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セリエA最強レベルのスピードスターにNo.1守護神も!ミランで注目すべき選手をイタリア在住記者が選出

2021-22シーズン、インテルとの激しい優勝争いを制して11年ぶりのスクデットを手にしたミラン。シーズン終了後にはアメリカの投資会社レッドバード・キャピタル・パートナーズへの売却が成立、さらにパオロ・マルディーニTD(テクニカルディレクター)ら重要なスタッフ陣の契約延長も無事完了し、新シーズンへ向けて着々と準備を進めている。

来季のミランはセリエA連覇を目指すだけでなく、欧州最高峰の舞台であるチャンピオンズリーグ(CL)での躍進も期待されている。そんな彼らの新シーズンで鍵となるであろう選手たちを、イタリア在住ジャーナリスト・片野道郎氏がピックアップ。現地で長年取材を続けてきた同氏が勧める「注目の選手たち」とは?

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    ディヴォック・オリギ

    2015-16から通算6シーズン所属したリヴァプールでは、2018-19のCL準決勝、決勝をはじめ、途中出場からチームの勝利に決定的な貢献を果たす貴重なゴールを決めることから「ミラクル・オリギ」とサポーターに愛された。

    キャリアを通してリーグ戦で2桁得点を挙げていないことが示すように、ゴール量産を期待できるタイプではないが、DFを背負って前線の基準点となるポストプレーから、DFラインを押し下げ2ライン間のスペースを広げる裏への飛び出し、そしてボールロスト時のゲーゲンプレッシングまで、目立たないところでチームに大きな貢献を果たせる献身性が大きな長所。CFよりもむしろ2列目や中盤のプレーヤーがフィニッシュを担うことが少なくないミランのコレクティブなサッカーに適したプレースタイルの持ち主だ。

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    ラファエル・レオン

    爆発的なスピードを活かした左サイドからのドリブル突破で決定的な違いを作り出す、セリエA最強レベルのスピードスター。19歳でリールからミランに移籍した当初は、そのタレントの片鱗を垣間見せながらも、試合の中でもシーズンを通してもパフォーマンスのムラが大きく信頼性に欠けるという若さゆえの欠点が目立っていた。しかし在籍3年目の昨シーズンは、目の前の敵をドリブルで抜き去るだけで満足することなく、その先のゴールを意識したプレー選択で質の高いプレーを見せるようになり、11得点10アシストとブレイク。特に優勝がかかったシーズン最後の6試合で3ゴール6アシストという決定的な働きで、大きな貢献を果たしたのは記憶に新しい。

    元々、そのポテンシャルはかつてフランス代表やアーセナルで活躍したティエリ・アンリにも匹敵するという評価を集めてきた超逸材。新シーズンはさらなる成熟を果たして、昨季終盤戦に見せた傑出したパフォーマンスをコンスタントに発揮し、ゴールとアシストを合わせて少なくとも30得点以上に絡む絶対的な主役としての活躍が期待される。

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    マイク・メニャン

    契約満了でPSGに去った生え抜きのイタリア代表ジャンルイジ・ドンナルンマの後釜として昨夏加入、期待を大きく上回る驚異的なパフォーマンスでスクデット獲得に決定的な貢献を果たした27歳のフランス代表GK。セリエAはもちろん5大リーグでもトップのセーブ率(81%)に始まり、クリーンシート試合数(17) 、クロスのセーブ率(12%)など主なGKスタッツは軒並みリーグ1位。しかも守備だけでなく攻撃の局面でも、自陣ゴール前から一気に決定機を作り出す正確無比なロングフィード、積極的にビルドアップに参加し数的優位を作り出す正確な足下のテクニックなど、現代のGKに求められるすべてのクオリティを高いレベルで備え、たった1年で「セリエA最高のGK」という評価を勝ち取った。

    よりレベルの高いアタッカーと対戦するCLでは、それに対抗できるトップレベルのGKを擁しているかどうかが勝負を大きく左右する。その点でも、ミランは準備万端と言えるだろう。

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    サンドロ・トナーリ

    昨シーズンを通して最も際立った成長を見せた、22歳のイタリア代表セントラルMF。3年前に当時セリエBのブレシアで頭角を現し、セリエA未経験のままイタリア代表に招集されて注目を集めた時には、同じブレシア育ちで髪形も似ているアンドレア・ピルロに例えられることが多かった。だが、昨シーズンを通して見せた攻守両局面で際立った存在感を見せるパフォーマンスは、同じイタリア代表のレジェンドでもピルロよりはむしろダニエレ・デ・ロッシを彷彿させるものだ。

    中盤を広く動き回ってボールに絡み、積極的な攻め上がりからフィニッシュにも絡んで行く攻撃、アグレッシブに前に出るプレッシング、力強い当たりで敵の突破を食い止めボールを奪回する守備と、あらゆる面で中盤に量と質をもたらす頼もしい存在だ。子供の頃からミラニスタで、ジェンナーロ・ガットゥーゾが憧れだったというだけに、将来的にもチームの屋台骨を支えるリーダーへの成長が期待されている。

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    噂の新戦力候補

    現時点で最も優先順位の高い補強ポイントとされているのは、フランク・ケシエが契約満了で退団した中盤、攻撃力アップの鍵を握るトップ下という2つのポジション。前者はポルトガル代表レナト・サンチェス(リール)、後者はベルギー代表チャールズ・デ・ケテラーレ(クラブ・ブルージュ)を第一候補として、シーズン中から交渉が進められ、選手サイドは移籍に積極的な姿勢を見せていたという経緯がある。その後、交渉がペンディングされている間に他クラブも争奪戦に参入して事態は複雑化しているが、ここに来て話は急速な進展を見せている模様だ。

    サンチェスは、ケシエとトナーリを「足して2で割った」ような、テクニックとダイナミズムを兼ね備えた万能型MF。デ・ケテラーレは身長191cmと大柄な体格にもかかわらず柔らかい身のこなしと左足の優れたテクニックで、仕掛け、アシスト、ゴールとラスト30メートル攻略にあらゆる形で貢献できるアタッカー。2000年代生まれの若手攻撃的MFではジャマル・ムシアラ(バイエルン)と並んでヨーロッパで最も大きな注目と評価を集めるビッグタレントだ。2人の加入が実現すれば、とりわけCLのようなレベルの高い大舞台で違いを作り出せるクオリティの上乗せが期待できる。

  • 20220719_Emirates_ACMilan_Giveaway(C)Goal

    ミランをサポートする「エミレーツ航空」協賛のもとプレゼントキャンペーンを実施中!

    アラブ首長国連邦・ドバイを拠点とするエミレーツ航空は、これまでにサッカーをはじめ、テニスやモータースポーツ、競馬など様々なスポーツチームやイベントのスポンサーを務めてきた。

    そんなエミレーツ航空は、2007年9月にミランとスポンサー契約を結び、2010-2011シーズンからはユニフォームの胸スポンサーとして10年以上にわたってセリエAの名門をサポートしてきた。

    ピッチ外でも両者の関係は深まっており、2016年3月には当時ミランに所属していた本田圭佑ら選手たちが機体に描かれた「AC Milan A380(エアバスA380型機)」の運行がエミレーツ航空よりスタートし、多くの話題をさらった。

    また、2021年10月1日から2022年3月31日までUAE(アラブ首長国連邦)で開催されていた『ドバイ万博』では、ドバイ万博のプレミアパートナー、そしてオフィシャルエアラインであるエミレーツ航空がミランの代表団をパビリオンへ招待した。ミランの代表団は、エミレーツ航空のパビリオンで近未来的な施設を巡り、民間航空の未来を体験した。

    ミランのCEOであるイヴァン・ガジディス氏は「このパビリオンは卓越性や革新性、新しいトレンドの確立と、すべてを体現している。エミレーツ航空とのパートナーシップ開始から15年が経過した今、ドバイにいることは私たちの共通の価値観と使命のおかげであり、長年にわたって進化し、より強くなってきたミランとエミレーツの前向きで実りある関係を証明している」と語った。

    本キャンペーンへ応募、そしてユニフォームを手に入れて、セリエA王者として2022-2023シーズンを戦うミランを応援しよう。

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