(C)Getty images川端暁彦
2022シーズンのJリーグで「観ておくべき」若手選手5選 | パリ五輪世代の期待株は?
今季新人賞対象はパリ五輪世代
2月18日、2022年の明治安田生命J1リーグ開幕日となったこの日、FC東京のスターティングラインナップに、「松木玖生」の名前があった。
一般に“高卒ルーキー”として紹介されるものの、実際にはまだ高校3年生の18歳。最強チームの誉れも高かった青森山田高校の主将は、今年1月に高校王者に輝いたわずか1カ月後、国内最高峰の舞台に立っていた。
その翌日にはセレッソ大阪でまだ高校2年生の17歳FW北野颯太がデビューを飾るなど、近年のJリーグはこうしたヤングガンズの台頭が目覚ましい。現実的な背景として選手の欧州への早期進出が進んでいることでリーグ全体の選手層が薄くなっている影響もあるが、決してそれだけではあるまい。十代であってもプロで研鑽を積んできた選手たちと渡り合えるだけの力を付けた選手が増えているからこその現象だ。
そうした地力のある若手選手の多くが早期に欧州へ旅立って行くのも、もはや既定路線ではある。冒頭で触れた松木にしても、在学中からヨーロッパの名門クラブへの練習参加を重ね、高卒で直接欧州へ行く選択肢もあった上でのFC東京入りだった。日本サッカーは今、そういう時代なのは確かだ。
だからこそファン・サポーターの間では「今のうちに観ておかないと」なんて言葉も交わされるのも日常的な光景で、まさに「旬」を迎えようとする選手たちについて今の内にチェックしておいて損はない。23日に開幕するルヴァンカップは、各チームがそうした期待株にチャンスを与える場として定着しており、名手の卵が殻を破って羽ばたくところが全国各地で目撃されることになるだろう。
そうした若手を表彰するルヴァンカップのニューヒーロー賞は、2001年1月1日以降に生まれた選手たち(U-21)が対象となる。この年代は奇しくもパリ五輪世代に相当する。その候補選手たちを今の内に「観ておく」と、2年後の五輪もさらに楽しくなることだろう。今回はJ1開幕戦に出場したU-21年代の若手から特に5人をピックアップし、ここで紹介してみたい。
(C)Hiroto TaniyamaMF 松木玖生|FC東京
ベースとなる技術の高さに加え、タフさと泥臭さ、確かな勝負強さを備えるレフティー。本職はボランチながら、「点を取らないといけない」と常日頃から口にするように、気質はストライカー寄り。そして実際に昨夏の全国高校総体(通称インターハイ)で得点王になるなど、ユース年代の各大会でゴールという結果を積み上げ続けてきた選手でもある。
川崎フロンターレとの開幕戦でも、ミドルシュートを相手GKに防がれた際に本気で悔しがっていたが、あれこそ松木のスタイルだ。球際で物怖じすることなくボールを奪いに行き、攻守が切り替われば素早く反応する。中高を過ごした青森山田で培ってきたマインドをそのまま出した開幕戦の試合内容は、あらためて今後への期待も膨らむものだった。
(C)Getty imagesDF 西尾隆矢|セレッソ大阪
今年1月の日本代表候補合宿には、いわゆる「パリ五輪世代」から4名の選手が招集されたが、DFから唯一メンバー入りしたのがこの西尾だった。昨年、一昨年とタフな競争を勝ち抜きながら見せているプレーに周囲の評価は高い。
「そこは絶対に負けたくない」と語るコンタクトプレー、空中戦での強さに加え、J1リーグで出場を重ねる中で増した安定感あるプレーも光る。
セレッソ大阪のアカデミー育ちで、今季開幕を前に欧州へ旅立った一歳年長の瀬古歩夢は「ずっと背中を追い掛けてきた特別な存在」。頼れる相棒にして尊敬する先輩がいなくなったシーズンだからこそ、その真価と進化が観られる機会になりそうだ。
もっとも、昨季のプレーぶりを観る限り、それほど心配は要らなそうではあるが。
(C)Getty imagesMF 荒木遼太郎|鹿島アントラーズ
一昨年に東福岡高校を卒業したばかりだが、ルーキーイヤーのルヴァンカップ開幕戦にて早くもプロデビュー。以降も着実に出場を重ねると、昨季にブレイクスルー。リーグ戦で二桁得点、ルヴァンカップでも2得点と活躍を見せてJリーグのベストヤングプレーヤー賞を獲得。10代での二桁得点は、1994年の城彰二以来の快挙だったが、それをMFの選手がやってのけたことも大きな価値があった。
シュートやパスに秀でたプレーを見せるが、単にそれだけではない。相手DFの間でボールを受ける感覚やファーストタッチで“魅せる”こともできる選手なので、ボールがないときでもこの10番の姿を追い掛けておくと、あっと驚く瞬間を目にすることができるはずだ。
今季からは伝統ある「鹿島の10番」を背負い、さらなる飛躍を目指す。
(C)Getty imagesMF 鈴木唯人|清水エスパルス
市立船橋高校から一昨年に清水入り。その初年度から出場を重ね、監督が入れ替わる中で、さまざまな戦術、サッカースタイルに適応していく柔軟性と、その中での確かな進歩を見せてきた。
今年1月に追加招集ながら日本代表候補合宿に初招集を受け、意欲的なプレーを披露。まだまだA代表基準に達していない部分があったことも事実な一方で、ここでも適応力の高さを見せ、短い合宿期間でも確かな成長を感じさせた。
トップ下タイプのMFながら、ウイングやウイングバックのサイドプレーヤーとしても、最前線のストライカーとしても、あるいは少し下がってのインサイドハーフでも活動できる戦術的な幅の広さを持つ。課題は自他共に認めるとおり、昨季は2得点に終わった決定力のみ。チャンスに絡める選手であることは誰もが認めるだけに、試合を決める選手への脱皮が期待されるシーズンとなる。
(C)Getty imagesMF 川崎颯太|京都サンガF.C.
J2から上がってきた若手選手としてはこの川崎の名前が一番に挙がるのではないだろうか。理性と野性を兼ね備える稀少なタイプのMFで、アグレッシブにボールを“狩る”能力と、冷静に戦況を“観て判断する”力を併せ持つ。
甲府U-12・U-15から京都U-18を経てプロ入りしたという異色のキャリアの持ち主で、高校年代まで年代別日本代表などでそこまで高い評価を受けていたわけではないが、プロ入り後に大きく開花。かつて曹貴裁監督の下から育っていった日本代表MF遠藤航を彷彿とさせる成長曲線を描いている。
京都にとって12年ぶりのJ1リーグ、川崎にとっては初めてのJ1の舞台となった浦和レッズとの第1節でも随所に資質の高さを披露。決勝点となったピーター・ウタカのゴールは、川崎の見事なランニングプレーからのアシストによって生まれたものだった。
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