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リヴァプール、今夏の優先補強ポジション6選:守備的MFにファン・ダイク&サラーの後継者も?

1週間で2度の挫折を味わった後、リヴァプール主将フィルジル・ファン・ダイクは『BBC』で「5日間で2度も負けてしまい、世界が沈みかけているような間隔だ。2週間前まではすべて順調だったのに」としつつも、ファンへこう呼びかけた。

「だけど、まだ良いことはたくさんあるよ。(リーグ戦では)良い順位につけているし、ポジティブなことはたくさんあるんだ。プレミアリーグは最も難しいタイトルだし、今はそのために戦っていくんだ」

ファン・ダイクの言う通りだ。愛すべきユルゲン・クロップが去った翌年、リヴァプールが9試合を残して2位に12ポイント差をつけて首位を独走しているなど、予想できた人は多くない。アルネ・スロットとチームにとって、このシーズンでプレミアリーグを優勝することは偉業と言えるはずだ。

しかし、この1週間でチーム強化が必要なことは露呈している。ファン・ダイク、モハメド・サラー、トレント・アレクサンダー・アーノルドの契約問題にかかわらず、昨夏に補強をほぼ行わなかったチームに欠けているものもまた「たくさんある」のである。

  • VfB Stuttgart v Bayer 04 Leverkusen - BundesligaGetty Images Sport

    右サイドバック

    アレクサンダー=アーノルドは、契約満了を迎える3人のスター選手の中で「最も退団に近い」と伝えられている。彼は生まれ故郷で夢を叶えたが、レアル・マドリーの魅力に惹かれていることは明らか。もう1つの夢であるバロンドール受賞に向け、サンティアゴ・ベルナベウほどの環境はない。もちろん、彼を失うことはリヴァプールにとってスポーツ面でも経済面でも壊滅的な打撃となるだろう。ニューカッスルとのリーグカップ決勝では、彼の不在を痛感している。

    そしてニューカッスル戦では、コナー・ブラッドリーも欠場に。彼がいればもう少し右サイドは機能したかもしれないが、プレーできない事自体が問題だ。ポテンシャルは間違いないが、昨季開幕以降で4度も長期離脱しているのは懸念すべきだろう。さらに守備面ではアレクサンダー=アーノルドを上回っているが、彼ほど多彩なパスは持ち合わせていない。

    おそらく多くのリヴァプールファンは、退団してからアレクサンダー=アーノルドの影響力の大きさを痛感するだろう。ブラッドリーには、1シーズンを通して毎週2試合出場できることを証明して成長する時間がまだ必要だ。ジャレル・クアンサーとジョー・ゴメスは一時的な解決策でしかないため、このポジションは補強が必須である。噂されているレヴァークーゼンのジェレミー・フリンポンのような“アシストマシーン”を獲得できなければ、深刻なダメージを負うだろう。

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  • FBL-ENG-PR-BOURNEMOUTH-TOTTENHAMAFP

    センターバック

    リヴァプールが夏にセンターバックを獲得するのは既定路線だったが、実際には2人が必要かもしれない。ファン・ダイクの決断次第では、ディフェンスラインが崩壊しかねない。だからこそ、クオリティの高いCBは絶対に必要になる。

    そして今夏には、才能溢れるCBが市場に多く現れるだろう。ボーンマスの19歳DFディーン・ハイセンは、将来性も考慮して素晴らしい補強になるはずだ。また引っ張りだこのDFマルク・グエイ(クリスタル・パレス)は、トッテナムよりもリヴァプールを希望しているとされている。さらに、ドルトムントのドイツ代表DFニコ・シュロッターベックも確実にフィットするだろう。バルセロナと新契約を結びながら夏の去就が不透明であるDFロナルド・アラウホも、魅力的な選択肢である。

    これらの選手は素晴らしい補強になるだろう。願わくば、彼らがすぐにファン・ダイクの代わりになるのではなく、主将と並んで1~2年プレーすることだ。

  • Kerkez Milos Szoboszlai DominikX

    左サイドバック

    リヴァプールファンがリチャード・ヒューズSDに期待しているのはホイセンだけではない。元ボーンマスTDに、同時にミロシュ・ケルケズも引き抜いてくれることを願っているはずだ。リヴァプールは、左サイドバックも必要だ。

    おそらく、アンディ・ロバートソンがクラブ史上最高の補強の1つであることは間違いない。しかし、7シーズンもフル稼働したことで肉体的負荷は明らかであり、今季はパフォーマンスが安定していない。

    対照的に、ケルケズはボーンマスで常に素晴らしい活躍を見せており、弱冠21歳にしてプレミアリーグ最高のサイドバックの1人となる可能性を秘めている。現在控えのコスタス・ツィミカスが5月に29歳になることを考えると、全力で獲得に動くべきだろう。

  • Rayo Vallecano v Real Sociedad - La Liga EA SportsGetty Images Sport

    守備的MF

    マルティン・スビメンディ獲得が目前まで迫っていたことを考えると同情せざるを得ないが、プランBを用意していなかったことは補強担当の評判を大きく落とした。最終的にライアン・フラーフェンベルフのコンバートがこれ以上なく成功したが、彼に頼りすぎていることは深刻な問題である。彼以上に出場しているのはサラーとファン・ダイクだけであり、期待値以上のプレーを見せているものの、ここ数週間は完全に疲れ切っている。

    スロットは「選択の余地がなかった」と主張するだろう。確かに、唯一の正統派守備的MFである遠藤航は高いプロ意識で貢献はしているが、フラーフェンベルフほどボール支配は期待できない。だからこそ、今夏にNo.6を獲得するのは必須なのだ。

    だが問題は、スビメンディはアーセナル移籍の可能性が高まっていること。現状ではスロットの好みに合う選択肢が多くなく、理想的なNo.6は市場にいない。それでも、大金を投じてでもこのポジションは強化しなければならないだろう。

  • 1. FC Union Berlin v FC Bayern München - BundesligaGetty Images Sport

    ウイング/No.10

    リヴァプールのアタッカー陣は充実しているように見えるが、スロットが特定の選手に依存していることは明らかだ。

    特にプレシーズン中にNo.10として理想的な活躍を見せていたハーヴェイ・エリオットが、未だプレミアリーグで初先発していないのは驚くべきことである。またキエーザも同様で、ケガの問題があったとはいえ、唯一の新加入選手が現在の扱いをされているのは奇妙である。仮に指揮官がどちらもあまり信頼していないのであれば、才能ある両選手がもう1年ベンチで過ごすつもりはないだろう。つまり、関係者全員にとって別れが最善の策ということになる。

    一方で、信頼を掴んで出場し続けているルイス・ディアスの状況も興味深い。年明け以降はゴールになかなか絡めず、そして左サイドはコーディ・ガクポがベストな選択肢になっている。仮に適切なオファーが届いた場合、リヴァプールは売却を決断するかもしれない。そしてもちろん、右サイドも注意しなければならない。サラーが残留しても、彼は来季開幕時に33歳。後継者を準備しなければならない。一部ではロドリゴの名前も挙がっているが、レアル・マドリーから引き抜くには莫大な資金が必要だ。

    だからこそ、フリーで獲得できるリロイ・ザネのような選手を狙うほうが遥かに可能性が高い。もしくは、No.10としてもプレー可能な選手を獲得し、ドミニク・ソボスライとうまく併用するオプションも検討すべきだろう。

  • Liverpool v Newcastle United - Carabao Cup FinalGetty Images Sport

    ストライカー

    リヴァプールサポーターは、今夏のストライカー獲得を熱望している。先日のリーグカップ決勝でその現実はまざまざと見せつけられた。もちろん、トップターゲットはアレクサンデル・イサクである。リヴァプールが切望する世界最高レベルのNo,.9であり、さらに全盛期はまだこれからだ。これ以上ない補強になるだろう。

    現チームにおいて、ダルウィン・ヌニェスはリヴァプールを牽引する存在として物足りないことがわかった。そしてディオゴ・ジョタも、素晴らしいゴールセンスや運動量を兼ね備えているものの、シーズンを通してのフル稼働は難しい。これらの事実から、ストライカーに最も多額の資金を投じる可能性は高まっている。この方針は誰もが納得できるはずだ。