『Goal』では8月5日に控える新シーズン開幕を前に、現時点でのビッグクラブの補強と戦力評価を実施(プレミアリーグの移籍市場は9月1日まで)。第5回は、ミケル・アルテタ監督体制4シーズン目、的確な補強とプレシーズンの絶好調が話題のアーセナルだ。※文中の評価はB~SSの4段階
【補強&戦力評価~アーセナル~】ポテンシャルはリーグ屈指!指揮官待望の補強も大当たりでスタートダッシュに期待

FC Arsenal
今夏の主な移籍
【IN】
ガブリエウ・ジェズス[マンチェスター・シティ/完全移籍]
ファビオ・ヴィエイラ[ポルト/完全移籍]
オレクサンドル・ジンチェンコ[マンチェスター・シティ/完全移籍]
マット・ターナー[ニューイングランド/完全移籍]
マルキーニョス[サンパウロ/完全移籍]
【OUT】
マテオ・ゲンドゥージ[マルセイユ/完全移籍]
コンスタンティノス・マヴロパノス[シュトゥットガルト/完全移籍]
アレクサンドル・ラカゼット[リヨン/フリー移籍]
オーストン・トラスティ[バーミンガム/ローン移籍]
ヌーノ・タヴァレス[マルセイユ/ローン移籍]
ベルント・レノ[フラム/完全移籍]
Getty
【補強評価:S】指揮官熱望の補強が大当たりの予感
昨季の時点で補強ポジションが明確だったアーセナルは、しっかりと準備を重ねて今夏のマーケットに突入。そして、アルテタ監督のトップターゲットであったジェズスを見事に獲得し、さらに指揮官の指導を受けた経験を持つジンチェンコも加入した。両者はプレシーズンで早速チームへ適応し、中心選手として輝けるポテンシャルを遺憾なく発揮している。王者マンチェスター・シティから、現チームに必要な逸材を的確に引き抜いたエドゥTD(テクニカルディレクター)の仕事ぶりは称賛に値するだろう。一方で各メディアもノーマークであったファビオ・ヴィエイラは、負傷で出場がないため判断は難しい。とはいえ最大4000万ユーロ(約58億円)は高額な投資だ。現在の課題は中盤底の選手だが、ユーリ・ティーレマンスら様々な候補の中から実力者1人を獲得できれば、今夏の補強は満点に近いだろう。
(C)Getty Images
【GK・DF評価:A】ケガさえなければ…
アーセナルがトップ4争いに絡むことができた最大の要因は、昨夏の補強でGKを含むディフェンス陣が安定したこと。そこに前述のジンチェンコ、さらにマルセイユへのレンタルでフランス代表にまで成長したウィリアム・サリバが復帰し、万全の体制だ。プレシーズンでは、GKアーロン・ラムズデール、ベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコが出場している間は無失点。開幕からしばらくは彼らがレギュラーを務めるだろう。一方で、出場すればピッチ上で絶大な信頼をおける冨安健洋とキーラン・ティアニーだが、ここまで負傷によってプレシーズンマッチも出場できず。実績・能力は間違いないだけに、彼らがシーズン通してどれだけ計算できるかによってアーセナルの順位が決まるかもしれない。
Getty Images
【MF評価:A】中盤の層にはやや不安も
トーマスをアンカーに、グラニト・ジャカ&マルティン・ウーデゴールの3センターが基本布陣。3人ともプレシーズンも好調で、特にジャカはより攻撃的な役割を楽しんでおり、新シーズンの進化も期待できる。スタメン候補3人は他の強豪と比べても見劣りしない。だが、選手層には不安が残る。特にトーマス不在時のアンカー問題はまだ解決していない。残るマーケットでは人員整理を第一としつつ、ティーレマンスらを狙うことが伝えられているが、このベルギー代表MFを獲得できれば大幅な戦力アップだ。逆に誰も獲得できずにマーケットを終えてしまえば、シーズン中に問題が発生する可能性もあるだろう。
(C)Getty Images
【FW評価:S】ポテンシャルはリーグ屈指
20代前半の新進気鋭のアタッカーたちが躍動するアーセナルだが、昨季の攻撃陣で唯一欠けていたのがフィニッシャーだった。そして今夏、指揮官待望のジェズス獲得に成功。ブラジル代表FWはプレシーズンマッチ5試合7ゴールで、圧倒的な決定力を見せつけている。チャンスメイクからボールを渡して一気にボックス内へ突入する彼の存在により、他の攻撃陣もよりスペースを手にして仕掛けることが可能に。またプレスの面でもジェズスの効果は大きい。ブカヨ・サカ、ジェズス、ガブリエウ・マルティネッリの3トップのポテンシャルはリーグ屈指であり、あとはその才能を爆発させるだけだ。一方で選手層だが、昨季後半でブレイクしたエディ・エンケティア、そしてアーセナル残留で戦う決意を示したニコラ・ペペがどれほどパフォーマンスを上げられるかにかかっている。
その他チームの戦力分析&補強まとめ