Fernandez Mudryk Chelsea GFX.jpgGetty/GOAL

チェルシー補強全選手採点:最高点はエンソ・フェルナンデス!ワーストはムドリクに加え…

チェルシーは今季移籍市場のおける様々な記録を塗り替え、1年間で17人の選手獲得に総額6億ポンド(約987億円)近くを投資した。そのうち9人は昨年9月のトーマス・トゥヘル解任前、新オーナーは残り8人を記録的となった1月に次々と獲得し、グレアム・ポッターに新戦力をもたらしている。

マロ・ギュストとブラジルの神童アンドレイ・サントスはそのままリヨン、ヴァスコ・ダ・ガマにレンタルで残っているが、他の選手たちは全員がトップチーム、もしくはアンダーカテゴリーでデビュー済み。しかし、大きなインパクトを与えた選手はほとんどいない。新チームをうまくまとめられなかったことが原因で、4月にポッターは去っていった。

そんなチェルシーの新加入選手たちの活躍をランキングで振り返る。

文=ジェームズ・ウェストウッド

  • Enzo Fernandez Chelsea 2022-23Getty

    1エンソ・フェルナンデス(1億700万ポンド:ベンフィカ)

    英国サッカー史上最高額の選手として1月の移籍市場最終日に到着すると、そのままエンジンルームの中心に。中盤底を主戦場とする選手に対するこの金額は重圧にもなり得たが、卓越したパスセンスやボールキープ力に粘り強さなど、際立った活躍で最高のプレーを継続している。

    この22歳のプレーはエレガントで、長期的にはあれだけの投資をする価値があったことを証明するだろう。少なくとも、プレミアリーグには理想的なフィットを見せている。

    評価:★★★★

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  • Wesley Fofana Chelsea 2022-23Getty

    2ウェズレイ・フォファナ(7200万ポンド:レスター)

    膝の重傷でシーズン前半戦の大部分を欠場し、出場数は多くない。しかし3月の復帰以降、印象的なプレーを見せてきた。第8節延期分のリヴァプール戦(0-0)は特に素晴らしいパフォーマンスを見せている。

    フランク・ランパード暫定指揮官にとって、チェルシーの上位進出とチャンピオンズリーグでの戦いにおいて、最も頼りにする選手の1人となるだろう。

    評価:★★★

  • 20230306 Joao FelixGetty Images

    3ジョアン・フェリックス(レンタル:アトレティコ・マドリー)

    フェルナンデスと並び1月の加入選手で最も輝いているのは、フェリックスであることは間違いない。

    デビュー戦では活躍しながら一発退場でピッチを去ったが、処分明けからはその失敗から学んでブルーズの攻撃を牽引。まだ2度しかネットを揺らしてはいないが、クオリティは否定しようがない。優れたパス能力にドリブルで、ファイナルサード攻略の大きな力に。チェルシーはこの夏、完全移籍で買い取るために全力を尽くさなければならないだろう。

    評価:★★★

  • Badiashile ChelseaGetty

    4ブノワ・バディアシル(3500万ポンド:モナコ)

    地味ではあるが堅実なスタートを切り、力強くて素早く、相手の飛び出しにも優れた直感を持っている。だが、ポッターの下では完全なレギュラー定着までには至らなかった。

    しかしランパードの復帰は、将来的にトップクラスのDFになるポテンシャルを秘めた彼の状況を変えるものになるかもしれない。

    評価:★★★

  • Cesare-Casadei-ReadingGetty

    5チェーザレ・カサデイ(1200万ポンド:インテル)

    夏にインテルから加入してU-21に所属すると、プレミアリーグ2最初の9試合で4ゴール1アシスト。そして期待を込めて冬にレディングへレンタルすると、3月にはチャンピオンシップの月間最優秀選手賞にも輝いた。3月にも、クラブの月間最優秀選手賞を獲得している。

    この20歳はこの調子を続けていけば、来季チェルシートップチームに定着する可能性は十分にあるだろう。

    評価:★★★

  • Kalidou Koulibaly Champions Dortmund Chelsea 2023Getty Images

    6カリドゥ・クリバリ(3400万ポンド:ナポリ)

    何年間も噂が立ちながら、昨夏に4年契約でプレミアリーグに到着したクリバリ。しかし、豊富な経験をもたらしたが、昨季限りで去っていったアントニオ・リュディガーの穴を埋めることはできなかった。

    チェルシー守備陣の中でゆっくりと物憂つげな表情を見せており、基本的なミスも多く、重要な試合でチームにダメージを与えてしまっている。

    評価:★★

  • Raheem Sterling 2022-23Getty

    7ラヒーム・スターリング(5000万ポンド:マンチェスター・シティ)

    獲得当初は決定的な移籍になるとも見られていた。マンチェスター・Cで4度のリーグ制覇を成し遂げ、最後のシーズンには公式戦で17ゴールを奪って見せていたからだ。だがジョゼップ・グアルディオラは、スターリングが最高の状態であると判断していたら、直接のライバルに放出することはなかっただろう。

    チェルシーはゆっくりとだが、シティのレベルまで到達しようと進んでいる。しかしこの28歳は、国中のディフェンダーに脅威を与えていた頃の面影を失っている。すでに退団も噂されており、夏に再び周辺が騒がしくなりそうだ。

    評価:★★

  • Noni Madueke Chelsea 2022-23Getty Images

    8ノニ・マドゥエケ(2900万ポンド:PSV)

    1月に7年半+1年契約を結び、イングランドの若き才能は期待を集めた。この21歳もまた長期的なビジョンの一環で加入したが、最初の数カ月に完全に満足はしていないだろう。出番は少なく、チャンピオンズリーグの登録からも外れている。

    しかし、代表ウィーク中にU-21イングランド代表に招集されると、4-0と快勝したフランス戦で1ゴール2アシストをマーク。その才能を再認識させる活躍を披露している。

    評価:★★

  • Marc Cucurella Chelsea 2022-23 Getty Images

    9マルク・ククレジャ(5800万ポンド:ブライトン)

    ブライトンで昨季飛躍しチェルシーに加入したが、恩師ポッターと再会したにも関わらず、ビッグクラブでの苦戦を味わうことに。特に4月1日のアストン・ヴィラ戦(第29節:0-2)は、チェルシーでの最悪のゲームになってしまった。

    そしてポッターが去っていった今、先発の座を守る価値がある選手と証明するために、パフォーマンスの大幅な向上は必要不可欠だ。

    評価:★★

  • Denis Zakaria Chelsea 2022-23Getty

    10デニス・ザカリア(レンタル:ユヴェントス)

    チェルシーでの初出場は11月まで待たなければならず、中盤の激しいポジション争いの中で苦戦し続けている。さらにケガにも頭を悩ませることになった。

    チェルシーはユヴェントスと2600万ポンドで買い取るオプションを結んでいるが、これを行使しない可能性が高いとされている。

    評価:★★

  • Carney Chukwuemeka, ChelseaBackpage

    11カーニー・チュクエメカ(1600万ポンド:アストン・ヴィラ)

    2022年夏のウインドーで最も驚くべきの1つ。6年間在籍したアストン・ヴィラとの関係を断ち切る驚きの決断だった。ベーリー会長は「ヨーロッパで最もエキサイティングな若手の1人」と評価していたが、未だチェルシーでの役割はかなり制限されている。

    この19歳は出場した際にはイキイキとした表情を見せ、まだポテンシャルを最大限引き出すまでに十分な時間もある。だが出場機会は乏しく、今後数カ月は忍耐を試されるだろう。

    評価:★★

  • Chelsea forward David Datro Fofana.Getty.

    12ダヴィド・ダトロ・フォファナ(1100万ポンド:モルデ)

    モルデでの最終年で24試合15ゴールを挙げる素晴らしい活躍を見せたことが、チェルシーの目に留まった形だった。

    しかし、この20歳はまだトップチームで輝く機会を与えられていない。とはいえ将来性を見込んでの契約であり、辛抱強く見守ることが重要だ。

    評価:★★

  • Slonina Chelsea 2023Getty

    13ガブリエル・スロニナ(800万ポンド:シカゴ・ファイアー)

    MLSの2022年シーズンをシカゴ・ファイアーで過ごした後、1月から合流したアメリカ代表GK。この18歳は未だトップチームデビューを待つ状況だが、U-21ではすでに数試合に出場。トップチームの守護神争いに加わることを期待させている。

    評価:★★

  • Mykhailo Mudryk Chelsea 2022-23Getty

    14ミハイロ・ムドリク(8900万ポンド:シャフタール・ドネツク)

    フェルナンデスとは対照的に、最初の3カ月で大きな失望を味わうことに。アーセナルとの争奪戦を制して獲得したにも関わらず、頼もしいデビュー戦以降はまるで“水を失った魚”のようである。

    チェルシーでのチャンスは多いが、ゴールも奪えず、さらにプレミアリーグに適応できるようなフィジカルコンディションが整っていないように見える。彼の不調は、ピッチ内外で多くの変化が予想される夏を前に、クラブ関係者にとってすでに悩みのタネになっているだろう。

    評価:★

  • 20230206_Aubameyang(C)Getty images

    15ピエール=エメリク・オーバメヤン(1100万ポンド:バルセロナ)

    今季はキャリア最悪のシーズンだ。マルコス・アロンソと入れ替わる形で、ドルトムント時代の恩師がいるチェルシーへやってきた。だが数日後にトゥヘルは解任され、ポッターの下ではアピールに失敗。チャンピオンズリーグ決勝トーナメントメンバーから外されている。

    現在は夏の退団を希望していると見られており、古巣バルセロナのレアル・マドリーとのクラシコを観戦するためにスペインへ行っていたこともチェルシー関係者の怒りを買ったようだ。そのため、バルセロナへの復帰説も囁かれている。

    評価:★