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熾烈を極めるプレミアリーグのCL出場権争い。各チームの現状、残り対戦相手から見る有利なクラブは?

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    3位:チェルシー(勝ち点62、得失点差+39)残り7試合

    • 第34節:vsウェスト・ハム(4月24日/H)
    • 第37節:vsマンチェスター・ユナイテッド(4月28日/A)
    • 第35節:vsエヴァートン(5月1日/A)
    • 第36節:vsウォルヴァーハンプトン(5月7日/H)
    • 第33節:vsリーズ(5月11日/A)
    • 第27節:vsレスター(5月19日/H)
    • 第38節:vsワトフォード(5月22日/H)

    依然として最も有利な立場であることは変わらないチェルシー。ライバルよりも消化は1試合少ないが、勝ち点62でトッテナムとアーセナルに5ポイント差をつけている状況だ。最終的にトップ4で終える可能性は非常に高いだろう。

    だが、余裕を持ちすぎていたら足をすくわれかねないのも確かだ。特に本拠地スタンフォード・ブリッジでの直近3試合では11失点と守備が崩壊(トーマス・トゥヘル監督はピッチコンディションにまで不満を吐いた)。また今季は2つの国内カップ戦で決勝に進んだことに加え、CLやクラブ・ワールドカップと試合数が欧州最多に。蓄積された疲労も心配だ。5月14日にはFAカップ決勝もあり、終盤まで過密日程は続いていく。

    さらに、トゥヘル監督が信頼するスタメン組とサブ組の差が顕著であり、ローテーションで乗り切りにくいのも状況を難しくしている。ここから続くウェスト・ハム、マンチェスター・Uとの上位対決を落としてしまえば、争いに巻き込まれてしまう可能性も。今季は要所で素晴らしい戦いぶりを披露してきただけに、ズルズルと勝ち点を落とすとは考えにくいかもしれないが、再びチームを活性化させる必要はあるかもしれない。

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    4位:トッテナム(勝ち点57、得失点差+18)残り6試合

    • 第34節:vsブレントフォード(4月23日/A)
    • 第35節:vsレスター・シティ(5月1日/H)
    • 第36節:vsリヴァプール(5月7日/A)
    • 第22節:vsアーセナル(5月12日/H)
    • 第37節:vsバーンリー(5月15日/H)
    • 第38節:vsノリッジ(5月22日/A)

    現時点で4位の座を保っているトッテナムは、アントニオ・コンテ監督の下で3季ぶりのCL出場も見えてきた。だが、直近のブライトンとのホーム戦ではまさかの黒星。5位アーセナルとは同勝ち点、6位マンチェスター・ユナイテッドとは3ポイント差で4位争いは激化している。

    残り6試合でリヴァプール、アーセナルとの対戦を残しているが、ノースロンドンダービーを制することができれば、CL権はぐっと近づいてくる。加えて、ロドリゴ・ベンタンクール、デヤン・クルゼフスキという冬の新戦力がすぐにモノになったこともポジティブ材料。とりわけ後者はソン・フンミン、ハリー・ケインとともに強力な3トップを形成しており、その破壊力は目を見張るものがある。英『Squawka』でも4位以内に入るのはチェルシー、トッテナムと順に予想。このレースの有力候補としてシーズン最終盤へと向かっていく。

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    5位:アーセナル(勝ち点57、得失点差+10)残り6試合

    • 第34節:vsマンチェスター・ユナイテッド(4月23日/H)
    • 第35節:vsウェスト・ハム(5月1日/A)
    • 第36節:vsリーズ(5月8日/H)
    • 第22節:vsトッテナム(5月12日/A)
    • 第37節:vsニューカッスル(5月16日/A)
    • 第38節:vsエヴァートン(5月22日/H)

    これまでライバルよりも消化が少ない中で4位に入るなど、トップ4フィニッシュへ大きな期待が膨らんでいたアーセナル。しかし主力の離脱が相次ぐと、クリスタル・パレス(0-3)、ブライトン(1-2)、サウサンプトン(0-1)と勝ち点が期待できた相手にまさかの3連敗。一気に貯金を使い果たし、難しい状況に追い込まれた。

    それでも、絶体絶命の中で迎えたチェルシーとの敵地でのビッグマッチで4-2と勝利。ブカヨ・サカが「本当に多くの意味を持つ勝利だ」と語ったが、トップ4争いに踏みとどまる重要な勝ち点3であったことは確実だ。若手たちが自信満々で白星を積み重ねていた2月~3月中旬の勢いを垣間見せ、そしてゴール不足に泣いていた中でエディ・エンケティアという救世主が生まれたのも非常にポジティブ。1試合で判断はできないが、トップ4フィニッシュを狙う上で重要なピースとなるかもしれない。これでトッテナムとはイーブンの状況となり、残り6試合へ希望を持つことができた。

    だが、今後の対戦相手は難敵ばかりだ。第34節にはマンチェスター・Uとの直接対決、さらに続く第35節は敵地でのウェスト・ハム戦。そして新体制で好調のリーズ戦をはさみ、5月12日にトッテナムとの“ノース・ロンドン・ダービー”を迎える。このダービーマッチが、CL出場権獲得における天王山となりそうだ。さらに最終節は残留争い真っ只中のエヴァートンであり、最後まで気の抜けない戦いが続くことになる。キーラン・ティアニーやトーマス・パーティと主力2人を欠く中で、若い指揮官に率いられた若いチームは、6シーズンぶりに欧州最高峰の舞台に立つことはできるのだろうか。

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    6位:マンチェスター・ユナイテッド(勝ち点54、得失点差+4)残り5試合

    • 第34節:vsアーセナル(4月23日/A)
    • 第37節:vsチェルシー(4月28日/H)
    • 第35節:vsブレントフォード(5月2日/H)
    • 第36節:vsブライトン(5月7日/A)
    • 第38節:vsクリスタル・パレス(5月22日/A)

    マンチェスター・Uはミッドウィークのリヴァプール戦で0-4と大敗したことで非常に厳しいポジションとなった。残る5戦で最低でも4勝は必要になるだろう。今週末、アーセナルとの直接対決が残っていることはポジティブだが、TOP4への生き残りのためにはこのシックスポインターを確実にモノにしたうえで、ノースロンドン・ダービーでトッテナムが勝ち点を落とすのがベストの流れか。

    だが、チーム状況は芳しくない。エディンソン・カバーニ、ルーク・ショー、ラファエル・ヴァラン、フレッジに加えて前節にポール・ポグバも負傷。プライベートで辛い時期を過ごしているクリスティアーノ・ロナウドは早期復帰の予定だが、彼の負担を減らすべく低調なパフォーマンスが続くマーカス・ラッシュフォードの奮起が必要だ。その中でも今、最も頼りになる男はジェイドン・サンチョ。インテリジェンス溢れる動きで数少ない攻め手を作り出しているこの男が、よりゴール&アシスト数を増やしていきたい。

    そして、ラスト3試合に関しては12位、10位、14位とボトムハーフでも残留が見えてきているクラブと対戦する。この点は、最終盤においてはモチベーションの影響から、残留争い真っただ中のチームよりは与しやすい。いずれにせよアーセナルとの直接対決にまずは全てを注ぎたい。

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    7位:ウェスト・ハム(勝ち点52、得失点差+9)残り5試合

    • 第34節:vsチェルシー(4月24日/A)
    • 第35節:vsアーセナル(5月1日/H)
    • 第36節:vsノリッジ(5月8日/A)
    • 第37節:vsマンチェスター・シティ(5月15日/H)
    • 第38節:vsブライトン(5月22日/A)

    デイヴィッド・モイーズ監督が率いるウェスト・ハムにとって今シーズンはスペクタクルな終盤戦になっている。プレミアリーグで上位争いするとともに、ELでも現在、準決勝まで勝ち残っており、フランクフルトとの準決勝2試合、そして決勝を勝ち抜けばプレミアリーグ5位以下でもCL出場権を獲得可能だ。

    さらに、EL出場権を獲得できるFAカップでは、チェルシーとリヴァプールが決勝に進出しているため、6位チームも来季のEL出場権を獲得できる可能性が高くなった。もちろん、CL出場権に勝るものはないが、競争力の高さを考えれば、ウェスト・ハムとしては6位でも上々のシーズンと言えるだろう。

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    8位:ウォルヴァーハンプトン(勝ち点49、得失点差+5)残り6試合

    • 第34節:vsバーンリー(4月24日/A)
    • 第35節:vsブライトン(4月30日/H)
    • 第36節:vsチェルシー(5月7日/A)
    • 第37節:vsノリッジ(5月15日/H)
    • 第38節:vsリヴァプール(5月22日/A)
    • 第33節:vsマンチェスター・シティ(未定/H)

    残り6試合で4位トッテナムとの勝ち点差は「8」。試合数を超えるポイント差がついており、逆転でのCL出場権獲得は難しくなっているウルヴス。加えて、チェルシー、リヴァプール、マンチェスター・シティといったドローでも御の字の強敵との対戦を残し、現実的な目標はEL出場圏内の6位以内となりそうだ。とはいえ、昨季は13位に沈んだチームを上位に導いているブルーノ・ラージ監督の手腕は本物。28失点は上位3クラブを除けば最少失点と、堅守を築き上げた。ジョアン・モウティーニョも「僕たちは今季、何かを成し遂げることができると思っている」と意気込んでおり、シーズンを笑顔で終えることができるか注目だ。