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ポール・ポグバ、ジェイドン・サンチョ、ハリー・マグワイアーーマンチェスター・U総額2800億円以上の高額補強を振り返る

マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグで最も華やかな歴史を持つクラブのひとつだ。

レッドデビルズは国内クラブの中で最も多くの主要タイトルを獲得している(66回)。プレミアリーグと前身のディビジョン1の合計で最多優勝回数を誇り(20回)、これはライバルのリヴァプールより1回だけ多い。

タイトルの多くはここ30年間にもたらされたものであり、そのほとんどは伝説の監督アレックス・ファーガソン氏の時代に獲得したものだ。ファーガソン氏は13度のプレミアリーグ王者を筆頭に、2度のチャンピオンズリーグ王者、5度のFA杯王者、4度のリーグ杯王者など、チームを数多くのタイトルに導いている。

だが、レッドデビルズの成功は金銭的な代償を伴うものであった。21世紀に入ってから選手との契約に20億ユーロ(約2800億円)を費やしてきたのだ。

今世紀に入った直後、ユナイテッドは4600万ユーロ(約64億5000万円)をリオ・ファーディナンド獲得に費やした。これは長らくクラブ最高額の契約だったが、2014年にレアル・マドリーからアンヘル・ディ・マリアを7500万ユーロ(約105億2000万円)で獲得したことにより、記録が塗り替えられた。

高額契約のほとんどはここ10年間で取り交わされたものであり、この頃からオールド・トラッフォードの出費は急激に増え続けている。ここ10年で巨額で移籍加入した選手といえば、ポール・ポグバ、ハリー・マグワイア、ブルーノ・フェルナンデス、アントニー・マルシャルらの名前が挙がる。

シーズン

最高額の新戦力

移籍金

シーズン総額

2021/22

ジェイドン・サンチョ

€8500万(約119億2500万円)

€1億4000万(約196億4000万円)

2020/21

ドニー・ファン・デ・ベーク

€3900万(約54億7000万円)

€8380万(約117億6000万円)

2019/20

ハリー・マグワイア

€8700万(約122億600万円)M

€2億3480万(約329億4000万円)

2018/19

フレッジ

€5900万(約82億8000万円)

€8270万(約116億円)

2017/18

ロメル・ルカク

€8470万(約118億8000万円)

€1億9840万(約278億3500万円)

2016/17

ポール・ポグバ

€1億500万(約147億3000万円)

€1億8500万(約259億6000万円)

2015/16

アントニー・マルシャル

€6000万(約84億2000万円)

€1億5600万(約218億9000万円)

2014/15

アンヘル・ディ・マリア

€7500万(約105億2000万円)

€1億9535万(約274億1000万円)

2013/14

フアン・マタ

€4473万(約62億7500万円)

€7713万(約108億2000万円)

2012/13

ロビン・ファン・ペルシー

€3070万(約43億1000万円)

€7645万(約107億3000万円)

2011/12

ダビド・デ・ヘア

€2500万(約35億1000万円)

€6230万(約87億4000万円)

2010/11

ベベ

€880万(約12億3000万円)

€2930万(約41億1000万円)

2009/10

アントニオ・バレンシア

€1880万(約26億4000万円)

€2730万(約38億3000万円)

2008/09

ディミタール・ベルバトフ

€3800万(約53億3000万円)

€4525万(約63億5000万円)

2007/08

アンデルソン

€3150万(約44億2000万円)

€1億650万(約149億4000万円)

2006/07

マイケル・キャリック

€2720万(約38億2000万円)

€2720万(約38億2000万円)

2005/06

ネマニャ・ヴィディッチ

€1050万(約14億7000万円)

€3180万(約44億6000万円)

2004/05

ウェイン・ルーニー

€3700万(約51億9000万円)

€6125万(約85億9000万円)

2003/04

クリスティアーノ・ロナウド

€1900万(約26億6500万円)

€5653万(約79億3000万円)

2002/03

リオ・ファーディナンド

€4600万(約64億5000万円)

€4853万(約68億1000万円)

2001/02

フアン・セバスティアン・ベロン

€4260万(約59億8000万円)

€8585万(約120億4000万円)

2000/01

ファビアン・バルテズ

€1170万(約16億4000万円)

€1170万(約16億4000万円)

総額

約€20.2億(約2830億円)

マンチェスター・ユナイテッドの高額移籍選手トップ10

  • Rio Ferdinand Rafael Manchester UnitedGetty Images

    10リオ・ファーディナンド | €4600万(約64億5000万円) | リーズ・ユナイテッド | 2002年

    マンチェスター・ユナイテッドのレジェンド、リオ・ファーディナンドがレッドデビルズにやってきたのは2002年。ライバルのリーズ・ユナイテッドから4600万ユーロ(約64億5000万円)という当時クラブ最高額の移籍金で加わった。

    ファーディナンドはユナイテッドで12シーズンを過ごし、6度のプレミアリーグ優勝やチャンピオンズリーグ優勝を含め数々のトロフィーを掲げた。また、全コンペティション合計454試合にも出場している。

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  • Aaron Wan-Bissaka Manchester United 2021-22Getty Images

    9アーロン・ワン=ビサカ | €5500万(約77億2000万円)

    英国人サイドバックがマンチェスター・ユナイテッドに加入したのは2019年。クリスタル・パレスから5500万ユーロ(約77億2000万円)で加わった。クラブがディフェンダーに費やした移籍金としては、ハリー・マグワイアについで史上2位の記録だ。レッドデビルズ加入前にはシーズン通しての活躍が認められ、クリスタル・パレスの最優秀選手に選ばれていた。

    このサイドバックは、これまでマンチェスター・ユナイテッドでタイトルを獲得したことはない。だが過去3シーズンで全コンペティション合計125試合出場を果たしている。



  • Fred Manchester United 2021-22Getty Images

    8フレッジ | €5900万(約82億8000万円) | シャフタール・ドネツク | 2018年

    このブラジル人MFは2018年にシャフタール・ドネツクからマンチェスター・ユナイテッドに加入した。ウクライナでフレッジはウクライナ・プレミアリーグ優勝を3度、ウクライナ杯優勝を1度経験した。シャフタールでは155試合に出場し、15得点15アシストを挙げた。

    ユナイテッドではまだトロフィーを掲げたことはないが、全コンペティション合計150試合に出場を果たしている。



  • Anthony Martial Man Utd 2021-22Getty Images

    7アントニー・マルシャル | €6000万(約84億2000万円) | ASモナコ | 2015年

    ゴールデンボーイ賞(欧州の最優秀若手選手賞)元受賞者のマルシャルがプレミアリーグの巨人に加わったのは2015年のことだ。ASモナコから6000万ユーロ(約84億2000万円)で加入し、歴代最高額の10代選手となった。

    残念ながら、彼のキャリアはここ7年間下降線だ。レッドデビルズで260試合以上に出場して75得点以上を挙げたものの、高い期待に応えることはできなかった。

    2022年1月、マルシャルはセビージャにローンで放出され、移籍先でキャリア再生を図っている。

  • Bruno Fernandes Man Utd 2021-22Getty Images

    6ブルーノ・フェルナンデス | €6300万(約88億4000万円) | 2019年

    ユナイテッドのタリスマン的存在であるポルトガル人は、2019-20シーズン1月の移籍ウィンドーで1月にスポルティング・リスボンから加わった。スポルティングではリーグで2度、タッサ・デ・ポルトガルで1度優勝経験がある。また、2018年と2019年にはクラブの最優秀選手に選ばれている。

    マンチェスター・ユナイテッド加入後は、クラブにとって最も重要な選手の一人となった。これまで125試合以上に出場しており、ゴールやアシストの主な供給源となっている。



  • Angel Di Maria Manchester United QPR Premier League 14092014Getty Images

    5アンヘル・ディ・マリア | €7500万(約105億2000万円) | レアル・マドリー | 2014年

    このアルゼンチン人ウインガーはスペインの首都で過ごした3年の間に、レアル・マドリーで主要タイトルを総なめにしてきた。レアル・マドリーのラ・デシマ(10度のチャンピオンズリーグ制覇)達成にあたって重要な選手の一人であった。ロス・ブランコスでプレーした4年間で190試合に出場し、36得点と84アシストを挙げている。

    2014年、マンチェスター・ユナイテッドはディ・マリアと7500万ユーロ(約105億2000万円)という巨額の契約を結び、当時のクラブ新記録となった。だが、残念ながらマンチェスターではあまり成功を収めることはできなかった。


  • Romelu Lukaku Manchester United ICC

    4ロメル・ルカク | €8470万(約118億8000万円) | エヴァートン | 2017年

    このベルギー人ストライカーはチェルシーでプレミアリーグデビューを果たすと、エヴァートン在籍時にストライカーとしての才能が開花した。エヴァートンに在籍した3シーズンでルカクは全コンペティション計166試合に出場し、87得点を挙げている。

    2016-17シーズンにルカクは25得点を挙げ、プレミアリーグ得点王争いではハリー・ケインに次ぐ2位につけた。この活躍ぶりによって、マンチェスター・ユナイテッドはこのFWと契約するために莫大な金額を支払うことを決意した。

    マンチェスター・ユナイテッドではよい滑り出しを見せたものの、結果的には十分な印象を残すことはできなかった。ルカクがクラブで過ごしたのはたった2シーズンとなってしまったが、その間92試合に出場し42得点を記録した。



  • Jadon Sancho Manchester UnitedGetty Images

    3ジェイドン・サンチョ | €8500万(約119億2500万円) | ボルシア・ドルトムント | 2021年

    このイングランドの若手選手はマンチェスター・シティのアカデミーを卒業したが、プロデビューを果たしたのは2017年、ボルシア・ドルトムントでのことであった。ドイツのクラブでは4シーズンを過ごし、DFBポカール(2021-22)とDFBスーパーカップ(2019年)の2つのタイトルを獲得している。

    また、DFBポカール2020-21得点王やブンデスリーガ2019年月間ゴール賞など、個人賞の受賞経験もある。また、2018-19シーズンと2019-20シーズンにはブンデスリーガベストイレブンにも選出されている。

    ドルトムントに在籍した4年以上の間に、サンチョは50得点64アシストを記録した。ドルトムントでの活躍からプレミアリーグのビッグクラブ達が注目してきたが、結果的に争奪戦に勝ったのはレッドデビルズだった。2021年夏に8500万ユーロ(約119億2500万円)という莫大な移籍金でサンチョを手に入れている。



  • Harry Maguire Manchester United Leicester Premier League 2021-22Getty

    2ハリー・マグワイア | €8700万(約122億600万円) | レスター・シティ | 2019年

    このイングランド人は歴代最高額で加わったディフェンダーだ。マンチェスター・ユナイテッドは2019-20シーズン前に、レスター・シティに所属していたマグワイアを8700万ユーロ(約122億600万円)で獲得した。

    イングランド代表でもあるハリー・マグワイアは、これまでレッドデビルズで全コンペティション合計140試合以上に出場している。

    クラブ加入から6か月も経たないうちに、マグワイアは当時の監督オーレ・グンナー・スールシャールに指名されクラブのキャプテンに。リーダーシップでクラブを牽引するも、レッドデビルズではまだトロフィーを掲げるには至っていない。

  • Paul Pogba Manchester United 2021-22Getty

    1ポール・ポグバ | €1億500万(約147億3000万円) | ユヴェントス | 2016年

    マンチェスター・ユナイテッドのユースが生んだ才能は、2016-17シーズン前にユヴェントスから戻ってきた。移籍金はクラブ史上最高額の1億500万ユーロ(約147億3000万円)。ポグバは2011年にユナイテッドでプロデビューを果たしたが、そのわずか1年後にユヴェントスに移籍し、セリエAに活躍の場を移していた。

    このフランス人はユヴェントスで中心選手として活躍し、セリエA連覇や2度のコッパ・イタリア優勝など、4シーズンで8個のトロフィーを掲げた。セリエAの巨人に在籍しながら178試合に出場したポグバは、34得点40アシストを記録。イタリアでの目覚ましい活躍により、レッドデビルズは1億ユーロを超える金額を拠出し、ポグバを獲得した。

    ユナイテッドでは6シーズン在籍し、227試合に出場。39得点51アシストを挙げている。彼が掲げた2つのトロフィー(ヨーロッパリーグ、EFL杯)は、ともに移籍直後のシーズンに手にしたものだ。そして、2022年夏の退団が決まった。