マンチェスター・Uのストライカー探しは難航…ケガがちのマルシャルと実績のないホイルンドに頼るのか？

ユナイテッドにとってストライカーの必要性はかつてないほど高まっているが、移籍市場が始まって1か月が過ぎても、センターフォワード獲得に向けた大きな動きはほとんど見られない。クラブはすでにメイソン・マウントの獲得に予算の半分を費やしており、インテルからアンドレ・オナナを獲得するには4000万ポンド以上が必要だ。

さらに、最も明白な4人のターゲットは、クラブが真剣に追うには高すぎることが判明している。ハリー・ケインは最有力候補だったが、トッテナムはタリスマンを直接のライバルには売りたくないと決めており、今月末で30歳になる選手としては少なくとも8000万ポンドという法外な値段をつけている。

バイエルン・ミュンヘンがケインへの2度の入札を拒否したのに対し、ユナイテッドはオファーすら出していない。

ヴィクター・オシムヘンはイングランド代表キャプテンより6歳年下で、ユナイテッドが欲しがるもう一人の選手だが、ケインよりもさらに値段が高く、ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は獲得するには1億7000万ポンドが必要だと主張している。

ベンフィカのストライカー、ゴンサロ・ラモスとアイントラハト・フランクフルトのヒットマン、ランダル・コロ・ムアニが2番目のターゲットだが、どちらの選手と契約するにも8000万ポンド程度が必要で、事実上ユナイテッドには手が届かない。

デンマーク人ストライカーのラスムス・ホイルンドは、ユナイテッドにとって唯一の現実的なターゲットとなったが、昨季20試合（9ゴール）に出場したばかりの20歳は、未完成のように見える。

確かにホイルンドは魅力的な選手だろう。アーリング・ハーランドに似ていると言われ、代表ではデビュー戦のフィンランド戦でのハットトリックを含め、最初の4試合で6ゴールと絶好調だ。

しかし、ホイルンドもユナイテッドと契約する可能性は低い。昨シーズンの終わりには、このデンマーク人選手は低コストで獲得できるオプションのように見えたが、アタランタによれば、彼の価値は8500万ポンド。欧州5大リーグで1シーズンしかプレーしたことのないストライカーにとっては、莫大な金額である。

イタリア側は最終的に提示額を下げるかもしれないが、現時点でトレードには興味がなく、現金を求めているという。

ホイルンドとの契約は、若い選手の肩に大きなプレッシャーをかけることにもなる。アンソニー・マルシャルの脆さのために、彼は事実上ユナイテッドのセンターフォワードのファーストチョイスとなり、より経験豊富なストライカーの下で寝起きし、学ぶ時間もなく、走り回ることを求められるだろう。

マルシャルは今でも質の高いフォワードであり、ヴァウト・ヴェグホストとは格が違うことを証明した。しかし、フィットし続けることはできない。

昨シーズンは6度の負傷に見舞われ、合計33試合を欠場した。そして、1度たりとも90分間プレーできなかった。

マルシャルがオスロでの親善試合を欠場したのは、昨シーズンのリーグ戦最終戦、フラム戦で痛めたハムストリングの肉離れからの回復を続けるためである。

しかし、ストライカーを獲得せずに新シーズンをスタートさせるというのは、想像を絶する。昨シーズンは3位でフィニッシュしたにもかかわらず、ユナイテッドは9位のブレントフォードと同数、トップ6に入った他のどのチームよりも少ない58ゴールしか挙げていない。

そして、その4分の1以上をマーカス・ラッシュフォードが占めている。この25歳はセンターフォワードとしての仕事もこなすが、攻撃の左サイドで最も危険であることは間違いなく、そのプレッシャーを分散できるストライカーも必要だ。

ユナイテッドはラッシュフォードとの高額な新契約で最高収入を与えることが決まっているため、若きスターの能力を最大限に引き出す必要がある。

テン・ハーグ監督は、どのストライカーを獲得リストの筆頭に挙げているかは明かさないまでも、チームにもう一人ストライカーを加えたいという願望を隠していない。4月、ユナイテッドがケイン獲得に興味を示していることについて質問され、こう答えた。

「シーズンを通して9番が不足していたことは周知の事実だ。まず、ロナウドが離脱し、アンソニー・マルシャルが使えないことが多く、ジェイドン・サンチョも使えないことが多かった。少ない選手で多くの試合をカバーしなければならないのだから、前線にチームを強化する選手が必要なのは間違いない」

当時はストライカーを獲得することがクラブの最優先事項のように見え、ケイン、オシムヘン、ラモスのいずれが最有力候補なのかがファンの間で議論されていた。しかし今は、マウントを獲得し、オナナに尽力した後で、フロントマンは後回しにされているように見える。

しかし、オスロでは昨シーズンの繰り返しであった、まともなチャンスをものにできない苦戦は、薄っぺらな前線の補強に危機感をもたらすはずだ。

クラブは以前にも、その場しのぎのストライカーをレンタルで獲得するという過ちを犯している。資金不足でまたそうしたくなるかもしれないが、その失敗から学ぶべきだ。

エディンソン・カバーニはオールド・トラッフォードでの2年間のレンタル期間中、ケガに苦しんだ。クラブはマーケットで声明を出し、少なくともシーズン20ゴールを保証できる実績のあるスコアラーを獲得するために必要な金額を支払う必要がある。長い目で見れば、その価値はあるだろう。