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移籍市場の“転売名人”。チェルシーの高額売却選手TOP10…アザールからジエゴ・コスタまで

イングランドサッカー界の伝統的な強豪であるチェルシーは、スター選手の獲得で有名である。2011年にフェルナンド・トーレスに5850万ユーロをつぎ込んだり、2021年にロメル・ルカクに1億1300万ユーロをかけたりと、過去に何度も見せてきたように、ブルーズは才能ある選手を獲得する機会があれば、後先考えずに買い付けるのだ。

そしてチェルシーには、それに見合うだけの成功がある。21世紀に入ってから最も成功したイングランドのクラブの一つである。6つのリーグタイトルを獲得し、そのうちの5つは今世紀に入ってからだ。それに2つのチャンピオンズリーグのトロフィーといくつかのヨーロッパリーグのタイトルを加え、ウェストロンドンのトロフィーキャビネットをかなり拡大させている。

しかし、チェルシーは単に買うだけのクラブではない。彼らは移籍市場で抜け目のないオペレーターであり、選手の売却でもかなりの金額を稼いでいる。チェルシーは若い才能ある選手を安く獲得し、後で売却して利益を得ることに定評がある。

チェルシーに大金を置いて去った選手には、レアル・マドリーに移籍したエデン・アザールやジエゴ・コスタなどがいる。

実際、チェルシーは今世紀に入ってから10億ユーロ(約1375億円)以上の移籍金を売り上げている。

チェルシーの毎シーズン売却

シーズン

最大売却

移籍金

Total sales

2022-23

ロメル・ルカク

€8m (レンタル)

€8m

2021-22

タミー・エイブラハム

€40m

€119.5m

2020-21

アルバロ・モラタ

€35m

€57.2m

2019-20

エデン・アザール

€115m

€157.3m

2018-19

ティボー・クルトワ

€35m

€83.25m

2017-18

ジエゴ・コスタ

€60m

€194.6m

2016-17

オスカル

€60m

€108.9m

2015-16

ラミレス

€28m

€87.5m

2014-15

ダヴィド・ルイス

€49.5m

€142.8m

2013-14

フアン・マタ

€44.7m

€77.9m

2012-13

ダニエル・スタリッジ

€15m

€25.5m

2011-12

ユーリ・ジルコフ

€15m

€31.6m

2010-11

リカルド・カルバーリョ

€8m

€16.5m

2009-10

クラウディオ・ピサーロ

€2m

€3.8m

2008-09

ウェイン・ブリッジ

€13m

€44.6m

2007-08

アリエン・ロッベン

€35m

€43.7m

2006-07

ダミアン・ダフ

€15.5m

€52.6m

2005-06

チアゴ・メンデス

€10.1m

€34.6m

2004-05

イェスパー・グロンケア

€3.3m

€3.3m

2003-04

ミカエル・フォッセル

€750k (レンタル)

€950k

2002-03

サミュエレ・ダラ・ボナ

€1.6m

€2.1m

2001-02

ジョン・ハーレイ

€5.25m

€14.3m

2000-01

トレ・アンドレ・フロー

€18m

€37.7m

合計

€1.3b (Approx)

チェルシーの高額売却選手TOP10

  • HD Alvaro Morata Chelsea unveiling 21072017Chelsea FC

    アルバロ・モラタ | 3500万ユーロ(約48億9000万円) | アトレティコ・マドリー | 2020

    アルバロ・モラタのチェルシーでの時間は、忘れ去られたものに分類される。このスペイン人センターフォワードは2017年夏、多くのファンファーレに包まれてレアル・マドリーからやってきた。

    彼は当時、ブルーズに6600万ユーロを投じたチェルシーの記録的な買い物となった。しかし、モラタは期待に応えることができず、47試合に出場してわずか16試合のリーグ戦でのゴールにとどまった。2019年1月、モラタは18か月のレンタル契約でアトレティコ・マドリーに戻ることになった。

    しかし、チェルシーは2020年7月にアトレティコがレンタル移籍を永久化したことで、彼への出費から3500万ユーロを回収することに成功した。

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  • Thibaut Courtois Chelsea Premier League 23082015Getty Images

    ティボー・クルトワ | 3500万ユーロ(約48億9000万円) | レアル・マドリー | 2018

    ティボー・クルトワは、若くしてチェルシーにスカウトされた選手の一人である。19歳のときにヘンクからこのベルギー人選手を獲得したチェルシーは、3年連続でアトレティコ・マドリーにレンタル移籍させた。

    2014年にウェストロンドンに戻ると、ペトル・チェフを差し置いてクラブの正キーパーになるのに時間はかからなかった。その後、チェルシー時代には最高のGKの一人としての地位を確立し、2度のプレミアリーグ優勝に貢献した。

    そして、クルトワは自身のコメントで落ち着きを失っているという噂を巻き起こした後、2018年にレアル・マドリーが彼のために3500万ユーロを費やしたことは驚くことではなかった。

  • Romelu Lukaku Everton Chelsea Premier League 30082014Getty Images

    ロメル・ルカク | 3540万ユーロ(約49億4000万円) | エヴァートン | 2014

    ルカクは、チェルシーのスカウティングネットワークが拾い上げた、未来のスターだった。アンデルレヒトから18歳で入団したストライカーだ。ルカクは、2011-12のデビューシーズンにトップチームで何度かチャンスを得たものの、印象に残ることはなかった。

    しかし、翌年ウェスト・ブロムにレンタル移籍し、その威厳のある姿は輝きを放った。2013-14シーズン、エヴァートンにレンタル移籍することに。しかし、トフィーズでの印象的なシーズンは、チェルシーを納得させるのに十分ではなく、クラブは2014年の夏に彼をエヴァートンに完全移籍で売却した。

    ルカクは、チェルシーでゴールを決めることなく退団したが、2021年、クラブ史上最高額の選手として、ウェストロンドンに戻ってくることになる。

  • Tammy Abraham Chelsea 2021-22Getty

    タミー・エイブラハム | 4000万ユーロ(約55億9000万円) | ローマ | 2021

    チェルシーのユース出身であるタミー・エイブラハムは、フランク・ランパードの下、2019-20シーズンにレギュラーとして活躍。ブリストル・シティとアストン・ヴィラで印象的なレンタル期間を過ごした後、彼はチャンスを得たのだった。そのシーズンは18ゴールを挙げたものの、クラブの誰かを納得させることはなかった。

    2020-21シーズンに就任したトーマス・トゥヘルも、エイラハムを信頼せず。試合出場に苦戦したエイブラハムは、結局、2021年夏に4000万ユーロでローマに移籍することになった。ただし、チェルシーには買い戻し条項が含まれている。

  • Nemanja Matic Chelsea Schalke 17092014Getty

    ネマニャ・マティッチ | 4470万ユーロ(約62億4000万円) | マンチェスター・U | 2017

    ジョゼ・モウリーニョの信頼する副官といえば、ネマニャ・マティッチだ。2009年に20歳でチェルシーに加入したこのセルビア人MFは、2014-15シーズンにモウリーニョが率いるプレミアリーグ優勝を果たしたチェルシーの礎となった。

    興味深いことに、彼は2011年にベンフィカに売却された後、チェルシーに復帰。チェルシーでの2度目の在籍期間(2014年から2017年まで)で、2度のプレミアリーグ制覇に貢献した。

    2017年になると、モウリーニョはマンチェスター・ユナイテッドへ。中盤の補強を切実に求めていたポルトガル人監督は、4000万ポンドを投じてマティッチに目をつけた。

    興味深いことに、マティッチはユナイテッドを離れ、2022年夏にローマに移籍し、モウリーニョと再会を果たした。

  • Juan Mata ChelseaGetty

    フアン・マタ | 4480万ユーロ(約62億6000万円) | マンチェスター・U | 2014

    フアン・マタはチェルシーでセンセーショナルなキャリアをスタートさせた。2011年にバレンシアからスタンフォード・ブリッジに移籍したマタは、瞬く間に人気者に。クラブがチャンピオンズリーグ(2012年)とヨーロッパリーグ(2013年)を連覇する中、重要な役割を担った。

    しかし、2013年のモウリーニョ監督の就任は、マタのチェルシーでのキャリアを狂わせた。モウリーニョはスペイン人選手に対してあまり良い印象を抱いておらず、マタは結局モウリーニョの下で影に追いやられた。そして、2014年1月、マンチェスター・ユナイテッドから声がかかると、マタはすぐにその手をつかんだ。

  • David Luiz Chelsea Premier LeagueGetty Images

    ダヴィド・ルイス | 4950万ユーロ(約69億1000万円) | PSG | 2014

    2011年にベンフィカからチェルシーに移籍したエキセントリックなCBは、2014年にPSGが大金をはたいて獲得し、世界で最もコストのかかるDF(当時)となった。

    ダヴィド・ルイスはゴールを決めるのが好きで、スタンフォード・ブリッジでは人気者だった。このブラジル人は、2012年にチャンピオンズリーグ、2013年にヨーロッパリーグを制したチェルシーの一員であった。

    2014年にPSGに移籍したものの、ルイスは2016年にチェルシーに復帰し、再出発を果たすことになる。

  • Oscar Chelsea FA Cup 2015-16Getty

    オスカル | 6000万ユーロ(約83億8000万円) | 上海海港 | 2020

    2012年にインテルナシオナルからチェルシーに移籍したとき、小柄なブラジル人選手は、ブルーズがスーパースターの可能性を手に入れたと思われた。チェルシーでのキャリアは、そのような印象的なスタートだった。

    その狡猾さ、トリッキーさ、そしてとんでもないゴールを決める姿は、誰もが認めるところとなり、瞬く間にチェルシーに欠かせない存在となった。

    200試合以上の出場を果たしたが、シーズン終盤になると、その存在感は薄れていった。それでも、多くの人がショックを受けたように、オスカルは中国の上海SIPGにアジアのクラブとしては最高額となる6000万ユーロで移籍した。

  • Diego Costa Chelsea Premier LeagueGetty Images

    ジエゴ・コスタ | 6000万ユーロ(約83億8000万円) | アトレティコ・マドリー | 2018

    ジエゴ・コスタは2018年1月、険悪な雰囲気の中でチェルシーを去った。問題はあったものの、コスタはチェルシーにとって最大の売却のひとつとなっている。

    2014年に加入したコスタは、水を得た魚のようにスタンフォード・ブリッジに馴染み、最初のシーズンで21ゴールを挙げ、クラブのプレミアリーグ制覇に貢献した。翌シーズンは調子を落としたものの、2016-17シーズンは22ゴールを挙げ、クラブのプレミアリーグ連覇に貢献し、素晴らしい活躍を見せた。

    しかし2017年1月、中国のクラブ、天津権健からの関心を受けたコスタがアントニオ・コンテと仲違いし、問題は始まった。2017年夏、コンテがコスタに「もう自分のトップチームのプランには入っていない」と告げると、問題はエスカレート。コスタはアトレティコへの復帰を望んだが、チェルシーは多額の移籍金を要求した。

    法廷闘争の末、2018年1月にコスタがアトレティコ・マドリーに復帰することが発表された。2017-18シーズン前半、コスタはチェルシーで試合に出場することは一度もなかった。

  • Eden Hazard ChelseaGetty Images

    エデン・アザール | 1億1500万ユーロ(約160億7000万円) | レアル・マドリー | 2019

    エデン・アザールは、2019年に1億1500万ユーロという破格の金額でレアル・マドリーに移籍し、チェルシーにとって最大の売却となった。クラブのレジェンドとして認定され、チェルシーを去っている。

    2012年にリールから早熟な才能でブルーズに加入したアザールは、未来のスターと見なされていた。チェルシーでその潜在能力を発揮し、対戦相手から恐れられるワールドクラスのアタッカーへと変貌を遂げた。

    チェルシーでは350試合以上に出場し、110ゴールを挙げ、2つのプレミアリーグ優勝と2つのヨーロッパリーグ優勝に貢献した。

    2014-15シーズンにはプレミアリーグ最優秀選手賞とPFA年間最優秀選手賞を受賞。4度にわたってPFA年間ベストイレブンにも選出。レアル・マドリーでパフォーマンスを再現することはできなかったかもしれないが、チェルシーのファンにとって常に愛されるアイコンであり続けるだろう。

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