このページにはアフィリエイト リンクが含まれています。提供されたリンクを通じて購入すると、手数料が発生する場合があります。
japan(C)Getty Images

【徹底分析】史上最速でW杯出場決定も日本代表は「本当に強いチームではない」。本大会で“残酷な負け”を繰り返さないために求められること

アジア予選の全試合配信はDAZNだけ!

DMM×DAZNホーダイ

W杯アジア予選が全試合見られるのは『DAZN』だけ!

「DMM×DAZNホーダイ」ならDAZN月額最安値&ポイント還元でお得

佐野海舟、平河悠など新戦力も多数招集!今すぐ視聴開始

DAZNとDMMプレミアムが見放題

DAZN月額最安値&ポイント還元でお得

最安値で視聴

彼らは成功への道を歩んでいる――サッカー日本代表はもう何年も何年も、ずっとそう語られ続けてきた。

サムライブルーがその道の上にいることは事実だ。先のカタール・ワールドカップ(W杯)でも、またもベスト16の壁を破れなかったとはいえ、間違いなく成長していることを印象付けた。

しかし、はっきり言わせてもらえば、“世界”は日本代表の価値を完全に認めたわけではない。確かに選手たちは力を付けており、チーム・組織としても着実に強くなってはいる。が、彼らはここ一番の勝負で、いつも競争力を欠いてしまう。日本代表のポテンシャルは、今もまだ知る人ぞ知るレベルのものであり、「本当に強いチーム」とまで思われていないのが実状だ。

だから今こそ、日本は過去の失敗を乗り越えて、真に強く、脅威となるチームにならなくてはいけない。もう、そう感じさせるタイミングに差し掛かっているはずだ。

  • hajime-moriyasu(C)Getty Images

    “森保印”がしっかりと刻まれたチーム

    2026年ワールドカップ出場を決めた日本だが、アジア予選から深い結論を導き出すことは難しい。アジアにおける彼らの地位を考えれば、予選突破は当然の義務である。彼らはその義務を、しっかりと果たした。それも、森保一監督が示し続ける方向性に沿いながら、である。選り好みという観点で、評価は分かれるのかもしれない。しかし日本代表指揮官には確固たる、揺るがないプランがあり、それに忠実な形で進み続けている。

    認めていない人も少なからずいるようだが、日本代表の戦術の背後には間違いなく森保がいる。今の日本代表は、“森保印”がしっかりと刻まれたチームなのだ。

    森保が何よりも力を入れていることは、頑丈な守備組織の構築である。サッカーにおいて守備への注力はそれだけで批判を受ける材料になるが、彼は日本代表の突破口がそこにあると確信し、実用主義の名のもと攻撃衝動よりも規律を優先している。確かに、ウイングバックに本職ウイングの選手を起用して、7人のアタッカーを並べることもあるが(オーストラリアやサウジアラビアなど強豪チームとの対戦でも実行していた)、森保のサッカーのベースは堅守速攻にこそあるのだ。

    「サッカーはエンターテインメントだろう」と考えている人たちにとっては、もしかしたら受け入れがたいことなのかもしれない。とはいえ森保率いる日本代表が、競争力を飛躍的に向上させていることは否定できないはずだ。

  • 広告
  • kaoru-mitoma(C)Getty Images

    3バック選択の理由

    森保が3バック(3-4-2-1)を使うようになったのも、それゆえだろう。センターバック3枚とボランチ2枚のシステムは、守備に強みがありながら攻撃においても利点がある。

    攻撃面では、ウイングバックが中盤まで上がればサイドで優位性を生み出せ、中央の選手たちが近い距離で連係しつつ守りの弱いサイドを突くことができる。またビルドアップではボランチの選手が下がる必要なく、端にいるセンターバックがドリブルでボールを持ち運ぶことが可能だ。

    また守備面では、ウイングバックがDFラインに組み込まれて5バックになれば、それだけで相手は攻めるのが難しい(5バックを破る方法はセンターバックとウイングバックの間を突いて深みを取るのみだ)。加えて、3バックは相手のトランジションからの攻撃において心強い盾となる。

    森保は3バックの長所をうまく引き出している。ウイングバックが後方に下がり過ぎたり、中盤に創造性が欠けていれば、このシステムは機能が難しくなるが、今の日本代表でそういったことは起こらない。

  • kubo(C)Getty Images

    今の日本代表に必要なこと

    森保の日本代表は確固たる歩みを見せている。前回のW杯ではグループステージでドイツ、スペインを下して、クロアチアにPK戦の末に敗れた。出場が決まったばかりの次のW杯では、さらなる好成績を収めることも期待できるだろう。彼の守備的にも思えるプランには賛否両論あるだろうが、無論、プランはないよりもある方がずっといい。

    今、日本代表に必要なのは、選手たちが森保からのメッセージを深く受け止めることにほかならない。すなわち彼らの大胆さ、クオリティー、スピードに組織力および守備の規律を融合させることである。

    日本代表の主要選手たちは旬と言える年齢に差し掛かっており、次のW杯は彼らにとって本当に、本当に期待が持てる大会となる。特定の選手を過度に称賛することは控えるべきかもしれないが、伊藤洋輝、板倉滉、遠藤航、守田英正、久保建英、伊東純也、南野拓実、中村敬斗は、重要な役割を果たせる存在だ。

    そもそも日本代表はサイドアタッカーと攻撃的MFに非常に恵まれている。その攻撃オプションの豊富さは世界でも指折りと言っていい。だからこそ彼らは、失点を防ぐためにも、その攻撃陣の能力を生かし切るためにも、効果的な守備を見せることが必要不可欠なのだ。試合展開に応じてハイプレスを仕掛けたり、後方で守備ブロックをつくって速攻を狙ったり……そうした守備を見事に遂行できるならば、彼らはどんなチームにとっても打ち破ることが難しい、厄介この上ない存在となる。

  • japan-croatia-pk(C)Getty Images

    残酷な負け方を繰り返さないために…

    日本代表は2002年大会で初めてベスト16まで到達したが、そこからは先にはまだ進めていない。森保は過去の代表チームのつまずきに鑑みて戦略・戦術的見直しを図ったが、私には適切な道を選んでいるように思える。

    森保は別に、日本サッカーや日本人選手の長所を打ち消そうとしているわけではない。過去の苦い経験を乗り越えるべく、集団プレーの在り方を調整している、ということだ。何もしないよりも、何かをする方がずっと良い。過去2大会のベルギー戦、クロアチア戦のような残酷な負け方を繰り返したくないならば、なおさらだ。

    日本には“空気を読む”という風潮、事なかれ主義というものがあるらしい。しかし彼らがW杯でもう一歩踏み出すためには、受け身で耐え忍ぶのではなく、ピッチ上での事象に臨機応変に適応しつつ闘争心や反抗心を見せることが必要だ。森保が取り組みも、そのメンタリティの変革へと向かっている。もし彼が成功をつかむとすれば、それは日本の成功になるのだ。