Getty Imagesカゼミーロは、スタンフォード・ブリッジでクリスティアーノ・ロナウドを失ったマンチェスター・ユナイテッドのヒーローとなり、終了間際に同点弾を決めてみせた。
1-1の引き分けにより、エリック・テン・ハーグ監督のチームはプレミアリーグの順位表でブルーズと勝ち点差を広げられることを回避した。87分、交代出場のスコット・マクトミネイがアルマンド・ブロヤをファウルで倒し、ジョルジーニョがペナルティ・スポットからゴールを決め、1-0となった。
ロナウドが赤い悪魔を救うことはなかったが、レアル・マドリー時代のチームメイトが、絶好調のケパでさえも防げなかったループのヘディングシュートを決めて、勝ち点1をもたらしたのだ。
Getty Imagesテン・ハーグがチェルシー戦でクリスティアーノ・ロナウドを欠場させたことは、試合の経過にまで影を落とし、ポルトガル人選手は1-1の引き分けを受け、複雑な心境に陥っていることだろう。
確かにロナウドがいれば、チームはもっと楽にゴールは奪えたかもしれない。この日のユナイテッドは攻撃面で歯が立たず、終了間際に守備的MFカゼミーロのヘディングで同点に追いつかなければならなかった。
また、アントニーがゴール前でスルーパスを放った際にも、ロナウドがいればと思わされた。通算700ゴールを達成したストライカーがいれば、チームに大きなメリットをもたらしただろう。オランダ人監督も何度も言っているように、ロナウドは必要な存在であり、稀代のスーパースターはゴール前で苦しむチームメイトを自宅で見ながら苦笑いを浮かべていたことだろう。
しかし、ロナウドもまたユナイテッドを必要としていることも忘れてはならない。
トッテナム戦でサブとして出場することを拒否した彼の小心さは、誰も得をしなかったし、もちろんロナウドも得をしなかった。
その身勝手さは、今回スタンフォード・ブリッジでヒーローになれなかったことを意味し、それはカゼミーロの仕事だった。今こそ、深く自省し、再び人気者になるために努力する時である。そうしなければ、状況が改善することはない。
Getty Imagesジェイドン・サンチョはユナイテッドでまたもや残念なパフォーマンスを見せ、スタンフォード・ブリッジで51分間しかプレーできなかった。
元ボルシア・ドルトムントのウインガーは、相変わらず調子が悪そうで、ピッチに立った時間で与えた脅威はゼロだった。前半の大半を支配していたにもかかわらず、ほとんど得点できそうにないユナイテッドの攻撃の一部となり、無駄で不注意なポゼッションを行っていた。
サンチョの背番号がタッチライン上で掲げられ、フレッジと交代して去っていくのを見たとき、疑問に思う人はいなかっただろう。
サンチョはこれまで赤いシャツで52試合に出場して8ゴールしか挙げておらず、7300万ポンドもした選手にしては残念な結果であり、オールド・トラッフォードでの2シーズン目で苦戦が続いていることは懸念点となっている。
Getty Imagesユナイテッドはプレミアリーグ11試合で4敗目を喫するかと思われたが、94分にカゼミーロが劇的かつヒーローとなるヘディングシュートを決め、勝ち点1をもぎとった。
このブラジル人選手は、バランスを崩しながらも、ルーク・ショーのクロスからロナウドのような素晴らしいヘディングシュートを、好調のケパから決めてみせた。
このゴールはカゼミーロにとってユナイテッドでの初ゴールとなり、大歓声が30歳のブラジル代表MFを祝った。夏にレアル・マドリーから移籍して以来、辛抱強くプレーしなければならなかったが、着実にテン・ハーグのチームに欠かせない存在になっており、ゴールとともに印象的なパフォーマンスを残した。
Getty Imagesサッカーとは残酷なゲームであり、後半早々に負傷したラファエル・ヴァランは、ワールドカップから遠ざかってしまうかもしれない。
このセンターバックは、ユナイテッドで絹のように滑らかなプレーを楽しんでいたが、スタッドが芝に引っかかり、苦痛のあまり倒れこんでしまった。
ヴァランの反応と、チームメイトが彼を慰めようとした様子から、この負傷が深刻なものであり、ワールドカップの夢も絶たれそうなことが示唆された。
また、ユナイテッドにとっても大きな痛手となる。赤い悪魔は、ヴァランとリサンドロ・マルティネスのコンビで7試合中5回のクリーンシートを達成しているが、今度はこのフランス人選手を長期に渡って失うことになる。
Getty Imagesチェルシーとユナイテッドは、両チームとも勝利するのに十分なパフォーマンスを見せられず、勝ち点を分け合うことになった。
チェルシーはスコアを動かしたものの、多くのチャンスを作るのに苦戦し、PKを獲得する必要があった。また、カゼミーロの同点弾により、赤い悪魔は勝ち点1を獲得したが、このブラジル人のゴールは、今シーズンのトップ4入りを目指す他のチームにも祝福されたことだろう。
現状ではチェルシーとユナイテッドの勝ち点差はわずか1、6位ニューカッスルとの勝ち点差は3である。
リヴァプールもシーズン序盤は不調だったとはいえ、チェルシーから5ポイント差につけており、ユナイテッドに敗れたトッテナムもこの結果にほくそ笑んでいることだろう。
Getty Imagesスコット・マクトミネイは、スタンフォード・ブリッジでチェルシーに勝ち点3をプレゼントしたかのように見えた。
このスコットランド人選手は、数分前に交代でピッチに入ったばかりだったが、コーナーでブロヤと格闘し、チェルシーの選手を倒したことで、すぐに試合に影響を与えた。
セットプレーの際によく見られるシーンで、常にPKが与えられるわけではないが、両腕をかけたマクトミネイに言い訳の余地はないはずだ。
これをジョルジーニョが決め、大きな代償を払うことになった。しかし幸いなことに、カゼミーロがゴールを決め、マクトミネイは少しは安心して眠れるだろう。
