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「Jリーグにいたときよりサッカー選手としての能力が試された」。LAギャラクシーDF山根視来、米国MLSの今とスパイクを語る

 Jリーグきってのサイドバックとして川崎フロンターレ(以下川崎F)の連覇に貢献、日本代表にも選出された。山根視来が川崎Fからメジャーリーグサッカー(MLS)のLAギャラクシーに移籍したのは2024年1月のこと。自身初となる、30歳での海外移籍だった。

 MLSは東西に分かれてレギュラーシーズンであるカンファレンスを戦ったのち、東西上位9チームが参加するMLSカップ・プレーオフで全米王者を決める。LAギャラクシーは決勝で東地区王者のニューヨーク・レッドブルズを2-1で撃破し、10年ぶり6度目のMLSカップを勝ち獲った。山根は加入1年目で38試合出場5アシストを記録している。

 サッカー面だけではなく、生活面含めて「本当にチャレンジしに来て良かった」と語る山根に、「アメリカンスポーツ」として成長を続けるMLSの競技面や環境面での実際と、そのプレーを支えるスパイクについて話を聞いた。(聞き手:川端暁彦)【PR】

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  • 20241207-lagalaxy-yamaneGetty Images

    川崎Fでの自分を壊そうとした

    ——まずはあらためて、2024シーズンLAギャラクシーの全米制覇おめでとうございます。

     ありがとうございます。加入1年目で結果が出せて良かったです。2023年がウェスタン・カンファレンスで13位。その後のプレシーズンでもほとんど勝てず厳しいシーズンになるかなと思っていたんですが、自分も成長しながらチームもどんどん大きく強くなっていった印象です。

    ——2024シーズンをアメリカで過ごし、サッカーの違いなど体感されたかと思います。

     川崎Fに4年いたなかで、「こうなったらこう動いてくれるでしょ」「自分がこう動いたらここに(パスを)出してくれるでしょ」という状況だったので、それを自分の中で壊したいという思いもありました。

     それにすごく時間がかかりましたが、「こういうサッカーもあるんだな」といった感覚はいろいろな形で感じましたね。川崎Fではサイドバックに関してはすべて自由を与えられていました。でも、今のチームは「なぜここにいなければいけないのか」を説明されることもありますし、自分で「ああ、こういうことか」と考える面白さもありますね。

    ——かなり細かいのでしょうか。

     やっぱり相手がどういうサッカーなのか、どういう選手がいるのかというところでポジショニングが決まってくるところもありますし、その中で自分が立つ位置を変えたりとか、すごく勉強にもなっています。

    ——自身の評価を高めていくシーズンにもなったようですね。

     最初は「かなり迷惑をかけてしまっているな」と感じながらでしたが、シーズン途中から自分の役割を理解していくことで、慣れてきたという感覚を持てるゲームになっていきました。

    ——身体的に特長のある選手とのマッチアップも多いリーグかと思います。

     自分で奪えなければいけないシーンとか、一人だけで守らなければいけないシーンもあります。そこには守備文化の違いもありますよね。Jリーグにいたときよりも、サッカー選手としての能力が試されるリーグだと感じています。

     センターバックよりデカい選手がウイングにいたりしますし、アフリカ系の選手も多いですからね。日本ではあまりいない、逆サイドから点を奪うためにストライカーのような動きをしてくる選手も多いんです。いろいろなタイプの選手がいたので、すごく苦戦はしましたけれど、そこの駆け引き含めて成長できたとも思います。

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    独自の路線を突き進んでいるリーグ

    ——逆にJリーグや川崎Fで培った部分で、ここは負けてないぞと感じた部分もありましたか。

     コンビネーションのところですね。川崎Fではあれだけ狭いスペースでのトレーニングを、あれだけの選手たちと一緒にやっていたので、その感覚というのは、MLSのサイドバックの中でも自分の武器の一つだと感じています。

    ——MLSというリーグそのものもすごく活況ですよね。あらためて広大なアメリカでのリーグ戦を体感していかがでしたか。

     もう本当に独自の路線を突き進んでいるリーグですし、「アメリカンスポーツだな」という印象を受けました。国内でも時差がありますし、まるで違うところでプレーする難しさはありました。たぶん、日本の皆さんが抱くイメージとは違ったリーグだと思います。その点は、僕自身が思っていたより上をいく部分でした。

    ——イメージとのギャップはどういう部分で感じたのでしょうか?

     「アメリカのサッカー=そんなに根付いていない」みたいなところもそうですし、ヨーロッパで引退間近になった選手が行くところといったイメージもあったと思います。実際はスポーツとしての地位が確立されつつあるし、サッカーしている子どももすごく多いんです。日本でまったく名前が知られていない、でもクオリティがとんでもない選手が多くいます。「この選手ヤバいな」という選手が何人もいました。

    ——MLSの映像を観ていると、個の能力の高さに驚かされます。

     はい、僕もそうでした。Jリーグではあまり体感したことがないような選手がいますね。スピード、パワーもそうですし、特に前線はそういう選手が多いですね。

    ——MLSへチャレンジして良かったという気持ちですか?

     いやもう間違いないですね。1年やって日本へ帰って来る前にもそう思いました。チームメートから受ける影響もそうですし、文化も含めていろいろなものを吸収できました。サッカーもそうですし、生活でも学びがありました。本当にチャレンジしに来て良かったです。

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    “スパイクのせいにしちゃわない”スパイク

    ——スパイクの選び方についてお聞きしたいのですが、山根選手のこだわりを聞かせてください。

     まずフィット感は間違いなく重要ですね。ボールを触っていない時間が多いのがサッカーなので、歩いているとかジョギングをしているときに違和感があるようだと、より負担になってしまいます。そこは一番大事ですね。それプラス、ボールを触ったときの感触も大事で、その二つは譲れないです。

    ——昔からこだわりは強かったですか? カッコ良さで選んだりは?

     ああ、学生時代とかはそういう基準で選んでしまっていた時期もありましたね。でも結局、サッカー選手が自分を何で表現するのかといったら、プレーになるんです。何が一番重要なのかは考えないといけないし、そこに気付けたのは自分のキャリアの中でも大きなことだったと思います。

    ——やっぱりスパイクでプレーは変わりますか?

     そうですね。「合ってないな」と感じるスパイクだと、自分のプレーが上手くいかないときに、“スパイクのせいにしちゃう”ということがあるんです。それがないのがアシックスのスパイクのいいところですね。「いまのは何が悪かったのかな?」と考えたときに、スパイクが出てこない。フィジカル的な問題なのか、テクニック的な問題なのかというところにフォーカスできますから。

    ——合わないスパイクだと、やはりそちらに気が行ってしまうんですね。

     リフティングとかしていても、「なんか気持ち悪いな」となると、すぐに「スパイクが悪いんだ」となってしまうんですよね。でも自分が選んだ、自分に合っているスパイクだと、自分自身にフォーカスできる。そういうのは大事です。余計なものを一個、自分の中から捨てられるのは大きいんです。

    ——そうやって突き詰めると、このスパイク「DS LIGHT X-FLY 5」になった?

     アシックスさんのスパイクにして、そういうものが本当になくなりました。一発目に足を通したときから、そうでした。「このスパイク、締め付けキツいから紐を緩めないとなあ」みたいなこともまったくないですしね。だから本当に、何も気にすることなく練習へ向かっています。

     試合のときもそうですけど、いろいろなことにナーバスになってしまうものです。その要素が一つないというのは本当に大きい。アメリカはいろいろな環境にも対応しなければいけないので、そういう意味でもスパイクについて悩まずに済むのは、本当に助かっています。

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