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イサクに“言い訳”できる時間はもうない?リヴァプール加入3カ月、絶対に必要な結果

10月のインターナショナルウィーク終了後、リヴァプール指揮官アルネ・スロットはアレクサンデル・イサクについてこう語った。

「フィットネス面では、彼は本来あるべきレベルに近づいている。これからは公平に彼を評価できるね」

しかし11月7日、指揮官はその発言を撤回している。

「プレシーズンは終了し、彼の現状を確認すべき時期だと話したが、その発言を撤回せざるを得ない。3週間のリハビリだけでは、以前のレベルには戻れないからだ」

確かに、プレシーズンを棒に振った選手がコンディションを取り戻すには時間がかかる。しかし、もう待っている時間は残されていないのではないだろうか? 1億2500万ポンドでリヴァプールに加入してから3カ月、彼は期待された結果をほとんど残せていないのだから。

  • Newcastle United FC v Liverpool FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    移籍強行

    おそらく、今夏最も注目を集めた移籍だろう。それは英国史上最高額の移籍金だけではなく、彼自身が引き起こしたものでもある。ニューカッスルのプレシーズン合流を拒否し、強引な形でリヴァプール移籍を強行したからだ。

    「成功した移籍に対する批判的な反響について、僕は全てをコントロールできない。今後も長い間議論されるだろうね。でもこの経験から学んだし、最終的な結果には満足だよ。リヴァプールの選手であることを誇りに思う。詳細についてこれ以上話す気はない。終わった話だからね。でも、僕は一度も問題を抱えたことはないよ」

    だがしかし、彼のマージーサイドへの移籍強行は数々の問題を生じさせている。

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  • Liverpool FC v Atletico de Madrid - UEFA Champions League 2025/26 League Phase MD1Getty Images Sport

    フィットネスの問題

    イサクはリヴァプール最初のインタビューで、コンディション面に関しては確証が持てないことを認めていた。ニューカッスルのプレシーズンに参加しなかったことでフィットネスは上がらず、3カ月以上もプレーせずにリヴァプールへと合流している。選手とクラブが設定した目標は、9月のインターナショナルウィーク明けから出場することだった。しかし、結局バーンリーとの一戦でスロットは起用を見送っている。

    「我々がニューカッスルから獲得した時点では、まさにプレシーズンを始める状態だったと言える。一定の基礎を築くには十分なトレーニング時間が必要だ。ましてや3日間で2試合出場するなど論外だね。週1回のペースで選手をシーズン開幕に備えさせ、その後は徐々に負荷を増やしながら週2試合のリズムに移行させる。そうすることで、選手たちはそのスケジュールに対応できる状態になるのだ」

  • Alexander Isak Liverpool 2025-26Getty Images

    初先発で示した質

    慎重な姿勢を公にしたスロットだったが、4日後のチャンピオンズリーグ、アトレティコ・マドリー戦ではスタメンで起用した。そしてそのパフォーマンスには指揮官自身も驚かされている。『TNT Sports』でこう語った。

    「クオリティの高さについては全員が知っているので驚きはなかったが、彼が60分間も非常にフィットしていたことに良い意味で驚いたね。プレミアリーグに慣れている25歳と別のリーグの20歳とでは、大きな違いがあることを示しているのかもしれない。彼は2週間しか練習していないが、最高レベルでの試合経験が豊富だ。そのレベルで戦うにはメンタリティ、フィットネス、クオリティが必要になるが、今日はそのすべてを見ることができたね」

    だが、イサクの“シーズン開幕”は順調にはいかなかった。

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  • Liverpool v Manchester United - Premier LeagueGetty Images Sport

    「未熟」

    イサクは9月23日のサウサンプトン戦(カラバオカップ)で移籍後初ゴールを決めたが、現時点でそれが唯一の得点となっている。9月27日から10月19日にかけて3試合連続でプレミアリーグに先発したものの、チームは全敗。チェルシー戦(1-2)ではアシストを記録したが、決して意図したものではなかっただろう。同時期にフランクフルトから加入したウーゴ・エキティケとは対照的に、未だプレミアリーグのペースには遠く及ばない。そして当然ながら、同情の声はほとんど上がらなかった(主にニューカッスル方面からは)。

    そんなイサクについて、リヴァプールOBは辛辣だ。ドン・ハッチソンはこう語る。

    「仕事を放棄しただけでなく、将来的にプレーするチームのためにマッチフィットネスを犠牲にするなんて、プロとして未熟で幼稚な行為だね。彼のエージェントが夏の間ずっとひどいマネジメントと助言をしていたとは思うが、最終的には選手自身の責任だ。彼はニューカッスルと契約を結んでいる以上、フィットネスとプロ意識をチームに提供すべき義務がある」

    「リヴァプールに移籍しようとしているならば、即戦力として活躍できる状態であるべきだ。彼は遅れを取り戻そうとしているものの、それは彼の行動のせいだよ」

  • Liverpool v Aston Villa - Premier LeagueGetty Images Sport

    「難しいバランス」

    イサクに対しての風当たりが強まる中で、リヴァプールが最も避けたいシチュエーションは彼がケガを抱えること。10月22日のフランクフルト戦、彼は鼠径部の問題でハーフタイムに途中交代を強いられている。だがやはり、その痛みは試合勘不足と結びつけられた。スロットでさえ、「難しいバランスだね」と認めている。

    「彼が加入した時、ほとんどトレーニングを積んでいなかった。だから段階的に進め、週2試合出場できる状態に持っていく必要があると感じていた。しかし初めて試みた試合で、途中交代を余儀なくされた。多くの人から出場機会を増やすよう求められたが、我々はバランスを見極める必要があった。残念ながら今日はそのバランスが機能しなかった。最善を願うばかりだね」

    そして、その後の4試合を欠場。マンチェスター・シティとの前節はベンチには戻ってきたが、劣勢の中で出番が訪れることはなかった。

  • FBL-EUR-C1-LIVERPOOL-TRAININGAFP

    忍耐の限界

    11月のインターナショナルウィークも約30分の出場に終わったイサク。彼にはプレータイムが必要だが、優勝争いでこれ以上遅れを取れないリヴァプールにとって、フィットネス向上を待つ選手を起用する余裕はまったくない。現状、エキティケをベンチに置いてイサクを先発させる根拠は、はっきり言って全く見当たらないのだ。

    スロットは、プレミアリーグとチャンピオンズリーグのタイトルを目指すうえで「常にトップレベルのストライカー2人が必要だ」と主張してきた。そして「アレックスをできるだけ早く、多くの試合に出場させる必要がある」とも語っている。この“バランス”が今後数週間で、今後数カ月で用意になることはないだろう。むしろ、指揮官に対してイサクに関する重圧が強まっていく一方だ。1億2500万ポンドで獲得した選手をベンチに置く、最悪の場合スタンドに送るなんて、クラブとしては到底許容できない。

    今のリヴァプールに漂う「嫌な」雰囲気を払拭するためには、やはりイサク自身が昨季の姿に戻る必要がある。本人が「本格的にプレーできる状態にあるよ。ピッチでは言い訳はしない」と言っているのは心強いが、言葉だけでなく、行動で示さなければならない。

    加入から3カ月、イサクに対する忍耐は限界に近づいている。言い訳の時間はもうない。目に見える結果が、何よりも必要だ。

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