぬ活躍を見せる可能性も十分だ。
(C)Getty Imagesマルセロ・ブロゾヴィッチ(クロアチア代表/インテル)
中盤の底からゲームを作るレジスタ(イタリア語で演出家の意。ゲームメーカー)でありながら、最終ラインからゴール前まで神出鬼没の動きを見せて常にボールに絡み、捻りの効いたパスワークで局面を前に進め、チャンスを作り出すセリエA指折りのセントラルMF。
インテルではバレッラ、チャルハノールと連携して頻繁にポジションを入れ替えながら攻撃を組み立て、仕掛けに絡んで行く姿が見られるが、モドリッチ(レアル・マドリー)、コヴァチッチ(チェルシー)と組むクロアチア代表の中盤トリオは、文字通りそのグレードアップ版だ。3人とも、テクニック、ダイナミズム、戦術眼、そして強靭なメンタルとあらゆる面で傑出しており、中盤のクオリティは出場国の中でもドイツ、スペインと並んで最高レベルだ。
レジスタというと、ブスケツ(スペイン)やパレデス(アルゼンチン)のように、中盤の底に腰を据えて少ないタッチでシンプルにボールを捌き、攻撃を組み立てるイメージが強い。しかしブロゾヴィッチは、そうしたシンプルな捌きだけでなく、タッチ数の多いボールキープで展開のリズムに変化をつけたり、自らスペースをドリブルで持ち上がったり、オフ・ザ・ボールで敵陣に進出して仕掛けに絡んだりと、プレーエリアやプレーそのもののバリエーションが豊富なところが大きな持ち味。
モドリッチ、コヴァチッチというクロアチア代表の中盤は、それぞれが阿吽の呼吸で味方の意図を読み取って、スペースを空けたりパスを引き出す動きを見せたり、逆に後方のカバーに回ったりという流動的な連携で、全体のバランスを保ちながらチームメイトの長所を引き出すインテリジェンスを備えている。ワールドカップはブロゾヴィッチにとっても、そんな息の合った環境の中で自らの持ち味を発揮する格好の舞台。まずはオープンな攻防が予想される初戦のモロッコ戦を注目したい。
(C)Getty Imagesドゥシャン・ヴラホヴィッチ(セルビア代表/ユヴェントス)
昨シーズンのセリエA前半戦で21試合17ゴールと大ブレイク、冬の移籍マーケットでユヴェントスに引き抜かれて大きな話題を呼んだ22歳の大型ストライカー。 セルビア代表でも今回のW杯予選ではエースの座を担い、8試合で4得点を挙げる活躍を見せて、ポルトガルを蹴落としてのグループ首位通過に少なくない貢献を果たした。
身長190cmの大型CFだが、その体格に似合わず動きは俊敏で、スプリント力の高さも折り紙付き。前線の基準点としてボールを収め、そこからフィニッシュに絡む典型的なCFとしてのプレーだけでなく、自陣からのロングカウンターでもスピードに乗ったパワフルな持ち上がりで敵DFをぶっちぎる。相手を押し込んだところから最終ラインを崩してフィニッシュを狙うタイプのサッカーよりは、ある程度前方にスペースのある状況から縦に展開して一気に攻め切るタイプのサッカーに向いたCFだ。
日本でもおなじみ「ピクシー」ことストイコヴィッチ監督率いるセルビア代表は、まさに彼のプレースタイルにぴったりの縦指向の強いチーム。後方からパスをつないで組み立てるものの、前方にスペースがあれば一気に縦方向に攻撃を加速する。
昨シーズンのチャンピオンシップ(イングランド2部)で43ゴールを叩き出し、今シーズンもプレミアリーグで12試合9得点と絶好調のミトロヴィッチ(フラム)との2トップは、190cm級が2人並ぶ「ツインタワー」だが、一方が2ライン間に引けばもう1人は裏を狙うなど連携も悪くない。グループGは大本命のブラジルを除くセルビア、スイス、カメルーンの3チームによる熾烈な2位争いが予想されるが、ヴラホヴィッチとミトロヴィッチはその鍵を握る存在だ。
今シーズンのユヴェントスでは、序盤戦こそチームの不振に巻き込まれる形でやや精彩を欠いたパフォーマンスも見られたものの、チームの復調に歩調を合わせて調子を上げて来ていた。しかし10月末から内転筋痛を訴えて欠場が続いており、W杯本番での復帰に向けて調整を進めてきているところ。いい状態で開幕を迎えられることを祈りたい。
(C)Getty Imagesアンドレ=フランク・ザンボ・アンギサ(カメルーン代表/ナポリ)
セリエA開幕からの14試合を12勝2分というハイペースで駆け抜け、2位ミランに早くも8ポイント差をつけて独走体制を築きつつあるナポリで、中盤を縦横無尽に駆け回り獅子奮迅の活躍を見せているのがアンギサだ。
フルアムから移籍して2年目、豊富な運動量と高いテクニックを兼ね備え、攻守両局面に「質と量」の双方をもたらすダイナミックで現代的なMFだ。守備では1対1のデュエルに強いだけでなく、プレーの展開を先読みしパスコースに入ってのインターセプトも得意。一旦ボールを持てば器用な足技で敵のプレスをかわし、そのまま持ち上がって局面を前に進めるかと思えば、タイミングよく前方のスペースに走り込んでフィニッシュに絡んで行く。ナポリの中盤にはもはや絶対不可欠な存在と言っていいだろう。
マルセイユでプレーしていた2017年、21歳で初招集されたカメルーン代表では、その後の5年間、故障欠場時を除いてほぼ常にスタメン出場を重ねており、中盤の柱というべき地位を確立してきた。今年3月に就任したソング監督の指揮下では、故障などもあって出場は5試合中1試合に留まっているが、招集メンバーに名を連ねていることが示す通り、その地位が揺らぐことはないだろう。
組織敵な戦術が浸透しているナポリと比べると、カメルーン代表は個々のプレーヤーが1対1のデュエルを制することで局面を進めて行く、いい意味でも悪い意味でもアフリカらしいチーム。アンギサにとっては、大きな武器である的確な読みを活かしたボール奪取から、素早い切り替えで一気に長い距離を持ち上がって攻守を引っ繰り返す、後方からタイミングよく攻め上がってフィニッシュに絡むといった、持ち前のクオリティを存分に発揮する舞台となるだろう。セルビア、スイスとの熾烈な2位争いでの活躍が見物である。
(C)Getty Imagesキム・ミンジェ(韓国代表/ナポリ)
2位ミランに8ポイント差をつけたナポリの独走が今シーズンのセリエA最大のサプライズなら、そのナポリにおいてゴールとアシストを量産するクバラツケリアと並ぶ最大のサプライズが、この韓国代表CBキム・ミンジェだろう。
今夏チェルシーに去った世界最高レベルのCBクリバリが残した大きな穴を埋めるために獲得されたCBが、トルコのフェネルバフチェでたった1年の欧州経験しかない無名の韓国人だと知った時、多くのナポリサポーターが頭を抱えたであろうことは想像に難くない。
ところが蓋を開けてみれば、この身長190cm、体重86kgという25歳の大型CBは、圧倒的な空中戦の強さ、クリバリに負けず劣らずアグレッシブにフィジカルコンタクトを挑む1対1守備、背後のスペースを苦にせずラインを高く押し上げられるだけのスピード、ファウルの少なさ、そして正確なパスワークで、開幕直後からまったくその穴を感じさせない存在感を発揮している。
そのパフォーマンスがイタリアでどれだけ高く評価されているかは、イタリアサッカー選手協会が選手の投票によって選出する10月のベストプレーヤーに選ばれたという事実が、何よりも良く物語っている。
ナポリではラフマニやオスティガードと組んで4バックの左CBとしてプレーする機会が多いが、本人が得意とするのは実は右CB。その右でプレーする韓国代表では、ポルトガル人のパウロ・ベント監督によるポゼッション志向の強いスタイルの中で、精度の高い右足からの長短のパスワークでビルドアップの起点となるなど、守備はもちろん攻撃においても質の高い貢献を果たしている。
前線に擁するソン・フンミンがアジア最強ストライカーなら、キムは間違いなくアジア最強のセンターバック。クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)、ヌニェス(ウルグアイ)、イニャキ・ウイリアムス(ガーナ)というトップレベルのストライカーとの対決が楽しみだ。
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