GoalGoal
2020年版『Goal 50』:世界最高選手ランキング
Goal25. パウロ・ディバラ @man
2019年の夏、パウロ・ディバラがユヴェントスを去ることはほぼ決定的とされていた。
しかし彼はセンセーショナルなパフォーマンスを継続して、クラブの9季連続となるスクデット獲得に貢献してトリノでの存在感を強めており、イタリア王者は彼と新たな契約を結ぶ公算が大きい。
昨季公式戦で17ゴールを挙げたディバラは、セリエAのシーズンMVPにも選出された。また、惜しくもチャンピオンズリーグでリヨンに敗れたユーヴェだったが、これは、怪我により彼のセカンドレグ出場時間が制限されたことが一因とみて間違いないだろう。
Goal25. クリスティアーナ・ギレージ @woman
昨年夏のワールドカップで、イタリア代表としてハットトリックを達成して有名になったクリスティアーナ・ギレージは、2019-20シーズンも引き続きストライカーとして活躍し、評価を高めた。
セリエAの16試合に出場し、16得点を挙げた30歳は、ユヴェントスに再びリーグ優勝をもたらし、彼女自身も得点ランキングのトップを飾った。
ギレージは、イタリアのスーパーカップで先制点を決め、ユーヴェは2対0でフィオレンティーナを下した。代表でも一年を通して好調を維持し、イタリア代表としてプレーした7試合のうち、ネットを揺らさなかったのは1試合だけである。
Goal24. ジェイドン・サンチョ @man
ボルシア・ドルトムントとポルトガルのスター選手、ラファエル・ゲレイロはジェイドン・サンチョの能力について、「クリスティアーノ・ロナウドと同等であり、いずれ追い越す可能性もある」と語っていた。
なぜサンチョはそんなにも高い評価を受けているのか、という問いに対する答えは簡単だ。
弱冠20歳にしてこのウインガーはイングランド代表で定位置を得ているだけでなく、2017年にマンチェスター・シティからドルトムントに加入してからは、ブンデスリーガで大暴れしているのだ。
昨シーズンだけで20ゴール、さらに19のゴールを演出したサンチョは、世界で最も有望な若手フットボーラーとしての自らの地位を確立してみせた。
Goal24. アシサト・オショアラ @woman
アシサト・オショアラは、ボールのないところでの動きや適切なタイミングで的確な場所にいる才能をもつ申し分のない選手である。
とくにエキサイティングなのは、26歳のオショアラはもっとフィニッシュの精度を上げ、さらに多くの得点を挙げることができることである。
「彼女のスピードとパワーは、国中の選手を探してもなかなか見つからないものだ」と、バルセロナのリュイス・コルテス監督は、クラブがナイジェリア代表のオショアラを完全移籍で獲得した後、語っている。
19試合で20得点を記録したオショアラは、この契約が思っていた以上に正しかったことを証明し、バルサは2015年以来の優勝を果たした。
Goal23. ジョーダン・ヘンダーソン @man
ユルゲン・クロップは去る1月に、「もしジョーダン・ヘンダーソンのクオリティに疑問を持つ人がいるとすれば、そいつは救いようがないね」と語っていた。幸いリヴァプールの主将は、今となっては世界的にその価値を認められる存在となった。
レッズは昨年12月にクラブ史上初めて、クラブ・ワールドカップのタイトルを手にしており、その際ジョルジェ・ジェズスはヘンダーソンについて、「彼のポジションでは世界一のプレーヤー」と称賛していた。
その後、彼は歴史的な強さでタイトルを勝ち取ったリヴァプールへの多大なる貢献が認められ、FWA年間最優秀選手賞を手にした。
いつも慎ましい態度でチームメイトを立てるヘンダーソンだが、今や彼のプレーヤーとして、そしてリーダーとしてのクオリティを疑う者はどこにも見当たらないだろう。
Goal23. マリー=アントワネット・カトト @woman
昨年の夏、コリンヌ・ディアクル監督がフランス代表にマリー=アントワネット・カトトを招集しなかったことは驚きであった。PSGのスターはフランス国内の20試合で22得点を挙げていたのだから。
昨シーズンもカトトは同じ試合数で16得点をマークして得点王となり、フロックではないことを証明した。
22歳のカトトは試合で最もエキサイティングな若手フォワードのひとりであることを見せつけており、チャンピオンズリーグ準々決勝のアーセナル戦での素晴らしいゴールも、彼女のプロフィールに書き加えられた。
2019-20シーズン、PSGは再びリヨンに敗れてタイトルを逃したが、カトト個人としてはこの年も輝かしいシーズンであった。
Goal22. ブルーノ・フェルナンデス @man
マンチェスター・ユナイテッドのミッドフィルダー、ネマニャ・マティッチは、ブルーノ・フェルナンデスがここまでの早さでプレミアリーグに適応するとは思いもしなかったと率直に語った。
スポルティングから5500万ユーロでオールド・トラッフォードへと招かれたこのポルトガル代表には、新戦力の攻撃的ミッドフィルダーとして大きなプレッシャーがのしかかっていたに違いない。しかし、実際には彼のプレーからそんなことは微塵も感じられなかった。
フェルナンデスはすぐにユナイテッドでインパクトを残し、オーレ・グンナー・スールシャール率いるチームのレベルを引き上げた。2019-20シーズンのプレミアリーグ14試合に出場して8ゴール7アシストを挙げた彼の活躍もあり、ユナイテッドはチャンピオンズリーグ出場圏内でシーズンを終えることができたのだ。
Goal22. ジェニファー・エルモソ @woman
2018-19シーズンにアトレティコ・マドリーでリーグ戦28試合に出場し、24得点を挙げてタイトルを獲得した後、ジェニファー・エルモソが翌シーズンそれ以上の活躍をするには何か特別なことがなければならないと思われた。
だがエルモソは特別だった。
夏にバルセロナへ移籍すると、今度はわずか19試合で23得点をマーク。2年連続でリーグの得点王となり、バルサの5年ぶりのタイトル獲得に貢献したのである。
5年間で4度ゴールデンブーツを受賞。30歳のエルモソを上回る生まれながらのストライカーは、スペインには存在しない。
Goal21. マヌエル・ノイアー @man
ゴールキーパーの役割を再定義することに一役買ったマヌエル・ノイアーだが、ここ数年の彼のプレーに関しては、そのクオリティを疑問視する声も多い。
彼のドイツ1のシュートストッパーとしての地位は、このところマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンや、1月にバイエルン・ミュンヘンに加入して背番号1の座を狙っているアレクサンダー・ニューベルによって脅かされている。
とはいえ彼がクラブの3冠のために果たした役割は大きく、チャンピオンズリーグ決勝で彼の存在感を目の当たりにしたパリ・サンジェルマンの監督トーマス・トゥヘルは、この34歳について「新たなレベルに達したゴールキーパー」だとして賛辞を送っている。
Goal21. ウジェニー・ル・ソメ @woman
ウジェニー・ル・ソメはケガ続きで今年は思うような活躍ができなかったが、いくつかの場面でワールドクラスの才能を発揮したことは間違いない。
開幕から9試合しか出ていなかったにもかかわらず、フォワードとしてリーグ戦で5得点2アシストを決めたのである。
チャンピオンズリーグでもわずか6試合の出場ながら5得点2アシストの活躍で、リヨンがヴォルフスブルクを3対1で破った決勝でも得点を挙げている。
加えて4つのトロフィーを獲得しており、ベストイヤーでなかったとしても、ル・ソメにとって上々の年となった。
Goal20. アルフォンソ・デイヴィス @man
チャンピオンズリーグ準々決勝でバルセロナを圧倒したバイエルン・ミュンヘンだったが、その試合でアルフォンソ・デイヴィスの衝撃的なプレーからのアシストを受けたヨシュア・キミッヒは、「なんだか小恥ずかしい」と語っていた。
実のところあのゴールは、ほとんどデイヴィスのものだと言っていいだろう。絶妙なフットワークと圧倒的なスピードでネルソン・セメドを完全に手玉に取ったこのカナダ人は、そのクオリティを見せつけて、ソーシャルメディアを賑わせた。
ウイングからサイドバックへとポジションを変えた彼が、相手に恥をかかせるのはこれが最後ではないだろう。デイヴィスはまだ20歳という若さながら、世界が待ちに待ったロベルト・カルロス以来の超攻撃的左サイドバックへの道を順調に歩み進んでいる。
Goal20. アビー・ダールケンパー @woman
アビー・ダールケンパーほど試合中頼りになるセンターバックは多くない。
27歳のダールケンパーはリーグ戦でノース・カロライナ・カレッジの守備の一翼を担い、2019年末、NWSLチャンピオンシップのタイトルを獲得した。チャンピオンシップ決勝でサム・カーを黙らせ、チームを4対0の勝利に導いたのである。
カレッジが2連覇を果たしたこの勝利の後、新型コロナウイルスの感染拡大でクラブとしても代表としてもプレーする機会が奪われた。しかし、DFダールケンパーは、アメリカ合衆国代表のジル・エリス元監督により「後方から試合を作れる生まれながらの司令塔」と評され、ピッチに足を踏み入れさえすれば、素晴らしいプレーを見せつづけている。
Goal19. チロ・インモービレ @man
昨季クリスティアーノ・ロナウドは、セリエA記録に並ぶ11試合連続ゴールを記録して合計31得点を挙げたが、リーグのトップスコアラーとしてシーズンを終えることができなかった。
なぜか。それはもちろん、チロ・インモービレが彼よりも素晴らしい数字を残したからだ。このラツィオのストライカーはゴールを量産し、1シーズンで「36」ものゴールを挙げたセリエA史上2人目の男となった。
大車輪の活躍をみせたこのイタリア代表だったが、昨季のビアンコセレスティ(ラツィオの愛称)にスクデットというサプライズをもたらすには至らなかった。しかし、少なくとも個人としては記録的な結果を残しており、ヨーロッパ・ゴールデンシュー(欧州得点王)も獲得している。
Goal19. エワ・パジョー @woman
昨シーズンのブンデスリーガで得点とアシスト両方で2桁を達成した選手は2人しかいない。そのひとりがエワ・パジョーである。
23歳のパジョーは試合中、敵サイドを駆けまわり、昨年のリーグ戦では2しかなかったアシスト数を10に伸ばし、さらに16得点を挙げた。それも、たった17試合でだ。
彼女の活躍のおかげでヴォルフスブルクは再びリーグタイトルを獲得したが、このポーランド代表選手はバイエルン・ミュンヘンとの大事な一戦でも2得点を挙げ、もうひとつのタイトル獲得につなげている。
現在の地球上で彼女以上にエキサイティングな若手選手はまずいないだろう。
Goal18. モハメド・サラー @man
昨季モハメド・サラーの得点率が低下していったことを指摘する者もいるが、7月にはプレミアリーグ史上2番目の早さでゴール関与プレー数「100」を達成した。
今となってはこのエジプト人のチームへの貢献は当然のもののように感じられるが、リヴァプールのチームメイトはそのありがたみを忘れてはいない。
「モーに批判的な人もいるかもしれないが、彼のパフォーマンスとゴールの数々をみれば分かるだろう」。キャプテンであるジョーダン・ヘンダーソンは、『リヴァプール・エコー』にそう語った。「彼は最高だよ」
実際サラーは昨シーズンだけで19ゴール10アシストを挙げ、圧倒的な強さを誇ったリヴァプールのプレミアリーグ初制覇に大きく貢献している。
Goal18. アメル・マイリ @woman
27歳でチャンピオンズリーグを7回も優勝した選手は何人いるだろうか? 答えはひとり、アメル・マイリだけである。
リヨンのスターであるマイリは今年もその中心選手であり、さまざまな場面で大活躍している。リーグ戦、フランスカップ、チャンピオンズリーグ、開幕を告げるフランスのスーパーカップを制している。
マイリは一年を通しての活躍も素晴らしく、リーグ戦14試合で5得点6アシスト、他の公式戦でさらに7得点を挙げている。
左サイドでプレーするサキナ・キャシャウィの加入により、マイリは今後もリヨンで長期にピッチに立ちつづけることになりそうだが、これはライバルたちにとっては恐ろしいニュースである。
Goal17. アーリング・ハーランド @man
本当に怪物だった!アーリング・ハーランドはポール・スコールズに「本物」と言わしめた男だ。
この夏に20歳になったばかりの彼は、チャンピオンズリーグデビューの年にも関わらず、レッドブル・ザルツブルクとボルシア・ドルトムントで合計10得点を挙げ、一躍次世代のスーパースター候補に名乗りを上げた。
フットボールファンたちは長らく、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドが一線を退いた後の穴を埋めてくれる存在を探し続けている。2019-20シーズンで40試合に出場し、44度ネットを揺らしたハーランドがその筆頭であることは間違いないだろう。
Goal17. チ・ソヨン @woman
チ・ソヨンのプレーレベルは常に高い。過小評価されがちだが、2014年に参戦して以来、女子スーパーリーグで活躍している。
韓国代表のこの選手はテクニックに優れ、スペクタクルなプレーを見せる。とりわけトリッキーなパスが彼女の得意技だ。ゴールへの嗅覚も鋭く、リーグ戦13試合で6得点を挙げ、3度目のWSL優勝を果たした。
試合でのプレーを見るのが楽しみな選手のひとりであり、今やイングランドのすべてのタイトルを総なめにしていて、今年はコンチネンタル・カップ初制覇も達成している。
Goal16. セルジュ・ニャブリ @man
セルジュ・ニャブリがウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンでプレーしていた頃、指揮を執っていたトニー・ピューリスが彼について「試合に出られるレベルに達していない」と評してから、まだ5年も経っていない。
しかしこのドイツ代表アタッカーは、3冠を達成した昨季のバイエルン・ミュンヘンにおいて46試合出場23ゴールを挙げており、オランダのレジェンドを彷彿させるそのプレースタイルから、「アリエン・ロッベンの後継者」と呼ばれるまでに成長を遂げた。
かつてアーセナルでもプレー経験のあるニャブリは、特にチャンピオンズリーグで決定的な仕事をやってのけた。同大会で彼が挙げた9ゴールのうち5ゴールはノックアウトステージでのものであり、そこには準決勝でリヨンに引導を渡した2得点も含まれている。
Goal16. アレクシア・プテージャス @woman
アレクシア・プテージャスはスペインサッカーの夢を体現するミッドフィルダーであり、とりわけバルセロナでプレーすることを望んでいた。
26歳のプテージャスはテクニックに優れ、きめ細かいプレーができる選手だが、クリエイティブで決断力もある。ボール扱いにも長けており、クラブでも代表でも精神的支柱となっている。
2020年に5年ぶりのリーグ優勝を果たしたバルセロナの中心選手であるプテージャスは、20試合で10得点を記録。得点感覚に優れていることを示し続けており、チャンピオンズリーグでも3得点を挙げてバルサを準決勝に導いた。
Goal15. ロメル・ルカク @man
ロメル・ルカクが『FIFA21』における自らのレートの低さに落胆したのも無理はない。
マンチェスター・ユナイテッドではプロ意識や体重の問題でそのクオリティが疑問視された彼だったが、2020年のシーズンでこのベルギー人は、自らが本物であることを再び証明してみせたのだ。
昨夏にインテルに加入すると、ルカクは公式戦で34ゴールを挙げ、ネラッズーリ(インテルの愛称)史上初めて、ロナウドが保持するデビューシーズンでのゴール記録に並んだ選手となった。
ヨーロッパリーグ決勝では涙を飲んだこの27歳だったが、大会記録となる10試合連続ゴールを挙げたルカクなしでは、インテルはそこまでたどり着くこともできなかっただろう。
Goal15. ベス・イングランド @woman
昨シーズンの女子スーパーリーグで、ベス・イングランドほどファンを高揚させた選手はほとんどいない。
リーグに順応するのに2、3年ほど苦しんだものの、26歳のベス・イングランドは華々しい活躍をするようになった。チェルシーがトッテナムを1対0で下したスタンフォード・ブリッジでの試合では、30ヤード(約27メートル)のシュートをゴール上隅に決めている。
その後、彼女はどんなゴールでも決められる才能を示しつづけている。マンチェスター・シティでタイトルをかけて戦い、3対3の引き分けとなった試合でも大見出しとなるような活躍を披露。コンチネンタル・カップの決勝では闘志あふれるプレーでチェルシーに栄冠をもたらした。
彼女にはビッグネームの選手として認識される権利が間違いなくある。
Goal14. トレント・アレクサンダー=アーノルド @man
トレント・アレクサンダー=アーノルドが、まだ22歳であるという事実には驚かされる。つまりこのリヴァプールのエースは、今なお成長の真っ只中にいるということだ。
彼は右サイドバックを主戦場としながらウインガーとしてのスキルも持ち合わせており、昨シーズンでは中盤からのパスを武器に13のゴールをお膳立て。自身が持つディフェンダーとしてのプレミアリーグアシスト記録を更新して、クラブの独走でのタイトル獲得に貢献した。
アレクサンダー=アーノルドの勢いはとどまるところを知らず、かつてレッズでセンターバックを務めたジェイミー・キャラガーは彼について、「欧州一のクラブでプレーする、最もクリエイティブな選手だ!」と評している。
Goal14. グロ・レイテン @woman
昨年の夏チェルシーに加入したときのグロ・レイテンは必ずしも有名な選手ではなかったが、エマ・ヘイズ監督は「世界で最も才能ある、クリエイティブな選手」と契約したと語った。
女子スーパーリーグが開幕すると、その理由が明らかになった。チェルシーはWSL優勝を果たし、レイテンはリーグのナンバーワン選手であると証明された。15試合でリーグ最多の8アシスト、5得点を記録したのである。
スピードのあるノルウェー代表のレイテンは、ブルーズの初のコンチネンタル・カップ制覇にも貢献し、パスの出どころの読みや足技に優れ、スペクタクルなシーンを生みだして、ヘイズ監督率いるチームのキープレイヤーとなっている。
Goal13. セルヒオ・ラモス @man
セルヒオ・ラモスは素晴らしいプレーヤーだが、称賛できない点があることも確かだ。要するに彼は、ユース時代に実兄の鼻の骨を折ってしまったという逸話があるほど荒い気性の持ち主なのだ。
実際にラフプレーによる批判を受けることも多いラモスだが、そのプレーはインスピレーションに満ちている。
昨シーズンは再び彼を出場停止で欠いたことで、レアル・マドリーは2季連続となるチャンピオンズリーグ・ラウンド16での敗退を喫した。そしてラ・リーガではロックダウン明けの10試合で、センターバックながら6ゴールを記録し、ジネディーヌ・ジダン率いるチームをリーガ制覇へと導いている。
Goal13. ジュリー・エルツ @woman
女子サッカーの世界ナンバーワンはアメリカ代表であり、ジュリー・エルツはその中で最も重要な選手である。
エルツは代表でアンカーを務め、ディフェンス面でワールドカップ2連覇を支えた選手であるが、攻撃の起点としての役割も果たしている。
クラブでは、28歳のエルツはセンターバックでプレーすることが多いが、チームにとって重要な選手であることに変わりはない。
強く、ボール扱いのうまいディフェンダーとして、ゲームを完璧に読むこの選手は、昨年末にシカゴ・レッド・スターズをNWSLチャンピオンシップ決勝に導いた。さらに、今年の夏にはチャレンジカップのベストイレブンに選ばれている。
Goal12. チアゴ・アルカンタラ @man
ウェイン・ルーニーは、チアゴ・アルカンタラのプレミアリーグへの移籍を切望していた。しかし、かつてマンチェスター・ユナイテッドやエヴァートンでプレーした彼は、バイエルン・ミュンヘンのエースが王者リヴァプールに加入する見込みであるという事実に恐怖を覚えたという。
それもそのはず、チアゴは3冠を果たしたバイエルンの中でも、勤勉さと創造性を持ち合わせた稀少な才能の持ち主だったからだ。
そんな彼のプレーは見る者を魅了するが、相手としてはたまったものではない。チャンピオンズリーグで大敗を喫したチェルシーのメイソン・マウントはチアゴについて、「足元にも及ばなかったよ!」と語っていた。
Goal12. グリージ・ムボク・バティ @woman
グリージ・ムボク・バティは、リヨンやフランス代表におけるワンディ・ルナールとのコンビで、その素晴らしい才能を発揮している。
冷静なポゼッション、球際の強さ、見事なテクニック、空中戦の強さを見せる25歳のバティは、すでに5回のチャンピオンズリーグ優勝を果たしている。もう何年も前から世界のトップ中のトップにいるのだ。
6月に前十字靭帯を損傷し、リヨンのチャンピオンズリーグ制覇やフランスカップ優勝の瞬間には立ち会えなかったが、ムボク・バティの重要性を疑うべきではない。
Goal11. ヨシュア・キミッヒ @man
ヨシュア・キミッヒに不可能はないのか?
ドイツ代表でも活躍する彼は、昨シーズン3冠を果たしたバイエルン・ミュンヘンで守備的ミッドフィルダーとしてプレーしただけでなく、時には右サイドバック、時にはセンターバックもこなしていたのだ。
それだけではない。彼は7ゴール15アシストでバーアリアンズの勝利に貢献しており、2019-20シーズンのチャンピオンズリーグでは誰よりも多くチャンスを演出し続けた。
とはいえ、こうした活躍はまったく不思議なことではない。ジョゼ・モウリーニョは彼について『DAZN』に次のように語っていた。
「おそらくキミッヒは最高の右サイドバックであり、左サイドバックであり、センターバックであり、No.6、No.8、No.10…つまり彼は何でもこなせるプレーヤーなんだよ!」
Goal11. サム・カー @woman
サム・カーがチェルシーに移籍したことで唯一、気をやきもきさせられたことは、彼女の敵を圧倒するディフェンスが見られるようになるまで2カ月待たなければならないことだった。
シカゴ・レッド・スターズをナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグ(NWSL)チャンピオンシップの決勝に導き、合衆国で3年連続ゴールデンブーツを獲得した後、カーはNWSLとWリーグを際限なく行ったり来たりするサイクルを脱し、イングランドの女子スーパーリーグに移籍した。
27歳のカーはイングランドで、これまで以上にチームメイトと息を合わせ、それまでとは違う役割を果たしている。敵を恐怖に陥れるゴールゲッターであることは間違いないが、スペースを作りだし、チームメイトのためにチャンスを生みだす彼女の動きはもっと正当に評価されるべきである。
Goal10. サディオ・マネ @man
30年ぶりにトップリーグ優勝を果たしたリヴァプール。プレミアリーグは、そんなレッズ(リヴァプールの愛称)の記録的なシーズンの中でも特に重要だったとされる5つの勝利をピックアップしている。
サディオ・マネはそのうち4試合(アウェーでのレスター戦、アストン・ヴィラ戦、クリスタル・パレス戦、ホームでのマンチェスター・シティ戦)でネットを揺らしており、残りの1試合(ホームでのレスター戦)ではアシストを記録した。こうした活躍により彼は、決定的な仕事ができるフォワードとしての自らの地位を揺るぎないものとした。
実際のところこのセネガル人は、その勤勉さと切れ味鋭いプレーによってのみアンフィールドで愛されているわけではない。チームメイトのファビーニョいわく彼は「完璧なプレーヤー」であり、万人に受け入れられている。それは28歳の彼が、2019-20シーズンのイングランドサッカー選手協会(PFA)のファン年間最優秀選手賞を受賞している事実からも分かることだろう。
Goal10. クリスタル・ダン @woman
FIFA 21で女子サッカーのトップ選手たちが発表されたとき、クリスタル・ダンの名前がないことに疑問が呈された。
ミーガン・ラピノーは、彼女自身も上位にランクインしなかったが、『Twitter』にアメリカ代表でチームメートのダンが世界一の左サイドバックだと認めない人とは頑固として戦うと発言した。
信じられないことに、それもダンのベストポジションではないのだ。生まれながらにクリエイティブで進歩的な28歳のダンは、観客を陶酔させ、2019年のノース・カロライナ・カレッジのNWSLチャンピオンシップ制覇に貢献した。
ひとつのポジションにとどまらずワールドクラスの実力を発揮する選手は多くないが、ダンは間違いなくそのひとりである。
Goal9. トーマス・ミュラー @man
ワールドカップでの無残な敗退の後、ヨアヒム・レーヴは実際のところトーマス・ミュラーは2年以上も前にピークを超えていたと結論づけ、この攻撃的ミッドフィルダーに見切りをつけた。
しかしバイエルン・ミュンヘンにとって幸運だったのは、かつてレーヴの右腕として活躍したハンジ・フリックが違う考えを持っていたということだ。昨年ニコ・コバチの後を継いでバーアリアンズ(バイエルン・ミュンヘンの愛称)の監督に就任した彼は、ポジショニングが絶妙なミュラーをスタメン起用することが重要であると考えていたのだ。
しっかりと期待に応えたミュラーは12ゴール、そして大量25アシストを積み重ねた。クラブは史上2度目となる3冠を果たし、自身の輝かしいキャリアにも花を添えた。ユップ・ハインケスは彼について、「ドイツフットボール史上最も偉大なプレーヤーだ」と手放しで称賛している。
Goal9. デビーニャ @woman
ビッグな選手がいてこそビッグゲームが引き立つ。これこそまさにデビーニャを表す言葉だ。
10月、ノース・カロライナ・カレッジはNWSLチャンピオンシップで2度目の優勝を果たした。29歳のデビーニャはシカゴ・レッド・スターズ相手に先制点を奪取。決勝のMVPに選ばれた。
それ以降、NWSLは新型コロナウイルス感染拡大のために試合の中止を余儀なくされたが、デビーニャは再開後のどの試合でも活躍し、この夏のチャレンジカップのベストイレブンに選ばれた。
ブラジル人らしい鋭い嗅覚と、派手なゴールを決める才能を併せ持つデビーニャは、現在、アメリカ合衆国でナンバーワンの選手である。これも並々ならぬ称号だ。
Goal8. カリム・ベンゼマ @man
ジョゼ・モウリーニョがレアル・マドリーの指揮を執っていた頃、カリム・ベンゼマは過小評価されていた。モウリーニョは「犬」と共に狩りへと出かけたかったが、マドリーにはカリム・ベンゼマという「猫」しかいないと思われていたのだ。
しかし昨シーズン、スペイン紙『アス』の一面には「猫はライオンだった!」との見出しが踊った。
夏にはエデン・アザールやルカ・ヨヴィッチといったスター選手がマドリーに加入したが、これといったインパクトを残すことはなく、結局のところ攻撃をけん引したのはベンゼマだった。彼は素晴らしいパフォーマンスを維持し続けて、ラ・リーガでは21ゴールを挙げ、ジネディーヌ・ジダン率いるチームにリーグタイトルをもたらしたのだ。
10年以上にわたって献身的なプレーを続けてきたベンゼマは、遅ればせながらマドリーの主役となった。努力が報われた彼は今年、『Goal50』で史上最高位にランクインしている。
Goal8. アマンディーヌ・アンリ @woman
アマンディーヌ・アンリがケガでチャンピオンズリーグ決勝に出られなかったことは大いに残念なことであり、新型コロナウイルスの感染拡大で女子サッカーの試合のほとんどが中止されたため、ファンは、もう一度最高の舞台で最も完璧なミッドフィルダーを見るチャンスを奪われてしまった。
31歳のアンリの、自陣ゴール前から相手ゴール前までカバーする能力は完全にワールドクラスである。攻撃にまい進するときも、そう多くはないとはいえチームが下がらざるをえないときも、大いなる存在感を発揮する。
フランスの巨人たるリヨンは今シーズン4冠を達成し、数字には表れないものであったとしても、アンリのチームへの影響力が今後のシーズンでも表面化されるのは間違いないだろう。
Goal7. フィルジル・ファン・ダイク @man
フィルジル・ファン・ダイクは、リヴァプールにとってどれほど重要な選手なのだろうか?
それを少ない言葉で説明するのは難しいが、昨季プレミアリーグ優勝を果たした彼らの戦いをみてきた人であれば、その答えが分かるだろう。
このオランダ人ディフェンダーの厚い壁がなければ、昨シーズンのレッズ(リヴァプールの愛称)の記録的な強さは実現不可能だったに違いない。
チャンピオンズリーグでベスト8に進めなかったことが、ファン・ダイクの『Goal50』連続受賞を妨げる一因になったことは確かだが、それ以外は文句のつけようがなく、今年もディフェンダーとしては最も高い位置にランクインした。
Goal7. 熊谷紗希 @woman
熊谷紗希はチームメイトからの信頼が厚い選手のひとりだが、スターぞろいのリヨンにおいて過小評価されがちな選手である。
今年30歳となった熊谷は、リヨンがヴォルフスブルクを3対1で破ったチャンピオンズリーグ決勝で2得点目を決めてチームを活気づけ、注目に値する活躍を披露。5度目の優勝を果たした。
しかしながら、ゴールだけが熊谷の特長ではない。守備的ミッドフィルダーでありながらセンターバックとしても変わらぬクオリティでプレーが可能。的確なパスを出し、華麗なタックルを見せる。
攻撃能力の高い選手の多いチームにおいて、過去5年間ヨーロッパに君臨するリヨンの中心選手であることを改めて高く評価したい。
Goal6. キリアン・ムバッペ @man
「痛みは感じなかったよ」。パリ・サンジェルマンのキリアン・ムバッペは、チャンピオンズリーグ準々決勝アタランタ戦の後にそのように語った。
足首の負傷によりリスボンでのプレーが危ぶまれていたこのフランス代表フォワードだったが、不屈の精神と驚くべき回復力で出場を果たし、チームをドラマチックな勝利へと導いた。
無論ムバッペは、その他の舞台でもその価値を証明している。昨シーズン27試合25ゴールを挙げて、パリ・サンジェルマンの国内4冠に大きく貢献した彼は、リーグ・アンだけでも18ゴールを記録して得点王に輝いた。
Goal6. キャロライン・グラハム・ハンセン @woman
キャロライン・グラハム・ハンセンは何シーズンにもわたって印象的な選手である。アシスト製造機であり、昨シーズンのチャンピオンズリーグではランキングトップであった。得点シーンも印象的で、バルセロナで32試合に出場し、18得点を記録。バルセロナはリーグ優勝のほか、スペインのスーパーカップも制し、チャンピオンズリーグではベスト4に残った。
25歳のハンセンはパスの出どころを読み、ディフェンスをかいくぐって走り、見事なスキルを見せて観客を魅了するが、何よりも印象的なのは、常に成長しようとする強い意志だ。
スペインからドイツに移籍したノルウェー代表のハンセンは、まったく違う次元を自身のサッカーに加えようとしている。これからまた素晴らしい12カ月を見せてくれるのは間違いないだろう。
Goal5. クリスティアーノ・ロナウド @man
マウリツィオ・サッリはセリエAを制した後、ユヴェントスの選手たちに対してジョーク混じりに語った。「私にタイトルをもたらしてくれるなんて、君たちは間違いなく素晴らしいプレーヤーだよ!」
無論クリスティアーノ・ロナウドのクオリティは疑いようがなく、彼は昨シーズンに素晴らしいペースでゴールを挙げ続けた。
35歳の彼は、セリエA記録に並ぶ11試合連続ゴールまでも達成してみせたのだ。
もちろんユーヴェは完璧なシーズンを送ったわけではなく、チャンピオンズリーグ・ラウンド16でリヨンに敗れた後にサッリは解任の憂き目に遭った。
しかしロナウドは、惜しくもアウェーゴールの差で敗退となったそのラウンドで、ビアンコネッリ(ユヴェントスの愛称)をベスト8に導くためのゴールを挙げており、2年前に舞台をイタリアに移して以来、大事な場面でしっかりと結果を残してきたのだ。
何かと変化の多い時代の中で、ロナウドがゴールを決め続けるという事実は数少ない「変わらないもの」なのかもしれない。
Goal5.ワンディ・ルナール @woman
ワンディ・ルナールがサッカーシューズを脱ぐと決めたとき、リヨンでの彼女のレガシーはとてつもないものになっているだろう。今後、彼女をしのぐ選手は出てこないかもしれない。
30歳のルナールのメンタリティは、チャンピオンズリーグ決勝を前に完璧に仕上がっていた。7度目のヨーロッパチャンピオンとなるチャンスが目の前にあるというプレッシャーに向かった彼女は、こう言った。「わたしは、ただ勝ちたいだけ。わたしの頭の中にあるのは勝利の2文字のみ」
リヨンが準決勝で難敵のPSGを下したとき、ルナールは圧倒的な存在感でチームを牽引し、この試合唯一のゴールをたたき出した。ルナールは、1シーズンに4冠達成という記録的な勝利をチームにもたらしたのである。
バックラインでは物静かな存在で、ゲームの流れを完璧に読むディフェンダーであるが、空中戦に強く、昨シーズンの全公式戦で12得点を挙げている。ルナールはすべてに秀でており、右に並ぶものはない。
Goal4. ネイマール @man
過激な批判を受けることも多いネイマールだが、このブラジル人が、パリ・サンジェルマン史上初となるチャンピオンズリーグ決勝進出の立役者であったことは疑いようがない。
怪我によりリーグ・アンでの出場は15試合に限られたが(それでもなお、13ゴールを挙げている)、チャンピオンズリーグのノックアウトステージでは最高の状態でのプレーを見せてくれた。
ベスト16のボルシア・ドルトムント戦では両レグでネットを揺らし、パリ・サンジェルマンは逆転で駒を進めた。リスボンでは彼が素晴らしいテクニックを披露してアタランタとRBライプツィヒを下し、トーマス・トゥヘル率いるチームをバイエルン・ミュンヘンの待つ決勝へと導いたのだ。
あと一歩のところで栄冠を逃したパリ・サンジェルマンだったが、2020年はネイマールにとって、彼が世界で最も洗練されたプレーヤーの1人であるという評価を取り戻す年となった。
Goal4. ジェニファー・マロジャン @woman
ジェニファー・マロジャンよりもテクニックに優れた女子サッカー選手は地球上に存在しないだろう。つまりリヨンの司令塔にできないことはないのだ。ボール扱いがうまく、フリーキックは完璧、拍手喝采が鳴りやまないゴールを決め、ファーストタッチは絶妙だ。
マロジャンはまたしても今シーズン、リヨンという白星製造機の心臓部であった。リーグ戦、カップ戦、チャンピオンズリーグ、フランス・スーパーカップに勝利して、4冠を達成したのである。
28歳のマロジャンは、リーグで唯一、2桁ゴールとアシストを挙げた選手であり、自身は10得点、チームメイトには12得点を提供した。アシスト数はリーグ最多である。
昨年の夏はワールドカップでドイツに惨敗したが、足の指のケガで全力を出しきれなかったためであり、世界で最もエンターテイメント性に優れた選手のひとりであるマロジャンは、必ずリベンジを果たすに違いない。
Goal3. リオネル・メッシ @man
この1年がリオネル・メッシにとって最悪の1年だったことを、彼は『Goal』への独占インタビューで語ってくれた。彼とその一家は、バルセロナの前会長ジョゼップ・マリア・バルトメウとの関係に相当苦しめられていたようだ。
バルセロナの経営体制に長く不満を持っていたメッシだが、それでも昨季、彼は試合になると毎週のように別格のプレーを見せてくれた。
実際のところキャプテンであるメッシがいなければ、バルサはおそらくラ・リーガのタイトルに近づくことも、チャンピオンズリーグでベスト8に残ることもできなかっただろう。
昨シーズン欧州5大リーグのすべての大会において、彼のアシスト数(25)を超える者はいなかったし、ゴールの数も31にまで達した。
ラ・リーガだけで25ゴールを挙げた彼は、これにより4年連続、そして史上初となる7度目のピチーチ賞(ラ・リーガ得点王)受賞を果たした。
カンプノウでの混乱が収まれば、今シーズンの彼も我々を驚かせてくれるプレーを見せてくれることだろう。
Goal3. ルーシー・ブロンズ @woman
今年のチャンピオンズリーグ決勝では、ルーシー・ブロンズのあるクリップビデオが急速に拡散されたが、それこそ彼女のすべてが詰めこまれたものであった。
サッカーのクラブにおいて最も重要な試合の最中、ブロンズはスローインを待つあいだに指先でボールを回していたのである。
ブロンズにプレッシャーは存在しない。それはネガティブなことではないだろう。イングランド代表のフルバックは大舞台でプレーすることが大好きで、さらにいえば、大舞台で勝利することが好きなのだ。
ブロンズはリヨンでの最後のシーズンに4つのトロフィーを掲げた。チャンピオンズリーグ以外にも、フランス・スーパーカップを皮切りに国内3冠を達成したのである。
守備から攻撃に参加するため長い距離をランニングし、また守備に戻る姿は、フランスの巨人たるリヨンに数年にわたって栄光をもたらしてきたが、ブロンズは新たな挑戦のためにマンチェスター・シティへ移籍。今度はこのクラブをリヨンと同じ高みに導くだろう。
マンチェスター・シティに栄光をもたらし、プレッシャーをものともしない選手がいるとしたら、それは生まれながらの勝利者、ブロンズであろう。
Goal2. ケヴィン・デ・ブライネ @man
ケヴィン・デ・ブライネは、毎年恒例となってしまったマンチェスター・シティのチャンピオンズリーグ準々決勝敗退にひどく肩を落としていた。
「毎年同じ結果になってしまうんだ」。リヨンに3-1で敗れた後、このベルギー人はため息まじりにそう語った。
デ・ブライネがフラストレーションを溜めるのも無理はない。彼は類まれなスキルを持つ攻撃的ミッドフィルダーであり、チャンピオンズリーグの集中開催地となったリスボンで素晴らしいプレーをしていたし、2019-20シーズンを通してみてもシティへの貢献度は計り知れない。
昨季プレミアリーグを制したのはリヴァプールだったが、リーグMVPに輝いたのはデ・ブライネだった。29歳の彼は13ゴールを挙げただけでなく、プレミア記録に並ぶ20アシストを積み上げた。デ・ブライネが調子を維持してくれる限りペップ・グアルディオラ率いるチームは、ヨーロッパの頂点に立つという夢が簡単に潰えることはないだろう。
Goal2. フィフィアネ・ミデマー @woman
最高の選手といえど、時にはうまくいかないこともある。昨シーズンのアーセナルでのフィフィアネ・ミデマーがそうで、ジョー・モンテムロ監督率いるアーセナルはケガ人続出のためリーグ戦は3位、コンチネンタル・カップ準優勝、チャンピオンズリーグ準々決勝敗退という結果だった。
チームとしては苦労したものの、ミデマー自身は輝いていた。24歳のミデマーは背番号10と9に求められる役割の中間にあたるようなユニークなスタイルを確立。FA Women's Super League(WSL)では16得点でランキングトップ、8アシストでリーグ最高となり、チャンピオンズリーグでは10得点でゴールデンブーツを獲得した。
その過程において、珍しい記録も生み出し続けている。12月にたった1試合で6得点4アシストを記録したのだ。
どんな場面でもゴールを挙げることのできる途方もない才能をもつミデマー以上に完璧な選手は、世界中どこにもいないと言っていいだろう。
Goal1. ロベルト・レヴァンドフスキ @man
40歳までプレー続行が可能だと主張するロベルト・レヴァンドフスキだが、誰もその言葉をジョークだとは思っていない。
このポーランド人は現在、32歳にしてそのピークと言えるレベルの活躍を見せているのだ。
昨季47試合出場55ゴールと驚異的な記録を残したこのバイエルン・ミュンヘンのストライカーは、3冠を達成したブンデスリーガ、DFBポカール、チャンピオンズリーグのすべてで得点王に輝いた。
この2020シーズンの数字は、クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシといった名だたるプレーヤーたちの追随さえ許さぬものであり、これによりレヴァンドフスキは初の『Goal 50』受賞の栄冠を手にした。
世界中の多くの人々が苦しい状況に置かれたこの年に、レヴァンドフスキが遅ればせながらフットボール界の頂点に登り詰めたことは、私たちに大きな勇気を与えてくれる。
「夢を持ち続けよう」。彼は自身が初めてチャンピオンズリーグを制した時、そのように語っていた。
「そして何よりも、決して諦めないことだ」
Goal1. ペルニレ・ハルダー @woman
昨シーズン、ペルニレ・ハルダーはすべてにおいて成功した。デンマーク代表のハルダーはヴォルフスブルクでリーグ戦21試合に出場して27得点を記録。チャンピオンズリーグでは7試合で9得点、ドイツカップでも2得点したのである。
シーズン終了までに2つの大会で優勝を果たし、ドイツ国内では4シーズン連続でリーグとカップ戦の二冠を達成したが、チャンピオンズリーグでは準優勝に終わった。
とはいえハルダーはただゴールを挙げただけではない。リーグ戦では8アシストを決め、27歳のハルダーはアシストランキングでも4位タイであった。チャンスメイクとプレーのビルドアップという、チームにとって得点するのと同じくらい重要な役割を果たしたのである。
チャンピオンズリーグ決勝のあと、ハルダーはチェルシーに移籍し、女子サッカー史上最も高額な選手となった。現在の世界最高選手である彼女にはふさわしい称号である。
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