Mount Bellingham Barella GFXGetty/GOAL

リヴァプール夏の中盤補強候補:ベリンガム断念で代案は?カイセドら15人の候補者たち

リヴァプールファンが最も望んでいないアップデートがあるとすれば、これだろう。今夏のジュード・ベリンガム加入は、苦戦が続いて時には腹立たしいほどのシーズンで、唯一の慰めになっていたからだ。しかし『GOAL』の取材で、争奪戦から撤退したことが発覚。チーム改革が必要な中、1億2000万ポンド(約199億円)を支払う余裕が無いと判断した。

ユルゲン・クロップ監督は“ビッグサマー”の必要性を公言。ナビ・ケイタとアレックス・オックスレイド=チェンバレンのフリー退団が濃厚であり、チャンピオンズリーグ出場権の確保が厳しい状況もあるが、夏のターゲットを選定する作業はすでに進行中であることは間違いない。

今回は、リヴァプールが狙うべき中盤の選手をピックアップする。

取材・文=ニール・ジョーンズ(『GOAL』リヴァプール番記者)

  • Moises Caicedo Brighton 2022-23Getty Images

    モイセス・カイセド(ブライトン)

    チャンピオンズリーグ常連クラブへ飛躍する運命にあるのは間違いない。1月の終わりにはチェルシー、そしてアーセナルからのオファーを受け、本人も移籍希望を公にしていたが、ブライトンの立場は明確であった。その後には新契約も結んでいる。しかし、これは長期間残留するというよりは、むしろ彼の市場価値を守る(適正な移籍金を確保する)ためのものだと言われている。

    リヴァプール関係者は以前にこの21歳MFを軽視していたが、彼の年齢と万能性は、8000万ポンド以上を必要とするとしても、完璧にフィットすることだろう。

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  • Alexis Mac Allister Brighton 2022-23Getty Images

    アレクシス・マクアリスター(ブライトン)

    では、カイセドと並ぶアルゼンチン代表はどうだろうか? ワールドカップ優勝に大きく貢献したマクアリスターも、カイセド同様にメガクラブへの移籍が大きく騒がれている。すでに父親は先月のリヴァプールvsレアル・マドリーを観戦したと伝えられており、彼の能力もリヴァプールをさらに上のレベルへと導くものだ。

    だが、あのアンフィールドでの試合、リヴァプールは2-5と逆転負けを喫している。おそらく、マクアリスター一家は移籍アイディアを考え直したことだろう……。

  • Mason Mount Chelsea 2022-23Getty Images

    メイソン・マウント(チェルシー)

    イングランド代表MFはチェルシー退団の可能性がますます高まっている。まもなく契約は残り1年となり、延長交渉も壁にぶつかった。リヴァプールの他にもニューカッスルからの関心も聞こえる中、新たな代理人にニール・フューイングスも指名するなど、準備を整えているようだ。

    今季のマウントは最高の時間を過ごしているとは言えないが、リヴァプールは長年追いかけており、彼の豊富で賢い運動量と優れたポジショニングは、クロップの考える新中盤の大きな助けになるだろう。今夏のマウント争奪戦、リヴァプールは大きな期待を持っていい。

  •  Matheus Nunes Wolves 2022-23Getty

    マテウス・ヌニェス(ウォルヴァーハンプトン)

    プレミアリーグ初年度はやや苦戦もあるが、常にリヴァプールから関心を集める存在だ。実際今年のはじめには、リヴァプールが今夏の移籍市場でオファーを送ることで合意したと伝えられている。だからこそ、昨夏の移籍先はウルブズだったとも。

    今季はチームとともにやや低迷し、彼自身プレミアリーグで証明しなければいけないことはたくさんある。だが、彼の多才さや成熟度、将来性を考えると、約5000万ポンドの移籍金も決して高すぎはしないだろう。

  • Declan Rice West Ham 2022-23Getty

    デクラン・ライス(ウェストハム)

    ベリンガムが手の届かない選手と判断した中で、もう1人のイングランド代表を確保することはできるのだろうか?

    ベリンガム同様、ライスもビッグクラブへの移籍が長い間噂されてきた。そして今季のウェストハムの低迷は、彼の将来に影響を与えることは間違いない。報道では、最も獲得に熱心なのはアーセナルであり、マンチェスター・ユナイテッドも関心を持っているという。リヴァプールも気に入っているのは間違いない。だが、この守備的MFに1億ポンドを費やすかどうかは別の話だ。

  • Barella Inter SampdoriaGetty

    ニコロ・バレッラ(インテル)

    クロップとペップ・リンダースから絶大な人気を誇る選手だ。このインテルのスターに対する彼らの意見を知りたければ、リンダースの著書『Intensity』を読むといいだろう。

    26歳のイタリア代表MFはキャリア全盛期であり、報告されている移籍金6000万ポンドは、たとえリヴァプールがチャンピオンズリーグ出場権を逃したとしても、法外な値段ではないはずだ。財政難に苦しむインテルも、大金で放出する可能性はある。

    だが、バレッラがヨーロッパリーグやカンファレンス・リーグを好むかはまた別の話である。

  • Joao Palhinha Fulham 2022-23Getty Images

    ジョアン・パリーニャ(フラム)

    今季好調のフラムを支えるパリーニャは、リヴァプールのスカウト部門も良く知る選手だ。昨夏たった2000万ポンドでスポルティングCPからプレミアリーグに到着した際も、獲得を検討している。

    彼は現在27歳で、キャリア全盛期に突入している。そして背番号8というよりも、守備的MFだ。リヴァプールは重要なエリアにおいて大金を投じる際、常に若い選手をターゲットにする傾向がある。

  • Teun Koopmeiners Atalanta 2022-23Getty

    トゥーン・コープマイネルス(アタランタ)

    リヴァプールがここ数カ月追いかけている選手であり、その年齢(24歳)やフィジカル、AZやアタランタ、オランダ代表での経験値など、多くの条件を満たす存在だ。

    彼は守備的というより、より高い位置でプレーできるという多様性も魅力的である。だがアタランタの重要選手であり、安くはないだろう。

  • Rabiot JuventusGetty

    アドリアン・ラビオ(ユヴェントス)

    長年プレミアリーグ到着が噂されており、最近のワールドカップでもフランス代表として輝きを放っていた。夏に契約満了を迎えるが、ユヴェントス側は延長に動いているようだ。

    ラビオはトップレベルでの豊富な経験をもたらすだけでなく、クオリティの面でも疑いの余地はない。しかしもうすぐ28歳になる彼が要求する給与は、かなりの金額になるだろう。

  • Sofyan Amrabat Fiorentina.Getty Images.

    ソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ)

    昨年のワールドカップで大ブレイクを果たしたモロッコ代表。大会直後にリヴァプールと強い関連が噂されたが、関係者はこれを否定している。

    このリストに挙がった中では守備的MFのスペシャリストとして、より多くのボール奪取とエネルギーを与えてくれるだろう。だが彼の価値はワールドカップで急騰しており、リヴァプール側が獲得リストの上位に置く兆候はほとんどない。

  • Manu Kone Gladbach 032022Getty

    マヌ・コネ(ボルシアMG)

    巨大な未来を持つ21歳のフランス人MF。中盤でオーランドに働ける万能MFは、リヴァプールにとって「興味深いオプション」という以上の存在になり得るだろう。

    ドイツの最近の報道によれば、彼の価格は3000万ポンド以下だという。しかし、ニューカッスルも獲得に動いているようだ。

  • Luka Sucic Red Bull Salzburg 2022-23Getty Images

    ルカ・スチッチ(ザルツブルク)

    長い間リヴァプールが注目し、さらに彼らにとってはお得意の成功パターンだ。ザルツブルクの20歳は「有望株」という域に収まらず、チャンスメイクからゴールまで担う創造的な選手である。

    リヴァプールとレッドブル・グループの関係は十分に確立されており、非常に可能性を秘めた選択肢だ。

  • Ryan Gravenberch Bayern Munich 2022-23Getty Images

    ライアン・グラフェンベルフ(バイエルン・ミュンヘン)

    バイエルンで難しい時期を過ごすグラフェンベルフも、今夏獲得できる可能性がある選手として興味深いオプションだ。ドイツ王者加入前もリヴァプールは観察している。

    バイエルン側が1年で彼を諦めるかはわからないが、もしそうなれば、少なくともリヴァプールが問い合わせを行うことは保証できる。

  • GaviGetty Images

    ガビ(バルセロナ)

    ヨーロッパ最高の若手選手の1人が、この夏市場に出回る可能性はあるのか? バルセロナでの状況は厄介だ。財政難のために先日結んだ契約が認められず、トップチームに登録できていない。現状ではシーズン後にフリーとなる。

    リヴァプールを含む多くのクラブが、この状況を固唾を飲んで見守っている。だがバルセロナ側は解決策を見つけられると信じているようだ。とはいえ、どんな可能性も起こり得る状況とは言えるだろう。

  • Conor Gallagher Chelsea 2022-23Getty Images

    コナー・ギャラガー(チェルシー)

    長きにわたってチェルシー退団の可能性が伝えられており、1月にもエヴァートンやクリスタル・パレスが獲得に動き、ニューカッスルもスカウトを送り続けているという。そしてチェルシーは、冬に獲得した選手たちの空きを作るためにも、夏に多くの選手を放出する予定。この23歳が犠牲になる可能性は高い。

    ギャラガーは2021-22シーズンをパレスで楽しみ、素晴らしい才能を見せた。だが、リヴァプールが求めるような試合を変える能力があるかどうかは疑問である。