ケイン対CL最強の守備陣：バイエルンは過小評価されるインテルを撃破できるか

インテルは、今シーズンのチャンピオンズリーグで、16強対決でフェイエノールトを4-1で下し、準々決勝に進出した。

オランダのチームはプレーオフラウンドでACミランを破ったものの、同じ都市のライバル相手に再び奇跡を起こすとはとても思えなかった。そのため、インテルの進出がイタリアで大きなニュースにならなかったのかもしれない。インザーギは、勝利が当然のことのように受け止められたことに苛立ちを隠せなかった。

インザーギは「今夜の選手たちは素晴らしかった。彼らは称賛に値する。なぜなら、彼らはあらゆる面で素晴らしい活躍をしているからだ。また、彼らに対する称賛の声がほとんど聞かれないからでもある」と話したが、彼の言い分にも一理ある。

インテルは2年弱前にチャンピオンズリーグの決勝に進出したが、ペップ・グアルディオラ率いる無敵のマンチェスター・シティに1-0で敗れた。 劣勢だったインテルは、アーリング・ハーランドの脅威を完全に封じ込め、ロメル・ルカクのフィニッシュがなければ、延長戦に持ち込むにふさわしかっただろう。

イスタンブールでの試合後間もなく、『マルカ』のインタビューでグアルディオラが冗談めかして語ったように、「私が欧州チャンピオンになれたのは、ゴールから3メートルの距離で選手が失敗したからだ！」。

昨シーズンも、サン・シーロでの対戦で、16強の相手であるアトレティコ・マドリーを倒すチャンスを何度も逃し、メトロポリターノでのPK戦で敗れるという苦い経験をしている。それゆえ、インテルが今大会の優勝候補から外れているのは不思議なことだ。

準々決勝進出が確定した後、ほとんどのブックメーカーは、8チーム中6位にインテル（10倍）を位置づけ、その順位はバルセロナ（3.3倍）、パリ・サンジェルマン（3.3倍）、レアル・マドリー（4倍）、バイエルン・ミュンヘン（5倍）、さらにはインテルがリーグフェーズで勝利したアーセナル（7倍）よりも下だった。

しかし、インテルは間違いなく番狂わせを起こすチャンスがある。現役時代に両クラブでプレーしたチリアコ・スフォルツァ氏は、準々決勝での対戦を前に、セリエA首位のインテルが「本命」であると信じている。

「これはバイエルン・ミュンヘンにとって大きな問題となるチームだ」と、元スイス代表選手は『ビルト』に語った。「インテルはよく訓練されており、2、3年も同じ体制を維持し、3-5-2という完璧なシステムを見つけている」。

異論を唱えるのは難しい。

インテルは、アントニオ・コンテ前監督の下で3-5-2のフォーメーションを効果的に使い、2021年にクラブの11年間のスクデット獲得の空白期間に終止符を打っただけでなく、その前年にはヨーロッパリーグの決勝まで導いた。しかし、インザーギ監督の下でさらに強力なチームとなった。

「私は彼をずっと長い間、ラツィオ時代から追いかけてきた」と、フランス代表およびアーセナルのレジェンドであるティエリ・アンリは最近、『スカイスポーツ』で明かした。

「インザーギは、カップ戦で彼と対戦したら大変なことになる男として知られていた時期があった。私は彼の3-5-2のフォーメーションが好きだ。中盤に（ニコロ・）バレッラ、（ハカン・）チャルハノール、（ヘンリク・）ムヒタリアンを置けば、3人の6番を揃えることができる」

「しかし、彼らがボールを持った時には、ラウタロ・マルティネスがディフェンスラインの深い位置まで下がってくるし、ウイングバックのフェデリコ・ディマルコ、マッテオ・ダルミアンがサイドバックとしてプレーしない時には、マーカス・テュラムがサイドに走り込んでくる」

「だから、彼らが2人の本物のセンターフォワードでプレーするのはいいと思う。なぜなら、多くのチームが好むように、5-4-1でプレーする代わりに、1人のストライカーと高い位置でワイドに開くウイングで、ポゼッションなしでプレーする場合、ストライカーにボールを渡しても、彼はボールをキープすることしかできないからだ」

「インザーギボール」として知られるようになったサッカーのスタイルでさらに目を引くのは、センターバックが守備から離れて、より前方の空いたスペースを活かす自由が与えられている点であり、昨シーズン、ボローニャ戦でヤン・ビセックが得点したアレッサンドロ・バストーニのクロスが、そのことを最もよく表している。

「それは常に取り組んでいることだ」とバストーニは『DAZN』に語った。「インザーギは、その点で非常に重要な存在だった。なぜなら、私は当初それほど機動力がある選手ではなかったからね。しかし、我々全員が柔軟性と集中力を備えていなければならない。また、ディフェンスに下りてこられるムヒタリアンのような選手や、中盤と非常にうまく連携できるラウタロのような選手を見つけるのは容易ではない」。

「しかし、私たちは全員が動き回り、対戦相手にとっての基準点をほとんど残さないようにしている」

もちろん、インテルは粘り強く規律正しい守備で知られており、相手チームを苛立たせる。ビセックは火曜日に『キッカー』誌のインタビューで認めたように、彼とチームメイトたちは、試合の大部分でボールを持たない状況でも問題なくプレーできる。

グアルディオラ監督は、今シーズンのチャンピオンズリーグのリーグ戦で、インテルとの間で0-0の辛い引き分けに終わった際、インザーギ監督のチームがディフェンスを固めていたことを批判したが、同時にインテルが優勝候補であることもすぐに認めた。

ペップは「守備と攻撃の切り替えの達人だ」と語っている。

インテルの守備は決して堅固なものではない。日曜日のパルマ戦の2-2の引き分けを見ても明らかだ。つまり、今シーズン、インテルはリーグ戦わずか31試合で30失点を喫している。

しかし、今シーズンのセリエAとチャンピオンズリーグにおけるインテルの守備の質には、非常に顕著な対照が見られる。まるで、3つの舞台で戦うことがこの時期の戦いでは当然ながら厳しいと考えるチームが、ヨーロッパでの任務のために少し余力を残しているかのようだ。

「これは今シーズン46試合目であり、それらすべてが選手たちの足に重くのしかかっている」と、インザーギのアシスタントであるマッシミリアーノ・ファリスは、タルディーニでの試合後に語った。「我々は全力で彼らを守り、新たな負傷を避けようとしているが、この時期においては、90分間を通して安定したプレーができるチームなどないと思う」。

それでも、インテルの集中力はチャンピオンズリーグでは衰えていないようで、これまでの10試合でわずか2失点に抑えている。これは、火曜夜のアリアンツ・アリーナでのファーストレグでケインたちに待ち受けるタスクの大きさを強調するものに過ぎない。

ケインは当然ながら、この挑戦を心待ちにしている。このような魅力的な対戦でプレーできるチャンスが、2023年の夏に幼少期を過ごしたクラブのスパーズを離れ、ミュンヘンに移籍せざるを得なかった主な理由である。

また、大舞台での得点力不足を指摘する声も封じ込め、バイエルンがレヴァークーゼンに5-0で勝利したラウンド16では3得点を挙げ、今大会の通算得点を10得点に伸ばした。これは、チャンピオンズリーグにおけるイングランド人選手の1シーズン最多得点記録を更新する数字である。

また、ケインは国際試合期間前の先週の土曜日、3-2で勝利したザンクトパウリ戦でゴールを決め、ブンデスリーガ5試合連続ノーゴールという記録をストップさせた。さらに、金曜夜のアウクスブルク戦でも3-1で勝利し、ゴールを決めている。

しかし、この勝利は代償を伴うもので、ジャマル・ムシアラが太ももの筋肉を断裂したため、今シーズン中の復帰は絶望的となった。バイエルンにとっては大きな痛手であり、現在、マヌエル・ノイアー、ダヨ・ウパメカノ、伊藤洋輝、アルフォンソ・デイヴィス、キングスレー・コマンも負傷により欠場している。

しかし、ケインは、WWKアリーナでのチャージを受け、足首を「ほぼ破壊された」と語っている。

それでも、9番はインテル戦には万全の状態で出場できる見込みだ。バイエルンは、彼なしではチャンピオンズリーグ最高の守備を崩すチャンスはほとんどないだろう。