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遠藤航、エリオット、ヌニェス…リヴァプールの3冠獲得のカギを握る控え選手たち

試合を観戦した他の人々と同様に、ルイス・エンリケ監督もパリ・サンジェルマンがどのようにして敗れたのかを説明するのは難しいと認めた。 スペイン人監督の表現を借りれば、「少し奇妙」な試合だった。 圧倒的に優勢だったホームチームは27回シュートを放ったが、圧倒された相手チームはわずか2本だった。 それでも、1-0のリードを奪ってパルク・デ・プランスを後にしたのは、来週のアンフィールドでの第2戦に臨むリヴァプールだった。

明らかにこの試合のMVPはアリソン・ベッカーだった。ブラジル人GKは9度のセーブをみせ、そのうちのいくつかはまさに驚異的だった。「彼らのGKは別格だった」とルイス・エンリケ監督は記者団に語った。「アリソンが試合の流れを決めた。リヴァプールは今シーズン、このような試合をしたことは一度もなかった。それは彼らがそうしたからではなく、我々がそうさせたからだ。我々ははるかに優っていた」。

しかし、あらゆる面でそうだったわけではない。まず、PSGの浪費的なプレーに対し、リヴァプールは非常に効率的だった。ただ、さらに重要なのは、両チームの控え選手たちの違いだった。

デシレ・ドゥエはアリソンを破るべく遠距離からすぐに攻撃に加わったが、ゴンサロ・ラモスとウォーレン・ザイール=エメリはあまりインパクトを残せなかった。しかし、ダルウィン・ヌニェス、ハーヴェイ・エリオット、カーティス・ジョーンズ、そして遠藤航はそれぞれ存在感を示し、最初の2人はこの試合唯一のゴールを生み出した。そして、彼らの貢献は、リヴァプールのベンチが3冠獲得に向けて重要な役割を果たすことを裏付けるものとなった。

  • Tottenham Hotspur v Liverpool - Carabao Cup Semi Final First LegGetty Images Sport

    遠藤航

    ユルゲン・クロップ監督は、2024年のカラバオカップ決勝でチェルシーに勝利した後、遠藤航を「マシーン」と称し、日本代表MFがリヴァプールに長期滞在することを期待していた。しかし、クロップ監督の後任であるアルネ・スロット監督は、少なくとも当初は、それほど遠藤に夢中になっているようには見えなかった。32歳の遠藤は、シーズン最初の2か月半でプレミアリーグの試合にわずか3分間しか出場できなかった。

    スロット監督の下でトップチームのスタメンにリーグ戦初出場するチャンスをまだつかめていないが、ここ数か月で遠藤はオランダ人監督の信頼を勝ち取り、事実上リヴァプールの「クローザー」となり、試合終了までチームを支える役割を任されるようになった。

    パリでもその活躍は変わらなかった。 79分に投入された遠藤は、パスを1本も失敗することなく、投入前には目立たなかったPSGの選手たちへのプレッシャーをかけた。

    彼は、スロット監督が6番の選手に求めるすべての資質を備えているわけではないが、酷使されたライアン・フラーフェンベルフがパリでどれほど不甲斐ないプレーをしたかを考慮すると、今後1か月ほどは、遠藤の出場機会が大幅に増える可能性が高い。実際、土曜日にアンフィールドで行われるサウサンプトン戦で、今シーズン初のプレミアリーグ先発出場を果たす可能性もある。

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  • Liverpool FC v LOSC Lille - UEFA Champions League 2024/25 League Phase MD7Getty Images Sport

    ハーヴェイ・エリオット

    クロップ監督の最後のシーズン、ベンチから幾度となく大きなインパクトを与えたにもかかわらず、ハーヴェイ・エリオットは「スーパーサブ」としてだけは見られたくないと明確に意思表示した。21歳の彼は、より多くの出場時間を望んでいた。そしてプレシーズン中、彼はスロットの下で多くの出場機会を得た。エリオットは、かつてのフェイエノールトの監督が好んだフォーメーションにおける10番の役割に理想的なスキルセットを持っているように見えた。

    しかし、開幕戦でエリオットは足の骨折により戦列を離脱する災難に見舞われた。結局、このイングランド人は遠藤と同じく、今季のプレミアリーグで初先発のチャンスをまだ待っている状態だ。

    朗報としては、エリオットは当然のフラストレーションをネガティブに考えていないこと。パリでチャンスが訪れた際には、ベンチから出てわずか46秒でそれを活かし、チャンピオンズリーグの直近3試合で得点を挙げている。

    「彼にとって大きな瞬間だ」とスロットはパルク・デ・プランスで語った。「彼は良い選手なので、出場時間が短いことに苛立つこともあるだろうが 、私は彼をほとんど交代させない選手と競い合わせているんだ」。

    今シーズン終了までローテーションが必要になるだろうが、リヴァプールにとって幸いにも、エリオットはスーパーサブとしての役割を引き受ける意思を少なくともあと数か月は持ち続けている。

  • FBL-EUR-C1-PSG-LIVERPOOLAFP

    ダルウィン・ヌニェス

    残念ながら、ダルウィン・ヌニェスの今シーズンは、主要タイトル獲得を狙うクラブのスタメンFWとして十分ではないことを証明するものとなってしまっている。1月にブレントフォードで決定的な勝利を収めた際には、ヌニェスの後半の2得点が負うところが大きかったかもしれないが、そのような決定的な活躍は次第に稀なものとなり、彼の浪費癖はチームから貴重な勝ち点を奪う結果を繰り返し、特に最近のアストン・ヴィラでの2-2の引き分けが顕著である。

    スロットは、ヌニェスが途中出場直後にオープンゴールを外した際の反応を批判し、それ以降、25歳の仕事量は劇的に減少した。しかし、ヌニェスは、パリでマルキーニョスとの空中戦に勝ち、エリオットに決勝点をアシストするなど、その役割を全うした。

    この重要なアシストは、自信の増減が激しい彼にとって大きな意味を持つはずであり、終盤戦で重要な役割を果たすチャンスが訪れたことを意味する。明らかな欠点があるにもかかわらず、彼には間違いなく、相手チームに問題を引き起こすだけのスピードと強さがある。

    今夏にチームを去る可能性もあるが、彼には今見返すチャンスが訪れている。

  • Liverpool FC v Newcastle United FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    コスタス・ツィミカス

    今夏、ヌニェスに続いてコスタス・ツィミカスがアンフィールドを去るとしても、驚くことではない。28歳のギリシャ代表は、現時点でのキャリアにおいて、レギュラーとして出場すべきであり、アンディ・ロバートソンの後継者として見なされているという証拠はあまりない。それどころか、リヴァプールがオフシーズン中にボーンマスのミロス・ケルケズのような有望な若手左サイドバックを獲得する可能性は高い。

    しかし、もしこれがツィミカスにとってリヴァプールでの最後の年となるのであれば、彼は自分の努力を誇りに思うことができるだろう。彼は、ロバートソンが先発の座を維持するためにこれまで以上にプレッシャーをかけており、2020年にオリンピアコスから加入した彼は、出場試合数が18試合少ないにもかかわらず、スコットランド人選手よりも多くのアシストを記録している。また、スロットが守備陣のエネルギーレベルを維持しようとしているため、今シーズン終了まで、この2人が定期的に入れ替わる可能性は非常に高い。

  • FBL-ENG-FACUP-PLYMOUTH-LIVERPOOLAFP

    ジャレル・クアンサー

    ジャレル・クアンサーは今シーズン、間違いなく後退した。前シーズンを好成績で終えたため、EURO2024の予備メンバーに選出されるほどだった。そのため、スロット監督の下でさらに成長するだろうと期待されていた。

    しかし、クアンサーはリヴァプールが今シーズン開幕戦で対戦したイプスウィッチ・タウン戦のハーフタイムで交代となり、それ以来、フィルジル・ファン・ダイクのセンターバックのパートナーとして、復活したイブラヒマ・コナテに完全にその座を奪われてしまった。

    しかし突如として、クアンサーはリヴァプールの3冠獲得に向けた重要な役割を担うことになった。事実上、2つのポジションでカバーを務めることが期待されているのだ。ジョー・ゴメスが今シーズン中に復帰できるかどうかは全く不明であり、クアンサーがの第3センターバックに昇格したことを意味する。また、トレント・アレクサンダー=アーノルドの控えも務めており、コナー・ブラッドリーはインターナショナルウィーク明けまで戦列を離れる可能性が高い不運な負傷を負っている。

    サウサンプトンとの試合がPSGとの2試合の間に挟まれているため、クアンサーが土曜日にアンフィールドで先発出場する可能性が非常に高くなっている。アレクサンダー=アーノルドとコナテの両選手に休息が必要であることを考えると、センターバックか右サイドバックでの先発となるだろう。

  • Federico-Chiesa(C)Getty Images

    フェデリコ・キエーザ

    フェデリコ・キエーザはリヴァプールで長期的な将来を築けるだろうか? その可能性はますます低くなっている。元イタリア代表のキエーザは、昨夏に格安の移籍金で加入した際に、クラブと4年契約を結んだ。そして、彼は明らかにアンフィールドでプレーすることを愛している。

    ただ、問題は、マージーサイドでの最初のシーズンで、キエーザがほとんどピッチに立てていないことだ。キエーザが加入する前から負傷の問題を抱えていたことは周知の事実であり、ユヴェントスから放出される前に、プレシーズンをまともにこなせなかったことを考えれば、本来の調子を取り戻すには時間がかかるだろうということはわかっていた。

    しかし、年明けに何度か出場機会を得て期待を抱かせる活躍を見せた後、今シーズンの最も忙しい時期にまったく活躍の場がないのは驚くべきことだ。特にコーディ・ガクポが負傷で欠場していることを考えると、パリではルイス・ディアスやモハメド・サラーの代わりにキエーザを投入するのが理想的だと誰もが思うだろう。しかし、キエーザはまたしても試合中ずっとベンチに座ったままであった。

    それでも、キエーザは土曜日のサウサンプトン戦で貢献するチャンスがある。リヴァプールがなんとかPSGを退けた場合、欧州での任務の合間にいくつかのリーグ戦で勝利を収めるチャンスがある。そして、万全のキエーザは、スロットにとって非常に有益なオプションとなるだろう。

    サラーは、少なくとも、シーズン終盤戦で素晴らしいパフォーマンスを維持するためには、どこかのタイミングで休息を取る必要があるだろう。パルク・デ・プランスでの試合で見たように、もし今シーズンを昨シーズンよりも良い形で終えたいのであれば、スター選手が苦戦している時に控え選手が活躍し続けなければならない。