カゼミーロ
彼は汚れ仕事だけをしているわけではない。今大会、カゼミーロほど優れたミッドフィルダーはいないだろう。カゼミーロが放った見事なハーフボレーは、マンチェスター・シティのマヌエル・アカンジに当たって、ファーサイドの隅に吸い込まれた。カゼミーロのモップがけ、ゲームの読み、守備的なスペースカバーといった能力は、ブラジルが求めるプレーの絶対的なカギとなっている。
チッチのメンバー起用
時間がかかったかもしれないが、セルビア戦と同様、ブラジルの勝利には必然性があった。単純に、90分間戦い続けるには、ブラジルの攻撃の質は高すぎるのだ。タリスマンであるネイマールを負傷で欠いたとはいえ、その才能の数々には恐れ入る。リシャルリソンが苦戦したとなれば、ガブリエウ・ジェズスを連れてくればよい。ハフィーニャがいまひとつなら、アントニーを使おう。緊迫した状況に陥ったとき、チッチはプレミアリーグで最も好調なMFブルーノ・ギマランエスと、世界最高の若手選手ロドリゴを起用することができた。この交代劇はすべて好影響をもたらした。ロドリゴは巧みなフリックでボックス手前のカゼミーロにボールを渡し、相手の見事なブロックさえしなければ、2点目を奪っていただろう。今のところ、ブラジルはベスト16に進出し、クリーンシートを維持し、どんなチームにも勝てるということを証明している。
アリソン
2試合、2度のクリーンシート、シュート0本。カタールはこれまで、ブラジルのGKにとってちょっとした休暇のようなものだったのではないだろうか? リヴァプールのGKはセルビア戦では事実上の観客だったが、この試合でもブラジルはまたしても完璧な守備を披露した。マルキーニョスとチアゴ・シウバが中央で見事なディフェンスコンビを復活させ、カゼミーロが前線でパトロールし、アレックス・サンドロとエデル・ミリトンがサイドバックで堅実かつ頼もしく、ブラジルは今大会最も堅牢なチームのように見える。そして、たとえそれが失敗したとしても、世界最高のGKがいるのだ。ただ、まだ彼が働いている姿は見ていないのだが…。