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フォーデン、サンチョ、ゴメス…イングランド代表のU-17ワールドカップ優勝チームの今

2017年10月に行われたU-17W杯で、イングランド代表はスペイン代表を5-2で破り優勝した。

ジェイドン・サンチョやフィル・フォーデンといった選手は、当時のU-17代表チームで目立ったパフォーマンスを見せており、それ以降自身の力でスター選手になった。

フォーデンはすでにマンチェスター・シティでプレミアリーグを4度制覇し、2021年にはチャンピオンズリーグ(CL)決勝を経験した。サンチョはボルシア・ドルトムントでスーパースターになると、マンチェスター・ユナイテッドに移籍しプレミアリーグに復帰。クラブきっての高額選手となっている。

U-17W杯初優勝を遂げ、歴史を刻んだスカッドの選手たちを紹介し、その成長を追った。

  • Billy Crellin, Bolton WanderersGetty Images

    ビリー・クレリン | GK

    ビリー・クレリンはフリートウッド・タウンFCでシニアキャリアを始め、FCユナイテッド・オブ・マンチェスター、チョーリー、ボルトン・ワンダラーズといったリーグ1(イングランド3部相当)やナショナルリーグ(同5部相当)のクラブでプレーしてきた。

    2022年1月にエヴァートンがクレリンをGKの選択肢の一つとして獲得した。だが、トフィーズ(エヴァートンの愛称)ではまだトップチームデビューを果たせていない。

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  • Josef Bursik, Lincoln CityGetty Images

    ジョセフ・ブルシク | GK

    ストーク・シティからチャンピオンシップ(イングランド2部相当)やリーグ1の様々なチームにローンで放出されていたが、ジョセフ・ブルシクはついに保有元に戻り、2020年11月にチャンピオンシップデビューを果たした。

    その後、2021-22シーズンにはストークでGKのファーストチョイスとなったが、怪我に見舞われ成長が阻まれている。

  • Curtis Anderson England U17Getty

    カーティス・アンダーソン | GK

    インドで行われたU-17W杯後、カーティス・アンダーソンはマンチェスター・シティの様々な年齢別チームでプレーを続けた。だが2019年にスカイブルーズ(マンチェスター・シティの愛称)と袂を分かち、アメリカ2部リーグのシャーロット・インディペンデンスに加入。だがこのクラブからも数カ月後に離れることになった。

    それ以降ウィコム・ワンダラーズ、ウォルトン・コーサルズ、イーストボーン・バラと渡り歩き、ランカスター・シティに行き着き現在に至る。

  • Marc-Guehi(C)Getty Images

    マーク・グエーイ | DF

    チェルシーユース組織出身のマーク・グエーイは2019年にブルーズとプロ契約を結んだ。すると同年9月のリーグカップ、グリムズビー・タウン戦で、プレミアリーグの巨人からトップチームデビューを果たした。

    2021-22シーズンを前にグエーイはクリスタル・パレスに5年契約で加入した。クリスタル・パレスにとって3番目の高額移籍であった。その後すぐにクラブの中心選手となると、イングランドフル代表に選ばれるまでに成長した。

  • TJ Eyoma, Lincoln CityGetty Images

    ティモシー・エヨマ | DF

    ティモシー・ジョエル(TJ)・エヨマはトッテナム・ホットスパーのユースから昇格し、2019年1月に行われたFAカップのトレンメア・ローヴァーズ戦でスパーズデビューを果たした。

    2020年1月の移籍ウィンドーで、エヨマはリーグ1のリンカーン・シティに期限付きで移籍したが、COVID-19のパンデミックが影響し、中断となった。

    翌シーズン再び同クラブにローンで所属すると、2021年にはリンカーンに完全移籍することとなった。

  • Jonathan-Panzo(C)Getty Images

    ジョナサン・パンゾ | DF

    ジョナサン・パンゾはチェルシーユースの出身だが、2018-19シーズンにモナコに移籍した。最初はリザーブチームで定位置争いをしていたが、クープ・ドゥ・ラ・リーグのロリアン戦でトップチームデビューを果たした。

    2019年には、1シーズンに渡ってベルギーリーグのサークル・ブルッヘにローンで移籍すると、次にフランス2部リーグのディジョンに完全移籍を果たした。その後2022年にはノッティンガム・フォレストに移籍しイングランドに復帰した。

  • Steven Sessegnon England U17FIFA.com/Getty

    スティーヴン・セセニョン | DF

    2017年にフラムのユース組織を卒業したスティーヴン・セセニョンは同クラブとプロ契約を締結。17歳の若さにしてプロデビューを果たした。

    だが、それ以降はトップチームで定位置をつかめずに苦悩した。その後チャンピオンシップのブリストル・シティやプリマス・アーガイルにローンで加わっている。

  • Joel Latibeaudiere England U17FIFA.com/Getty

    ジョエル・ラティボーディエル | DF

    マンチェスター・シティユース出身のジョエル・ラティボーディエルは、U-17W杯で副キャプテンを務めていた。

    2018-19シーズンをシティのユースチームでプレーすると、2019年にオランダ1部リーグのトウェンテに1シーズンの期限付きで移籍した。

    その後3年契約でスウォンジー・シティに加入しイングランドに戻ると、代表活動を行う国を変え、ジャマイカのフル代表に選ばれた。

  • Lewis Gibson, ReadingGetty Images

    ルイス・ギブソン | DF

    ニューカッスル・ユナイテッドとエヴァートンのアカデミーに所属したルイス・ギブソンは、2019年に最初のプロ契約をトフィーズと結んだ。

    だが、このクラブのトップチームで定位置を確保するのが難しいと判断し、期限付き移籍を繰り返している。リーグ1のフリートウッド・タウン、チャンピオンシップのレディングでプレーし、現在はシェフィールド・ウェンズデーに在籍している。

  • George McEachran ChelseaGetty Images

    ジョージ・マクイクラン | MF

    チェルシーユース出身のジョージ・マクイクランは、ブルーズの各年代でプレーしてきた。トップチームでは2019年ヨーロッパリーグにおいて、唯一起用されなかったサブメンバーとなってしまったものの、アーセナルを4-1で破った決勝戦に名を連ねた優勝メンバーとなった。

    このMFはローンでオランダ2部のカンブールやMVVでプレーしたが、あまり大きなインパクトを残すことはできていない。

  • Angel-Gomes(C)Getty Images

    アンヘル・ゴメス | MF

    アンヘル・ゴメスは2016-17シーズン最終盤に脚光を浴びた。クリスタル・パレス戦で88分にクラブのレジェンド、ウェイン・ルーニーと交代で出場し、マンチェスター・ユナイテッド最年少デビュー(16歳263日)を遂げ、ダンカン・エドワーズによる1953年の記録を破ったのだ。

    才能に恵まれたアタッキングMFは、2020-21シーズンにユナイテッドを離れリーグ・アンのリールに移籍すると、ローンでボアヴィスタに加入した。

    ポルトガルで優れた成績を残すとリールに戻り、キャリア最初期に受けた評価をさらに高めている。

  • Conor-Gallagher(C)Getty Images

    コナー・ギャラガー | MF

    チェルシーの下部組織に所属していたコナー・ギャラガーは、年間最優秀アカデミー選手に選ばれると、2019年8月にスタンフォード・ブリッジで3年契約を結んだ。

    それ以降ローンでチャンピオンシップのチャールトン・アスレティックに加入すると、シーズン途中でスウォンジー・シティに移籍した。

    このMFはそれ以降ローンでウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンやクリスタル・パレスに移籍するとめきめき実力を上げた。すでにイングランドのフル代表でキャップを記録している。

  • Emile-Smith-Rowe(C)Getty Images

    エミール・スミス・ロウ | MF

    スミス・ロウはアーセナルの各年代ユースチームでプレーしてきたが、2018-19シーズンにブンデスリーガのRBライプツィヒにローンで移籍した。だが、怪我により6カ月の期間で28分しかプレーすることができなかった。

    2019-20シーズンは保有元のアーセナルに戻ると、リーグ戦2試合に出場を果たした。その後チャンピオンシップのハダースフィールド・タウンにローンで移籍した。

    2020-21シーズンは大きな成長を果たしたシーズンになった。ガナーズでリーグ戦20試合に出場し、成長途上のスター選手として高い評価を集めた。さらに翌シーズンは10番のユニフォームを託された。

  • Tashan Oakley-Boothe TottenhamGetty

    タシャン・オークリー=ブース | MF

    オークリー=ブースはU-17W杯で6試合に出場し、優勝チームの中心的存在であった。

    だが、クラブではそれほどのパフォーマンスを見せることができていない。トッテナムのトップチームに割って入ることは難しく、最終的に少年時代に所属したストーク・シティに戻ることを選択した。

    ストークではよいスタートを切ることができたが、背中の怪我に見舞われて、成長が妨げられた。このMFは再び定位置をなかなか掴めずにいる。

  • Phil-Foden(C)Getty Images

    フィル・フォーデン | MF

    マンチェスター・シティの若き才能は、スペインとのU-17W杯決勝戦では2得点を挙げ、大会最優秀選手に輝いた。だがそれ以降も高い期待を上回る結果を残してきた。

    U-17W杯の後フォーデンはクラブに戻ると、2017-18シーズンのリーグ戦5試合に出場し、自身初のリーグ優勝メダルを獲得するのに十分な成果を残した。

    翌シーズンはペップ・グアルディオラ監督の下スターティングメンバーとして定位置を掴み、ゆっくりではあるが確実にシチズンズの中心選手に成長してきた。

    フォーデンはすでにプレミアリーグのトロフィーを4度掲げている。当分シティでトロフィーを増やし続ける未来が見える。

  • Nya Kirby, Crystal PalaceGetty Images

    ニャ・カービー | MF

    このMFはU-17W杯で6試合に出場したが、先発出場は1試合にとどまっていた。

    トッテナム・ホットスパーとクリスタル・パレスのユースに所属していたカービーは、2019年1月にブラックプールに移籍した。これはクリスタルパレスのトップチームで常に活動できるようにするための準備であった。

    保有元に戻ると、カービーはリーグカップのAFCボーンマス戦でクリスタル・パレスデビューを飾ったが、出場機会をなかなか得られず、最終的にリーグ2(4部相当)のトレンメア・ローヴァーズにローンで移籍することになった。

  • Morgan Gibbs-White Wolves vs Brighton Premier League 2020-21Getty Images

    モーガン・ギブス=ホワイト | FW

    このウィンガーはU-17W杯決勝でリードを奪う2得点目を挙げ、ゴール前での高い能力の一端を世界に見せつけた。

    ウルヴァーハンプトン下部組織出身のギブス=ホワイトは、2018-19シーズンにプレミアリーグデビューを飾り、欧州でも最も有力なタレントとして広く認識された。

    だが、その後は苦しい時期が続いた。結局チャンピオンシップのスウォンジー・シティにローンで移籍することになり、移籍先で調子を取り戻した。

  • Callum Hudson-Odoi Chelsea 2020-21Getty

    カラム・ハドソン=オドイ | FW

    U-17W杯優勝メンバーの中で、当時すでにトップチーム出場経験のあった数少ない選手だ。カラム・ハドソン=オドイは、トッテナム・ホットスパー戦でプレミアリーグデビューを飾っていた。

    ハドソン=オドイが急成長を果たしたことでバイエルン・ミュンヘンが興味を持ち、キャリア序盤にして巨額移籍の可能性もあった。だが、提示された移籍金で彼を手放すことをチェルシーが拒否し、移籍は成立しなかった。

    だが、このウィンガーはまだ最後の一歩を踏み出せない感がある。早くから期待されていたほどの成果は残せておらず、しばしば交代でベンチに戻っている。

  • Jadon-Sancho(C)Getty Images

    ジェイドン・サンチョ | FW

    ジェイドン・サンチョは間違いなくこの大会で皆の興味を引きつけた選手の一人だった。だがラウンド16までしかプレーを許可されず、ボルシア・ドルトムントに呼び戻されてしまった。

    このトリッキーなウィンガーはマンチェスター・シティからBVBに加入すると、ブンデスリーガで大旋風を巻き起こした。その後2021年にマンチェスター・ユナイテッドが大金を支払い、プレミアリーグ復帰することになった。

    オールド・トラッフォードへの移籍後は計画ほど上手くいっていないが、それでもこの世代で最もエキサイティングな選手の一人であることは間違いない。

  • Rhian Brewster Sheffield United 2020-21Getty

    リアン・ブリュースター | FW

    ブリュースターはU-17W杯で6試合8得点を記録し、得点王に輝いた。決勝戦でも1得点を挙げている。

    そのため、リヴァプールの期待度が高かったこともあまり驚きではなく、ロベルト・フィルミーノと9番の役割を争う存在になるのではとクラブは期待していた。

    だが、このストライカーにとって、事態はそう簡単にはいかなかった。怪我の影響で成長がにぶり、スウォンジーにローンで放出されることになってしまった。その後シェフィールド・ユナイテッドに完全移籍で加入した。

    だが、チャンピオンシップでも自身の得点能力を取り戻すことができていない。

  • Danny Loader Reading 2018-19Getty Images

    ダニー・ローダー | FW

    このFWはU-17W杯で、グループステージのイラク戦と、ラウンド16のアメリカ戦の2試合に出場した。

    レディングのユース組織を卒業し、リーグ2に所属する同クラブのU-23チームで2017年から2020年までプレーしていた。

    2020年、ローダーはポルトに加入し、ポルトガル2部に所属するリザーブチームで主にプレーしている。2021年10月にはトップチームデビューを果たしたが、まだ初得点は奪えていない。