『Goal』では8月5日に控える新シーズン開幕を前に、現時点でのビッグクラブの補強と戦力評価を実施(プレミアリーグの移籍市場は9月1日まで)。第3回は、オーナー変更に揺れながら、トーマス・トゥヘル監督3シーズン目を迎えるチェルシーだ。※文中の評価はB~SSの4段階
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Getty Images今夏の主な移籍
【IN】
ラヒーム・スターリング[マンチェスター・シティ/完全移籍]
カリドゥ・クリバリ[ナポリ/完全移籍]
コナー・ギャラガー[クリスタル・パレス/復帰]
アルマンド・ブロヤ[サウサンプトン/復帰]
マルク・ククレジャ[ブライトン/完全移籍]
【OUT】
ロメル・ルカク[インテル/レンタル移籍]
アントニオ・リュディガー[レアル・マドリー/フリー移籍]
アンドレアス・クリステンセン[バルセロナ/フリー移籍]
サウール[アトレティコ・マドリー/復帰]
ジェイク・クラーク=ソルター[QPR/フリー移籍]
チャーリー・ムソンダ[未定]
ダニー・ドリンクウォーター[未定]
Getty【補強評価:A】現状「補強」とは言い難く…
今夏の移籍市場では、スターリングとクリバリを獲得。それぞれプレミアリーグとセリエA屈指のアタッカー&センターバックであり、あわせて9600万ユーロ(約131億円)近くを投じて獲得した事自体は良い「補強」だ。しかしスターリングはともかく、クリバリはリュディガーとクリステンセン退団の穴埋め的な意味合いが強く、昨季と比べて戦力アップとは言い難い。またセサル・アスピリクエタやマルコス・アロンソの他、直近ではティモ・ヴェルナーやハキム・シイェシュも退団の可能性が浮上しており、アタッカーもスターリング1人の加入のみでは物足りないだろう。さらにジュール・クンデ、ハフィーニャといずれもバルセロナとの争奪戦に敗れていることも印象は良くない。トゥヘル監督も即戦力を求めており、新オーナーのサポートはまだまだ足りていない状況だ。
※評価・寸評は5日のマルク・ククレジャ獲得前
Getty Images.【GK・DF評価:A】戦力ダウンは否めず
前述のようにクリバリはセリエA最高峰のセンターバックであり、31歳ながら4年契約を結んだことも期待の高さが伺える。だがプレミアリーグへの挑戦は初めてで、イタリアとは異なるスピード感に即時対応できるかは未知数だ。さらに、昨季まで目覚ましい活躍を見せていたリュディガーの穴を埋められるかどうかはわからない。またクリステンセンの退団、さらにアスピリクエタとアロンソもクラブを離れる可能性がついて回り、一方でクンデの獲得は失敗。ディフェンスが最大の武器であったトゥヘル・チェルシーだが、戦力ダウンは否めない。スカッドの整理が早急に必要なポジションだろう。一方でGKに関しては、エドゥアール・メンディが正守護神を務めることになるが、ケパ・アリサバラガに退団の可能性が浮上。GK層にも不安が広がっている。
Getty【MF評価:A】ギャラガーが唯一の「補強」に
ジョルジーニョ、マテオ・コヴァチッチ、エンゴロ・カンテを中心に、昨季急成長を見せたルベン・ロフタス=チークも加わり、4人の実力者を揃えていたチェルシー。そこに、昨季クリスタル・パレスで大ブレイクを果たしたギャラガーも加わった。攻守両面でハードワークできる他、ファイナルフェーズでも効果的に絡むことのできる22歳イングランド代表MFのレンタルバックは「補強」と言っていいだろう。しかしカンテがケガがちなことはやや気がかりであり、複数コンペティションを戦う上では選手層に不安も残る。
(C)Getty Images【FW評価:S】ルカク→スターリングはプラスに
トゥヘル監督指揮下で戦力になりきれていなかったルカクを1年で放出し、指揮官のお気に入りであるスターリングを加えたことは確実にプラスだ。複数の仕事をハイレベルでこなすカイ・ハヴァーツとメイソン・マウント、そして得点面で信頼できるアタッカーが形成する3トップには注目である。さらにクリスチャン・プリシッチ、大ケガから戻ってきたカラム・ハドソン=オドイと、今後に期待できるウインガーも揃っている。去就が噂になっているヴェルナーも、ゴールこそ少ないが残留すれば指揮官の求める戦術的な役割を忠実にこなすことが可能。最も移籍に近いとされるシエシュは次第でもあるが、質・両ともにプレミアリーグ屈指の陣容と言えそうだ。
その他チームの戦力分析&補強まとめ

