2025-26シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は、リーグフェーズの全日程が終了。組み合わせ抽選会も終わり、いよいよ2月17日(日本時間18日未明)からはノックアウトフェーズ進出プレーオフがスタートする。そんな欧州最高峰のクラブトーナメントには、夏に行われる4年に一度のサッカーの祭典でも躍動するであろうスター選手が多数出場している。
今回は、イタリア在住ジャーナリストの片野道郎氏に「CL&W杯でも大注目のスター10選手」を選んでもらった。
文=片野道郎(イタリア在住ジャーナリスト)
(C)Shoko Kitayama
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今すぐチェック2025-26シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は、リーグフェーズの全日程が終了。組み合わせ抽選会も終わり、いよいよ2月17日(日本時間18日未明)からはノックアウトフェーズ進出プレーオフがスタートする。そんな欧州最高峰のクラブトーナメントには、夏に行われる4年に一度のサッカーの祭典でも躍動するであろうスター選手が多数出場している。
今回は、イタリア在住ジャーナリストの片野道郎氏に「CL&W杯でも大注目のスター10選手」を選んでもらった。
文=片野道郎(イタリア在住ジャーナリスト)
(C)Getty imagesまだ18歳ながら、バルセロナとスペイン代表のいずれにおいても攻撃の鍵を握る特別な存在だ。右サイドを起点に、華麗な1対1突破から、ペナルティエリアを俯瞰で見ているかのようなアイディア溢れるラストパス、狭いスポットをピンポイントで射抜くシュートまで、ラスト30mの全局面で絶対的な違いを作り出す。
オープンスペースの突破はもちろん、守備を固めた相手のブロックを独創性あふれる仕掛けでこじ開ける打開力は、ストリートサッカー育ちならでは。今シーズンはゴール/アシストによる得点関与が1試合平均「1」を上回り、勝利への貢献度はますます高まっている。独力での局面打開だけでなく、周囲との呼吸の合った連係も見どころだ。
(C)Getty images今シーズンのレアル・マドリーでは、シャビ・アロンソ前監督との確執などもあり、本来の半分の力も発揮できていないが、恩師カルロ・アンチェロッティ率いるブラジル代表では、左ウイングとしてだけでなくセンターフォワードとしても起用され、攻撃の絶対的な中核を担う存在だ。爆発的なスピードと変幻自在の「ジンガ」による左サイドからのドリブル突破という最大の武器に加え、エリア内の密集内でも繊細なテクニックとタイミングの感覚を駆使したシュートやアシストで決定機に絡んでいく。
守備貢献度の低さを課題として指摘され続けているが、アンチェロッティもレアル・マドリー新監督アルバロ・アルベロアも、無理な要求をするよりもそのぶん攻撃で決定的な貢献を果たせるような戦術的環境を整える形での解決策を模索している。ベンフィカとのプレーオフから再開するCL、そしてその先にあるW杯で主役を演じるお膳立ては整いつつある。
Getty Imagesザルツブルクに所属していた19歳の時に衝撃のCLデビューを果たし、ドルトムント、マンチェスター・シティとステップアップしながら常にゴールを量産し続けてきた“モンスター”が、ついにW杯の舞台に姿を現す。予選8試合で16得点を叩き出し、同グループのイタリアをプレーオフに蹴落として32年ぶりの出場権獲得。フランス、セネガルと同居したグループステージから旋風を巻き起こすことが期待されている。
今シーズンはマンチェスター・シティでもCLとプレミアリーグ全試合に出場し、当たり前のようにゴールを積み重ねている。195cmの長身に爆発的なスプリント、的確なポジショニングとライン取り、強烈かつ正確な左足のシュート、そしてなによりゴールに対する比類なきどん欲さを備え、常に最終ラインの背後を狙いながら、一瞬の動きでDFの先手を取って消え、最小限のタッチでゴールネットを揺らす。フィニッシュに特化した純粋なCF、「9番」としては、文句なしで世界最高峰だ。オーバーワークでの故障だけが気掛かりだが、勢いに乗ってシーズンを乗り切り、W杯の舞台でも主役を演じることを期待したい。
(C)Getty imagesテクニック、戦術眼、ダイナミズム、リーダーシップのすべてを備えた万能のセントラルMF。リーグフェーズを全勝で1位通過し、プレミアリーグでも首位を走るアーセナルはもちろん、イングランド代表でも中盤の大黒柱として攻守両局面に多大な貢献を果たしている。
アーセナルでは、ビルドアップの配球役をマルティン・スビメンディに任せ、積極的に2ライン間に進出してファイナルサード攻略に関与していくことが多く、セットプレーも含めて得点に絡む機会も少なくない「ダイナミックで攻撃的な8番」として圧倒的な存在感を放つ。一方、トゥへル監督のイングランド代表では、「6番」(守備的MF)の性格が強いエリオット・アンダーソンとのダブルボランチで、より古典的なボックス・トゥ・ボックス型「8番」の役割を担っている。クラブでも代表でも、困難な状況でも進んでボールに関与し、声で周囲を動かし激励するリーダーシップで、周囲から絶対的な信頼を集めている。CL全体を見渡しても、攻守両局面への貢献度、ゲームの中での存在感の大きさ、パフォーマンスの安定度において、3本の指に入るセントラルMF。W杯でもそれは変わらないはずだ。
(C)Getty images同じ2003年生まれのフロリアン・ヴィルツ(リヴァプール)とともに、ユリアン・ナーゲルスマン率いるドイツ代表の現在と未来を担う攻撃的MF。昨年4月に筋肉系の故障で2カ月離脱し、そこから復帰したクラブW杯の準々決勝でジャンルイジ・ドンナルンマと交錯して腓骨を骨折。さらに半年間の離脱と困難な時期が続いたが、1月半ばにようやく本格的に戦列復帰を果たした。
敵の2ライン間を主戦場に、的確なボディアングルと繊細なファーストタッチによって一瞬で前を向き、細かいタッチのドリブルと周囲の動きを見極めた頭脳的かつ合理的なプレー選択で局面を打開するその傑出したタレントは、すでに誰もが認めるところ。相手を押し込んだ後でも、密集したブロックの内部に自分だけが使える時間とスペースを見出し、一瞬で決定機を作り出す。
長い故障離脱の直後だけに、ここからは無理をせず少しずつコンディションを上げ、本来のパフォーマンスを取り戻すことが最優先課題。W杯カップで主役を演じるための復活プロセスを、温かい目で見守りたい。
(C)Getty images170cmとストライカーとしては異例に小柄ながら、中盤から前線にかけてのファイナルサード全域でボールに絡んで有機的なつながりを作り出し、ゴール前では天性の嗅覚と高いテクニックを活かして際立った決定力を発揮する、テクニカルで戦術的な多機能型FW。独力でも打開できるクオリティを持ちながら、常に周囲との関係性の中でプレーを選択するインテリジェンスがあるため、味方を巻き込んで連携を生み出す触媒として機能する希有な存在だ。
アレックス・バエナ、チアゴ・アルマダ、ジュリアーノ・シメオネ、アデモラ・ルックマンと小柄でクイックなテクニシャンが揃うアトレティコでは、攻撃に流動性を作り出し決定機を演出しつつ、フィニッシュにも絡む核として、アルゼンチン代表ではリオネル・メッシやラウタロ・マルティネスと共存しながらその持ち味を引き出すファシリテーターとして、欠かせない存在だ。主役ではなく脇役としてこれほど信頼できるストライカーは他に見当たらない。クルブ・ブルッヘとのCLプレーオフから活躍が注目される。
(C)Getty images際立ったクオリティを備えたタレントが次から次と生まれてくるフランス代表アタッカー陣の中でも、ここに来てマイケル・オリーセ、デジレ・ドゥエ、さらにはウスマン・デンベレを抑えて、キリアン・エンバペに次ぐ2番手まで序列を上げてきたように見えるのがPSGのバルコラ。左サイドで孤立して足元にパスを受けたところから敵サイドバックに仕掛ける1対1突破が最大の武器で、スピードに乗っての突破よりも、静止状態からの駆け引きで相手を揺さぶり、バランスを崩した一瞬を狙って抜き去るドリブルが特徴だ。
単に相手を抜き去って局地的な数的優位を作り出すだけでなく、一列内側にいる味方を巻き込んだ2対2のコンビネーションでポケット(ゴールエリア脇のスペース)を攻略し、中央にカットバッククロスを折り返す状況を再現性を持って作り出せるところが、エゴイスティックなドリブラーと一線を画す強味。PSGのルイス・エンリケ監督、フランス代表のディディエ・デシャン監督が彼を評価し重宝する理由もそこにある。
(C)Getty images北中米大会ではグループFの初戦で日本代表と対戦することから、一気に注目を集めているオランダ代表。その左ウイングとして、攻撃の中核を担っているのがリヴァプールのガクポだ。193cmの長身にしなやかな身のこなし、スピード、テクニックを併せ持った現代的なアタッカーである。
ヴィニシウスやバルコラのような純粋なドリブラーとは異なり、サイドからスピードに乗ったドリブルでオープンスペースを持ち上がったり、ゴールに向かって仕掛けるだけでなく、2ライン間に入り込んでパスを引き出し、そこからシュートやアシストを狙ったり、敵SB背後へのダイアゴナルランで裏にスルーパスを引き出したりと、多彩な形でファイナルサード攻略に絡んで行く幅の広さが特徴。リヴァプールではピッチの左半分がプレーエリアだが、前線中央に「偽9番」タイプのメンフィス・デパイを置いて攻撃の流動性を高めたオランダ代表では、中央に入り込んでCF的に振る舞う場面も珍しくない。代表チームでは、リヴァプール以上に中心的な存在だ。
(C)Getty images20歳にしてユヴェントスの10番を背負い、「デル・ピエーロの真の後継者」と目されるテクニカルなアタッカー。バイエルンのアカデミーで育ったドイツ生まれのトルコ人で、185cmという恵まれた体躯を低く折り曲げて仕掛けるドリブル突破、2ライン間で前を向いたところからの思い切りのいいシュートが持ち味。強引に局面をこじ開ける突破の切れ味、やや右足に偏重したボール扱い、周囲との連携よりも独力での打開を好むプレースタイルを活かす狙いから、主に左ウイングとして起用されてきたが、よりゴールに近いトップ下で起用すればさらに多くの決定機に絡んで行けるポテンシャルも備えている。
トルコ代表では、同じ2005年生まれながら戦術的により成熟しており中盤からゲームも作れるアルダ・ギュレル(レアル・マドリー)がトップ下の地位を確立しており、ユルディズは左サイドを起点にゴールに向かって仕掛けるチャンスメーカー+フィニッシャーの役割を担う。ルーマニア、そしてスロヴァキア対コソボの勝者との戦いにW杯出場を懸ける3月の欧州予選プレーオフでの活躍に注目だ。
(C)Getty images2大会連続で出場を逃し、今大会も予選でノルウェーの後塵を拝してプレーオフに回った伝統国イタリア。その主将としてチームを牽引するのが、今シーズンPSGからマンチェスター・シティに移籍した世界屈指のGKドンナルンマだ。196cm、90kgという恵まれた体躯に爆発的な瞬発力、的確な読みとポジショニング、卓越したセービング技術を兼ね備え、シュートストップの能力に関しては、ティボークルトワを抑えて現時点でおそらく世界No.1だろう。1対1の局面では、アタッカーに対して能動的に駆け引きを仕掛けたり、一気に間合いを詰めて身体で壁を作ることをせず、正しいポジションと柔軟な姿勢を保って最後まで相手の動きを見極め、鋭い反応でシュートを弾く。ハイボールへの飛び出しも安定感抜群だ。
現代のGKとしては足元の技術が凡庸で「11人目のフィールドプレーヤー」としては明らかに物足りなさが残る。にもかかわらず、後方からのビルドアップとボール保持によるゲーム支配をあれほど重視するジョゼップ・グアルディオラ監督が、シティのGKにドンナルンマを選んだ事実が、総合的なゴールキーピング能力の高さにおいて比類なき存在であることを物語っている。