2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)が日本時間9月7日に開幕した。 今夏、ダルウィン・ヌニェスやアルトゥールらを補強したリヴァプールは、ナポリやアヤックスといった難敵と同組に入った。今回は『GOAL Japan』が選出したリヴァプールのキーマン、期待の新戦力、ヤングスター(23歳以下)の注目5選手を紹介する。
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Gettyキーマン①:DFヴィルヒル・ファン・ダイク(オランダ代表)
セルティック、サウサンプトンを経て、2018年1月にリヴァプールへと7500万ポンド(当時:約114億円)で加入。ユルゲン・クロップ監督は選手の適応に時間を与えるタイプであり、ファン・ダイクに関しては冬の加入であったが、例外的に最初からレギュラーポジションを与えた。翌シーズンにはチャンピオンズリーグ優勝、2019-20シーズンにはプレミアリーグ制覇に大きく貢献し、世界最高のDFという評価をほしいままにした。魅力はやはり恵まれた身体能力。190を越える身長でありながら、機敏かつ、トップスピードも高い。そのため、対人戦に負けることは稀で、記録を作った経験さえある。足下の技術も高く、後方からのロングフィードでもチームに貢献でき、まさに現代サッカーにおけるCBの完成形だろう。チャンピオンズリーグではアヤックス、ナポリ、レンジャーズと同居する油断ができない組に入り、ファン・ダイクのパフォーマンスにも注目だ。
gettyキーマン②:MFジョーダン・ヘンダーソン(イングランド代表)
2011年、サンダーランドから加入したジョーダン・ヘンダーソン。当初は度重なる負傷と、不安定なパフォーマンスにより、評価されず一時は放出候補となっていた。しかし、地道な努力と勤勉な姿勢によりパフォーマンスを改善すると、徐々にレギュラーをつかむように。2014-15シーズンにはリーグ戦37試合で6ゴール10アシストを記録。2015-16シーズンからはスティーブン・ジェラードの後任としてアームバンドを巻くようになった。2015年から指揮を執るユルゲン・クロップ監督の下でも絶対的な存在で、キャプテンとしてチャンピオンズリーグ、プレミアリーグ制覇にも大きく貢献した。高いキック精度はもちろん、リヴァプールではそのキャプテンシーも大きくクローズアップされ、すでにクラブの歴史に名を刻んだレジェンドだ。サポーターからの愛情も一身に背負っており、レッズの人気選手の一人となっている。
Gettyキーマン③:FWモハメド・サラー(エジプト代表)
2014年1月、チェルシーへと加入したサラーだったが、最初のビッグクラブでの挑戦はあえなく失敗に。その後、フィオレンティーナ、ローマで結果を残し、2017年夏にリヴァプールへ加入し、プレミアリーグの舞台に戻ってきた。すると、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネとともに世界最高のフロント3を形成。リヴァプールでは259試合で159ゴール64アシストを記録しており、クラブ最速のペースでリーグ戦70ゴールを達成した。近年ではチャンピオンズリーグ、クラブ・ワールドカップ、プレミアリーグ、FAカップなど獲得可能なタイトルをほぼすべて手にし、リヴァプールの黄金期において中心的な役割を果たした。代名詞は右サイドからの鋭いカットインと、左足でのフィニッシュ能力の高さ。小柄な体格ながら強烈なシュートも放つことができ、ウイングのポジションでありながら世界随一のフィニッシャーとして評価されるようになった。今夏にはマネがチームを去ったため、サラーにかかる負担は大きくなるはずだが、その責任を果たす能力は間違いなく持っている。
Getty期待の新戦力:FWダルウィン・ヌニェス(ウルグアイ代表)
ヌニェスは昨季、ベンフィカで26ゴールを挙げ、チャンピオンズリーグでもリヴァプール相手に結果を残すと、今夏にステップアップ。最大1億ユーロ(約142億円)にも及ぶ移籍金で、リヴァプール加入が決まった。プレシーズンでは簡単にも見える決定機を逸したり、プレミアリーグでは相手の挑発に乗って頭突きを見舞ってしまうなど、ここまではネガティブな面も目立っているが、真価を発揮するのはこれからだ。リヴァプールは、ペニャロール在籍時からヌニェスを追っており、チームに必ずやフィットすると信じている。前任者とも言えるサディオ・マネはレジェンドだけにハードルは高いが、ヌニェスは23歳と伸びしろは十分。個での打開力や難しい体勢からのフィニッシュ、空中戦の強さがリヴァプールにもたらすものは大きいはずだ。
Getty Imagesヤングスター:MFハーヴェイ・エリオット(イングランド)
フラムの下部組織出身であるエリオットは2019年夏にリヴァプールへと加入した。2020-21シーズンはレンタル先のブラックバーンで結果を残すと、翌シーズンからはリヴァプールに復帰。ユルゲン・クロップ監督らコーチ陣も大きな期待を寄せていたが、2021年9月に左足首を脱臼骨折する大ケガを負って長期離脱を強いられてしまう。それでも、今年2月に戦列復帰すると、FAカップ・カーディフ戦で貴重なゴールを挙げ、感動的なカムバックを果たした。今季からは背番号が「19」となり、リヴァプールでさらに大きな役割を担うことが期待される。若くして天才との呼び声が高く、一瞬のスピードを活かした突破力、左足での正確なパス技術が持ち味。攻撃的なポジションであればどこでもこなすことができ、今季がリヴァプールでのブレイクイヤーとなるかもしれない。

