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メッシ、C・ロナウド…21世紀ラ・リーガ最高の選手ベスト25

リオネル・メッシかクリスティアーノ・ロナウドか。この問いに本当に答えはあるのか。スポーツ界最大の論争のひとつであり、おそらくサッカー史上トップ5に入る選手のうちの2人は、長年にわたってラ・リーガで戦ってきた。

しかし、彼らだけが、21世紀に入ってからスペインのトップリーグを彩った超一流の選手ではない。他のリーグの方がもっと激しい戦いを繰り広げてきたかもしれないが、ラ・リーガにはコンスタントに最高の選手がいたことは間違いない。伝説的なDFあり、優雅なMFあり、過去25年にわたってスペインで活躍した選手の中には、歴代最高と言っていい選手もいる。

だが、そうした選手たちをどうやってランク付けすればいいのか。アンドレス・イニエスタとダビド・ビジャを比べることなどできるのか。ルカ・モドリッチとトニ・クロースは? GOALは以下に、最善を尽くして21世紀のラ・リーガの最高の選手25名をランキングする…

  • UCL TROPHY MARCELO REAL MADRID ALEKSANDER CEFERIN UEFAGetty Images

    25マルセロ

    あれほどの才能の選手が25位ぎりぎりだとは、馬鹿げている。だが、それはマルセロへの見方がおかしいのではなく、単に、近年のラ・リーガに優れた才能の持ち主がいかに多いかを示しているにすぎない。

    いずれにせよ、マルセロの経歴は飛びぬけている。レアル・マドリーで6度のラ・リーガ優勝、5回のチャンピオンズリーグ制覇を果たし、在籍中の最後の数年はチームのキャプテンを務めた。晩年にはスタメンから外されがちだったかもしれないし、確かにプレーの質は落ちていっていた。しかし、この左サイドバックの見事なパスや、1対1のデュエルやDFとしての仕事ぶりは、まったく素晴らしかった。歴代最高選手のひとりである。

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  • Luis Figo reaction Real MadridGetty Images

    24ルイス・フィーゴ

    確かに、バルセロナからレアル・マドリーへ移籍した大いなる裏切り者かもしれない。だが、フィーゴはどちらのチームでも同じように活躍した。2000年7月に移籍してきた時のフィーゴは歴代最高額の選手だった。そして彼はそのステータスを守り切り、まずはバロンドール、後にFIFA最優秀選手賞を獲得した。

    2001-2002シーズン、フィーゴはジネディーヌ・ジダンとともに中盤を支配した。おそらく、サッカー史上最も豪華なコンビのひとつだったろう。フィーゴのレアル・マドリーでのキャリアは2005年に終わりを迎えたが、それまでに2度のラ・リーガ優勝と1回のチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた。怒ったライバルのファンに豚の頭を投げつけられたことのある男にしては、悪くない成績だ。

  • CourtoisGetty

    23ティボー・クルトワ

    ゴールキーパーは銀河系軍団の一員から見落とされがちだが、チェルシーから加入したティボー・クルトワの素晴らしさは記憶にとどめる価値がある。クルトワはチェルシー時代の初期にアトレティコ・マドリーにレンタルされていたことがあったため、レアル・マドリーへの移籍は当然ながら当時ひどく反感を買った。

    だが、論争の的になろうとなるまいと、クルトワはロス・ブランコスで大いに活躍した。1対1に強く、ゴール前で真に圧倒的な存在感を示した32歳は、常にサッカー界で最高のGKのひとりに挙げられていた。おそらく彼の最も有名なプレーは2022年のチャンピオンズリーグ決勝であろう。見事なセーブの連発で、リヴァプールから1-0の勝利をもぎとったのである。彼にはまだサッカーでやるべきことが多く残っており、2023-24シーズンの大半を棒に振った膝のケガから見事な復帰を果たした。

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    22ディエゴ・ゴディン

    ラ・リーガでとてつもないインパクトを発揮したもう一人の外国籍選手であるゴディンは、ディエゴ・シメオネが監督に就任したばかりのアトレティコ・マドリーで、チームの中心選手としてリーグを戦い抜いた。2010年にビジャレアルから低額で加入すると、たちまちスペインで最高のDFのひとりとしての地位を確立した。

    特に運動能力が高いわけでも俊足でもないゴディンだが、徹底的なマークで恐るべきDFとなった。2014年にラ・リーガ優勝、2013年にコパ・デル・レイ制覇を果たし、ラ・リーガの年間ベストイレブンに2度選ばれた。セルヒオ・ラモス、ペペ、ジェラール・ピケといった大物が君臨していた時代、ゴディンはそれでも目立っていた。素晴らしい偉業である。

  • Gareth Bale Real Madrid 2018Getty Images

    21ガレス・ベイル

    ガレス・ベイルがサッカーにさほど興味がなかったというのは、完全に都市伝説である。このウイングがサッカー好きなのは明らかだーーそれも大好きだった。レアル・マドリーでの最初の2シーズンを見ただけでも、クリスティアーノ・ロナウドやカリム・ベンゼマとともにロス・ブランコスの前線で恐るべきトリオを結成していた。

    さらにその後も、ケガで苦労しながら、この元ウェールズ代表は主力としてプレーし続けた。2018年チャンピオンズリーグ決勝でのオーバーヘッドキックは、歴代のチャンピオンズリーグでのベストゴールのひとつである。コパ・デル・レイでバルセロナに勝ったときの神かがったスピードとフィニッシュも、ロス・ブランコスの歴史に燦然と輝く瞬間である。総じて、ベイルはレアル・マドリー在籍中に3度のラ・リーガ優勝と5度のチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた。史上最高のウェールズ出身選手であることは間違いなく、スペインのトップリーグでプレーした中で最高のイギリス人だと言っても過言ではない。

    彼の中での優先順位はゴルフ、ウェールズ、レアル・マドリー、だったか? ロス・ブランコスが3番目だとしても、彼は正しいことをやっていた。

  • Vinicius Jr Real Madrid 2024-25Getty Images

    20ヴィニシウス・ジュニオール

    ヴィニシウスにとって本当に問題なのは、今、彼がこのリストの上位にいないことではない。彼が今後、どこまで上位にいけるか、である。このブラジル代表選手は悪ガキからカリスマへと成長したが、世界最高とまでは言えない。彼がこれまでに記録した数字は見事である。3シーズン連続で20得点以上に貢献し、3度のリーグ優勝を2回のチャンピオンズリーグ制覇を果たしている。

    しかし、ヴィニシウスを理解するには、彼のプレーを見なければならない。スピードがあり、テクニックに優れた左ウイングは、過去3シーズンラ・リーガで敵をきりきり舞いさせ、疲れの兆しさえ見えない。今年のバロンドール受賞はかなわなかったが、今後は何度も受賞することになるだろう。

  • David Villa Barcelona Real MadridGetty

    19ダビド・ビジャ

    5シーズンにわたって、ダビド・ビジャはラ・リーガで最高のストライカーと言われてもおかしくなかった。メッシとC・ロナウドは両ウイングで力を発揮していたかもしれないが、ビジャは中央で破壊的なプレーをしていた。スピードと敏捷性があり、ゴール前で決定的な仕事をするビジャは、バレンシア、バルセロナ、アトレティコ・マドリーで数多くの得点を挙げてきた。

    だが、何よりも重要なのは、ビジャが常勝選手としての地位を確立したことにある。3度のラ・リーガ優勝、1回のチャンピオンズリーグ制覇に加え、2008~2012シーズンに世界の羨望を集めたスペイン代表の主力であった。メッシやC・ロナウドと同時にプレーしたことはないが、おそらくビジャも歴代最高の選手のひとりとみなされるだろう。スペイン代表の歴代最多得点選手でありながら、常に過小評価されがちな選手である。

  • Jordi Alba Inter Miami 2024Getty

    18ジョルディ・アルバ

    マルセロが攻撃の組み立てにおいて効果的な、生まれついてのテクニシャンなサイドバックであった一方、アルバはさらに有能といってよい、冷静沈着なエンジンであった。2012年から2023年まで、アルバはコンスタントにサイドを駆け上がったり下がったりしながら、バルセロナに新たな次元の攻撃をもたらし、多くの成功したシーズンにおいて中心選手であることを証明してきた。

    バレンシアから加入したアルバは、ほとんどすぐにブラウグラナに欠かせない主力メンバーとなり、ピッチの左サイドで活躍した。アグレッシブでスピードのあるアルバは典型的な左サイドバックとなり、それ以降多くの選手が手本とする選手となった。だが、彼の功績の中で最も重要なことは、メッシの良き理解者であったことであろう。バルサでは他の誰よりも多い23回もメッシにアシストした。

  • pepe real madrid wolfsburgGetty Images

    17ペペ

    古き良き守備のエンフォーサーとはどういう選手だったか。レアル・マドリーでセルヒオ・ラモスと圧倒的なセンターバックのコンビを構築した時、ペペはまさに絶滅危惧種だった。しかそれは、観ていて楽しくなかったということではない。ペペは、攻撃的な守備とハードになりがちなタックルで、相手の攻撃陣を震え上がらせるという素晴らしい仕事をしてきた。

    時には、懲戒を課されるような問題を引き起こすこともあった。レアル・マドリー時代、まったく愚かな行為でレッドカードを受けることが度々あったのだ。だが、ほとんどの場合、ペペは完璧にコントロールされた攻撃を実践しており、スペインの首都にいた10年あまりの間、ラモスの完璧なパートナーであった。そのおかげで数々の輝かしい成績を収め、マドリードを去る時には主要タイトルを8つも獲得していた。いくつもの重要なゴールを決め、素晴らしいセンターバックであったペペは、おそらく得られた以上の賞賛に値する選手である。

  • Carles Puyol Barcelona Getty Images

    16カルレス・プジョル

    カルレス・プジョルは生涯をひとつのクラブに捧げた選手であった。カタルーニャ地方で生まれ、子どもの頃からのバルサファンで、プロ生活15年のすべてをバルセロナで費やした。2004年から2014年までクラブのキャプテンを務め、主要タイトルを18回も獲得し、バルサでの出場試合数は593にのぼった。

    そんなプジョルは大いなるレガシーを残した。究極のリーダーであり、不屈のDFで、人格も素晴らしく、バルサを成功へと導いた。もちろん、優秀なセンターバックとしても貢献した。空中戦がうまく、フィジカルが強かったプジョルは剛健な選手の特質をすべて備えていた。守備ではジェラール・ピケの完璧なパートナーだった。

  • Karim Benzema Real MadridGetty

    15カリム・ベンゼマ

    世界がカリム・ベンゼマの本当の良さを知るのには、少々時間がかかった。レアル・マドリーの「BBC」時代、意志の強い走り屋にして無欲でチームに貢献する選手だったベンゼマは、自分でゴールを決められる絶好のチャンスでも、C・ロナウドやベイルのおぜん立てをすることが多かった。

    だがC・ロナウドがチームを去り、ベイルがケガに苦しむようになると、ベンゼマが主役となった。そして彼は恐ろしいほどの結果を出した。2021-22シーズンのベンゼマは、今なお、サッカー史上最も個人として偉大なシーズンのひとつであり続けている。全公式戦で44得点を挙げたのだ。しかし本当に重要なのは、決して好機を逃さないことだった。この元フランス代表は、チャンピオンズリーグの大事な試合で多くの得点を記録してレアル・マドリーに貢献し、優勝に導いた。レアル・マドリーを去るまでに25個のトロフィーを獲得し、クラブ史上最も成功した選手のひとりとなった。

  • Iker Casillas Real MadridLaLiga

    14イケル・カシージャス

    カシージャスはラ・リーガ歴代最高のGKだろうか。確かに、議論の余地はある。アカデミー出身のカシージャスは1999年にトップデビューを果たし、ロス・ブランコスで725試合に出場し続けて「サン・イケル」と呼ばれ、歴代GKの中で最も輝かしいひとりとなった。主要タイトルを12回獲得し、2007年のバロンドール投票で4位となり、2008年から2015年までレアル・マドリーのキャプテンを務めた。

    彼には、偉大なる選手の基準となる特性がすべて備わっている。リーダーシップがあり、ボール扱いがうまく、シュートを止める能力もあった。カシージャスはすべてを持っていたのだ。だが最も重要なのは、偉大なるジャンルイジ・ブッフォンが、カシージャスを21世紀最高のGKと称したことである。レジェンドからレジェンドへの素晴らしいサポートの表明であった。

  • Real Madrid CF v SSC Napoli: Group C - UEFA Champions League 2023/24Getty Images Sport

    13トニ・クロース

    クロースは何年にもわたってラ・リーガで最高の中盤のトリオを構成していたと言っていいだろう。ロス・ブランコスでルカ・モドリッチとカゼミーロとともにメトロノームのように正確なリズムを刻んでいた。3人はいずれも重要な役割を担っていたが、クロースはパス職人だった。この元ドイツ代表は、素早いサイドチェンジからロングパスの回収まで、何でもできた。長距離からのシュートを決めることもでき、クラブでも代表でも活躍した。

    だが、最も印象深かったのはキャリア終盤だったかもしれない。クロースは2022ー23シーズンの末期、終わったように見えた。レアル・マドリーのユニフォームを着るようになってから最悪のシーズンだったのは間違いない。だが、1年後、彼は見事に復活した。最高のプレーを見せ、国内とヨーロッパの大会で二冠を達成してから引退したのである。

  • Sergio Busquets Barcelona 2022-23Getty Images

    12セルヒオ・ブスケツ

    背番号6のポジションを発明したのはセルヒオ・ブスケツではない。実際、そのポジションを人気にしたのは彼の元監督のペップ・グアルディオラだった。だが、ブスケツはそれを習得し、再定義した。長身でやせ型の守備的MFはブラウグラナにとって究極の主軸となり、深いエリアのスペースを巧みに埋めて楽々とボールを前に進めた。そのポジションでほとんどすべてのことをやってのけた。ボールを動かし、プレッシャーを回避し、激しいタックルをしかけ、賢明なタックルをひとつかふたつして危険を避けたのである。

    そうした彼の特性は、その後、ほとんどすべてのヨーロッパのチームが同じようなタイプの選手を見つけようとするほどにまでなった。ファビーニョからロドリまで、ヨーロッパ全土で次の主軸となる選手探しが行われている。だが、何年にもわたってバルサを支えたブスケツのような選手は、他にはどこにもいないのが真実であろう。

  • Sergio Ramos Real Madrid 2020Getty Images

    11セルヒオ・ラモス

    グーグルの「ロールス・ロイス・ディフェンダー」とセルヒオ・ラモスは登場したばかりかもしれない。このセンターバックはレアル・マドリーのためにあらゆることをし――最初は右でプレーした後、中心的な役割を担うようになった――、何年にもわたってそのポジションで世界最高との評判を築いた。

    実際、レアル・マドリーにいた時のラモスのサッカーに欠けていたものはほとんどなかった。彼の不適切な行為やルールの悪用がニュースで取り上げられることがあった一方、ほとんどの場合、彼は素晴らしく多才な選手だった。どんなウイングよりも速く、多くのストライカーよりも強かったラモスは1対1では恐ろしい相手だった。パス範囲は広くなかったものの、いつも確実だった。だが、ラモスのサッカーにおいて最も重要な要素は、おそらく虎視眈々とゴールを狙う目であり、ロス・ブランコスで100以上の得点を挙げた。15もの主要タイトルを獲得しているのも素晴らしい。

  • Neymar Barcelona Granada La LigaGetty Images

    10ネイマール

    バルセロナに残留していたら、ネイマールはこのリストのもっと上位にいたに違いない。ブラウグラナでのキャリアのスタートがスムーズでなかったことは、どうでもいい。サントスから加入したネイマールはカタルーニャに来た最初のころはむしろ、いじめられっ子だった。だが2シーズン目にはルイス・スアレスとメッシの隣で、世界最高のひとりとなった。

    とにかくプレースタイルが抜群だった。究極のサンバのリズムをもつウィングで、ロナウジーニョの再来だった。スピードがあり、楽しげで、賢く、決定力があるネイマールは、サッカー界で最高の攻撃トリオのひとりとなり、前代未聞の三冠を達成した。だが、終わり方はひどく残念だった。2017年、かの有名なレモンターダでヒーローだったネイマールは、他の場所でもスターになりたいと明言した。パリ・サンジェルマンがそのチャンスを提供し、ネイマールはそれに飛びついた。後にスアレスは、残留していればネイマールはバロンドールを獲得しただろうと言っていた。それどころか、ネイマールのバルサでのキャリアには、悲劇的に実現されていないものがまだある。

  • Atletico de Madrid v CD Leganes  - La Liga EA SportsGetty Images Sport

    9アントワーヌ・グリーズマン

    ラ・リーガを観ている人は、グリーズマンはもっと上位のはずだというかもしれない。確かに、カンプ・ノウでの残念な数年間がなければ、そうだったかもしれない。この元フランス代表は、何年にもわたってアトレティコ・マドリーで素晴らしくディエゴ・シメオネに仕え、ほとんどすべてのポジションに起用され、ほぼすべての試合に出場した。

    グリーズマンは何でもできた。得点、アシスト、DFのひきつけ、プレス。アトレティコでもフランス代表でも、その対応力は素晴らしかった。ストライカーとしても背番号10としても、ウイングでも、セントラル・ミッドフィルダーとしてでさえ、グリーズマンは究極的に万能な選手で、攻撃的センスであふれていた。ラ・リーガをいまだ優勝できていないのは残念でならない。

  • Luka Modric Real Madrid 2023-24Getty Images

    8ルカ・モドリッチ

    2023-24シーズン終了とともに引退すべきだったのはトニ・クロースではなくルカ・モドリッチだったと我々はみな思っていた。ところが、モドリッチはまだサッカーを続けたいと明言し、ロス・ブランコスのために端役を引き受けた。だが今シーズン、彼は復活し、痺れるようなサッカーを取り戻し、おそらくレアル・マドリーで最高のMFとなった。

    モドリッチが得点することは滅多にない。長距離からシュートを打つことはないし、ボックス内に入るのも遅い。むしろ、彼はサッカーセンスのあるコントロールを重視した選手で、賢いパスと俊足、他の選手が決して見つけられない抜群の角度を見つける能力がある。だが、彼の得意は何か。アウトサイドでの完璧なパスで、頻繁にハイライト動画が作られている。まもなく40歳だが、サッカーはまだ彼から離れようとしていない。そんなことは起こらないだろう――5度目のラ・リーガ優勝が待っているのだから。

  • Andres Iniesta FC Barcelona La LigaGetty Images

    7アンドレス・イニエスタ

    チャビかイニエスタか。職人技のパスか如才ないドリブルか。スキャニングかクロケータか。イニエスタとチャビはまさに同等だ。2人を引き離すことは非常に難しいが、それは単にバルセロナで長きにわたって成功を収めてきたコンビだから、だけではない。

    イニエスタはバルサの中盤の選手たちにとって、完璧な手本だ。敵がスペースを狭めてきても、イニエスタはドリブルで簡単に突破してしまう。イニエスタが171cmと小柄だから、だけではなく、バランスの良さと瞬間の判断のたまものである。イニエスタは常にプレッシャーがかけられる前にかわしてしまうように見える。バルサでの得点記録はまったく平凡だったが、長距離から正確なシュートを放つことができた。それに、チームにメッシがいるのに、得点数を増やす必要はなかった。9度のラ・リーガ優勝がすべてを物語っている。

  • Xavi BarcelonaGetty Images

    6チャビ

    おそらくチャビがイニエスタと本当に違うところは、その息の長さだろう。チャビは若くしてバルサに加入し、17年の長きにわたって在籍した。徹頭徹尾カタルーニャ人で、ラ・マシア出身のチャビはバルサの各年代のチームを生きぬき、まずロナウジーニョと、次いでメッシと、最後には、かの有名なMSNのためにアンカーの役割を果たした。

    チャビのサッカーは、ほぼ完璧と言える。「私は常にスペースを探している。一日中だ。私はいつも探している」と言っていた。それは明らかだった。究極の深いところにいる司令塔としてプレーし、セルヒオ・ブスケツの周りであらゆる賢いプレーをしていた。副キャプテンを5回務めた後、恒久的にチームの要となるほどリーダーシップに秀でていたことも見逃してはならない。バルサの監督としてのキャリアは計画どおりには行かなかったかもしれないが、それでも彼はラ・リーガをカタルーニャに取り戻した。任務完了。

  • Luis Suarez Barcelona La Liga 01112014Getty Images

    5ルイス・スアレス

    2014年にリヴァプールから鳴り物入りでバルセロナにやってきたルイス・スアレスが素晴らしい選手であることは誰もが知っていた。だが、カンプ・ノウで彼がどれほど多くのゴールをあげるかは誰も予想できなかった。スアレスはスペインのサッカーに適応しなければならず、リヴァプールでは攻撃の中心にいたスアレスは、あらゆる動きをし、パスも出せばチャンスも決める、破壊的なトリオのひとりとしてプレーする選手となった。

    そして、それは上手くいった。スアレスは3年間スペインで活躍し、2016年、スペイン・リーグだけで59得点を積みあげ、メッシやC・ロナウドがまだゴールを量産していた時にピチーチ賞を受賞したのだった。2021年にはアトレティコでもラ・リーガ制覇を果たしたスアレスは、おそらく、現代の真に最高のストライカーである。

  • Ronaldinho Barcelona Balón de Oro 2005Getty

    4ロナウジーニョ

    ロナウジーニョは必ずしも常にサッカーのことばかりを考えていたわけではない。少し人見知りなところがあり、しばしば詮索された。だが、そんなことはどれも重要ではなかった。彼は足元でのボール扱いが素晴らしく、2000年代初頭のかなりの部分において、常に世界最高の選手のひとりだった。

    バルサ時代が彼の全盛期で、サンバのリズムで個人的にもカタルーニャのチームにも成功をもたらした。ハイライト動画はどれも見事だ。フリックもトリックもフィニッシュもすごい。だが、おそらく最も語り継がれているシーンは、ベルナベウをひれ伏せさせたエル・クラシコでの妙技だろう。あれ以来、あんなことができた選手は誰もいない。お互い憎み合うほどの激しいライバル関係にある相手から尊敬される瞬間など、滅多にあるものではない。バロンドール受賞者のロナウジーニョは、それをやってのけた。

  • Zinedine Zidane Real MadridGetty

    3ジネディーヌ・ジダン

    レアル・マドリーにいた5年間でジダンはサッカー界のスターの座を確立した。2001年、ユヴェントスから最初の真の銀河系軍団のひとりとして契約したジダンは、ロス・ブランコスの中盤を素晴らしいものから卓越したものへと進化させ、チームを指揮し、いくつかの重要なゴールを決めた。真にカリスマ的な瞬間も多々あった――チャンピオンズリーグ決勝でレヴァークーゼンを下したボレーシュートはその一例である。

    しかし、それは一過性のものではなく、安定的でもあった。リーグ戦を通して中盤で踊るように滑らかなプレーを見せ、貯額の投資とスペインの首都という華やかさのおかげで、しばしば無秩序になりがちなチームで一身に注目を浴びる存在となったのである。選手たちの才能を考えれば、銀河系軍団はもっと勝てたはずだったかもしれない。しかし、それはジダンのせいではない。彼はラ・リーガとチャンピオンズリーグの最後をレアル・マドリーの選手として迎えたし、2002年にはヨーロッパの年間最優秀選手賞を受賞した。レアル・マドリーの監督として2010年代半ばに5つの主要タイトルを獲得していることも特筆すべきである。

  • Cristiano Ronaldo Real Madrid 2012Getty

    2クリスティアーノ・ロナウド

    メッシかC・ロナウドか。永遠に答えの出ない問題であり、今後も議論が続くことは間違いないだろう。サッカー選手に何を期待することによって、答えは違ってくる。だが、純粋で少年のように無邪気なゴールが完璧なサッカーというのならば、C・ロナウドより素晴らしい選手はいない。このポルトガル代表選手はあのアルゼンチン代表選手よりも1試合あたりの得点数が多く、ラ・リーガにいた9年間でサッカー史上最も優れたライバル関係を築くのに貢献した。

    もちろん、特筆すべき成功はいくつもある。C・ロナウドは2度ラ・リーガを優勝し、チャンピオンズリーグを3度制覇し、バロンドールを5回獲得した。だが、何よりも重要なのは、このリストの次の来る選手の完璧な引き立て役だったことである…。

  • messi barcelona 1(C)Getty Images

    1リオネル・メッシ

    実際、他に誰がいるだろうか。確かにC・ロナウドはロス・ブランコスで容赦ない得点量産マシーンだった。だが、メッシはレベルが違う。実際の数字を見ればわかる。メッシはラ・リーガ在籍中、あのポルトガル代表選手よりも多くの得点とアシストを記録しているのだ。バロンドールを受賞した回数も多い。リーグ優勝もコパ・デル・レイ制覇もスーペルコパ・デ・エスパーニャでの勝利も多いのだ。

    だが、残念ながらメッシはスペイン出身ではなかった。何が何でも引き留めるというわけにはいかなかったし、時とともに素晴らしく進化した。最初は右ウイングとして、それから偽の背番号9として、後には背番号10のような働きもしたメッシは、考えうるすべてのシステムにフィットし、多くの監督に対しても適応した。今、彼はその地位を不動のものとしている――メッシはサッカー史上最高の選手だ。