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netherlands(C)Getty Images

「初戦がオランダ代表で良かった!」安田理大が見出す日本代表の勝機…攻略のカギとは?【現地記者のメンバー予想】

いよいよ開幕が迫る2026年FIFAワールドカップ。8大会連続でサッカー最高の祭典を戦う日本代表だが、大会で最も重要とも言われる初戦でオランダ代表と激突する。3度の決勝進出を誇り、各ポジションにワールドクラスの選手を揃える世界的な強豪チームだ。

そんなオランダ代表との一戦へ向け、『GOAL』は兄弟メディアである、オランダ『Voetbalzone』のヨルディ・トマソワ記者にワールドカップへ臨むメンバー予想を依頼した。その予想を受け、2011年~2013年までオランダのフィテッセでプレーした経験を持つ元・日本代表DF安田理大氏が、運命の一戦を展望する。

インタビュアー=北條聡(サッカージャーナリスト)

インタビュー実施日:4月21日

  • netherlands member(C)GOAL

    オランダ代表、ワールドカップ予想メンバー

    【安田さんの分析】

    ●ヨルディ記者予想の26人をどう見る?

    「世界のトップオブトップのクラブでプレーしている選手がほとんどですし、個人としての能力も高い。しかし、直近のエクアドル戦(1-1)やノルウェー戦(2-1)を見ると、チームとしての成熟度という意味では『日本のほうがチームとして戦える』という印象です。ただ、ヨーロッパの強豪国は本大会で上げてくる。間違いなく、日本代表の同組では一番強いチームですね」

    「ヨルディ記者は、直近の負傷の影響もあって、メンフィス・デパイはベストコンディションじゃなければ外れると予想していますが、僕は間違いなく入ると思います。オランダ代表の核になる選手ですからね。またコンディション次第ですが、ジャスティン・クライファートが入る可能性もある。それ以外はこのメンバーになると予想します」

    「ロナルド・クーマン監督は“固い”ので、サプライズはあまりないと思いますね。唯一言えるのは、AZで活躍しているキース・スミット(20歳)。パフォーマンスも良いですし、今季はタイトルも経験しました。今後の代表チームを支えていく、ボックス・トゥ・ボックス型の選手だと思います」

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  • netherlands line up(C)GOAL

    ヨルディ記者の日本代表戦予想メンバー

    【安田さんの分析】

    ●試合展開はどうなる?

    「僕はフラーフェンベルフではなく、シャビ・シモンズを中盤に入れて攻撃的に来ると思います(※)。また、センターフォワードはやはりメンフィス。そしてマーレンが右ウイングと予想しますね。調子が良い時は止められない選手です」

    ※撮影後に負傷でワールドカップ欠場が決定

    「日本代表のシステムを考えた時に、オランダ側は4バックでも守りきれると想定していると思います。ファン・ダイクとティンバーで上田綺世を見て、両サイドバックで日本の両ウイングバックを抑える形。中盤底に入るデ・ヨングがバランスをとりつつ、シャビ・シモンズとラインデルスが2シャドーを背中で消すイメージです。基本的にはマーレンとガクポをやや前に残して、両ウイングを起点に攻撃していく。今のチームは“典型的なオランダスタイル”。個々の技術を基にしっかりとボールを繋ぐことを狙ってくる。日本代表戦もポゼッションを軸にすると思います」

    「オランダのキーマンになるのは、ガクポとマーレンの両ウイング。ここを自由にさせてノッてしまうと止められない。逆にここをしっかり抑えたら意気消沈すると思います。オランダ人はすぐ諦める気質もありますしね」

    ●オランダ代表の弱点は?

    「オランダの気質として、良い意味でも悪い意味でもリラックスしすぎる時がある。日本代表は本当に強くなりましたけど、それでもオランダ側は自信に満ち溢れていると思います。そこに付け入る隙があるかなと」

    「だからこそ、前線からのハイプレスを狙いたい。キックオフの瞬間からアグレッシブに、積極的に前線からプレッシャーをかけて出鼻をくじく。“先手必勝”がポイントですね」

    ●日本はどこを狙うべきか

    「オランダは、攻撃時に右サイドバックのドゥンフリースが高い位置を取る右肩上がりのスタイル。一方で最終ラインに残る左サイドバックのファン・デ・フェンは、身体能力は恐ろしいですが、足元の技術で言うとハイプレスには弱いかなと。ここは狙いたいですね」

    「また、クライファートやファン・ニステルローイ、ファン・ペルシーといったターゲットになるストライカーがいないことも弱点です。サイドを崩してクロスを上げても、そこまで怖さがない。だから日本は、サイドを破られても粘り強く真ん中をしっかり固めることが重要です。ただセットプレーになると、ファン・ダイクを筆頭に空中戦で強い選手が多い。ここの集中力もカギになると思います」

    「オランダは、ドゥンフリースがボックス内に飛び込んで逆サイドからのクロスに合わせるのも攻撃パターンの1つとしています。ただ、彼は先日のノルウェー戦で、一対一でかわされてシュートを決められています。そのドリブルのかわし方(アンドレアス・シェルデルップ)が、中村敬斗選手に似ていたんですよね。ファーストプレーなど前半の早い時間帯から仕掛ける姿勢を見せたいですね」

    ●ポゼッションを譲りつつ、カウンター狙いが効果的?

    「カウンターの局面に関しては、オランダに分があると思います。ファン・デ・フェン、ファン・ダイク、ティンバーは身体能力が相当高い。足も本当に速いです。アーセナルで右サイドバックを務めるティンバーがCBに入る理由はここかなと。個人で守れる選手も多いですしね。ただ、90分間の集中力は日本代表が上回っている。オランダはどうしてもふわっとする時間があると思うので、そこを逃さない決定力が必要です」

    「日本代表としては、先制点が勝利に大きくつながると思います。ただ、先制してオランダが起きてしまう可能性もある(笑)。失点後に猛攻を仕掛けてくるかもしれないですが、イングランド代表戦のようにしっかりと守り切れば、勝つ可能性は十分にあると思いますよ」

  • yasuda(C)GOAL

    オランダ現地記者が見た日本代表

    ヨルディ「日本は決して侮れないチーム。日本人選手は戦術理解が非常に高く、組織的なチームを作る。創造性のある選手もエールディビジで台頭している」

    安田:今、オランダ人は日本代表に対してあまり大きいことは言えないと思います(笑)。上田綺世選手が得点王ですよ! ヨルディ記者の言う通り、組織力という意味では日本代表が上回っていると思います。

    ヨルディ「日本で警戒すべき選手は、上田綺世、佐野海舟・佐野航大の兄弟、堂安律、三笘薫」

    安田:僕が選ぶキーマンは堂安選手と中村選手、2シャドーに入る2人ですね。1トップの上田綺世選手が相手のセンターバック2枚を引きつけて、ウイングバックがサイドに張ることで両サイドバックを引きつけます。そしてCB~SB間のいわゆるハーフスペース、さらに守備的MFデ・ヨングの両脇のスペースを2シャドーでうまく活用したい。ここの争いが重要です。そのうえで日本代表としては、勇気を持って中盤底の2枚の片方が攻撃に参加して、相手の守備を混乱させる動きを期待したいです。

    オランダの3トップは強力です。ただ、今後世界と戦っていく中で、彼らを同数で守れるようにならないと上にはいけない。ヨーロッパでは同数で守るのが当たり前。日本ではどうしても1枚多くして対応するという考えが浸透していますが、現代サッカーは同数で守れないと難しいと思います。勇気を持った戦いができると、勝利に近づいていくと思いますよ

    ヨルディ「高温多湿の環境面もあり、結果は2-2のドローと予想。日本代表が勝つ可能性も十分にある」

    安田:オランダ人からすると、これまでの歴史から間違いなく日本代表を格下だと見ていると思います。だからこそ、付け入る隙があるんです。

    この試合では、上田綺世選手にゴールを決めてほしい。環境面もあって固い試合になるかと思いますが、上田綺世選手のゴールで日本代表が先制して、オランダに火がついてガクポが同点ゴールを決める。緊張感が高まってオランダが疲弊してきたところで、日本代表が勝ち越して勝負を決めると予想します。CKから決勝点が生まれそう。谷口彰悟選手や渡辺剛選手、伊藤洋輝選手あたりが取りそうな気がします。もしくは、大舞台に強い堂安律選手が決めてくれると思いますよ。

    とにかく初戦の結果が重要です。初戦を終えてポイントを持っているかどうかで、2戦目の戦い方も変わりますし、ノックアウトステージに向けてターンオーバーも気持ちに余裕を持って行える。おそらく、このオランダとの初戦がワールドカップで一番重要な試合です。

    僕としては、初戦の相手がオランダで良かったと思っています。同グループで一番強い相手なので、気を引き締めて初戦に挑むことができますからね。

    僕の予想は、2-1で日本代表の勝利です!