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サラー、アンリ…プレミアリーグ史上最高の個人シーズンランキング

モハメド・サラーがまた活躍した。リヴァプールのエジプト代表のキングはエティハド・スタジアムで先制点を決め、さらにドミニク・ソボスライに追加点を挙げさせて、マンチェスター・シティ相手に勝利へと導いた。

今シーズン、サラーがリーグ戦で得点とアシストの両方を記録したのはこれで11回目。欧州5大リーグで1シーズンにこの偉業を達成したのは、バルセロナが3冠を達成した2014-15シーズンに活躍したリオネル・メッシ以来である。

2月もまだ終わりを迎えていないというのに、バロンドール獲得レースをリードしているのがサラーであることは間違いない。全公式戦を通じて38試合に出場し51回も直接得点に絡んでいることがその理由である。

そして、プレミアリーグ史上最高の個人のシーズンに、このウイングの2024-25シーズンが加わるのも時間の問題だろう。

  • Wolverhampton Wanderers v Liverpool FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    12フィルジル・ファン・ダイク(2018-19)

    2018年1月にサウサンプトンからリヴァプールへ移籍したファン・ダイクはサッカー史上最高額のDFとなったが、その成果がまさに示されたのが2018-19シーズンだった。

    ユルゲン・クロップ率いるリヴァプールには優秀なセンターバックがおらず、ファン・ダイクはまさにその役割を担う選手だった。このオランダ代表選手が移籍してきて最初のフルシーズン、リヴァプールはプレミアリーグを制覇できなかったが、ファン・ダイクはプレミアリーグの選手たちによる投票で年間最優秀選手に選ばれるほど、統率力と冷静さを発揮した。

    「この長身の中にどんな選手が隠れているのか、誰もがすぐに気づいたわけではないと思う」と、ファン・ダイクが年間最優秀選手に選ばれた後、クロップは言った。「しかし、今では全世界がそれに気づいている! 最初から、君と一緒に仕事ができることに興奮していた。そして今、君は漢になった!」

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  • Arsenal FC v Manchester City - Premier LeagueGetty Images Sport

    11ケヴィン・デ・ブライネ(2019-20)

    マンチェスター・シティは2019-20シーズンにリーグ優勝を逃したが、それはケヴィン・デ・ブライネの努力が足りなかったからではない。このベルギー代表選手は正真正銘のプレミアリーグのレジェンドであり、イングランドのサッカー史上最高の選手のひとりであり、PFA年間最優秀選手賞を初めて2年連続で受賞した選手となるのに最もふさわしい人物であった。

    デ・ブライネはプレミアリーグで20アシストを記録しただけでなく、13得点を挙げ、世界最高の攻撃的MFであることを証明してみせた。

    「このチームに来てからずっと、彼は常に素晴らしい選手だ」と、マンチェスター・Cのペップ・グアルディオラ監督はシーズン中に語った。「彼の献身は素晴らしい。見事な選手だ」。

  • FBL-ENG-PR-TOTTENHAM-SUNDERLANDAFP

    10ガレス・ベイル(2012-13)

    ガレス・ベイルは2011年にPFA年間最優秀選手賞を受賞したが、2年後の2度目の受賞はさらに印象的だった。このウェールズ代表ウイングはリーグ戦でキャリア最高の21得点を挙げたのである。

    そのうちの多くのシュートは、まさに圧巻というべきものだった。当然ながらレアル・マドリーから注目されるようになり、2013年夏にトッテナムから世界最高記録の金額で移籍した。

    当時スパーズの監督だったアンドレ・ビラス・ボアスが指摘したように、もともと左サイドバックだったベイルは、前線で自由な役割を与えられたことを大いに活用し、シーズンを通して「とてつもない」活躍を見せた。

  • LIVERPOOL V BLACKBURGetty Images Sport

    9アラン・シアラー(1994-95)

    アラン・シアラーが1992年の夏にオールド・トラッフォードに移籍していたら、マンチェスター・ユナイテッドは10年間、プレミアリーグのタイトルを独占していたことだろう。しかし、この元イングランド代表はブラックバーン・ローヴァーズへの移籍を選び、42試合で34得点を挙げ、1995年に同チームを81年ぶりの優勝に導いた。

    元ブラックバーンDFコリン・ヘンドリーは後に、「あのシーズンについて語るには、アラン・シアラーを抜きにしては語れない。彼の得点数は彼のすべてを物語っており、チームにとって彼がどれほど重要だったかを示している。リーグ優勝には各ポジションに優れた選手が必要なのは明らかだが、それと同じくらい得点が必要であり、彼はワールドクラスの選手だった」と、語っている。

  • Eric Cantona Manchester UnitedHulton Archive

    8エリック・カントナ(1992-93)

    1992年11月27日、リーズ・ユナイテッドは、ハワード・ウィルキンソンがチームを1部リーグ優勝に導いてから数カ月後しか経っていないにもかかわらず、エリック・カントナをマンチェスター・ユナイテッドに売却することに合意してセンセーショナルを巻き起こした。これは、イングランドサッカーの歴史の流れを変える移籍だった。

    この元フランス代表がオールド・トラッフォードにやって来る前、マンチェスター・Uはひどい低迷状態にあった。チームには得点力のあるストライカーが必要だったが、彼らが手に入れたのはカリスマだった。「彼にはただただ、オーラと存在感があった」と、ポール・インスは語る。「彼は我々の責任を引き受けてくれた。まるで『私の名はエリック。君たちのためにタイトルを獲得しに来た』と言っているかのようだった」。

    カントナはまさにその通りのことをした。その素晴らしい能力で得点を決めるだけでなく、チャンスを創り出して、マンチェスター・Uを1967年以来のトップリーグ制覇へ導いた。

  • Chelsea's John Terry (C) celebrates scorAFP

    7ジョン・テリー(2004-05)

    ジョン・テリーは人として万人受けするタイプではないかもしれないが、選手としての資質に疑問の余地はない。チェルシー生え抜きのヒーローは、キャプテンであり、リーダーであり、レジェンドだった。

    テリーは20年近くもスタンフォード・ブリッジのトップチームで活躍し、チェルシーがイングランドサッカー界の強豪としての地位を確立する上で欠かせない存在であった。実際、テリーは守備陣を巧みにまとめて38試合でわずか15失点しかせず、チェルシーを50年ぶりのトップリーグ制覇に導いたことで、2004-05シーズンのPFA年間最優秀選手賞に選ばれた。このプレミアリーグ記録は、現在も破られていない。

    「彼は本当に素晴らしい」と、当時チェルシーの監督だったジョゼ・モウリーニョは語った。「私にとって、彼は世界で最も完成されたセンターバックだった」。

  • TOPSHOT-FBL-ENG-PR-MAN CITY-NOTTINGHAM FORESTAFP

    6アーリング・ハーランド(2022-23)

    今になっては笑い話だが、アーリング・ハーランドがマンチェスター・シティに加入した2022年、一部の専門家は、コミュニティシールドでリヴァプール相手に印象の薄いパフォーマンスをした彼のことを、ドイツで活躍したのと同じようにイングランドでも成功を収めるとは信じていなかった。

    しかし、このノルウェー代表は疑問を呈する人々を黙らせるのに時間を無駄にしなかった。ストライカーとしてプレミアリーグのデビュー戦で2得点を挙げ、35試合の出場で36得点を記録して、1シーズンの得点記録を更新したのである。

    「信じられない」と、ペップ・グアルディオラ監督は言った。「彼は唯一無二の存在だ。特別な選手であると同時に、特別な人間でもある。これは信じられないほどの偉業だ」。

  • Roy KeaneGetty Images Sport

    5ロイ・キーン(1999-2000)

    プレミアリーグ史上最も優秀なMFとは言えないかもしれないが、最も恐ろしい選手であることは間違いない。ロイ・キーンはサー・アレックス・ファーガソンにとって完璧なマンチェスター・ユナイテッドのキャプテンであり、厳しい完璧主義者として、クラブの誰もが従わざるを得ない規範を打ち立てた。

    キーンは粘り強さで有名だったが、試合のペースを支配できる素晴らしいサッカー選手でもあり、1999-2000シーズンに絶頂期を迎え、マンチェスター・Uを2年連続のプレミアリーグ優勝に導いたことで、PFAとFWAの両方から年間最優秀選手賞を授与された。

    当時のファーガソン監督は、キーンがその影響力と安定したプレーで個人的に評価されたことを「喜ばしく思う」としながらも、1999年のマンチェスター・Uの三冠達成にキーンが貢献したことをFWAが見落としていたことを指摘せずにはいられなかった。

    「この賞は、昨年の埋め合わせだ。ロイは昨年も年間最優秀選手に選ばれるべきだった」

  • Arsenal v Liverpool - Premier LeagueGetty Images Sport

    4モハメド・サラー(2017-18)

    チェルシーのジョゼ・モウリーニョの下で完全に自信を失ったモハメド・サラーは、セリエAのフィオレンティーナとローマで復活し、2017年7月にアンフィールドにやって来た。

    このエジプト代表選手がプレミアリーグでこれほどまでに活躍するとは、誰も予想していなかった。ユルゲン・クロップが実際にはユリアン・ブラントの獲得をより強く希望していたことを忘れてはならない。

    しかし、イングランドの誰もがそうであったように、クロップもすぐにサラーのプレーに魅了された。サラーは、移籍1年目にして36試合で32得点を決め、プレミアリーグの1シーズンの得点記録を塗り替えたのだ。

    ペレは、誰もが思ったことを代弁して、「なんてシーズンだ! 君のプレーを見ることができて最高だった」と語っている。

  • Liverpool v Newcastle United - Premier LeagueGetty Images Sport

    3ルイス・スアレス(2013-14)

    セルハースト・パークでクリスタル・パレスに3-3で劇的に引き分け、リヴァプールが事実上、2013-14シーズンのタイトル獲得の望みを絶たれた時、ルイス・スアレスは慰めの言葉も見つからないほど落胆していた。その理由は容易に理解できる。このウルグアイ代表選手は特に好感の持てるタイプではないかもしれないが、優勝から遠ざかっているリヴァプールの苦難を終わらせるべく、誰よりも努力していたという事実は誰もが認めるところだろう。

    シーズンを通して、スアレスはまさに止められない存在であり、プレッシングと狭いスペースでもボールをキープできる驚異的な能力で相手DFを恐怖に陥れた。

    プレミアリーグに33試合出場しただけで31得点を挙げ、ゴールデンブーツ賞と欧州ゴールデンシューズ賞を受賞。また、PFAとFWAの年間最優秀選手にも選出された。

    「彼は奇跡的なサッカー選手だ。惜しげもなく才能を発揮して、チームメイトのために献身的にアシストすることと、得点を生み出すことの両方ができるなんて」と、後にスティーヴン・ジェラードは、自身がこれまで一緒にプレーした中で最高の選手と考えているスアレスへの賛辞を書き記している。

  • TOPSHOT-FBL-EUR-C1-MANUTD-AALBORGAFP

    2クリスティアーノ・ロナウド(2007-08)

    2006-07シーズン、クリスティアーノ・ロナウドはプレミアリーグで最高の選手であることを証明した。その翌年、このマンチェスター・ユナイテッドの攻撃的選手は世界最高の選手であることを証明した。

    このポルトガル代表は、素晴らしいテクニックと華麗なボールさばきを誇る、痩せた10代の少年としてオールド・トラッフォードにやって来たが、2008年までに、強烈で効果的な見事な肉体を作りあげた。

    C・ロナウドはプレミアリーグに34試合出場しただけで31得点を挙げ、ゴールデンブーツ賞だけでなく欧州ゴールデンシューズ賞も受賞し、この年初めてバロンドールを受賞したのも当然だった。

    「クリスティアーノが今年成し遂げたことを考えれば、本当に受賞に値する」と、マンチェスター・Uの元監督、サー・アレックス・ファーガソンは言った。「ウイングのポジションから(全公式戦で)42得点を挙げたのは驚異的だ」。

  • Thierry Henry of Arsenal celebrates Getty Images Sport

    1ティエリ・アンリ(2002-03)

    パベル・ネドベドは、2003年、ティエリ・アンリに先んじてバロンドールを受賞したことに、他の人々と同様に驚いていた。「私にとって、ティエリは現在の世界最高のFWだ」と、当時、この元チェコ代表は語ったが、それは間違いではなかった。

    アンリがいたアーセナルは、2002-03シーズンのチャンピオンズリーグで決勝トーナメントに進むことすらできず、ヨーロッパでは失敗に終わったかもしれないが、プレミアリーグでは、このフランス代表は誰にも止められない存在となり、1シーズンで20得点以上を記録しながら、20得点以上をアシストした初めての選手(現在でも唯一の選手)となった。

    当時アーセナルの監督だったアーセン・ヴェンゲルは、「彼のアシスト記録は、歴史上の偉大なストライカーの誰とも比較できないほどの記録だ」と称賛した。