Sergio Ramos transfer GFXGetty/Goal

PSGにマンチェスター・C、MLSも?セルヒオ・ラモスの新天地を大予想!

セルヒオ・ラモスのレアル・マドリーでの冒険は、16年目にしてついに幕を閉じた。最後まで契約更新には至らず、会見で涙ながらにサンティアゴ・ベルナベウへ別れを告げている。

レアル・マドリーの一員として4度チャンピオンズリーグを制覇し、ラ・リーガも5度制覇。マドリディスモ(レアル・マドリー主義)を体現する数々の伝説的なゴールを残し、現代フットボール界で最も偉大なディフェンダーとしてチームを去ることになる。

だが、ラモスは現役を引退するわけではない。過去10年間で最も成功したDFである彼は、35歳となった今でも衰えているわけではなく、できるかぎり高いレベルでプレーを続けたいと思っているに違いない。

そこで今回は、全世界の『Goal』特派員たちにアンケートを実施。それぞれのクラブがこの夏ラモスと契約を交わすか否か、その理由を答えてもらった。

  • Sergio Ramos Real Madrid AC MilanGetty Images

    ACミラン

    シモーネ・ガンビーノ|『Goal』イタリア語版副編集長

    現テクニカル・ディレクターのパオロ・マルディーニがセルヒオ・ラモスの憧れだったことは周知の事実であり、実際にこのスペイン人スターはミランの歴史に心酔している。だが、この夏契約を交わす可能性は非常に低い。ラモス獲得に必要な金額が高すぎるからだ。

    フィカヨ・トモリとの契約に2800万ユーロ(約37億円)を使ってしまったうえに、すでにシモン・ケアーというディフェンスリーダーがいる。ステファノ・ピオリ監督は、この2人を来シーズンの先発メンバーと考えているだろう。ラモスの居場所はミランにはない。

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  • Sergio Ramos Real Madrid ArsenalGetty Images

    アーセナル

    チャールズ・ワッツ|アーセナル番記者

    セルヒオ・ラモスはこれまでも、そして現在も最高峰のディフェンダーであり、アーセナル守備陣に彼のような偉大な選手が必要だということは疑いようがない。アーセナルにはリーダーシップのある選手が欠けており、ラモスは団結力と勝利への熱意をもたらしてくれるだろう。ノース・ロンドンのロッカールームをまとめる看板選手となるはずだ。

    だが、現実的に考えればラモスの移籍は起こりそうにもない。単純に財政面から、ヨーロッパ各クラブと競争できるだけの金銭的なオファーを出せそうにないのだ。

    この夏、ミケル・アルテタ監督とテクニカル・ディレクターのエドゥは、チームの活性化のために若い選手を獲得することに集中しており、ディフェンスで最も狙っているのはブライトン所属の23歳のセンターバック、ベン・ホワイトである。

    ラモスのような選手が来ればピッチの内外で確実にアーセナルを進化させる。だとしても、ガナーズがラモス獲得競争に加わることはないだろう。

  • Lionel Messi, Sergio RamosGetty

    バルセロナ

    アドリア・ソルデビジャ|バルセロナ番記者

    財政面から言って、バルセロナがラモスと契約することはありえない。チームに必要かどうかという面でも、契約することはありえない。

    つまり、バルセロナがラモスと契約することはありえないのだ。

    ラモス本人でさえ、お別れ記者会見で、「バルセロナは……ありえない。セルヒオ・ラモスがバルセロナのユニフォームを着ることは決してない」と断言している。議論の余地はない。

  • Sergio Ramos Real Madrid Bayern MunichGetty Images

    バイエルン・ミュンヘン

    ケリー・ハウ|バイエルン・ミュンヘン番記者(SPOX)

    バイエルンはレアル・マドリーと良好な関係にあり、ここ数年スペイン出身選手(シャビ・アロンソ、チアゴ・アルカンタラ、ハビ・マルティネス)が良い結果を出している。マーケティング面からいってもイメージ戦略からいっても、ラモス加入が素晴らしい結果をもたらすことは間違いない。

    だが、ラモスがミュンヘンに来る可能性は非常に低いだろう。

    ここ数カ月、ラモスの移籍先に関する憶測が激しくなっているにもかかわらず、バイエルンはラモスにまったく興味を示していないし、ディフェンスのテコ入れに向けてダヨ・ウパメカノと契約したばかりだ。

    バイエルンは高額な年俸を払いたくないと思っている。この夏、ダヴィド・アラバやジェローム・ボアテングが去るのはそのためだ。ユリアン・ナーゲルスマンを監督としたのは、バイエルンが選手育成を第一に考えているから。アメリカ代表のクリス・リチャーズがその筆頭である。

  • Sergio Ramos Real Madrid ChelseaGetty Images

    チェルシー

    ニザール・キンセラ|チェルシー番記者

    アントニオ・リュディガーとアンドレアス・クリステンセンが契約満了となった後の事態を見極め、今後移籍市場でCB獲得に動く可能性はあるかもしれない。だが、2人がチャンピオンズリーグ制覇にどう貢献したかを考えれば、契約延長を願っているはずだ。

    仮に2人がチェルシーの契約延長オファーを拒んだ場合、ブルーズは新しい選手を探さなければならなくなる。つまり、ラモスと契約するというのもありえないことではない。だが、スタンフォード・ブリッジでプレーするとなれば、減俸を覚悟しなければならない。

    さらにチアゴ・シウバがいる現状で、ラモスと契約するとは考えにくい。チェルシーはチームの平均年齢を低く保ちたいと思っており、同じポジションに30代後半の選手を2人も確保するというのは考えにくい。

  • Sergio Ramos Real Madrid InterGetty Images

    インテル

    レナト・マイサニ|『Goal』イタリア語版編集長

    インテルの深刻な経済状態を考えると、セルヒオ・ラモスがインテルにいる姿は想像しがたい。

    ナツィオナーレは、アルトゥーロ・ビダルやアレクシス・サンチェスといった高額な年俸を受け取る選手を放出しようとしており、ラモスが要求するであろう年俸を支払えるとは、まったくもって思えない。

  • Sergio Ramos Real Madrid JuventusGetty Images

    ユヴェントス

    ロメロ・アグレスティ|ユヴェントス番記者

    今のユヴェントスが、ラモスが要求するであろう報酬を支払えるとは思えない。

    ユヴェントスのCB陣には、すでにマタイス・デ・リフトとレオナルド・ボヌッチがおり、ジョルジョ・キエッリーニも1年契約を更新するとみられる。今回の移籍市場では、他のポジションの獲得を優先するだろう。良いオファーがあればメリフ・デミラルを放出することはありえるだろうが、そこで手にした金額は他のポジションへの投資にあてられる可能性が高い。

    移籍市場では常にどんな競争もあり得るし、不可能だと思われていた移籍が起きることもある。だが今現在、ユヴェントスがラモスを獲得するというのは不相応な贅沢というものだ。

  • Sergio Ramos Mohamed Salah Real Madrid Liverpool UCLGetty

    リヴァプール

    ニール・ジョーンズ|リヴァプール番記者

    セルヒオ・ラモスが今すぐアンフィールドにやってくることはないというのが妥当な見方だと思われる。

    ラモスはリヴァプールの敵としての印象が今でも強い。2018年のチャンピオンズリーグ決勝での行動は、クラブの内外で深く記憶に刻まれている。モハメド・サラーへのタックルを目の当たりにしたユルゲン・クロップ監督は、ラモスを「乱暴なレスラー」と呼んだ。サラーはたった30分でピッチを去らなければならなかった。サラー本人は、自分をケガさせようと無謀で故意とも思えるプレーをした彼のことを決して忘れていないだろう。クロップ監督は3月のマドリー戦前、自身の怒りは収まりつつあると認めている。だが、ラモスが反省の態度を示していないことから、サラーやチームメイトたちの怒りは消えておらず、大部分は不快感を抱き続けているようだ。

    もちろん、ラモスの加入がありえない理由はそれだけではない。リヴァプールはすでに新しいセンターバックとしてイブラヒマ・コナテを獲得するために3600万ポンド(約55億円)を投じたばかりだし、フィルジル・ファン・ダイク、ジョー・ゴメス、ジョエル・マティプもみな、コンディションを取り戻しつつある。クラブには他にナサニエル・フィリップスやリース・ウィリアムズがいるし、ビリー・クメティオも将来が期待されており、1月に契約したベン・デイヴィスもいる。去年の11月ならいざ知らず、今のリヴァプールにラモスは必要ない。

    確かに素晴らしい選手で、勝者のメンタリティや闘争心もある。どこのクラブに行っても大活躍するだろう。

    だがリヴァプールは違う。少なくとも今は。

  • Sergio Ramos Real Madrid Manchester CityGetty Images

    マンチェスター・シティ

    ジョナサン・スミス|マンチェスター・シティ番記者

    ラモスとマドリーとの契約交渉がうまく運んでいないことが明らかになった後、最も可能性の高い移籍先としてマンチェスター・シティの名前が挙がった。だが、クラブの情報筋が『Goal』に語ったところによると、マンチェスター・Cはフリーでも獲得に興味を持っていないようだ。

    ペップ・グアルディオラ監督のもとにはすでにルベン・ディアス、ジョン・ストーンズ、エメリク・ラポルテ、ナタン・アケと誰を選んでもそん色のない才能あふれるCBが4人もいる。さらに、夏が過ぎてこのポジションに何か変化が起こる可能性があるとしても、新しいディフェンダーを獲得する動きを見せていない。

    3月に35歳となり、ケガで今シーズンの半分以上を棒にふったラモスは、年齢からいっても経歴からいっても、マンチェスター・Cが今度の移籍市場で探している選手ではない。

  • Sergio Ramos Real Madrid Manchester UnitedGetty Images

    マンチェスター・ユナイテッド

    シャーロット・ダンカー|マンチェスター・ユナイテッド番記者

    この夏ラモスの移籍先として可能性の高いクラブのなかで、マンチェスター・ユナイテッドが最も頻繁に名前が挙がるクラブの1つであることは間違いない。これまでも何度となくオールド・トラッフォード移籍が取りざたされてきたし、ルイ・ファン・ハールが監督だったときは“レッド・デビルズ”加入寸前だった。

    だが今回の移籍市場では、たとえフリーだとしても、非常に可能性は低いだろう。

    マンチェスター・Uは今回の移籍市場でCBを探しているが、ラモスの元チームメイトであるラファエル・ヴァラン、スペイン代表DFパウ・トーレスのほうを好んでいる。高額年俸が必要なラモスが選ばれる可能性は低い。

    オーレ・グンナー・スールシャール監督は将来を見据えてチーム内での競争を激しくすることを目指しており、ラモスは引退までのわずか2~3年間を埋めるオプションにしかならない。

    ありえないことなど何もないし、昨年の今頃にベテランストライカーのエディンソン・カバーニがやってくることを予想した人も多くはなかっただろう。だが、ラモスのマンチェスター・Uへの移籍がスールシャール監督の長期計画にまったく合わないことであることは変わりない。

  • Sergio Ramos David Beckham Real MadridGetty Images

    メジャー・リーグ・サッカー(MLS)

    ライアン・トルミフ|MLS記者

    ラモスがMLSに行くという考えは、ピッチ内外両面から見て興味深い話ではあるだろう。だが、実現の可能性は低いトリッキーな話であることは間違いない。

    確かにラモスを欲しがるクラブは数多く、ロサンゼルス・ギャラクシー、ニューヨーク・シティ、インテル・マイアミの名前が挙がっている。なかでも、マイアミが最有力とみられている。だがマイアミは現在、特別指定選手制度(DP)の不手際のためすでにリーグと面倒なことに陥っている。

    さらに、たとえラモスが才能あるスター選手であるとしても、進んでディフェンダーに大金をかけ、DPを利用しようというチームはMLSには多くない。

    理論上、マンチェスター・シティとの取引の一部としてラモスがニューヨークに加入することはあり得るが、彼らはここ数年こうしたタイプの契約に尻ごみしており、最近加入したターレス・マグノのように、若手スターの獲得に熱心である。

    つまり、現時点でラモスがMLSに行くというのはなさそうな話なのである。

  • Sergio Ramos Neymar Real Madrid PSGGetty Images

    パリ・サンジェルマン(PSG)

    ナイム・ベンドラ|『Goal』フランス語版

    ラモスがPSGと契約する可能性は排除できず、この移籍が論理的である理由はいくつかある。

    まず第一に、ラモスは今でもワールドクラスの選手であり、彼が加入すればPSGも再び最大の目標であるビッグイヤーを目指すことができる。ナセル・アル=ケライフィ会長は今夏の移籍市場に積極的にかかわっていくと公言しており、センターバック獲得がPSGにとって高い優先順位でなかったとしても、そういうチャンスが目の前にあれば手を出さないほうが間違いだろう。

    さらに、ラモスがロッカールームをリードすることができる選手であり、現在のPSGでそうした力をもつ選手がいないことも理由に挙げられる。マウリシオ・ポチェッティーノ監督とスペイン語で話すことができ、ピッチ上で監督にとって最大の味方となるだろう。

    また、戦術的オプションも広がることになる。ラモスが加入すれば3バックを採用できる。今夏獲得を狙うアクラフ・ハキミが加入し、フアン・ベルナトがケガから復帰すれば、ラモス、プレスネル・キンペンベ、マルキーニョスの3バックはますます可能性を帯びてくる。

    一方で加入を阻む問題があるとすれば、他の選手たちに悪影響を及ぼすかもしれないということ。ポチェッティーノ監督がこれまで通り4バックを続けた場合、ラモスは当確とすれば、残り1枠をキンペンベとマルキーニョスが争うことになる。PSGはオファーを提示する前に、あらゆる結果を想定しなければならないだろう。

  • Sergio Ramos Jose Mourinho Real Madrid 2012-13Getty Images

    ローマ

    レナト・マイサニ|『Goal』イタリア語版編集長

    イタリアでは数週間前からローマのジョゼ・モウリーニョ新監督が「スタディオ・オリンピコに来い」と誘ったという報道が渦巻いている。

    この2人はモウリーニョがマドリーの監督であったとき以来の関係で、スペインの首都では時々衝突することもあったが、ローマで再会するとなれば仲直りできるだろう。

    ローマは来季チャンピオンズリーグに参戦できないこともあり、この話の実現が難しいことは明らかだ。だが少なくとも、モウリーニョがラモスを誘おうとしたのは事実なようだ。

  • Sergio Ramos SevillaGetty Images

    セビージャ

    フランシスコ・リコ|『Goal』スペイン語版

    ラモスはセビージャの下部組織の出身であり、アンダルシアを去って16年を経て、故郷のクラブに戻るのではないかという噂もあった。

    しかしながらこれが現実のものとなる前に、本人がマドリー退団会見ではっきりと意思を表明した。

    「セビージャは僕にとって大事な時期を過ごしたもう1つの心のクラブだ。だけど今、そこに帰るという話はまったくない」