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【プレミアリーグTOP6補強&戦力評価~マンチェスター・ユナイテッド~】新体制で巻き返しへ。テン・ハーグがスターたちのポテンシャルを引き出せるかが鍵に

『Goal』では8月5日に控える新シーズン開幕を前に、現時点でのビッグクラブの補強と戦力評価を実施(プレミアリーグの移籍市場は9月1日まで)する。第1回は、ラルフ・ラングニック前監督が退任し、今季からエリック・テン・ハーグ監督が率いる昨季6位のマンチェスター・U編だ。※文中の評価はB~SSの4段階(TOP6相対評価)

  • Lisandro-Martinez(C)Getty Images

    今夏の主な移籍

    【IN】

    リサンドロ・マルティネス[アヤックス/完全移籍]

    タイレル・マラシア[フェイエノールト/完全移籍]

    クリスティアン・エリクセン[ブレントフォード/フリー移籍]

    【OUT】

    アンドレアス・ペレイラ[フラム/完全移籍]

    ポール・ポグバ[ユヴェントス/フリー移籍]

    ジェシー・リンガード[ノッティンガム・フォレスト/フリー移籍]

    ネマニャ・マティッチ[ローマ/フリー移籍]

    ディーン・ヘンダーソン[ノッティンガム・フォレスト/ローン移籍]

    エディンソン・カバーニ[未定]

    フアン・マタ[未定]

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  • tenhag(C)Getty Images

    【補強評価:A】F・デ・ヨングを獲得できれば…

    テン・ハーグ監督は、アヤックスを指揮していたことでその能力を知る左サイドバックのオランダ代表DFタイレル・マラシアと、自身の教え子であるアルゼンチン代表DFリサンドロ・マルティネスを獲得。特にリサンドロ・マルティネスは、約5700万ユーロと高額移籍金を要したが、センターバックだけでなく中盤の守備的なポジションもこなすことができるため、重宝するだろう。また、クリエイティビティのあるデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンを移籍金なしで引き入れたのは評価できる。ただ、6位からの巻き返しを狙う補強という意味では物足りなさが否めず、マンチェスター・シティやリヴァプールに対抗するためには、最低でもバルセロナとのオランダ代表MFフレンキー・デ・ヨング獲得交渉をまとめる必要があるだろう。

  • maracia(C)Getty Images

    【GK・DF評価:A】ネームバリューは十分も…GKの層も薄く

    負傷がちなルーク・ショーとポジション争いできるマラシアが加入。しかし、ジオゴ・ダロットとアーロン・ワン=ビサカの右サイドバックはクオリティ面で物足りず、ハリー・マグワイアに関しても昨季のように不安定なパフォーマンスが続けば、ラファエル・ヴァランがシーズン通して戦うためのフィジカルが保てるか懸念だけに、センターバックも新戦力次第だ。リサンドロ・マルティネスは安定した足下の技術とビルドアップ、インターセプト能力が高いが、上背がないだけに激しい空中戦と肉弾戦を強いられるプレミアリーグに1年目から適応できるかがカギ。GKに関してもディーン・ヘンダーソンがレンタル退団しており、ダビド・デ・ヘアが離脱すれば窮地に陥る。

  • Christian-Eriksen(C)Getty Images

    【MF評価:B】創造性は増すも…守備的MFはフル稼働必至に

    中盤ではエリクセンが加入したことで、特に攻撃面ではブルーノ・フェルナンデスの負担を軽減させることができるだろう。一方で、ポグバとマティッチが退団した中盤の底、守備の部分ではフレッジとスコット・マクトミネイがシーズン通して一貫したパフォーマンスを見せる必要がある。リサンドロ・マルティネスの中盤起用もあり得るが、質・層ともに他のTOP6に比べると戦力的に高評価はしにくいところだ。ドニー・ファン・デ・ベークが、自身の特長を理解しているテン・ハーグの下で真骨頂を発揮できれば、中盤のクオリティは増すはず。優れたプレービジョンを持つ19歳のイラク代表MFジダン・イクバルやジェームズ・ガーナーなど、ユース上がりの若手台頭にも期待だ。

  • sancho(C)Getty Images

    【FW評価:A】最も計算できるのはサンチョ

    昨季リーグ戦、18ゴールを挙げたクリスティアーノ・ロナウドに次ぐ得点数をマークしたのが、メイソン・グリーンウッド(5ゴール)だったことからも、攻撃陣は物足りなかった。そのグリーンウッドは選手としての将来が不透明、さらにC・ロナウドも移籍の可能性が残っている状況だ。プレシーズンではアントニー・マルシャルが好調だったが、これまでの実績からシーズン通しての一貫したパフォーマンスは期待しにくいところ。最も計算できるのはジェイドン・サンチョだ。昨季低調だったマーカス・ラッシュフォードにとっては勝負のシーズンになり、彼の活躍なくしてチームが昨季以上の成績を残すのは厳しいだろう。

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