Gakpo-PSV-2022-23Getty

リヴァプールはガクポをどう使いこなす?CFに左WG、システム変更まで想定される新布陣を検証

リヴァプール1月の移籍市場は、順調に進んでいるようだ。

アストン・ヴィラに3-1と勝利してクリスマスを祝ったサポーターにとって、思わぬプレゼントだ。PSVとオランダ代表FWコーディ・ガクポの移籍について合意。取引はまだ完了していないが、メディカルチェックのためにすでにイングランドへ向かっており、最大4400万ポンド(約71億円)での契約はまもなく完了する見込みである。

この電撃移籍は、獲得レースをリードしていたマンチェスター・ユナイテッドには大きな痛手だろう。一方でリヴァプールにとっては、ルイス・ディアスやディオゴ・ジョタの負傷に伴い補強を求めていた中で素晴らしい補強となる。

『GOAL』は今回、リヴァプールで予想されるガクポの起用法を分析する。

文=ニール・ジョーンズ/『GOAL』リヴァプール番記者

  • Gakpo-Firmino-Liverpool-GFXGetty/GOAL

    3トップの真ん中

    ガクポ最大の長所は、ゴールに絡む能力だ。今季PSVで19試合12ゴール14アシストと目覚ましい結果を残しており、カタール・ワールドカップでもオランダ代表として3試合連続ゴールを達成。その能力を最大限に活かすために、もちろんセンターフォワード起用も想定される。

    彼は古典的なNo.9ではないが、いわゆる“偽9番”であるロベルト・フィルミーノを重宝してきたリヴァプールのスタイルにはそれが合うかもしれない。フィルミーノほどではないものの、低い位置でプレーをつなぐ力は確かにある。これはモハメド・サラーやダルウィン・ヌニェスなど、ワイドから中央へ侵入してゴールに絡むアタッカーたちとフィットするだろう。

    予想スタメン(4-3-3)

    GK:アリソン

    DF:アレクサンダー=アーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソン

    MF:ヘンダーソン、ファビーニョ、チアゴ

    FW:サラー、ガクポ、ヌニェス

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  • Cody Gakpo 2022-23Getty

    左ウイング起用

    ガクポはPSVでの大半の時間をサイドで過ごした。ディアスがケガから復帰する前の間、左サイドから違いをもたらす姿は容易に想像できる。左レーンを駆け上がるロバートソンと、右足で内側に入り込むガクポとの相性はぴったりのはずだ。

    ガクポのポジショナルプレーはこの1年で大きく進歩した。個人戦術コーチとともに、意識とオフ・ザ・ボールのスキルを向上させることに成功している。またその身体能力は、プレミアリーグの激しさやリヴァプールの高強度プレスにも適応できるはずである。その一方でゴールを奪う能力に関しても、ディアス以外の左ウイング候補の中では抜きん出ていることは間違いない。

    予想スタメン(4-3-3)

    GK:アリソン

    DF:アレクサンダー=アーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソン

    MF:ヘンダーソン、ファビーニョ、チアゴ

    FW:サラー、ヌニェス、ガクポ

  • Nunez-Gakpo-Liverpool-transfer-GFXGetty/GOAL

    トップ下起用

    システム変更もあり得るだろうか? リヴァプールは今季4-4-2/4-2-3-1を試したこともあるが、中盤の構成と守備の堅さに疑問が残った。しかしガクポが加われば、再びそうなっても不思議はない。

    ワールドカップでオランダ代表のNo.10を務め、快適そうにプレーしていた。彼の備えるゴールに絡む力は、ユルゲン・クロップ監督が「4フォワード・システム」を選択した場合にさらなる次元へと連れて行ってくれるだろう。リヴァプールが支配できる試合の場合、ヌニェスやサラー、あるいはフィルミーノの背後で彼がプレーすることだってあるだろう。

    予想スタメン(4-2-3-1)

    GK:アリソン

    DF:アレクサンダー=アーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン

    MF:チアゴ、ファビーニョ、サラー、ガクポ、ヌニェス

    FW:フィルミーノ

  • Cody Gakpo Netherlands 2022 World Cup HIC 16:9Getty

    長期的な目線では…

    もう少し先の未来に目をやると、クロップがこの豊富な攻撃陣をどう起用していくかは興味深いテーマだ。

    今回のガクポ獲得により、フィルミーノの将来に疑問が投げかけられるのは間違いない。今夏で契約が満了となるが、契約延長の可能性も否定はできないだろう。しかし、リヴァプールがハイレベルなアタッカーを6人も抱える可能性は低い。同じ理由で、アレックス・オックスレイド=チェンバレンがシーズン終了後にフリーで退団するのは確実だ。

    サラーの絶え間ない輝きと一貫性、ディアスのダイナミックなエネルギー、ジョタのプレスとエリア内での勝負強さ、ヌニェスの存在感と予測不可能性とDFラインの背後を突く力、そして今回ガクポの創造性と得点力が加わった。さらにファビオ・カルヴァーリョやカイデ・ゴードンら若手のポテンシャルは計り知れない。

    これらを踏まえると、リヴァプールのアタッカー陣には楽しみしかないだろう。あとは「中盤をどうするか」、だ……。