「正しい決断だったのか？」ヴィルツのリヴァプール移籍に付く疑問符…ライバルクラブOBが持論を展開

ヴィルツはプレミアリーグでのキャリアが低調なスタートを切ったことでプレッシャーにさらされている。

22歳の同選手は夏にレヴァークーゼンからリヴァプールに移籍したが、アンフィールドでの最初の数カ月は安定したパフォーマンスを発揮できていない。

コミュニティ・シールドではアシストを記録して好調なスタートを切ったものの、それ以降はアルネ・スロット監督の先発メンバーから外れることが多く、エヴァートン、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドとの重要なリーグ戦ではベンチ入りした。

リヴァプールの新10番として中核を担うと期待されたプレイメーカーは、代わりに複数の試合でサイドやより深いミッドフィールドの位置で起用されてきた。水曜日のUEFAチャンピオンズリーグ・フランクフルト戦（5-1勝利）でドイツに戻った際、彼の創造的な閃きは再燃。2アシストを記録し、10試合続いた得点関与の空白期間に終止符を打った。

しかし、戦術の調整やプレミアリーグのフィジカル面によって、ヴィルツの適応期間が複雑になっているのではないかという疑問は残る。

リヴァプールは当初、ヴィルツを英国サッカー史上最高額の移籍金で獲得したが、その数週間後にはFWアレクサンドル・イサクを1億2500万ポンドで獲得し、自らの記録を更新した。リヴァプールはドイツ代表選手を引き続き支持しているが、元マンチェスター・ユナイテッドOBのリオ・ファーディナンド氏は、ヴィルツの英国サッカーへの適応に関する厳しい視線が注目されていることを指摘している。

フランクフルト戦前のポッドキャスト番組「リオ・ファーディナンド・プレゼンツ」で、元マンチェスター・ユナイテッドのDFは、ヴィルツの現状ならどの選手も迷いが生じると認めた。

 「これは重大な決断だ。彼は1億ポンドの選手なんだ。私もキャリアで何度かクラブ史上最高額での移籍を経験したが、もし最初の2、3カ月の間に、監督があの重要性と意義を持つ試合で私をベンチに置いたなら、心の中に大きな疑念が湧いていただろう」

ファーディナンド氏は続けた。

「疑念が忍び込み、『正しい決断だったのか？』と考え始めるのは避けられない。ある選手と話したことがある。彼はチームにとって大型補強だったが、移籍先の1チームで出遅れた際にこう言っていたんだ」。『なんてこった、本当に正しい決断だったのか？』とね。いまこの瞬間、私は確信している。ヴィルツが自身の名前がスタメン表にないのを見たとき、彼は帰宅途中でも、ウォーミングアップ中でも、その夜のベッドの中でもこう考えていただろう。『これは正しい決断だったのか？』とね

同氏はこの発言は批判ではなく高額移籍選手の現実だと強調した。

「間違った決断だと言っているわけではない。だが、もし私が賭け好きなら、彼の頭の中にそうした考えが浮かび、その方向へ進んだことに大金を賭けただろう」

2025年夏、ヴィルツのリヴァプール移籍は欧州で最も話題となった移籍の一つだった。

レヴァークーゼンを国内2冠に導いた22歳の選手は、スロット監督率いる新体制チームの創造的な中心となることが期待されていた。 この1億ユーロ規模の契約は、複数の主力MFが去った後の将来を見据え、欧州で最も有望な若手選手の一人を獲得しようとするリヴァプールの決意を反映していた。

しかしヴィルツのブンデスリーガからプレミアリーグへの移行は順調とは言えない。複数の攻撃的ポジションで起用される中、初期の成績は彼の基準では控えめなものだった。

とはいえ、潜在的なデータはより有望な可能性を示している。

ヴィルツはチャンス創出とプログレッシブパスにおいてリヴァプールトップクラスの創造性を誇り、スロット監督の新たな戦術体系下でチームが結束するにつれ、彼の影響力が間もなくより多くの得点とアシストに結びつく可能性を示唆している。

クラブ内では忍耐が合言葉だ。

チームメイトやコーチングスタッフはヴィルツを「世代を代表する選手」と評価し、イングランドサッカーのペースとフィジカルに適応する時間が必要だと見ている。チャンピオンズリーグと国内リーグの試合が控える中、アンフィールドでは彼の最近の調子の向上が、リヴァプールでのより生産的な時期の始まりとなる可能性があると信じられている。

ヴィルツはリヴァプールでの今後の試合でも重要な役割を担うと見られており、特にスロット監督が中盤の定型的な布陣を確立しようとしている状況ではなおさらだ。次の試練はプレミアリーグで訪れる。レッズはブレントフォードとのアウェイ戦を経て、アンフィールドでクリスタル・パレスとアストン・ヴィラを迎え撃つ。

選手自身にとって、課題は今や肉体面と同様に精神面にも及んでいる。

ファーディナンド氏のコメントは、1億ユーロ超の移籍金で獲得された選手に課せられる期待の重みを浮き彫りにしているが、ヴィルツの落ち着きと成熟度は周囲から広く称賛されている。フランクフルト戦でのドイツ人プレイメーカーのアシストは、彼のコンディションへの疑念を払拭し、欧州で最も注目される若手スターの一人としての地位を再確認する重要な転機となる可能性がある。