ついに開幕した2025-26シーズンのプレミアリーグ。ニューカッスルと王者リヴァプールの一戦は25日だが、週末には9試合が行われた。復権を目指すマンチェスター・シティに新生トッテナムが完勝した他、アーセナルがリーズを5-0で粉砕、クリスタル・パレスとノッティンガム・フォレストの“激突”など、各地で白熱の試合が繰り広げられた。
この第2節での「勝者」と「敗者」を『GOAL』がピックアップする。
文=トム・マストン
Getty/GOALついに開幕した2025-26シーズンのプレミアリーグ。ニューカッスルと王者リヴァプールの一戦は25日だが、週末には9試合が行われた。復権を目指すマンチェスター・シティに新生トッテナムが完勝した他、アーセナルがリーズを5-0で粉砕、クリスタル・パレスとノッティンガム・フォレストの“激突”など、各地で白熱の試合が繰り広げられた。
この第2節での「勝者」と「敗者」を『GOAL』がピックアップする。
文=トム・マストン
Getty Images Sportトッテナムが新指揮官にトーマス・フランクを任命したことに疑問を抱いた人間はいなかった。ブレントフォードでの素晴らしい仕事を経て、ついにビッグクラブへと挑戦する指揮官の手腕を楽しみにしていた人も多かったはずだ。だが最も楽観的なスパーズファンでさえ、これほど順調なスタートダッシュを切るとは思っていなかっただろう。
UEFAスーパーカップでは欧州王者パリ・サンジェルマンを最後の数秒まで追い詰め、プレミアリーグ開幕戦ではバーンリーに快勝。そして極めつけは、エティハド・スタジアムで行われたこのマンチェスター・シティ戦だ。
クリスティアン・ロメロとミッキー・ファン・デ・フェンのCBコンビは完全にアーリング・ハーランドを抑え込み、強烈なプレッシングでシティの息の根を止めた。ジョアン・パリーニャ、パペ・マタル・サール、ロドリゴ・ベンタンクールの3センターは驚異的で、またリシャーリソンも最前線で期待に応える活躍を続けている。
これでフランクは、ジョゼ・モウリーニョとアントニオ・コンテに続き、グアルディオラ率いるチームに異なる2クラブでアウェーゲームに勝利した監督となった。昨季17位に終わったチームがこの結果を掴んだことは、すべてのライバルに対して強烈な“宣戦布告”になったはずだ。今季のスパーズは、決して侮れない相手だ。
Getty ImagesバーンリーやU-21 EUR2023でのパフォーマンスは素晴らしかったが、プレミアリーグでは証明すべきものがまだたくさん残っている。
トッテナム戦のプレーは非常に厳しかったと言わざるを得ない。先制点に関してできることは多くなかったかもしれないが、2失点目を擁護するのは難しい。スパーズの鋭いプレスに判断を狂わされ、相手選手をうまく認知できずにプレゼントパスを送ってしまっている。またモハメド・クドゥスと交錯したシーンでは、退場しなくて幸運だった。率直に言えば、自分の能力以上のことが求められていることを感じさせてしまっている。
ペップが体調不良から回復したエデルソンよりも優先的に起用したことで、彼が今季のNo.1を託される可能性が高い。しかしスパーズ戦のパフォーマンスは、最終的にジャンルイジ・ドンナルンマの獲得を早めることになってしまったかもしれない。
AFP確かに、アーセナルデビュー戦となったマンチェスター・ユナイテッド戦では活躍できなかった。だが、彼への批判は過剰だった。チーム全体としての準備が整ってさえいれば、彼は決定的な存在になれる。それを証明したリーズ戦だった。
リーズ戦のゴールは圧巻だった。左サイドのスペースに走り込んでボールを受けると、強引なカットインからシュートを突き刺した。さらに後半アディショナルタイム、15歳の“天才”マックス・ダウマンが獲得したPKを豪快に叩き込んで2ゴール目。「どうだ」と言わんばかりの2つのゴールセレブレーションは、強烈なメンタリティを伺わせている。
アーセナルにとって、待望の“脅威”となるストライカーの片鱗を見せたギェケレシュ。彼こそが、無冠の時代を終わらせる存在かもしれない。
Getty Images Sport昨季の不振?開幕戦の完敗?幹部の新任表明?記者への怒りの対応? これらすべてが、グレアム・ポッターの時代が終わりに近づいていることを示していた。そしてホーム開幕戦、チェルシー相手に1-5完敗は決定打になっても不思議ではない。2試合を終えて最下位、さらに立場が厳しくなった。
移籍市場でのサポートを得られていないのは確かだが、今の指揮官は選手の信頼を失っているように見える。試合後、ポッターは「この仕事、状況では常に重圧にさらされる。それが現実だ。責任は受け入れる。戦意が欠けているとはいいたくない。選手たちが真剣に戦っていることは知っているし、成功を強く望んでいることも知っているからだ」と答えた。ファンもそれを信じたいところだが、インターナショナルウィーク前の次節ノッティンガム・フォレスト戦で終わってしまってもおかしくはない。
AFP昨季限りで歴史あるグディソン・パークに別れを告げたエヴァートン(今後は女子チームが使用)。ファンの中には新スタジアムへの興奮だけでなく、“引っ越し”に不安を感じていた人も多かったはずだ。だが、ヒル・ディキンソン・スタジアムのこけら落としはこれ以上ない形で幕を閉じた。
新加入ジャック・グリーリッシュが躍動して2アシストを残せば、ジェームズ・ガーナー が新時代の幕開けを祝う強烈なシュートを叩き込んだ。そしてGKジョーダン・ピックフォードが完璧にPKをストップ。ブライトンを完封し、2-0で今季初勝利を飾っている。
おそらく、エヴァトニアンがこのスタジアムを新たな「ホーム」と感じる日はそう遠くないだろう。2025年8月24日は、エヴァートンの輝かしい歴史における重要な一日として、永遠に刻まれている。
Getty Images Sportマンチェスター・ユナイテッドは、開幕戦でアーセナルに敗れたにも関わらず、各方面で賛辞を浴びていた。だがこの日曜日、ブルーノ・フェルナンデスの空へ打ち上がったPKを見て現実へと引き戻されている。
もちろん責任は彼だけじゃない。昨季から抱え続ける問題、中盤の脆弱性や前線の決定力も改善できていない。しかし同点弾の場面ではエミール・スミス=ロウを捕まえきれず、勝利に導けたかもしれないPKは空高く飛んでいった。開幕2試合のパフォーマンスは、これまでの彼と比べると厳しいものだと言わざるを得ない。
ルベン・アモリムは最前線にマテウス・クーニャとブライアン・エンベウモ、そしてメイソン・マウントを起用したがっており、その影響でブルーノは中盤深い位置にポジションを移すことになった。だが、やや自由が制限された彼はこの役割への適応に時間がかかっている。コビー・メイヌーがベンチへ座っていることもあり、パフォーマンスを上げなければ重圧は日に日に高まっていくだろう。続くリーグカップ、そしてバーンリー戦でなんとしてもフォームを仕上げたい。