Bellingham Kane Saka England GFXGetty/GOAL

イングランド代表、W杯全選手採点:主役はベリンガム&サカ!ケインは英雄から“敗退の象徴に”

1966年以来のワールドカップ制覇を目指し、カタールへ乗り込んだイングランド代表。順調な仕上がりを見せて王者フランス代表との準々決勝に挑んだが、1点差に泣いて1-2と敗れた。

カタールで見せた彼らのパフォーマンスは評価できる点も多く、このメンバーでビッグトーナメントを勝ち抜けるとの希望も残った一方で、世界最高峰のチームと対峙した時にはメンタリティに疑問も残る。

今回は、カタール・ワールドカップに臨んだイングランド代表メンバーの勝者と敗者を振り返りつつ、全選手を採点する。

文=チャールズ・ワッツ/『GOAL』アーセナル&イングランド番記者

  • Jude-Bellingham(C)Getty Images

    勝者:ジュード・ベリンガム

    なんて素晴らしい大会だったのだろう。

    開幕戦で均衡を破るゴールを奪ってイングランドに勢いを与え、若手らしくない成熟ぶりと推進力は準々決勝に進む原動力となった。我々ファンは、このスターが今後何年間にも渡って中盤の中心に君臨することを信じるべきである。

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  • Harry kane England 2022Getty

    敗者:ハリー・ケイン

    彼の活躍は期待を裏切ったわけではない。キャプテンとして、2ゴール3アシストは立派な活躍だ。前回大会で得点王だったことを考えれば、もっとゴールを狙っていたのかもしれない。だがパフォーマンスが劣っていたわけではないし、決勝トーナメントの2試合は並外れていた。

    とはいえ、彼にとっては不本意であるが、イングランドの2022年ワールドカップは、PK失敗によって永遠に定義されてしまう。彼はそれを抱えて生きていかねばならず、常に思い出されてしまうことでもある。だが彼は、過去に困難な状況に打ち勝つ強靭なメンタリティを示している。今後数週間はそのメンタリティを発揮しなければならないだろう。

  • Bukayo Saka England WC 2022Getty

    勝者:ブカヨ・サカ

    大会前には、ブカヨ・サカの才能を本当に評価しているのはアーセナルファンだけとも感じていた。だが、もうそんなこともないだろう。

    3ゴールを奪い、常に相手ディフェンスにチャレンジする姿勢は数々のチャンスを生み出した。準々決勝でもそれは変わらず、最後の15分で彼がベンチに下がった際にはフランスは安堵しただろう。アーセナルFWにとっては初のワールドカップであり、自分が成し遂げたことを誇りに思いながらクラブへと帰ることができる。

  • James Maddison England World CupGetty Images

    敗者:ジェームズ・マディソン

    大きな注目を集めた招集だった。しかし、カタールで1分もプレーすることができなかった。レスターでの大会前最後の試合で負傷し、グループステージ2試合はメンバーにも入れず。結局、最後まで出番はなかった。

    マディソンがフランス戦の後半で違いを生み出せたかはわからない。だが、彼の招集や出場機会ゼロへの疑問は残り続ける。

  • Harry Maguire England World Cup 2022Getty

    勝者:ハリー・マグワイア

    マンチェスター・ユナイテッドでは出番が限られていたにも関わらず、代表メンバーに入ったことは大きく騒がれた。本人も自分が注目されていること、ミスを犯せば必要以上な批判にさらされることも十分理解していはずだ。

    だからこそ、そのプレッシャーに打ち勝ち、大会を通じて素晴らしい活躍を見せたことは高く評価するべきだ。イングランド3度のクリーンシートに貢献し、セットプレーでも脅威となった。

  • Conor Gallagher England

    敗者:コナー・ギャラガー

    チェルシーMFは、サウスゲート監督がサプライズで選んだ選手だった。指揮官は選出に際し「ビッグトーナメントではある種の特性が必要とされるが、彼はそれができると思う」とコメント。プレッシング技術を評価しての選考だった。

    しかし、結局彼はベンチから見守るだけの選手になってしまった。22歳の彼にとっては良い経験になっただろうが、出場機会なしへの落胆は隠せない。

  • Jordan Pickford England 2022

    全選手採点:GK

    ジョーダン・ピックフォード(8/10)

    イングランド代表のNo.1として今大会も素晴らしかった。重要な場面でのビッグセーブで、5試合で3度のクリーンシート達成。フランス戦のオーレリアン・チュアメニのミドルにはもう少し早く反応したかったが、それ以外にケチを付けられることはないはずだ。

    ニック・ポープ(なし)

    アーロン・ラムズデール(なし)

  • Kyle Walker England 2022Getty Images

    全選手採点:ディフェンダー

    カイル・ウォーカー(7/10)

    大会前の負傷から復帰し、チームを失望させることはなかった。キリアン・エンバペにもうまく対応し、彼の実力と格を証明している。

    キーラン・トリッピアー(7/10)

    負傷していたウォーカーの代役を務めた。先発の座を失ったのはアンラッキー。常に信頼できる。

    ハリー・マグワイア(8/10)

    最高だった。自分のパフォーマンスに大きな誇りを持つべき。

    ジョン・ストーンズ(8/10)

    マグワイアと素晴らしい関係を築き、ビルドアップにおいていかに重要な存在かを改めて示している。

    ルーク・ショー(8/10)

    マグワイア同様にマンチェスター・Uでのプレーに疑問符が付けられていたが、サウスゲートの信頼に足るパフォーマンスだった。

    エリック・ダイアー(6/10)

    何度か交代でピッチに立ったが、目立った活躍はなし。

    トレント・アレクサンダー=アーノルド(なし)

    コナー・コーディ(なし)

    ベン・ホワイト(なし)

  • Declan Rice England 2022Getty Images

    全選手採点:ミッドフィルダー

    デクラン・ライス(7/10)

    おそらく最高のコンディションではなかったが、決して悪いプレーはなかった。

    ジュード・ベリンガム(9/10)

    イングランド代表の主役。素晴らしい才能。彼のパフォーマンスは世界で爆発的な人気を獲得している。

    ジョーダン・ヘンダーソン(7/10)

    大会が進むに連れて存在感を増し、誰も落胆させなかった。セネガル戦では決定的な先制点。

    メイソン・マウント(6/10)

    平均的な出来で、ヘンダーソンに先発の座を奪われている。

    ジャック・グリーリッシュ(6/10)

    イラン戦ではゴールを決めた。だが、インパクトを残すには出場時間が足りなかった。

    カルヴァン・フィリップス(5/10)

    何度か交代で出場。ウェールズ戦でラッシュフォードの2点目をアシスト。

    ジェームズ・マディソン(なし)

    コナー・ギャラガー(なし)

  • Bukayo Saka England 2022Getty Images

    全選手採点:フォワード

    ハリー・ケイン(8/10)

    2ゴール3アシストで前線の選手を牽引したが、フランス戦のPK失敗が大会を決めてしまった。

    ブカヨ・サカ(9/10)

    素晴らしかった。アーセナルと同じように、イングランド代表でも活躍した。3ゴールを挙げただけでなく、エネルギーに満ちあふれていた。フランス戦ではもっと評価されるべき。

    フィル・フォーデン(7/10)

    並外れた才能を見せたが、サイドではやや物足りなかった。彼を中央で自由にプレーさせるべきだ。

    マーカス・ラッシュフォード(8/10)

    素晴らしい大会だった。3ゴールは彼のクオリティを証明している。最高の状態に戻った。

    ラヒーム・スターリング(7/10)

    イラン戦でゴールを決めたが、ピッチ外の問題もつきまとい、一時帰国するなど難しい大会に。

    カラム・ウィルソン(5/10)

    チャンスを得た時には輝き、イラン戦ではアシストも記録。だが、ベンチ入りは2回のみだった。

  • Gareth Southgate World Cup 2022Getty

    全選手採点:監督

    ガレス・サウスゲート(7/10)

    厳しい批判にさらされながら大会を迎えたが、彼は再びイングランド代表を主要大会で高みへ連れていけることを証明した。確かに4年前ほどではなかったかもしれないが、フランス相手に敗退するのは決して恥ではない。

    そして前回大会から進化し、より攻撃的な意思を見せた。フランス戦も臆することなく、互角に渡り合っている。間違いなく選手を味方につけていた。

    だが、ファンを味方につけたかはわからない。大多数のサポーターにはまだ十分な結果とは言えないかもしれない。今回も交代策は疑問視され、特にフランス戦では流れをつかんだ時に相手の息の根を止めに行くこともできたはず。ヘンダーソンの代わりにマディソンら攻撃的な選手の起用も可能だったし、サカを下げてスターリングを投入する決断も、アーセナルFWがチャンスメイクを担っていたことを考えれば少し不可解だ。

    だからこそ、クエスチョンマークが完全に外れたわけではない。とはいえ、パフォーマンスに進歩がなかったと言うことなどできない。失望のまま終わったかもしれないが、彼らは今や世界中のチームに劣らない存在となった。

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