Cristiano Ronaldo Portugal 2022Getty Images

ポルトガル代表、カタールW杯スタメンバトル:ロナウドが先発落ちの可能性もゼロではない?混沌のポジション争いを整理

フェルナンド・サントス監督は記者団に対し、「最初は55人のリストから準備し始めたが、簡単なことではない。幸運なことに、ポルトガルや私にとって(選手選考は)本当に難しいんだ。26人を選ばなければらないのに……」と漏らしていた。

だがもっと深い悩みのタネは、11月にカタールへ向かう26人を選ぶのではなく、そこからスタメン11人を選出することだ。ポルトガルはディフェンスラインは固まりつつあるが、その他多くのポジションは混沌としている。

ここでは、9月のインターナショナルブレイク開始時点でのポルトガル代表の興味深いスタメン争いについて、最新情報をお伝えする。

文=ダン・バーンスタイン

  • Ruben Neves Portugal 2022Getty Images

    ルベン・ネヴェス vs マティアス・ヌニェス vs ジョアン・パリーニャ vs ジョアン・モウティーニョ

    サントスは最近は3センターを軸にしつつ、深い位置でプレーする選手を起用する傾向にある。ウィリアム・カルヴァーリョがボックス・トゥ・ボックスの役割に移行した後にいくつかのオプションが試されているが、最終的な決断はまだだ。

    だが、大ベテランのモウティーニョがそこに入ることはなさそうだ。直近のメンバーからも外れている。そして最新のメンバー構成を見るに、同じウォルヴァーハンプトンのネヴェスが務めることになるのだろう。6月のUEFAネーションズリーグでは3試合に先発していた。驚異的なロングパスとミドルシュート、プレーメーカーとしての技術もトップレベルである。

    現状:ルベン・ネヴェス

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  • Bruno Fernandes Portugal 2022Getty Images

    ブルーノ・フェルナンデス vs ヴィティーニャ vs ベルナルド・シウバ vs レナト・サンチェス vs ウィリアム・カルヴァーリョ

    ブルーノはEURO2020最後の2試合で不調を理由にスタメンから外されたことが記憶に新しいが、昨年9月からは9試合に出場。サントスのプランに復活した。今後の結果次第ではあるだろうが、カタールでスタメンを務めることはほぼ確実である。

    また、サントスは被カウンター時の安定を高めることを望むため、ブルーノの隣にはボール奪取に優れた選手を好むこともある。この1年間はベルナルド・シウバが務めていたが、彼はサイドで起用される可能性が高い。そしてレナト・サンチェスが負傷を抱えているため、PSG同僚のヴィティーニャが先発の座を奪うかもしれない。インターセプトの技術や、創造性豊かなスキルは多くの価値がある。仮に彼でない場合は、サントスの寵愛を受けてきたカルヴァーリョがそのポジションに入る可能性もある。

    現状:ブルーノ・フェルナンデスとヴィティーニャ(ベルナルド・シウバはより攻撃的な位置でプレー)

  • Diogo Jota Portugal 2022Getty Images

    ラファエル・レオン vs ディオゴ・ジョタ vs ペドロ・ネト vs ゴンサロ・ゲデス vs ジョアン・フェリックス

    なんとも贅沢でハイレベルな争いだ。ここでは何人か候補を外して考えてみよう。

    ゲデスは意外にも9月のメンバーからは外れたので、ワールドカップは難しいかもしれない。同僚ネトは長期離脱中。スポルティングCPのペドロ・ゴンサルベスは今季絶好調だが、プランに入っていないだろう。一方でジョアン・フェリックスは、ポルトガルでの22試合で3ゴールと苦戦。能力は間違いないがサントスのスタイルにはハマっておらず、先発起用はなさそうだ。

    残すは、レオンとジョタだ。長期的な視野で見ればレオンの方が将来有望であり、コンディションもジョタよりも整っている。だが、リヴァプールのスターには実績がある。27試合で9ゴールの活躍だ。レオンは9試合で未だノーゴール。もしジョタのコンディションが整えば、この先も彼が先発だろう。だが、状況はすぐにでも変わる可能性を秘めている。

    現状:ディオゴ・ジョタ

  • Bernardo Silva Portugal 2022Getty Images

    オタヴィオ vs ベルナルド・シウバ

    ベルナルド・シウバの方が知名度も、適応性も、創造性の幅も持っている。だが、ワールドカップ予選プレーオフのトルコ戦でゴールやアシストを記録したのはオタヴィオだ。その後の5試合で4試合の先発を勝ち取っていた。

    どちらが優れた選手という話ではなく、サントスが個人的に誰を信頼しているかという問題だ。最近はオタヴィオに勢いがあったが、9月の招集はケガで外れてしまった。本人もショックを受けているだろう。そのため、ベルナルド・シウバが先発することになる。マンチェスター・シティでの調子を継続できれば、(センター起用がなければ)間違いなくポジションをつかむだろう。

    現状:ベルナルド・シウバ

  • Cristiano Ronaldo Portugal 2022Getty Images

    クリスティアーノ・ロナウド vs アンドレ・シウバ vs ジョアン・フェリックス

    「ロナウドを外すなんてとんでもない」と思うか、「ポルトガルが最高の状態になるためには仕方がない」と思うか……。CR7を巡る議論には決定的な意味合いがないことが多い。

    そのため、現時点でわかっていることだけにフォーカスしよう。37歳のロナウドは、マンチェスター・ユナイテッドが強力なFWのオプションを持っていないにも関わらず、レギュラーではなくなった。エリック・テン・ハーグは、「ロナウドはアンタッチャブル」という概念を打ち砕いた。それでも彼は過去数週間、静かに自分の役割に専念してきている。

    だがサントスは、6月のUEFAネーションズリーグ・スペイン戦でベンチに座らせたまま引き分けで終え、会見で大胆な発言を残す。「この試合では技術的、戦術的な選択だった。試合への挑み方の部分でね。クリスティアーノのクオリティとはまったく関係ない」。コンディションではなく、戦術的な面でベンチスタートとしたことを公言したのだ。それでも彼は続くスイス戦とチェコ戦に先発し、スイス戦では2ゴールを奪っている。

    サントスがジョタやレオンをサイドから中央へ移さない限り、ストライカーポジションはアンドレ・シウバとジョアン・フェリックスと争うことになる。しかし前者はクラブで厳しい状態にあり、後者は1年以上ポルトガルで先発がない。

    ロナウドには良いニュースばかりだ。サントスがカタールで史上最高の選手の1人をベンチに置くには、よほどの理由が必要だろう。何百万人ものファンを失い、キャリアを決定づけるような判断になるかもしれないのだ。サントス自身はそれを受け入れる覚悟もありそうだが、彼を動かすほどの代替案がないのが現状だ。

    現状:クリスティアーノ・ロナウド

  • Fernando Santos Cristiano Ronaldo Portugal 2022Getty Images

    ポルトガル代表の予想スタメン

    GK:ディオゴ・コスタ

    DF:ジョアン・カンセロ、ペペ、ルベン・ディアス、ヌーノ・メンデス

    MF:ブルーノ、ネヴェス、ヴィティーニャ

    FW:ベルナルド・シウバ、C・ロナウド、ジョタ

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