Getty/GoalMark Doyle
ラ・リーガの今季ベストイレブン。王者レアル・マドリーからは4名選出
Getty ImagesGK: ティボー・クルトワ(レアル・マドリー)
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの方がスペクタクルにあふれる活躍を見せていたかもしれない。バルセロナのシュートストッパーは2019-20シーズン中に2つのアシストを記録したからだ。そしてアトレティコの背番号1、ヤン・オブラクは疑いようもなく今も世界一のGKだ。
一方で、レアル・マドリーの栄冠のベースにあったのは強固な守備であり、ティボー・クルトワはその点からチームの中心的役割を担う存在であった。
このベルギー代表GKは2018年にスペインに戻って以来、激しい批判にさらされてきたが、それでも今シーズンは、他のライバルたちを差し置いて最も多くのクリーンシートを達成(18試合)。同じく5試合以上に出場したGKの中でセーブ率1位(72.2%)となっている。
Getty ImagesRB: ヘスス・ナバス(セビージャ)
セビージャは今、ペップ・グアルディオラの決断の恩恵を受けている。というのも、ヘスス・ナバスのマンチェスター・シティでのキャリアが終盤に差し掛かった頃、グアルディオラはナバスを右サイドバックにコンバートする試みを行ったのだ。
この34歳は2017年にエスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスフアン(セビージャの本拠地)に復帰。少年時代を過ごしたクラブに戻り、新たな人生の一幕を楽しんでいる。
ナバスは今シーズン、常に試合に出場し続け、クラブ初の500試合出場を果たした。それ以外にも、2019-20シーズンで記録したチャンス創出数(61)とアシスト(7)は、ディフェンダーの中で1位を誇っている。
Getty ImagesCB: セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)
1年でこんなにも変化があるとは思いも寄らなかった。
2018-19シーズンを散々な成績で終え、意気消沈したセルヒオ・ラモスは夏にレアル・マドリーを離れる準備ができていたという。
しかし今シーズン、ラモスは自身のパフォーマンスを取り戻し、サンティアゴ・ベルナベウの「ボス」として君臨。2017年以来のタイトルへと導いた。
ラモスの蹴るPKは確かに重要なポイントだった。彼の挙げた10のゴールのうち6点はPKによるものだ。だが、中断後のハイライトといえばやはり、グラナダ戦で勝利を引き寄せたゴールライン際のクリアだろう。
GettyCB: ジェラール・ピケ(バルセロナ)
バルセロナが今シーズンタイトルを明け渡した原因はたくさんある。しかし、ジェラール・ピケはその一因ではない。
ピケのようなベテランのディフェンダーにとっては、トラウマになりそうな今シーズンの結果を受けて居心地はあまりよくないかもしれないが、それでもこの33歳は素晴らしい記録をいくつか打ち立てている。
バルサ伝統のポゼッションが味方しているとはいえ、ピケがディフェンダーの中で最もパス成功数が多かった(2460本)ことは驚きに値する。一方、ピケはディフェンスの仕事に専念してきたとも言える。
セルヒオ・ラモスとは違ってゴールへの脅威をもたらすことはないかもしれないが、ディフェンスの数値のほとんどすべてでトップ10入り。特に空中戦の勝利数(129回)では2位、ボール奪取数(220回)では3位となっている。
基本的に、ピケほど高いレベルで万能に結果を残しているディフェンダーは他にいないのだ。
Getty ImagesLB: ペルビス・エストゥピニャン(オサスナ)
バルセロナとアトレティコ・マドリーはここ最近ペルビス・エストゥピニャンと交渉しようとしている。その理由は簡単だ。
このエクアドル人はオサスナに期限付き移籍し、素晴らしいシーズンを送った。ワトフォードが保有するこのサイドバックは、左サイドの相手を悪夢に陥れられる。
5アシストという素晴らしい結果を残しただけでなく、ダイナミックな動きが特徴のエストゥピニャンはボール奪取数でディフェンダー1位を誇り(271回)、デュエル勝利数(222回)は2位となっている。
GettyRW: リオネル・メッシ(バルセロナ)
バルセロナのキャプテンにとって今シーズンの結末は苦々しくフラストレーションの残るものであった。彼自身が不満に思っていることは、オサスナに敗れた後にクラブ全体に知れ渡る結果になった。
このアルゼンチン人の苛立ちも分からなくはない。今シーズン、彼自身の結果は輝かしいものだったのだ。23ゴールを挙げて4年連続の得点王に輝いた上、アシスト数(20)でも1位になっている。
ヨーロッパ5大リーグにおけるシーズン20得点20アシストの記録は、なんとアーセナルのレジェンド、ティエリ・アンリ以来2人目の快挙。
そんな記録をもってしても、今シーズンのバルセロナをリーガ優勝に導くには十分ではなかった。しかし、ベストイレブンに選出されるには十分すぎる快挙だろう。
Getty ImagesCM: カゼミーロ(レアル・マドリー)
カゼミーロは「銀河系」とはあまり見なされないが、それでもレアル・マドリーにとって欠かせない存在であることは間違いない。
トニ・クロースやルカ・モドリッチに加齢による衰えが見られるようになっている中、このブラジル人はいまだ全盛期。守備を固める彼の仕事のおかげで、ブランコスのバックラインはリーガ最少失点を誇った。
カゼミーロはMFの中で最多のリカバリー数を誇る(291回)、さらにインターセプト(67回)とタックル成功数(59回)で1位タイとなっている。
この28歳は汚れ仕事を買って出ているだけではなく、4アシストと3ゴールを記録している。彼のゴールによってホームのセビージャ戦とアウェーのエスパニョール戦の2試合で勝利を飾っている。
GettyCM:サウール・ニゲス(アトレティコ・マドリー)
サウール・ニゲスが「新しいクラブ」を匂わせる投稿を行ったことは、特にマンチェスター・ユナイテッドのファンの心を惑わせたことだろう。レッドデビルズはこの万能MFを長らく追い続けてきたのだから。
実際は、その投稿はただの宣伝だった。自身の故郷にアカデミークラブを立ち上げるといった内容だったのだ。アトレティコ・マドリーのサポーターも胸をなでおろした。
今シーズン、サウールは中盤でソリッドなパフォーマンスを披露し、再びディエゴ・シメオネが最も信頼する選手の一人になった。サウールは59回ものタックルを成功させ、さらには6ゴールを叩き込み、近年のフットボールで最高の「ボックス・トゥ・ボックス」を体現するプレイヤーの一人であることを証明した。
Getty ImagesLW: ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)
リロイ・サネのマンチェスター・シティ退団が決定した直後、このドイツ人の代わりをミケル・オヤルサバルが務めるのではないかという憶測が強まった。
このレアル・ソシエダのスターは、たしかにビッグクラブでプレーするだけの能力を持ち合わせている。ラ・リーガではメッシを除いて二桁ゴール・アシスト(10ゴール11アシスト)を同時に成し遂げた唯一の選手だ。オヤルサバルにとってもこれまでにないシーズンを過ごした。
この万能ウィンガーは攻撃的ポジションのどこでもプレーすることができ、スペイン代表の座も最近12か月間に渡って確保している。コロナ禍による中断開けに傑出したパフォーマンスを見せたことから、オフシーズンにはステップアップの噂が絶えない。
Getty ImagesCF: カリム・ベンゼマ(レアル・マドリー)
年明けあたりから無得点が続いたことによって、得点ランキングに大きな影響が出てしまったが、このフランス人FWは気にしていないだろう。
32歳になったベンゼマは、間違いなく今年がキャリア最高のシーズンになったはずだ。
エデン・アザールがひっきりなしに負傷し、ガレス・ベイルが干され、ヴィニシウス・ジュニオールとロドリゴの才能はまだ荒削り。そんな中マドリーの攻撃陣はベテランの9番に託される格好となった。
ベンゼマは見事に期待に応えた。21ゴールを挙げ、8回のアシストも記録。マドリーが必要とするときは、いつでもベンゼマは進化してきた。彼のゴールによって得た勝ち点(16)がラ・リーガのどの選手よりも多いことがそれをはっきりと証明している。
Getty ImagesCF: ジェラール・モレノ(ビジャレアル)
ジェラール・モレノは典型的な遅咲きのプレイヤーだ。
アンダー世代では一度もスペイン代表に選ばれたことはないが、シニア初登場となった最初の3試合で3ゴールを挙げたことは誇れる記録だ。
モレノが初めてラ・ロハ(スペイン代表の愛称)に選出されたことは、シーズン序盤の素晴らしい活躍が背景にある。厳しい冬を過ごしていたモレノだが、ついに才能が花開いたのだ。
今季は得点ランキングの3位に輝いた28歳だが、印象的なデータが残っている。彼が挙げた16ゴールのうち、ペナルティエリア内からのゴールはたった1得点のみ。それ以外は中長距離からのゴールとなっている。
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